有価証券報告書-第18期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、企業理念において、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」をミッション(社会的使命)として掲げ、持続可能な社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指しております。この基本方針をもとに、不動産事業を通して、環境問題や社会課題に積極的に取組み、お客様や従業員、すべてのステークホルダーの皆様の豊かさの実現に貢献し、不動産業界のリーディングカンパニーを目指しております。

上記の不変的なミッションとビジョンを踏まえて、当社グループでは2030年に向けた長期ビジョン「GLM VISION 2030」を策定しています。「GLM VISION 2030」では、「不動産×環境×DXにより”全国No.1”サステナブルな不動産開発・運用企業」を目標としています。
具体的には、以下の事項に取り組むことを検討しております。
・環境配慮型不動産のLCCM(注)を実現する
・環境配慮型不動産とデジタルの融合により新しいビジネスモデルを構築する
・サステナブルファイナンスを活用した環境配慮型不動産の私募ファンド・リートを組成する

(注)「LCCM」とは、ライフサイクルカーボンマイナスの略称です。建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電等を利用した再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクルを通じたCO2の収支をマイナスにする取り組みです。
(2) 経営環境認識
世界では急速にカーボンニュートラル等の環境意識が高まりをみせております。日本においても、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、経済産業省が中心となって策定した「グリーン成長戦略」において、住宅・建築物は環境負荷を抑制しながら成長を期待される重要分野となっております。当社グループとしては、住宅・建築物に対する環境規制の強化、あるいは環境対応物件のニーズの増加が見込まれると考えております。
また、日本国内においては、長期的に人口が減少していく見通しでありますが、首都圏においては人口流入傾向が続いております。世帯構造でみても単身世帯数は増加が続いており、首都圏の不動産、特に投資用コンパクトマンションは引き続き強い需要があります。その結果、機関投資家は積極的な投資スタンスを維持しております。しかしながら、投資用コンパクトマンションの供給数は横ばいの状態になっているため、豊富なパイプライン(注)持つ当社グループのプレゼンスは上昇していると認識しております。
さらに、コロナ禍でEC購買が増えたことも影響し、物流施設の需要が急伸していることも認識しております。そうした不動産市況の中で、人口動態・世帯構造の変化に対応する社会的ニーズのある物件を開発・供給し続けることが、当社グループの経営理念で掲げる豊かさの実現のためにも重要であると考えております。
(注)「パイプライン」とは、当社グループが確保している販売可能な不動産を言います。
(3) 経営戦略
<中期経営計画>(2)の経営環境認識を踏まえて、当社グループでは「2022年中期経営計画」を策定しています。「2022年中期経営計画」では、①開発物件の資産価値の向上(環境配慮型建築「ZEH・ZEBへの取り組み」)、②開発物件の販売効率・利益率向上(レジデンス:1棟バルク販売・オフバランス開発強化による営業効率改善と成長加速)、③時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設のSPC開発による拡大)、④事業エリアの拡大(開発エリアの拡大)を成長戦略として掲げています。
①環境配慮型建築「ZEH・ZEBへの取り組み」
開発物件の環境対応により資産価値の向上を図ってまいります。経営環境認識にて記載したとおり、サステナブルな社会を実現するために、カーボンニュートラルに向けた物件開発は必然であり、社会的ニーズはさらに高まるものと認識しています。そのニーズの高まりは、既に海外では、環境認証を受けた物件の成約価格や賃料が向上するというデータが出ており、ZEH・ZEBへの取り組みが資産価値の向上へと繋がっております。
当社グループは、2022年2月、経済産業省がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の推進に向けた登録制度である「ZEH デベロッパー」に認定されました。2024年12月期での自社開発物件の環境対応比率100%に向け、開発物件の資産価値向上を図り、企業理念(ミッション)である「不動産を通じて、豊かな社会を実現する」ことを目指してまいります。
(当社プレスリリース:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3486/tdnet/2085387/00.pdf)

