訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、以下の経営理念を掲げ、経営の基本方針としております。
経営理念
未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。
事業に取り組む基本姿勢及び事業を通じて実現したいこと
・私たちは、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズを把握することに努め、リフォームの企画と仕上がりにこだわり続けることにより、持ち家を望むすべての人に、手の届く価格で、安心・清潔・実用的な住まいを提供する。
・私たちは、十分に活用されず地域に埋もれてしまっている家や、一般的な中古住宅市場では売りにくい家に対しても、潜在的な価値と需要を見出し、自ら買い取って付加価値を加えるリフォームを企画することで、中古住宅に新たな生命を吹き込む。
・私たちは『家に価値タス』活動を通じて、地域とそこに暮らす人々の生活に一つでも多くの『未来への扉』を提供し、新築中心の日本の住まい方から、家を再生して住みつなげるという新しい住まい方を提唱して、地域の活性化・発展を支援し続けていく。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高、営業利益及び在庫回転率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、これらの向上を図ってまいります。達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議、週次での商況モニタリング会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。
(3) 経営環境と今後の見通し
今後の我が国経済の見通しにつきましては、少子高齢化等の人口構造の変化による需要の変化や消費税の増税に伴う消費マインドの低下、中国経済の先行き不透明感等の様々なリスクを内包しつつも、不動産業界を取り巻く環境は政府主導の経済対策や日銀の金融政策等を背景に、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて全体としては緩やかに成長すると予測されます。
当社グループが属する中古住宅再生事業におきましては、2014年4月の消費税増税前後に駆け込み需要とその反動があったことからも、将来的に10%に引き上げられる前の一時的な駆け込み需要とその後の反動減は予想されるものの、中長期的な視点では政府による中古住宅取得支援策の一層の充実等により伸長していくと見通しております。また、仕入物件の対象となる空き家におきましては、1978年には空き家数は268万戸、空き家率は7.6%であったものの、2013年には空き家数は820万戸、空き家率は13.5%となり、空き家数及び空き家率共に年々増加しており、今後も増加されるものと見込まれることから、(出典:総務省資料「平成25年住宅・土地統計調査 確報集計」)当社グループの仕入対象物件は増加すると見通しております。
2016年3月18日に国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」において既存住宅流通市場の市場規模を2013年時点の4兆円から2025年までに8兆円市場にすることを国家戦略として掲げていることからも、今後の成長産業として期待されております。実際に、日本における既存住宅の流通シェアは約14.7%(2013年)と、米国の83.1%、英国88.0%、仏国68.4%と欧米諸国と比べて小さい状況であり、市場規模の拡大余地は十分にある市場となっております(出典:国土交通省「中古住宅市場活性化・空き家活用促進・住み替え円滑化に向けた取組について」)。
一方、三大都市圏への人口の集中と地方都市の高齢化が懸念されておりますが、中古再生事業を行う競合他社や新築分譲会社、ホームビルダーが三大都市圏に集中する中で、当社グループは全国に事業展開を行い各地方都市で継続的に販売を行い成長しております。これは、上記の様に三大都市圏に不動産会社が集中した結果、地方都市での住宅購入の需要に対して供給が不足するという状況が生じていることが背景にあり、今後も地方における中古再生住宅のニーズは拡大すると見立てております。店舗を増やすと同時に店舗あたり人員を増やすことでエリア展開のメッシュを細かくし、未開拓エリアへの進出を継続的に実行することで、今後も三大都市圏に依存せず、地方都市を中心とした事業展開によって一層の事業拡大を図ってまいります。
