有価証券報告書-第68期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

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2021/05/27 15:08
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、個人消費及び企業による設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、回復は鈍く極めて厳しい状況となりました。先行きについても、いっそう不透明な状況となっております。
当社グループが属する広告業界におきましても、2020年の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)と大きく減少しました(電通「日本の広告費」2021年2月発表)。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4~6月を中心に大幅に減少しました。7月以降は徐々に回復の兆しを見せたものの、通年では、東日本大震災のあった2011年以来9年ぶりのマイナス成長となりました。その減少幅は、リーマン・ショックの影響を受けた2009年に次ぐ下げ幅となっております。
このような中、当社グループではリモート勤務等の感染拡大防止に努めながら、積極的な事業活動を行ってまいりました。放送・通信業界、住まい・暮らし業界、医療・健康業界を戦略マーケットとし、強固な顧客基盤をベースとした専門性の高い広告戦略やマーケティングメソッド、ソリューションの開発・提供を行ってまいりました。
全国のCATV局向けには、加入者に対してケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」の編集・制作を中心としたプロモーション施策を展開し、底堅い事業運営を進めました。大手住宅メーカー向けには、新型コロナウイルスの影響を受け顧客とのコミュニケーションのオンライン化を進めるクライアントニーズを捉え、各種の営業活動支援施策や映像制作、カタログ制作等の提供を行いました。また、大手外食チェーン向けには、広告・マーケティング戦略の立案から実行までをワンストップで支援し、引き続き主力顧客の維持・強化を図りました。
この他、放送・通信業界事業で長年にわたって培ってきた全国のCATV各局との関係性を基盤として、9月に栃木県のケーブルテレビ株式会社と、そして10月に神奈川県の湘南ケーブルネットワーク株式会社とそれぞれ共同出資による合弁会社を設立し、電力小売事業への進出を発表しました。
当社は、各地域に密着してインフラ事業を営んでいるCATV各局と提携するというユニークなビジネスモデルで、広告会社の枠を超えた共同事業パートナーとしての活動を展開し、既存事業および新規事業の両面から、持続可能な事業拡大を推進してまいります。
また、不動産売却による特別利益を計上した一方で、連結子会社である株式会社日産社の将来収益の再評価により、買収時に発生したのれん等の減損損失を特別損失に計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高4,829,398千円(前年同期比5.0%減)、営業利益292,881千円(同0.6%増)、経常利益323,499千円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益192,726千円(同2.5%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
広告宣伝事業
当事業においては、全国のCATV局の加入者に対してケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」の編集・制作を行う他、自社メディアとしてホームセンターやドラッグストア向けのフリーペーパーの発行や、様々なクライアント企業に対し広告戦略のプランニング、各種販促サービス、デジタルマーケティング等のソリューションを提供しております。
当連結会計年度では、全国のCATV局に向けたケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」が引き続き堅調に推移した他、強固な顧客基盤を軸に、住まい・暮らし業界においては、コロナ禍にあって住宅販売の営業手法が大きく変化していく中で、クライアントのニーズに応え、デジタル化・オンライン化や動画制作などを含む様々な営業活動支援施策の受注を重ねることができました。
その他業界においてもクライアントのオンラインイベントを全面的に支援するなど、コロナ禍における顧客課題の解決を幅広いソリューションで行いました。
業界別の売上高は、放送・通信業界が2,345,222千円(前年同期比5.7%増)、住まい・暮らし業界が1,274,020千円(同20.0%増)、医療・健康業界が390,071千円(同39.8%減)、その他業界が683,118千円(同32.9%減)となりました。なお、電力小売事業につきましては、12月に経済産業省による認可登録が完了し、事業開始に向けた準備を進めているところであります。
以上の結果、当事業の売上高は4,692,432千円(前年同期比5.1%減)、セグメント利益は282,582千円(同0.6%増)となりました。
その他
その他においては、当社の子会社の株式会社日宣印刷において当社グループの広告宣伝事業の印刷物の他、関西地域の企業に対して商業印刷を行っております。
当事業の売上高は136,965千円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は5,979千円(同2.3%増)となりました。
また、当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末より96,482千円増加し、4,526,521千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が127,177千円、製品及び仕掛品が32,625千円、建物及び構築物が65,505千円、土地が29,278千円、のれんが18,298千円それぞれ減少した一方で、現金及び預金が373,239千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末より1,170千円減少し、1,597,330千円となりました。これは主に、買掛金が11,739千円、未払法人税等が26,906千円、退職給付に係る負債が11,071千円それぞれ増加した一方で、長期借入金が55,206千円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末より97,653千円増加し、2,929,190千円となりました。これは主に、利益剰余金が配当により83,254千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を192,726千円計上したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は64.7%(前連結会計年度末は63.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて373,238千円増加し、1,665,005千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは452,252千円の収入(前連結会計年度は269,244千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を309,721千円、減価償却費を50,397千円それぞれ計上し、売上債権の回収による増加が109,315千円あった一方で、法人税等の支払額が96,952千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは85,412千円の収入(前連結会計年度は16,865千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が45,000千円、有形固定資産の取得による支出が10,943千円あった一方で、有形固定資産の売却による収入が79,604千円、保険積立金の解約による収入が61,290千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは164,417千円の支出(前連結会計年度は122,016千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額81,465千円及び長期借入金の返済による支出が155,662千円があった一方で、長期借入による収入が100,000千円あったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)
広告宣伝事業4,692,43294.86
報告セグメント計4,692,43294.86
その他136,965101.50
合計4,829,39895.03