②レジデンス:1棟バルク販売・オフバランス開発強化による営業効率改善と成長加速
1棟バルク販売とは、開発物件を複数棟まとめて販売することを言います。日本においては物件供給量が伸び悩む中、機関投資家の複数物件を一度に購入できる1棟バルク販売へのニーズは強く、投資効率の向上の観点からも、引き続き強い需要が見込まれます。
当社グループは、1棟バルク販売を取り入れることで、機関投資家に対する竣工前の売買契約締結による営業活動の効率化を図っております。当社グループが仕入を進め確保している、豊富なパイプラインを背景に、機関投資家の1棟バルク販売へのニーズに応え、当社グループの更なるプレゼンス向上を図ってまいります。

オフバランス開発とは、当社グループで物件開発の企画・検討を行い、パートナー企業に土地の購入や開発を行っていただく開発方法を言います。オフバランス開発では、当社グループのバランスシート上の資金制約を受けることがなくなるため、事業拡大の速度を速めることができます。今後パートナー企業の数を増やし、物件の供給量を増やしてまいります。また、仕入担当者を増員し、将来の販売に繋げる仕入拡大に取り組んでおります。

③非レジデンス:物流施設(ロジスティクス)のSPC開発による拡大
コロナ禍で需要の増えた物流施設の開発についての調査を開始し、物流施設開発事業参入の検討を継続しております。また非レジテンス領域については、コロナ禍の収束を見据えて、オフィス・商業テナントビル・ホテル等にも検討対象を拡げ、当社グループの事業ポートフォリオを拡大するための取り組みを進めてまいります。非レジデンス領域については、パートナー企業と共同出資するSPCを活用し、リスクを抑えつつ収益性を保った形での事業展開を構想しています。

④開発エリアの拡大
当社グループではこれまで東京23区内中心の開発を行ってまいりました。首都圏への人口流入・世帯数増加の傾向は継続すると考えております。一方で、リモートワーク等の普及により人口流入先が都心だけに限定されず、周辺広域まで拡大しております。人口動態やニーズの変化を柔軟に捉え、1都3県にも開発エリアを拡げ、事業拡大の機会を獲得してまいります。