(4) 経営戦略の内容
① 中古住宅再生事業のマーケットシェアの拡大
当社グループが事業展開する中古住宅再生事業においては、主たる法的規制は宅地建物取引業法のみであり、宅地建物取引業免許を有していれば参入できることから、中古住宅再生事業には新規不動産会社も数多く進出してきております。その様な中で数多くの中古住宅及びリフォーム関連の新規ビジネスが創出されてきており、市場環境は目まぐるしく変化・進化しております。当社グループの主たる事業である中古住宅再生事業におきましても、都市部のマンションにおいては独自性の高いリフォームの実施により付加価値を高める事業者や、販売手法に趣向を凝らした事業者も多く参入してきております。一方で、この様な競合他社の多くは三大都市圏を中心とした都市部をターゲット市場としておりますが、当社グループは三大都市圏に依存せず、地方部の築古物件を中心に取り扱っております。競合他社は、築古の中古住宅、特に戸建て住宅に潜む特有のリスクが大きいこと、取引事例が少なく参考情報が少ないこと等からビジネスリスクが大きく、進出が難しい市場である中で、当社はこのブルーオーシャンの市場で事業を行うことができているものと認識しております。また、「(3) 経営環境と今後の見通し」に記載した様に、日本における既存住宅流通の拡大余地は十分にある中で、当社グループの現状の販売実績は、既存住宅流通市場の一部に過ぎず、中古住宅再生事業は今後も成長領域であると判断しております。
② 営業戦略
当社グループは、人口5万人から50万人の幅広い人口規模をターゲット市場としております。2015年10月1日現在において当該人口規模の市区町村は全国で特別区を除き493市区町村ありますが、店舗の展開方針については、上記の人口を有する市区町村を対象に、人口密度及び都心部へのアクセス状況、高速道路の整備状況や移動手段の利便性等を総合的に勘案して店舗を設置しております(出典:総務省「総計」2015年国勢調査>人口速報集計>人口統計表 2016年2月26日公表)。2017年3月31日現在の店舗数はグループ全体で122店舗となり、概ね全国展開ができていると判断しております。そのため、当社グループの営業戦略としては、営業人員を増加することにより取引量を増やしつつ、展開エリアを細分化させることを優先し、営業効率が向上すると判断した場合には店舗開設を行うこととしております。市場動向や経済情勢、営業人員数の状況、店舗展開エリアと営業効率等を総合的に勘案して、全国における既存住宅流通市場に占める当社グループのシェアを一層拡大してまいります。
また、不動産流通市場での認知度を向上させ不動産仲介会社との連携をより一層強化することにより、買取仕入を増加させることは可能であると判断しており、継続的な認知度の向上のためのプロモーション活動と不動産仲介会社との連携強化を図ってまいります。
③ 人材の確保と育成について
当社グループは、上述の「② 営業戦略」の課題の解決には、不動産及びリフォームに関する専門的な知識及び事業成長のためのチームマネジメントを行うことができる人材の確保が必要と考えております。また、当社グループは全国展開していることから全国での人材採用が必要となります。並びに、仕入対象となる物件情報を入手するための不動産仲介会社への訪問から、仕入対象物件の調査と選定、リフォームの企画、販売活動と一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行っていることから、人材の確保に加えて一連の工程を高いレベルで実施できる人材へと育成することが必要となっております。
上記より、人材の確保と育成が重要であると判断し、今後も定期採用と中途採用に注力してまいります。
(5) 対処すべき課題
① 安定した仕入れの実施
当社グループの仕入は、主に買取仕入の方法によります。当社グループは、従来は競売仕入を中心に仕入を行っておりましたが、不動産競売市場からの仕入れは、競争入札によること及び入札案件の発生量を自社でコントロールできないことにより、安定的な仕入数の確保が困難でした。一方、買取仕入においては、住宅を売却したいという潜在的ニーズを持っている売主が多数存在し、特に相続等により空家になった住宅や、都心への移住による地方部での住宅売却ニーズは年々増加しております。