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
当連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
旭化成ホームズ株式会社756,92214.901,012,77320.97

3.広告宣伝事業における、当社分類による顧客所属業界別の販売実績を示すと、次のとおりであります。
業界当連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)
放送・通信2,345,222105.69
住まい・暮らし1,274,020120.00
医療・健康390,07160.20
その他683,11867.08

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。また、会計上の見積りにつきましては、入手可能な情報に基づき合理的に判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報 (会計上の見積りにおける一定の仮定)」に記載のとおりです。また、「第5 経理の状況 1. (1) 連結財務諸表 注記事項 連結損益計算書関係 ※2」に記載の通り、当連結会計年度において減損損失17,425千円を計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「連結売上高」及び「連結営業利益」を重要な経営指標と捉えております。デジタルマーケティングやブランディング、映像制作等、サービス提供領域の拡大を図るとともに、次の10年に向けたビジョンを策定しており、業容の拡大とともにグループの生産性の向上を図り、連結営業利益率の改善も目指してまいります。連結営業利益率の改善に向け、当社が長年にわたり注力してきた事業領域において収益力を維持・強化していくとともに、新たな領域においても収益基盤の確立を図ってまいります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通り、連結売上高では減収となるも連結営業利益では増益となっております。新型コロナウイルスの感染拡大により、主に医療・健康業界における案件が減少した他、その他業界においてもクライアントの業績への影響が広告予算にも影響しました。また、連結子会社である日産社の取り扱うイベント関係の業務が中止や延期となったことも影響しました。反面、放送・通信業界においては、ケーブルテレビ番組情報誌「月刊チャンネルガイド」を中心に底堅い事業運営を進めました。加えて、住まい・暮らし業界においては、コロナ禍にあって住宅販売の営業手法が大きく変化していく中で、クライアントのニーズに応え、デジタル化・オンライン化や動画制作などを含む様々な営業活動支援施策の受注を重ねることができ売上を大きく伸ばすことができました。このように売上高についてはプラス面でもマイナス面でも新型コロナウイルスの影響を受けながらも、強固な顧客基盤を軸に事業のポートフォリオが機能したものと認識しております。利益面についても、内製案件の増加による売上総利益率の改善やコスト圧縮策を徹底したことにより、減収ながらも増益とすることができました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載の「マーケティングノウハウの更なる向上」や「優秀な人材の確保と育成」は喫緊の課題と認識しております。それらへの対応策として、以下の取り組みを実施しました。
まず「マーケティングノウハウの更なる向上」については、技術の進歩や新型コロナウイルス感染症を契機として、広告会社のあり方も大きく変わろうとしていると認識しています。従来の広告会社の枠を越え様々な技術やテクノロジーを採り入れた提案をすることに加えて、受託で仕事を受けるにとどまらない、共に事業を創造し、リスクを取り、シェアもするという得意先と広告会社の新しい関係性が重要であると考えております。当連結会計年度に公表したCATV局との合弁による電力小売事業への進出などはまさに広告会社の役割や社会的価値を追求したものと言えます。また、当社が企画提案したソリューションの中には、SNSを活用したマーケティング施策などノウハウを蓄積し、水平展開を図ることが可能な事案も多いため、そうした取り組みにも注力いたしました。 次に「人材の確保、育成」に関しましては、新卒採用へ注力するとともに、経営理念の浸透や社員のエンゲージメント向上のための施策等を行ったほか、社内勉強会の開催などにより組織力の強化を図りました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のための適切な資金確保、流動性並びに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を優先事項として考えております。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を309,721千円、減価償却費を50,397千円をそれぞれ計上したことなどにより、452,242千円に改善しております。また当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,665,005千円と十分な流動性を確保している状況であることから、健全な財務状況であると認識しております。

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