<中期経営計画達成に向けた事業上及び財務上の対処すべき課題>当社グループでは、上記の経営方針、経営環境認識、中期経営計画を踏まえ以下の事項を優先課題として取り組みます。
①環境配慮物件
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、国・地方自治体による不動産開発における規制強化が想定されます。そのような規制に適合していない物件の資産価格が下落することが想定されますが、当社グループにおいては、既に開発物件の環境配慮対応を進め、2022年12月末までに、11棟の環境認証を取得しています。今後、当社グループが取り扱うすべての物件の環境認証を取得するためには、お取引先を含めたビジネスパートナーの皆様の協力が不可欠であると考えています。中期経営計画の戦略や指標として掲げている計画達成に向け、環境配慮物件開発を推進するとともに、ビジネスパートナーの皆様との連携を深め、LCCMの実現、当社グループ開発物件の資産価値向上に努めてまいります。
②仕入ルートの拡充・開発エリアの拡大
当社グループの主要な事業基盤である東京23区内での事業用地や仕入物件の確保は、地価の上昇に加え、他社との競合もあり、厳しさを増すものと想定されております。当社グループは、レジデンス用地仕入部門の人員増強による仕入拡大と、オフバランス開発を進め、仕入を加速させてまいります。
加えて、人口動態やマーケティングに基づき、開発エリアを1都3県に拡大し、開発用地を継続的かつ安定的に確保してまいります。また、2023年度より事業用地等の仕入を行う事業部(用地仕入事業グループ)を立ち上げ、新たな仕入チャネルを増やし事業機会を創出してまいります。
③新規事業の展開
当社グループでは、中長期での安定的な収益基盤の確立及び成長加速を目指しております。
現在主力としている投資用コンパクトマンション(レジデンス領域)以外にも、中長期的には商品ラインナップを拡充する必要があると認識しており、物流施設、オフィス・商業テナントビル・ホテル等の非レジデンス領域へ検討対象を拡げております。
なお、2023年1月から、上記②に記載した用地仕入事業グループと、ビルディング事業グループ(オフィス領域)を立ち上げ、新たな収益の柱となるよう取り組んでまいります。
④財務体質の強化
当社グループの不動産ソリューション事業における販売用不動産の購入資金は、主に金融機関からの借入により賄っております。金融機関との良好な関係を維持するとともに資金調達手段の多様化に取り組むことはもちろんのこと、持続的な成長戦略を可能とするため、戦略的に財務体質の強化を図ってまいります。
⑤サステナビリティの推進
サステナビリティに関する取り組みとしては、特に気候変動に対する取り組みの重要性が高まっていると認識しており、(3)経営戦略及び対処すべき課題①に記載のとおり、環境配慮物件開発を戦略的に取り組んでおります。また後述する(4)サステナビリティへの取り組みを全社で進め、持続的な成長及び企業価値向上を目指してまいります。
⑥優秀な人材の確保と育成
当社グループでは、ステークホルダーの皆様の信頼を獲得できる人材を確保・育成することが企業価値の源泉であると認識しております。こうした人材の採用と育成を重要な経営課題の一つとして捉え、適時適切な採用活動により優秀な人材の確保に努めるとともに、全社員への宅地建物取引士資格の取得支援をはじめとした資格取得支援制度を充実させることにより、社員のスキルアップを促進しております。
また、当社グループが定めている一般事業主行動計画においては、非管理職のキャリアアップ研修により次世代の育成を図り、管理職の女性社員割合を高めるための環境を整備する取り組みを掲げております。それらの計画を推進し達成するとともに、各部門での育成計画及びMBO(目標管理制度)により人材の育成に努めてまいります。
⑦コンプライアンスへの取り組みとコーポレート・ガバナンスの強化
当社グループでは、持続的成長を可能とする基盤の確立に向けて、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。そのため、リスク対策・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、コンプライアンス違反事案の発生を未然に防止するとともに、発生してしまった事案に対する損失の軽減に努めております。また、日常業務における関係法令遵守を徹底するとともに、従業員の意識向上のためのコンプライアンス教育・定着活動に継続的に取り組み、コンプライアンス違反が起きない体制整備を引き続き進めてまいります。
また、スキル・マトリックスに基づく役員の選任、ジェンダー、国際性、職歴、年齢等に留意した執行体制の構築等、経営における多様性を強化し、コーポレート・ガバナンスの更なる強化にも努めてまいります。
⑧上場維持基準適合に向けた取り組みの推進
当社は、プライム市場への上場を維持することが、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現する上で必要であると考えております。2021年12月20日に適時開示した「プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書」(注)に記載したとおり、2025年12月期末までの「流通株式時価総額」適合に向けて、企業理念である「不動産を通じて豊かな社会を実現する」に基づき策定した「GLM VISION 2030」及び「2022年中期経営計画」の達成をはじめとした各種施策を推進してまいります。
(注)“新市場区分における「プライム市場選択」の選択申請および上場維持基準適合に向けた計画書”
(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3486/tdnet/2061710/00.pdf)
<目標とする経営指標>当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しております。この観点から、「2022年中期経営計画」においては、売上高500億円、経常利益50億円を2024年12月期に達成すべき数値目標として設定しております。また、同2024年12月期に、販売戸数1,400戸、環境対応比率自社開発物件100%、自社開発物件以外の環境配慮物件の取扱比率50%を目指してまいります。
<利益目標>
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期(2021年12月期)の数値及び対前期増減率は記載しておりません。
<財務目標>
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期(2021年12月期)の数値及び対前期増減率は記載しておりません。
<事業指標>
※自社開発物件における環境配慮認証取得件数(2022年12月31日現在)
(4)サステナビリティへの取組み
<サステナビリティに対する考え方>当社グループでは、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念(ミッション)を掲げております。この企業理念には、不動産の役割(人々や企業の「資産」及び活動を支える「社会基盤」)を踏まえて、地球環境や社会・経済課題に取り組み、不動産の新たな可能性を追求し、世界中の人々の幸せにLinkすることを使命とするという想いが込められています。環境・社会の持続可能性と、当社グループの持続的成長を両立するサステナビリティ経営の遂行を、企業理念に反映しております。
このような理念の下、レジデンス・ロジスティクスといったインフラ構築や、環境配慮物件の開発を通じて、サステナブルな不動産企業としてリーディングカンパニーを目指してまいります。また、プライム市場で求められるESG情報開示も段階的に進め、多様なステークホルダーとの対話を通じて、持続的な成長を目指してまいります。
<サステナビリティ推進体制(ガバナンス)>当社グループは、2023年1月にサステナビリティ経営を推進するため、代表取締役社長直属の経営企画室内に「ESG推進課」を設置いたしました。当社グループのサステナビリティに関する方針や人的資本経営に関する方針等の策定・諸策立案と各部門のサステナビリティ活動の支援を行ってまいります。
取組みの推進に当たっては、取締役会が、経営会議やリスク対策・コンプライアンス委員会において審議されたサステナビリティの取り組みについて、意思決定や監督等を行ってまいります。
リスク対策・コンプライアンス委員会は、リスク対策及びコンプライアンスの方針・計画・体制の策定、活動の推進・維持運営を目的として設置しております。今後は気候変動に係るリスクや環境課題等についても積極的に審議してまいります。
当社グループは、上記体制を整え、「GLM VISION 2030」の目標である「不動産×環境×DXにより“全国No.1”サステナブルな不動産開発・運用企業」 の実現を目指します。
(1) 経営方針
当社グループは、企業理念において、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」をミッション(社会的使命)として掲げ、持続可能な社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指しております。この基本方針をもとに、不動産事業を通して、環境問題や社会課題に積極的に取組み、お客様や従業員、すべてのステークホルダーの皆様の豊かさの実現に貢献し、不動産業界のリーディングカンパニーを目指しております。