そのため、当社グループでは2013年1月期以降は買取仕入に注力する方針を取り、売主へのテレビCMやラジオCMによるダイレクトアプローチを積極的に行って、売主となる個人又は法人のお客様からの買取仕入と、個別にネットワークを構築した全国の不動産仲介会社等からの紹介による買取仕入の双方の強化を図っております。当社グループの買取仕入の件数は増加しているものの、既存住宅流通市場全体に占めるシェアは低いことから、より多くの買取仕入を安定的に行うことで計画的な成長を図ってまいります。
② 在庫の品質管理の徹底
当社グループの販売用不動産は、当社では、仕入前に当社独自のチェックリストに基づいて営業担当者がリフォーム協力会社及び白蟻調査会社も交えた三者立会いによる入念な調査を行い、リプライスでは分析担当部署による第三者目線での物件の適正金額の査定を行っているものの、新築時には他社が施工を行った住宅を仕入れていることから初期施工の瑕疵等が潜んでいる可能性があります。当社グループは中古住宅再生事業のリーディングカンパニーとして品質の良いリフォーム済み中古住宅の販売を行うことはもちろん、ひいては中古住宅は安心だという社会的認知度を高めることで既存住宅流通を活性化させるという社会的責任を負っていると自負しております。そのためにも、当社グループでは、工事完了時に独自のチェックリストを用いてリフォーム完了チェックを行い、品質の高いリフォーム済み住宅を安定的に提供することでお客様の満足度を高め、中古住宅に対して抱かれる世間一般の不安要素を取り除いてまいります。
③ 在庫回転率の向上
当社グループの販売用不動産は仕入後にリフォーム工事を行い、販売を行うことから、仕入計上から販売までに一定の期間を要しております。物件取得からお客様への引渡しまでの期間が長期化することは財務体質の悪化を招くと共に営業現場の効率を低下させる可能性があります。買取り後すぐに引渡し及びリフォームの着手が行えるようリフォーム協力会社と連携を行って商品化期間を短縮し、またWEB上でのリフォーム期間中の販促を積極的に行うことや、過去の販売時に作成した潜在的顧客のリストに基づき、近隣の住宅を仕入れた際には当該顧客に個別に連絡を行うこと等により、リフォーム完了前の成約率を向上させ、在庫回転率の向上を図ってまいります。
④ 当社グループの認知度の向上
当社は「買い取りのカチタス」としてブランディング戦略を立て2013年7月より放映を開始したテレビCMやラジオCMは地方部を中心に行っていたことから、2013年10月以降、3ヶ月に一度継続的に実施している社名認知度調査(毎回、テレビCM実施エリアを中心とした10道府県をローテーションして1,100人に対しWEBアンケートにて実施)の2017年8月調査では、テレビCM実施エリアに限れば38.8%の社名認知を獲得するに至りました。テレビCMの第1弾の放送時期であった2013年10月には6.6%、第2弾の放送時期である2016年12月には26.3%と、現在まで着実に認知度が高まっております。さらに「家を売る先の会社としてどこが思い浮かびますか?」との質問に対しては、8.6%ないし4.0%のように1桁台の回答を得た大手不動産会社を抑えて当社が10.3%と1位の想起を得ています。引き続き認知度向上のため地方エリアにおけるCMをはじめとするプロモーションを継続的に強化していきます。
⑤ 人材の確保と育成
当社グループでは優秀な人材を確保・育成していくことが経営課題克服のための重要課題の一つであると認識しております。また、全国各地に人材を確保する必要があるため、優秀な人材を全国的に採用する必要があります。そのため、2013年4月採用以降、継続して新卒の定期採用活動を行っており、2017年3月31日時点で在籍する新卒入社の従業員数は124名とグループ全体の620名のうち約2割が新卒定期採用により入社した社員となっております。今後も安定した新卒採用と即戦力となる中途採用を並行して行い、さらなる事業規模の拡大を図ってまいります。また、当社グループでは仕入物件の選定・調査・仕入、リフォームの企画、販売活動といった一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行うという独自の体制を取っているため、社内教育・研修制度の充実を図っております。具体的には、新卒及び中途社員への研修、事業所運営の良い事例を共有する店舗間留学、店長向けのファシリテーション研修、リフォームスキル向上のためのリフォーム企画の実地研修、課長のマネジメント力向上のために半期に一度全課長がエリアマネジメントの成果をプレゼンする課長ベストプラクティスコンテスト等、様々な人材育成のための研修を継続的に行っております。日常的には、全店舗をオンラインで繋げて経営方針や重要な連絡、全国の店舗から吸い上げられた成功事例、失敗事例等を伝える週次全社TV朝会を通じて、従業員の意識向上とナレッジの共有を図っております。この様な取り組みを行うことで、個々人の能力向上を促し、従業員一人一人の長所を活かし、モチベーションを高めながら成長をサポートできる仕組みを強化してまいります。
