有価証券報告書-第8期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/07/27 16:47
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有報資料

当社グループの中長期的な成長にあたり関連する経営課題は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(経営方針)
当社グループは、時代の最先端にある、未知なる領域を開発することに挑戦してまいりました。インターネット広告事業を主軸の収益源としながら、世界を驚かすような未知なる新規事業の創出に挑戦しております。
例えば広告領域においては、創業以来高い技術力をもとにユニークで新しい広告商品を自社開発で展開してまいりました。技術力を生かし複数のアドテクノロジーサービスを自社開発で立ち上げてきたのみならず、広告代理事業の立ち上げを行い、販売力を強化してまいりました。近年は、技術力と販売力を融合させ、高い技術力を生かしてサービスを素早く開発し、世の中にまだ知られていないものを高い販売力で成長させることができるようになりました。 このように、通常は役割分担されている代理店、メディアレップ、アドテクベンダーの機能の全てを保有していることにより、ユニークかつ高収益な広告事業の創出につなげております。
広告事業のみならず、近時は当社グループの社内制度や文化を背景に、HR領域での新しいサービスとなるUniposを創出、成長させてまいりました。従業員同士が「感謝の言葉」と「ピアボーナス」をWeb上で送り合えるサービスであるUniposは、互いの貢献を、従業員同士の言葉により組織全体に見える化することで、モチベーション向上や信頼関係の醸成、異なるチーム間の連携に繋がるなど、組織の生産性を落とす様々な組織課題を解決へと導くサービスであります。2020年3月時点において、1年間で利用社数は約1.5倍、社員アカウント数は約1.7倍という急速な成長を実現しております。
さらに、当社グループの広告事業がUniposのマーケティングに大きな貢献をしたことをうけ、2019年にはUniposで成果が実証されたマーケティング手法を他社に展開するコンサルティングサービスを開始いたしました。
事業のモデルや成長のフェーズが異なる複数の領域で事業を展開する当社グループは、広告事業及びUnipos、さらには両者が安定的に売上を伸ばし、そのキャッシュ・フロー創出力により得られた信用力をもって資金調達を行い、HR領域を成長させております。
(経営環境)
① Unipos事業
Uniposが対象とする働き方改革関連市場は、生産性改革や働き方の多様化に伴い、ますますの拡大が見込まれます。我が国において賃上げは実現しつつあるものの、社会全体の生産性は下がり、かつ社会保険料等の負担増で可処分所得が伸びなくなっています。賃上げ促進の流れの中で、企業側と従業員側の双方にメリットがある賃上げを実現するニーズ高まりつつあることに加え、時間外労働の上限規制が課せられる中、時間外労働の削減により減少した残業代をどのように再配分するかも、同じく問われています。さらには、給与面以外においても、生産性改革や働き方の多様化がこれまで以上に求められる環境にあると言えます。このような環境下、今後社員のエンゲージメントを高め、生産性を高めていく社会的要請は高まっています。
2019年に発生し、2020年6月現在も進行中である新型コロナウイルス感染症の拡大により、従業員が職場に集うことを前提としない「テレワーク」が進展しました。また、2020年6月に実施された内閣府の調査によると、調査対象となった就業者のうち全国では34.6%、東京23区では55.5%がテレワークの経験を有しており、東京都におけるテレワーク経験者55.5%のうち9割以上がテレワークの利用を希望していることが明らかになっています。
一方、2020年4月に当社が実施した意識調査によると、テレワーク長期化に伴う組織課題として、テレワークを実施している一般社員の44.6%が「チームとしての生産性が低下した」と回答し、また管理職の56.1%が、「テレワーク前より、部下の仕事ぶりが分かりづらい」と回答しています。テレワークが長期化したら深刻化すると思う課題の筆頭として、管理職・一般社員のいずれも、「コミュニケーションの取りづらさ」を指摘しており、逆にテレワーク開始後に自部署・部門の生産性の変化にプラスの効果をもたらしていると考えられるITツールの筆頭として、「従業員エンゲージメント向上ツール」が挙げられました。
以上のように、働き方改革の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大をうけたテレワークの普及とともに、企業の中で一体感を醸成することの難しさが顕在化しつつある状況であり、従前以上にピアボーナスを通じた従業員のエンゲージメント向上が求められる環境になっております。
② 広告事業
広告事業が対象とするインターネット広告市場は、一般生活者の可処分時間の過半がインターネットに移行した一方、広告市場全体の中では未だインターネット広告の占める割合は低く、成長余力があると言えます。一般消費者の可処分時間に占めるインターネットの割合は50%を超えており(※1)、マス広告や販売促進費関連の投資はインターネット/デジタルに本格的に移行することが見込まれます。他方、我が国の広告市場全体に占めるインターネット広告費の割合は2019年度の30.3%にとどまっており、世界全体で見た比率43.0%と比べるとまだ大きな伸びしろがあると言えます(※2)。可処分時間に占めるインターネット/デジタル割合と比較しても、まだ成長余力が高いことが期待されます。
