当事業年度におけるわが国の経済は、米国の保護主義的な通商政策による貿易摩擦等により、不安定な海外情勢が続いているものの、企業収益や雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調が継続しております。当社が属する情報サービス産業におきましては、金融機関を中心としたフィンテックやAI(Artificial Intelligence)へのニーズは活発化し、堅調なIT投資が継続しております。一方で投資やサービスの効果に対する顧客要求の高まり、保守・運用コスト削減ニーズに加えて、開発技術者不足が続いていることなど、価格競争の激化及び製造原価の上昇への対応が課題となっております。
このような環境のなか、当社においては、生命保険会社向けの①ライフプランシステム、②エステートプランシステム、③設計書システム、④申込書システム、⑤生命保険契約ペーパーレスシステム等の販売強化に加えて、生保販売業務の省略化、効率化を実現するフロントエンドシステム及びRPA(Robotic Process Automation)の開発、販売を進めました。また事業承継税制の施行を背景に、統合資産管理システム、アセットアロケーションシステム等のプラットフォームの構築・販売及び当システムを活用した富裕層向けの資産管理コンサルティング契約の獲得も継続いたしました。さらに、AIの一つである遺伝的アルゴリズムという手法を用いて、相続財産に対し、特定の資産を特定の相続人へと分割しながら、承継した金融資産で相続税を納税し、各相続人へ目標とする分割割合に近似する財産分割案を瞬時に作成するシステムや、従来のバンキングアプリケーション、アカウントアグリゲーション及びライフプランニングの各機能を統合した資産形成アドバイスシステムを提供いたしました。これらにより営業利益は、当初の業績予想を上回ることができました。
一方で、業容拡大に伴う開発生産体制の一層の強化のために、平成30年9月18日付で実施いたしました公募増資、並びに東京証券取引所第二部市場変更の関連費用が発生いたしました。また中途・新卒者の採用を積極的に行い、新技術の習得やフィンテック関連の研究開発、東京及び大阪事業所の拡張をはじめとする開発生産体制強化のための設備投資を行いました。そのため新たに発生した資産除去債務に伴う繰延税金負債を認識することとなり、税効果考慮後の法人税等調整額が増加いたしました。
2018/12/25 16:26