⑥ 金融機関との安定した取引
当社グループは、外部金融機関からの調達に過度に依存しない財務体質にすべく在庫回転率の向上を図っているものの、不動産業として仕入時に取り扱う金額が大きいため金融機関からの融資が必要となります。また、現状、当社グループの借入はシンジケートローンによる借入のみであることから、シンジケートを構成する金融機関との良好な関係構築が重要であります。そのためにも、健全な財務状況の確保と迅速かつ正確な適時開示を行うことで金融機関との強固かつ良好なパートナーシップを築き、安定的かつ継続的な融資取引の実施を図ってまいります。
⑦ 内部管理体制とコンプライアンスの強化
当社グループは、取締役会による内部統制の構築及び監査役による業務監査を行うことで、常に法令等を遵守すると共に適切な経営が行われる管理体制を構築しておりますが、多様化・複雑化する法令及び制度に抵触する可能性があります。これらの法令違反等に対応するために、代表取締役社長、営業本部長、管理本部長、常勤監査役、社外監査役、内部監査室室長、管理部管理部長等が出席し、原則として毎月1回コンプライアンス委員会を開催しております。また管理担当役員をコンプライアンス担当役員に任命し、コンプライアンス担当役員及び管理本部管理部を中心に法令等の遵守状況を定期的に確認するためのセミナーや業界団体の勉強会に参加してまいります。また、社内に向けても定期的にコンプライアンス研修及び各種ハラスメント研修を行うことで、企業全体としてコンプライアンス意識を醸成し、倫理観の高い組織風土を構築してまいります。
⑧ 新規事業の開拓とM&A戦略も含めた事業拡大
当社グループは、中古住宅再生事業を主たる業務として営んでおりますが、会社の成長と事業の拡大のためにも、新規事業の開拓は必要不可欠と考えております。現在、具体的な新規事業の開拓は行われていないものの、新たな取り組みとして2016年3月にリプライスを連結子会社化しました。リプライスは当社の持つネットワーク、ノウハウ及び資金等のプラットフォームの活用により、不動産仲介会社との関係を強化することで、競売仕入のみならず買取仕入の強化を実現しております。また、当社グループに入ったことで、資金の制約が緩和され金融機関からの借入を拡大できたことで、仕入件数の増加及び収益拡大に繋がっております。リプライスの完全子会社化を先行事例としながら、非連続的な成長を実現するために、M&A及び事業提携による関連事業の拡大に取組んでまいります。
⑨ 株式会社ニトリホールディングスとの業務提携
当社は、2017年4月に、株式会社ニトリホールディングス(以下、「ニトリ」という。)との間で、それぞれが有する技術、ノウハウ、商流・物流ネットワークその他経営資源を相互に利用し、両社の事業価値の最大化を図ることを目的に業務提携契約を締結し、同契約に基づき、以下について検討を開始しております。
・相互の顧客に対するサービス向上と顧客基盤の拡大
・費用拡大を極力抑えた「住宅価値向上商品」開発の検討
・リフォームコスト削減への寄与
・工務店ネットワークの共有・強化
また、2017年9月、当社及びニトリは、上記業務提携契約に基づき、下記の内容について連携し、実現に向け具体的な検討を開始することで合意いたしました。
ⅰ.販売サービス・媒体連携
・2018年1月以降、当社が販売する一部の住宅にニトリの家具・インテリア商品を設置し、付加価値を高めて販売するスキームの実現を目指します。
・2017年10月以降、お客様向け優待等両社の販売サービスの向上や、WEBサイト等の媒体連携による相互送客の体制を構築いたします。
ⅱ.共同店舗展開
2018年度上期を目処に、一部のニトリ店舗内にカチタスの窓口を設置する形で共同店舗の開設を検討します。
ⅲ.商材の共同仕入れ体制の構築
システムキッチン、システムバス、トイレ及び洗面化粧台等、両社に共通するリフォームに不可欠な商材について、商品開発と共同仕入れの体制の構築に向けて2017年11月より商材別に効果検証を行い、2018年度中の体制構築とコストダウンを目指します。