上記の不変的なミッションとビジョンを踏まえて、当社グループでは2030年に向けた長期ビジョン「GLM VISION 2030」を策定しています。「GLM VISION 2030」では、「不動産×環境×DXにより”全国No.1”サステナブルな不動産開発・運用企業」を目標としています。
具体的には、以下の事項に取り組むことを検討しております。
・環境配慮型不動産のLCCM(注)を実現する
・環境配慮型不動産とデジタルの融合により新しいビジネスモデルを構築する
・サステナブルファイナンスを活用した環境配慮型不動産の私募ファンド・リートを組成する

(注)「LCCM」とは、ライフサイクルカーボンマイナスの略称です。建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取り組み、さらに太陽光発電等を利用した再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクルを通じたCO2の収支をマイナスにする取り組みです。
(2) 経営環境認識
世界では急速にカーボンニュートラル等の環境意識が高まりをみせております。日本においても、2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、経済産業省が中心となって策定した「グリーン成長戦略」において、住宅・建築物は環境負荷を抑制しながら成長を期待される重要分野となっております。当社グループとしては、住宅・建築物に対する環境規制の強化、あるいは環境対応物件のニーズの増加が見込まれると考えております。
また、日本国内においては、長期的に人口が減少していく見通しでありますが、首都圏においては人口流入傾向が続いております。世帯構造でみても単身世帯数は増加が続いており、首都圏の不動産、特に投資用コンパクトマンションは引き続き強い需要があります。その結果、機関投資家は積極的な投資スタンスを維持しております。しかしながら、投資用コンパクトマンションの供給数は横ばいの状態になっているため、豊富なパイプライン(注)持つ当社グループのプレゼンスは上昇していると認識しております。
さらに、コロナ禍でEC購買が増えたことも影響し、物流施設の需要が急伸していることも認識しております。そうした不動産市況の中で、人口動態・世帯構造の変化に対応する社会的ニーズのある物件を開発・供給し続けることが、当社グループの経営理念で掲げる豊かさの実現のためにも重要であると考えております。
(注)「パイプライン」とは、当社グループが確保している販売可能な不動産を言います。
(3) 経営戦略
<中期経営計画>(2)の経営環境認識を踏まえて、当社グループでは「2022年中期経営計画」を策定しています。「2022年中期経営計画」では、①開発物件の資産価値の向上(環境配慮型建築「ZEH・ZEBへの取り組み」)、②開発物件の販売効率・利益率向上(レジデンス:1棟バルク販売・オフバランス開発強化による営業効率改善と成長加速)、③時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設のSPC開発による拡大)、④事業エリアの拡大(開発エリアの拡大)を成長戦略として掲げています。
①環境配慮型建築「ZEH・ZEBへの取り組み」
開発物件の環境対応により資産価値の向上を図ってまいります。経営環境認識にて記載したとおり、サステナブルな社会を実現するために、カーボンニュートラルに向けた物件開発は必然であり、社会的ニーズはさらに高まるものと認識しています。そのニーズの高まりは、既に海外では、環境認証を受けた物件の成約価格や賃料が向上するというデータが出ており、ZEH・ZEBへの取り組みが資産価値の向上へと繋がっております。
当社グループは、2022年2月、経済産業省がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の推進に向けた登録制度である「ZEH デベロッパー」に認定されました。2024年12月期での自社開発物件の環境対応比率100%に向け、開発物件の資産価値向上を図り、企業理念(ミッション)である「不動産を通じて、豊かな社会を実現する」ことを目指してまいります。
(当社プレスリリース:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3486/tdnet/2085387/00.pdf)