一方、プライバシー保護に対する社会的要請の高まりや、ブランドを毀損しない広告枠への需要の高まり等、インターネット広告産業は変化する変革期にあります。ITPや大手プラットフォーマーのデータ取扱/利用についての問題等、データの取扱については今まで以上に制約がかかるものと見込まれます。従前から欧州においてGDPRやePrivacy Regulation等、生活者のデータの保全・主権についての議論が活発であったことをうけ、我が国においても「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が2020年3月に閣議決定されるなど、個人情報保護にむけた法制度の整備が進展している状況です。このように、今後も、メディア・広告主ともに生活者自身が保持するデータを蓄積/活用していくことへの社会的要請が高まっていくものと考えられます。また、ブランド広告主は一般にデジタルを中心としたマーケティング戦略を描く必要性に迫られる状況にあるものの、一方でブランドを毀損しない広告枠へのニーズはより高まっている状況です。
高い市場の成長性が引き続き見込まれると同時に、プライバシー保護やブランドを毀損しない広告枠に対する社会的要請がますます高まっており、インターネット広告市場にとって大きな転換点に差し掛かっていると当社は考えております。
※1 出所:株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査」
※2 出所:株式会社電通「2019年 日本の広告費」及び電通イージス・ネットワーク「世界の広告費成長予測(2019~2021)」
(中期目標)
上記のような環境の中、2019年に発表した当社の中期的経営方針に沿い取り組んだ結果、Unipos事業においては予定どおりにマーケティング投資を実行し、新型コロナウイルス感染症の影響もあり大企業の利用開始に遅れがあったものの、アカウント数は前年の約1.7倍に増加いたしました。また広告事業においては、小学館・集英社とともにマンガアプリ広告の共同プラットフォームとして、「Manga Ad Platform」を発足、また広告代理領域においては、クライアントや分野の集中と選択を進めました。
上記の進捗をうけ、当社は各事業ごとに以下の中期的方針に沿って取り組んでまいります。
① Unipos事業
・ピアボーナス領域におけるリーダー的地位を確保
・アカウント数20万又は同等のMRRを目指す
・解約率1%以下を維持
② 広告事業
・メディア及びクライアントサービス領域において提供を開始した新規サービスの成長、特に広告代理領域においては、クリエイティブコミュニケーションの強化
・当面は新型コロナウイルス感染症による市況悪化の影響を受けることが想定されるが、早期回復を目指す
(経営戦略)
① Unipos事業
Uniposが対象とする働き方改革関連市場は、今後ニーズが高まる生産性改革や働き方の多様化に伴い、ますますの拡大が見込まれます。Uniposはこの働き方改革関連市場の中でも特に伸びが大きいサービスであります。2020年3月期の投資の結果、Uniposのアカウント数並びに売上が成長を継続しました。また、マーケティング投資の知見の蓄積により、今後は費用対効果を高めていくことが見込まれます。そのため、2021年3月期もマーケティング投資を行いますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による市況の不透明感への備えとして、費用対効果の高い施策に絞り投資を実行することで、マーケティング費用は前年比約2億円削減します。Uniposは現状解約率が低く、顧客との取引が長期にわたる性質を持つことから、顧客獲得のための投資は何年にもわたり継続的に上がる収益で回収可能という事業の構造を有します。そのため、2021年3月期のマーケティング投資の水準は将来の期待収益に照らし回収可能と考えております。
② 広告事業
広告事業が大きな転換点にある中、当社が展開してきたプレミアムコンテンツを持つパブリッシャーとのパートナーシップや、インターネット広告の透明性・信頼性を高める活動が従来にも増して社会的ニーズを捉える好機となったと考えております。そのため当社は、一般の生活者に対して、広告主・コンテンツパブリッシャー・大手プラットフォーマーといった、すべてのステークホルダーと共創し、あるべき姿を提言してまいります。
当社の広告事業は、「広告主やメディアの事業成長をともに実現する唯一無二のパートナーとなる」をビジョンに掲げ、事業成長に直結する指標からマーケティング戦略を実施・評価・改善する仕組み、コンテンツ価値の向上と広告収益の両立をするプロダクト及びサービスの提供を通じ、顧客とともに事業と社会を成長させていくことに貢献します。
具体的な打ち手としましては、以下の2つに注力してまいります。
i) 大手メディアとのパートナーシップ強化:既存のパートナーシップを強化しながら、GrowLioを中心にプレミアムコンテンツを持つパブリッシャーとのパートナーシップを強化し、独自性の高い広告商品の開発を進めてまいります。
ii) 大口広告主の開拓強化:自社の強みであるデータを活用したマーケティング戦略構築の資産を、ブランド広告主や大手ダイレクト広告主に展開してまいります。
(優先的に対処すべき課題)
① 成長投資のための資金の獲得
事業成長に向けた大規模な投資に備え、広告事業によるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入による資金調達を図っております。
また、新型コロナウイルス感染症の広がりをうけ、さらなる資金の確保を目指し、長期借入および当社本社の敷金を裏付けとした約3.8億円の調達を実施いたしました。
② マーケティング投資の実行
2019年3月期対比投資金額を増加させた2020年3月期は、これにより、顧客拡大とともにマーケティングの知見を蓄積する年度となりました。前述の通り不透明な市況感への備えとしてマーケティング投資を絞りつつ、引き続き成長を目指すことができると考えております。
③ 競合との差別化
ピアボーナスとしてのUniposのみならず、Uniposの利用を通じ企業のSDGs達成にも貢献できる、「Unipos SDGsプラン」を提供開始するとともに、日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR社との提携を行うなど、ピアボーナス領域における競合との差別化を進めております。

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