当社は、今後も、ニトリとの業務提携を通じて、お客様の利便性向上及び両社のコストダウンに資する施策の具体化を進めてまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、以下の経営理念を掲げ、経営の基本方針としております。
経営理念
未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。
事業に取り組む基本姿勢及び事業を通じて実現したいこと
・私たちは、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズを把握することに努め、リフォームの企画と仕上がりにこだわり続けることにより、持ち家を望むすべての人に、手の届く価格で、安心・清潔・実用的な住まいを提供する。
・私たちは、十分に活用されず地域に埋もれてしまっている家や、一般的な中古住宅市場では売りにくい家に対しても、潜在的な価値と需要を見出し、自ら買い取って付加価値を加えるリフォームを企画することで、中古住宅に新たな生命を吹き込む。
・私たちは『家に価値タス』活動を通じて、地域とそこに暮らす人々の生活に一つでも多くの『未来への扉』を提供し、新築中心の日本の住まい方から、家を再生して住みつなげるという新しい住まい方を提唱して、地域の活性化・発展を支援し続けていく。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高、営業利益及び在庫回転率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、これらの向上を図ってまいります。達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議、週次での商況モニタリング会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。
(3) 経営環境と今後の見通し
今後の我が国経済の見通しにつきましては、少子高齢化等の人口構造の変化による需要の変化や消費税の増税に伴う消費マインドの低下、中国経済の先行き不透明感等の様々なリスクを内包しつつも、不動産業界を取り巻く環境は政府主導の経済対策や日銀の金融政策等を背景に、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて全体としては緩やかに成長すると予測されます。
当社グループが属する中古住宅再生事業におきましては、2014年4月の消費税増税前後に駆け込み需要とその反動があったことからも、将来的に10%に引き上げられる前の一時的な駆け込み需要とその後の反動減は予想されるものの、中長期的な視点では政府による中古住宅取得支援策の一層の充実等により伸長していくと見通しております。また、仕入物件の対象となる空き家におきましては、1978年には空き家数は268万戸、空き家率は7.6%であったものの、2013年には空き家数は820万戸、空き家率は13.5%となり、空き家数及び空き家率共に年々増加しており、今後も増加されるものと見込まれることから、(出典:総務省資料「平成25年住宅・土地統計調査 確報集計」)当社グループの仕入対象物件は増加すると見通しております。
2016年3月18日に国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」において既存住宅流通市場の市場規模を2013年時点の4兆円から2025年までに8兆円市場にすることを国家戦略として掲げていることからも、今後の成長産業として期待されております。実際に、日本における既存住宅の流通シェアは約14.7%(2013年)と、米国の83.1%、英国88.0%、仏国68.4%と欧米諸国と比べて小さい状況であり、市場規模の拡大余地は十分にある市場となっております(出典:国土交通省「中古住宅市場活性化・空き家活用促進・住み替え円滑化に向けた取組について」)。
一方、三大都市圏への人口の集中と地方都市の高齢化が懸念されておりますが、中古再生事業を行う競合他社や新築分譲会社、ホームビルダーが三大都市圏に集中する中で、当社グループは全国に事業展開を行い各地方都市で継続的に販売を行い成長しております。これは、上記の様に三大都市圏に不動産会社が集中した結果、地方都市での住宅購入の需要に対して供給が不足するという状況が生じていることが背景にあり、今後も地方における中古再生住宅のニーズは拡大すると見立てております。店舗を増やすと同時に店舗あたり人員を増やすことでエリア展開のメッシュを細かくし、未開拓エリアへの進出を継続的に実行することで、今後も三大都市圏に依存せず、地方都市を中心とした事業展開によって一層の事業拡大を図ってまいります。