②レジデンス:1棟バルク販売・オフバランス開発強化による営業効率改善と成長加速
1棟バルク販売とは、開発物件を複数棟まとめて販売することを言います。日本においては物件供給量が伸び悩む中、機関投資家の複数物件を一度に購入できる1棟バルク販売へのニーズは強く、投資効率の向上の観点からも、引き続き強い需要が見込まれます。
当社グループは、1棟バルク販売を取り入れることで、機関投資家に対する竣工前の売買契約締結による営業活動の効率化を図っております。当社グループが仕入を進め確保している、豊富なパイプラインを背景に、機関投資家の1棟バルク販売へのニーズに応え、当社グループの更なるプレゼンス向上を図ってまいります。

オフバランス開発とは、当社グループで物件開発の企画・検討を行い、パートナー企業に土地の購入や開発を行っていただく開発方法を言います。オフバランス開発では、当社グループのバランスシート上の資金制約を受けることがなくなるため、事業拡大の速度を速めることができます。今後パートナー企業の数を増やし、物件の供給量を増やしてまいります。また、仕入担当者を増員し、将来の販売に繋げる仕入拡大に取り組んでおります。

③非レジデンス:物流施設(ロジスティクス)のSPC開発による拡大
コロナ禍で需要の増えた物流施設の開発についての調査を開始し、物流施設開発事業参入の検討を継続しております。また非レジテンス領域については、コロナ禍の収束を見据えて、オフィス・商業テナントビル・ホテル等にも検討対象を拡げ、当社グループの事業ポートフォリオを拡大するための取り組みを進めてまいります。非レジデンス領域については、パートナー企業と共同出資するSPCを活用し、リスクを抑えつつ収益性を保った形での事業展開を構想しています。

④開発エリアの拡大
当社グループではこれまで東京23区内中心の開発を行ってまいりました。首都圏への人口流入・世帯数増加の傾向は継続すると考えております。一方で、リモートワーク等の普及により人口流入先が都心だけに限定されず、周辺広域まで拡大しております。人口動態やニーズの変化を柔軟に捉え、1都3県にも開発エリアを拡げ、事業拡大の機会を獲得してまいります。