(4) 経営戦略の内容
① 中古住宅再生事業のマーケットシェアの拡大
当社グループが事業展開する中古住宅再生事業においては、主たる法的規制は宅地建物取引業法のみであり、宅地建物取引業免許を有していれば参入できることから、中古住宅再生事業には新規不動産会社も数多く進出してきております。その様な中で数多くの中古住宅及びリフォーム関連の新規ビジネスが創出されてきており、市場環境は目まぐるしく変化・進化しております。当社グループの主たる事業である中古住宅再生事業におきましても、都市部のマンションにおいては独自性の高いリフォームの実施により付加価値を高める事業者や、販売手法に趣向を凝らした事業者も多く参入してきております。一方で、この様な競合他社の多くは三大都市圏を中心とした都市部をターゲット市場としておりますが、当社グループは三大都市圏に依存せず、地方部の築古物件を中心に取り扱っております。競合他社は、築古の中古住宅、特に戸建て住宅に潜む特有のリスクが大きいこと、取引事例が少なく参考情報が少ないこと等からビジネスリスクが大きく、進出が難しい市場である中で、当社はこのブルーオーシャンの市場で事業を行うことができているものと認識しております。また、「(3) 経営環境と今後の見通し」に記載した様に、日本における既存住宅流通の拡大余地は十分にある中で、当社グループの現状の販売実績は、既存住宅流通市場の一部に過ぎず、中古住宅再生事業は今後も成長領域であると判断しております。
② 営業戦略
当社グループは、人口5万人から50万人の幅広い人口規模をターゲット市場としております。2015年10月1日現在において当該人口規模の市区町村は全国で特別区を除き493市区町村ありますが、店舗の展開方針については、上記の人口を有する市区町村を対象に、人口密度及び都心部へのアクセス状況、高速道路の整備状況や移動手段の利便性等を総合的に勘案して店舗を設置しております(出典:総務省「総計」2015年国勢調査>人口速報集計>人口統計表 2016年2月26日公表)。2017年3月31日現在の店舗数はグループ全体で122店舗となり、概ね全国展開ができていると判断しております。そのため、当社グループの営業戦略としては、営業人員を増加することにより取引量を増やしつつ、展開エリアを細分化させることを優先し、営業効率が向上すると判断した場合には店舗開設を行うこととしております。市場動向や経済情勢、営業人員数の状況、店舗展開エリアと営業効率等を総合的に勘案して、全国における既存住宅流通市場に占める当社グループのシェアを一層拡大してまいります。
また、不動産流通市場での認知度を向上させ不動産仲介会社との連携をより一層強化することにより、買取仕入を増加させることは可能であると判断しており、継続的な認知度の向上のためのプロモーション活動と不動産仲介会社との連携強化を図ってまいります。
③ 人材の確保と育成について
当社グループは、上述の「② 営業戦略」の課題の解決には、不動産及びリフォームに関する専門的な知識及び事業成長のためのチームマネジメントを行うことができる人材の確保が必要と考えております。また、当社グループは全国展開していることから全国での人材採用が必要となります。並びに、仕入対象となる物件情報を入手するための不動産仲介会社への訪問から、仕入対象物件の調査と選定、リフォームの企画、販売活動と一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行っていることから、人材の確保に加えて一連の工程を高いレベルで実施できる人材へと育成することが必要となっております。
上記より、人材の確保と育成が重要であると判断し、今後も定期採用と中途採用に注力してまいります。
(5) 対処すべき課題
① 安定した仕入れの実施
当社グループの仕入は、主に買取仕入の方法によります。当社グループは、従来は競売仕入を中心に仕入を行っておりましたが、不動産競売市場からの仕入れは、競争入札によること及び入札案件の発生量を自社でコントロールできないことにより、安定的な仕入数の確保が困難でした。一方、買取仕入においては、住宅を売却したいという潜在的ニーズを持っている売主が多数存在し、特に相続等により空家になった住宅や、都心への移住による地方部での住宅売却ニーズは年々増加しております。
そのため、当社グループでは2013年1月期以降は買取仕入に注力する方針を取り、売主へのテレビCMやラジオCMによるダイレクトアプローチを積極的に行って、売主となる個人又は法人のお客様からの買取仕入と、個別にネットワークを構築した全国の不動産仲介会社等からの紹介による買取仕入の双方の強化を図っております。当社グループの買取仕入の件数は増加しているものの、既存住宅流通市場全体に占めるシェアは低いことから、より多くの買取仕入を安定的に行うことで計画的な成長を図ってまいります。
② 在庫の品質管理の徹底
当社グループの販売用不動産は、当社では、仕入前に当社独自のチェックリストに基づいて営業担当者がリフォーム協力会社及び白蟻調査会社も交えた三者立会いによる入念な調査を行い、リプライスでは分析担当部署による第三者目線での物件の適正金額の査定を行っているものの、新築時には他社が施工を行った住宅を仕入れていることから初期施工の瑕疵等が潜んでいる可能性があります。当社グループは中古住宅再生事業のリーディングカンパニーとして品質の良いリフォーム済み中古住宅の販売を行うことはもちろん、ひいては中古住宅は安心だという社会的認知度を高めることで既存住宅流通を活性化させるという社会的責任を負っていると自負しております。そのためにも、当社グループでは、工事完了時に独自のチェックリストを用いてリフォーム完了チェックを行い、品質の高いリフォーム済み住宅を安定的に提供することでお客様の満足度を高め、中古住宅に対して抱かれる世間一般の不安要素を取り除いてまいります。
③ 在庫回転率の向上
当社グループの販売用不動産は仕入後にリフォーム工事を行い、販売を行うことから、仕入計上から販売までに一定の期間を要しております。物件取得からお客様への引渡しまでの期間が長期化することは財務体質の悪化を招くと共に営業現場の効率を低下させる可能性があります。買取り後すぐに引渡し及びリフォームの着手が行えるようリフォーム協力会社と連携を行って商品化期間を短縮し、またWEB上でのリフォーム期間中の販促を積極的に行うことや、過去の販売時に作成した潜在的顧客のリストに基づき、近隣の住宅を仕入れた際には当該顧客に個別に連絡を行うこと等により、リフォーム完了前の成約率を向上させ、在庫回転率の向上を図ってまいります。
④ 当社グループの認知度の向上
当社は「買い取りのカチタス」としてブランディング戦略を立て2013年7月より放映を開始したテレビCMやラジオCMは地方部を中心に行っていたことから、2013年10月以降、3ヶ月に一度継続的に実施している社名認知度調査(毎回、テレビCM実施エリアを中心とした10道府県をローテーションして1,100人に対しWEBアンケートにて実施)の2017年8月調査では、テレビCM実施エリアに限れば38.8%の社名認知を獲得するに至りました。テレビCMの第1弾の放送時期であった2013年10月には6.6%、第2弾の放送時期である2016年12月には26.3%と、現在まで着実に認知度が高まっております。さらに「家を売る先の会社としてどこが思い浮かびますか?」との質問に対しては、8.6%ないし4.0%のように1桁台の回答を得た大手不動産会社を抑えて当社が10.3%と1位の想起を得ています。引き続き認知度向上のため地方エリアにおけるCMをはじめとするプロモーションを継続的に強化していきます。
⑤ 人材の確保と育成
当社グループでは優秀な人材を確保・育成していくことが経営課題克服のための重要課題の一つであると認識しております。また、全国各地に人材を確保する必要があるため、優秀な人材を全国的に採用する必要があります。そのため、2013年4月採用以降、継続して新卒の定期採用活動を行っており、2017年3月31日時点で在籍する新卒入社の従業員数は124名とグループ全体の620名のうち約2割が新卒定期採用により入社した社員となっております。今後も安定した新卒採用と即戦力となる中途採用を並行して行い、さらなる事業規模の拡大を図ってまいります。また、当社グループでは仕入物件の選定・調査・仕入、リフォームの企画、販売活動といった一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行うという独自の体制を取っているため、社内教育・研修制度の充実を図っております。具体的には、新卒及び中途社員への研修、事業所運営の良い事例を共有する店舗間留学、店長向けのファシリテーション研修、リフォームスキル向上のためのリフォーム企画の実地研修、課長のマネジメント力向上のために半期に一度全課長がエリアマネジメントの成果をプレゼンする課長ベストプラクティスコンテスト等、様々な人材育成のための研修を継続的に行っております。日常的には、全店舗をオンラインで繋げて経営方針や重要な連絡、全国の店舗から吸い上げられた成功事例、失敗事例等を伝える週次全社TV朝会を通じて、従業員の意識向上とナレッジの共有を図っております。この様な取り組みを行うことで、個々人の能力向上を促し、従業員一人一人の長所を活かし、モチベーションを高めながら成長をサポートできる仕組みを強化してまいります。