<中期経営計画達成に向けた事業上及び財務上の対処すべき課題>当社グループでは、上記の経営方針、経営環境認識、中期経営計画を踏まえ以下の事項を優先課題として取り組みます。
①環境配慮物件
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、国・地方自治体による不動産開発における規制強化が想定されます。そのような規制に適合していない物件の資産価格が下落することが想定されますが、当社グループにおいては、既に開発物件の環境配慮対応を進め、2022年12月末までに、11棟の環境認証を取得しています。今後、当社グループが取り扱うすべての物件の環境認証を取得するためには、お取引先を含めたビジネスパートナーの皆様の協力が不可欠であると考えています。中期経営計画の戦略や指標として掲げている計画達成に向け、環境配慮物件開発を推進するとともに、ビジネスパートナーの皆様との連携を深め、LCCMの実現、当社グループ開発物件の資産価値向上に努めてまいります。
②仕入ルートの拡充・開発エリアの拡大
当社グループの主要な事業基盤である東京23区内での事業用地や仕入物件の確保は、地価の上昇に加え、他社との競合もあり、厳しさを増すものと想定されております。当社グループは、レジデンス用地仕入部門の人員増強による仕入拡大と、オフバランス開発を進め、仕入を加速させてまいります。
加えて、人口動態やマーケティングに基づき、開発エリアを1都3県に拡大し、開発用地を継続的かつ安定的に確保してまいります。また、2023年度より事業用地等の仕入を行う事業部(用地仕入事業グループ)を立ち上げ、新たな仕入チャネルを増やし事業機会を創出してまいります。
③新規事業の展開
当社グループでは、中長期での安定的な収益基盤の確立及び成長加速を目指しております。
現在主力としている投資用コンパクトマンション(レジデンス領域)以外にも、中長期的には商品ラインナップを拡充する必要があると認識しており、物流施設、オフィス・商業テナントビル・ホテル等の非レジデンス領域へ検討対象を拡げております。
なお、2023年1月から、上記②に記載した用地仕入事業グループと、ビルディング事業グループ(オフィス領域)を立ち上げ、新たな収益の柱となるよう取り組んでまいります。
④財務体質の強化
当社グループの不動産ソリューション事業における販売用不動産の購入資金は、主に金融機関からの借入により賄っております。金融機関との良好な関係を維持するとともに資金調達手段の多様化に取り組むことはもちろんのこと、持続的な成長戦略を可能とするため、戦略的に財務体質の強化を図ってまいります。
⑤サステナビリティの推進
サステナビリティに関する取り組みとしては、特に気候変動に対する取り組みの重要性が高まっていると認識しており、(3)経営戦略及び対処すべき課題①に記載のとおり、環境配慮物件開発を戦略的に取り組んでおります。また後述する(4)サステナビリティへの取り組みを全社で進め、持続的な成長及び企業価値向上を目指してまいります。
⑥優秀な人材の確保と育成
当社グループでは、ステークホルダーの皆様の信頼を獲得できる人材を確保・育成することが企業価値の源泉であると認識しております。こうした人材の採用と育成を重要な経営課題の一つとして捉え、適時適切な採用活動により優秀な人材の確保に努めるとともに、全社員への宅地建物取引士資格の取得支援をはじめとした資格取得支援制度を充実させることにより、社員のスキルアップを促進しております。
また、当社グループが定めている一般事業主行動計画においては、非管理職のキャリアアップ研修により次世代の育成を図り、管理職の女性社員割合を高めるための環境を整備する取り組みを掲げております。それらの計画を推進し達成するとともに、各部門での育成計画及びMBO(目標管理制度)により人材の育成に努めてまいります。
⑦コンプライアンスへの取り組みとコーポレート・ガバナンスの強化
当社グループでは、持続的成長を可能とする基盤の確立に向けて、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。そのため、リスク対策・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、コンプライアンス違反事案の発生を未然に防止するとともに、発生してしまった事案に対する損失の軽減に努めております。また、日常業務における関係法令遵守を徹底するとともに、従業員の意識向上のためのコンプライアンス教育・定着活動に継続的に取り組み、コンプライアンス違反が起きない体制整備を引き続き進めてまいります。
また、スキル・マトリックスに基づく役員の選任、ジェンダー、国際性、職歴、年齢等に留意した執行体制の構築等、経営における多様性を強化し、コーポレート・ガバナンスの更なる強化にも努めてまいります。
⑧上場維持基準適合に向けた取り組みの推進
当社は、プライム市場への上場を維持することが、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現する上で必要であると考えております。2021年12月20日に適時開示した「プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書」(注)に記載したとおり、2025年12月期末までの「流通株式時価総額」適合に向けて、企業理念である「不動産を通じて豊かな社会を実現する」に基づき策定した「GLM VISION 2030」及び「2022年中期経営計画」の達成をはじめとした各種施策を推進してまいります。