⑥ 金融機関との安定した取引
当社グループは、外部金融機関からの調達に過度に依存しない財務体質にすべく在庫回転率の向上を図っているものの、不動産業として仕入時に取り扱う金額が大きいため金融機関からの融資が必要となります。また、現状、当社グループの借入はシンジケートローンによる借入のみであることから、シンジケートを構成する金融機関との良好な関係構築が重要であります。そのためにも、健全な財務状況の確保と迅速かつ正確な適時開示を行うことで金融機関との強固かつ良好なパートナーシップを築き、安定的かつ継続的な融資取引の実施を図ってまいります。
⑦ 内部管理体制とコンプライアンスの強化
当社グループは、取締役会による内部統制の構築及び監査役による業務監査を行うことで、常に法令等を遵守すると共に適切な経営が行われる管理体制を構築しておりますが、多様化・複雑化する法令及び制度に抵触する可能性があります。これらの法令違反等に対応するために、代表取締役社長、営業本部長、管理本部長、常勤監査役、社外監査役、内部監査室室長、管理部管理部長等が出席し、原則として毎月1回コンプライアンス委員会を開催しております。また管理担当役員をコンプライアンス担当役員に任命し、コンプライアンス担当役員及び管理本部管理部を中心に法令等の遵守状況を定期的に確認するためのセミナーや業界団体の勉強会に参加してまいります。また、社内に向けても定期的にコンプライアンス研修及び各種ハラスメント研修を行うことで、企業全体としてコンプライアンス意識を醸成し、倫理観の高い組織風土を構築してまいります。
⑧ 新規事業の開拓とM&A戦略も含めた事業拡大
当社グループは、中古住宅再生事業を主たる業務として営んでおりますが、会社の成長と事業の拡大のためにも、新規事業の開拓は必要不可欠と考えております。現在、具体的な新規事業の開拓は行われていないものの、新たな取り組みとして2016年3月にリプライスを連結子会社化しました。リプライスは当社の持つネットワーク、ノウハウ及び資金等のプラットフォームの活用により、不動産仲介会社との関係を強化することで、競売仕入のみならず買取仕入の強化を実現しております。また、当社グループに入ったことで、資金の制約が緩和され金融機関からの借入を拡大できたことで、仕入件数の増加及び収益拡大に繋がっております。リプライスの完全子会社化を先行事例としながら、非連続的な成長を実現するために、M&A及び事業提携による関連事業の拡大に取組んでまいります。
⑨ 株式会社ニトリホールディングスとの業務提携
当社は、2017年4月に、株式会社ニトリホールディングス(以下、「ニトリ」という。)との間で、それぞれが有する技術、ノウハウ、商流・物流ネットワークその他経営資源を相互に利用し、両社の事業価値の最大化を図ることを目的に業務提携契約を締結し、同契約に基づき、以下について検討を開始しております。
・相互の顧客に対するサービス向上と顧客基盤の拡大
・費用拡大を極力抑えた「住宅価値向上商品」開発の検討
・リフォームコスト削減への寄与
・工務店ネットワークの共有・強化
また、2017年9月、当社及びニトリは、上記業務提携契約に基づき、下記の内容について連携し、実現に向け具体的な検討を開始することで合意いたしました。
ⅰ.販売サービス・媒体連携
・2018年1月以降、当社が販売する一部の住宅にニトリの家具・インテリア商品を設置し、付加価値を高めて販売するスキームの実現を目指します。
・2017年10月以降、お客様向け優待等両社の販売サービスの向上や、WEBサイト等の媒体連携による相互送客の体制を構築いたします。
ⅱ.共同店舗展開
2018年度上期を目処に、一部のニトリ店舗内にカチタスの窓口を設置する形で共同店舗の開設を検討します。
ⅲ.商材の共同仕入れ体制の構築
システムキッチン、システムバス、トイレ及び洗面化粧台等、両社に共通するリフォームに不可欠な商材について、商品開発と共同仕入れの体制の構築に向けて2017年11月より商材別に効果検証を行い、2018年度中の体制構築とコストダウンを目指します。
当社は、今後も、ニトリとの業務提携を通じて、お客様の利便性向上及び両社のコストダウンに資する施策の具体化を進めてまいります。