(注)“新市場区分における「プライム市場選択」の選択申請および上場維持基準適合に向けた計画書”
(https://ssl4.eir-parts.net/doc/3486/tdnet/2061710/00.pdf)
<目標とする経営指標>当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しております。この観点から、「2022年中期経営計画」においては、売上高500億円、経常利益50億円を2024年12月期に達成すべき数値目標として設定しております。また、同2024年12月期に、販売戸数1,400戸、環境対応比率自社開発物件100%、自社開発物件以外の環境配慮物件の取扱比率50%を目指してまいります。
<利益目標>
| 2022年12月期 (計画) | 2022年12月期 (実績) | 2023年12月期 (計画) | 2024年12月期 (計画) | |
| 売上高 (億円) | 350 | 356 | 400 | 500 |
| 経常利益 (億円) | 20 | 22 | 33 | 50 |
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期(2021年12月期)の数値及び対前期増減率は記載しておりません。
<財務目標>
| 2022年12月期 (計画) | 2022年12月期 (実績) | 2023年12月期 (計画) | 2024年12月期 (計画) | |
| 売上高経常利益率 | 5.7% | 6.3% | 7.5% | 10.0% |
| ROE | 22.6% | 22.7% | 27.5% | 34.1% |
| 販管費率 | 9.4% | 9.1% | 8.8% | 7.4% |
(注)当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期(2021年12月期)の数値及び対前期増減率は記載しておりません。
<事業指標>
| 2022年12月期 (計画) | 2022年12月期 (実績) | 2023年12月期 (計画) | 2024年12月期 (計画) | |
| 販売戸数合計 (戸) | 1,000 | 977 | 1,120 | 1,400 |
| 環境配慮対応比率 自社開発物件※ | ― | 0% | 100.0% | 100.0% |
| 環境配慮対応比率 当社取扱全物件 | ― | 0% | 40.0% | 50.0% |
※自社開発物件における環境配慮認証取得件数(2022年12月31日現在)
| 環境認証 | 2023年上半期 竣工予定物件数 | 2023年下半期 竣工予定物件数 | 2024年度 竣工予定物件数 |
| BELS★★★★★ | 2 | 2 | 3 |
| BELS★★★★ | - | 3 | - |
| ZEH-M Oriented | - | 1 | - |
| 合計 | 2 | 6 | 3 |
(4)サステナビリティへの取組み
<サステナビリティに対する考え方>当社グループでは、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念(ミッション)を掲げております。この企業理念には、不動産の役割(人々や企業の「資産」及び活動を支える「社会基盤」)を踏まえて、地球環境や社会・経済課題に取り組み、不動産の新たな可能性を追求し、世界中の人々の幸せにLinkすることを使命とするという想いが込められています。環境・社会の持続可能性と、当社グループの持続的成長を両立するサステナビリティ経営の遂行を、企業理念に反映しております。
このような理念の下、レジデンス・ロジスティクスといったインフラ構築や、環境配慮物件の開発を通じて、サステナブルな不動産企業としてリーディングカンパニーを目指してまいります。また、プライム市場で求められるESG情報開示も段階的に進め、多様なステークホルダーとの対話を通じて、持続的な成長を目指してまいります。
<サステナビリティ推進体制(ガバナンス)>当社グループは、2023年1月にサステナビリティ経営を推進するため、代表取締役社長直属の経営企画室内に「ESG推進課」を設置いたしました。当社グループのサステナビリティに関する方針や人的資本経営に関する方針等の策定・諸策立案と各部門のサステナビリティ活動の支援を行ってまいります。
取組みの推進に当たっては、取締役会が、経営会議やリスク対策・コンプライアンス委員会において審議されたサステナビリティの取り組みについて、意思決定や監督等を行ってまいります。
リスク対策・コンプライアンス委員会は、リスク対策及びコンプライアンスの方針・計画・体制の策定、活動の推進・維持運営を目的として設置しております。今後は気候変動に係るリスクや環境課題等についても積極的に審議してまいります。
当社グループは、上記体制を整え、「GLM VISION 2030」の目標である「不動産×環境×DXにより“全国No.1”サステナブルな不動産開発・運用企業」 の実現を目指します。