訂正有価証券報告書-第34期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/07/08 16:05
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有報資料

当連結会計年度末現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営環境
当社グループは、Open Doorという企業理念のもと、いまだ誰も突破できていない障壁のある生活に密着した分野で、誰よりも先んじて事業機会を創造し、事業を展開し、産業構造を変え、あるべき社会を実現すべく、様々な事業に取り組んでおります。世界経済は、関税をはじめとする米政策動向の不確実性や中国経済の減速、ウクライナ情勢等の地政学的リスクなどの影響で、依然として先行き不透明な状況が続いておりますが、当社グループが事業を展開するフィリピンは、人口増加を背景にアジア諸国の中でも高い経済成長率を維持しております。また、日本においても、インバウンド需要の回復等により景気の緩やかな回復が見られております。
当社グループの中核事業である国際通信事業においては、デジタル化の加速に伴い、人工知能(AI)やデータセンターへの投資が活発化する中で通信需要が増加しております。当社グループは、2020年5月にフィリピンとシンガポール・香港間を結ぶ国際回線(City-to-City Cable System、以下「C2C回線」)の使用権を取得し、フィリピンで3番目の国際通信キャリアとなり、2020年10月よりC2C回線と各国の陸上回線を併せた国際通信ネットワークの提供を開始しました。国際通信回線の供給能力が飛躍的に増加したことにより、従来のCATV事業者向けに加えて通信事業者向けの提供が可能となり、キャリアズキャリア(通信事業者のための卸売業者)としてのポジションを確立しております。キャリアズキャリア販売により、通信回線の取得や建設にかかる投資資金の早期回収が可能となります。また、2023年12月には、フィリピンの通信事業者2社と共同建設していた、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内海底ケーブルネットワーク(Philippine Domestic Submarine Cable Network、以下「PDSCN」)が完成しました。PDSCNを中心とする国内基幹網の拡充を通じ、フィリピン全土に通信回線やサービスを展開することにより、よりスピード感のあるダイナミックな事業展開を進めていくことが可能となります。
日本においても、国内通信事業を分社化し、株式会社アイ・ピー・エス・プロを2022年7月に設立し、意思決定の迅速化及び機動的な企業運営を強化し、事業執行の確実性とスピード化を図っております。
メディカル&ヘルスケア事業では、レーシックにおいて競争環境が激化しているものの、人口増加に伴い若年層を中心に適応対象が拡大していくことが予想されます。Shinagawa Lasik & Aesthetics Center Corporation(以下「SLACC」)による日本の技術やノウハウを導入した医療サービスに対する顧客の評価は高く、引き続き高品質のサービス提供を行ってまいります。また、予防医療分野への進出による事業拡大を図るため、Shinagawa Healthcare Solutions Corporation(以下「SHSC」)において、日本基準の人間ドック・健診センターであるShinagawa Diagnostic & Preventive Care Center(以下「SDPCC」)の2023年5月に運営を開始しております。
① 国際通信事業
本事業は、フィリピンのCATV事業者や通信事業者へのインターネットに接続するための国際通信回線やフィリピン国内での通信回線の提供及びマニラ首都圏経済集積地での法人向けインターネット接続サービスなどを行っております。
国際通信回線の提供においては、2020年5月に、オーストラリア最大手通信事業者の海外部門子会社との間で、フィリピンとシンガポール・香港を結ぶC2C回線の一部の使用権を取得し、2020年6月にはISMO Pte. Ltd.(以下「ISMO」)を設立してシンガポールの通信ライセンスを取得し、上記3か国の陸上回線と併せた国際通信ネットワークを構築して同年10月に提供を開始しました。このC2C回線の使用権の取得および各国の国内通信ネットワークの構築により、当社グループはフィリピンにおいて、海底ケーブルの権利を保有して運用する大手通信事業者2社に次ぐ3番目の国際通信キャリアとなり、国際通信回線の供給能力が飛躍的に増加したことから、キャリアズキャリアとして通信事業者向けの販売を開始するなど事業が大きく拡大しております。
また、フィリピン国内においても、中核通信子会社InfiniVAN, Inc.(以下「InfiniVAN」)がフィリピンの通信事業者2社と2022年7月から共同建設を開始したPDSCNが2023年12月に完成し、回線やサービスの提供を開始しております。併せて、陸上回線の整備を行い、国際通信事業の拡大に必要なフィリピン国内基幹網のさらなる整備を推進し、C2C回線と国内外のネットワークを提供することにより、フィリピンの多くの地域に快適なインターネット環境を整備してまいります。
今後の国際通信事業の拡大には、フィリピン国内の通信網の整備による通信回線提供エリアの拡大が必要となることから、さらにフィリピン国内基幹網を強化し、ミンダナオ島等をはじめとする新たなエリアのCATV事業者や通信事業者への通信回線の提供を開始し、事業を拡大してまいります。
また、本事業の収益の柱であるマニラ首都圏経済集積地での法人向けインターネット接続サービスは、PDSCNの完成でフィリピン国内基幹網が整備されたことにより、金融機関等の地方にも拠点を有する企業との取引も拡大しており、営業員やバックボーン敷設等の社内体制増強を図り、課金顧客数の増加を図ってまいります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現には5Gの同時接続が必要になる等今後も通信環境の整備が進んでいくことが想定されます。2021年2月に、InfiniVANが、フィリピン共和国国家通信委員会(NTC)から、1.5GHzの周波数帯の割当を受けました。2020年に割当済の5G専用の周波数帯である3.7GHz、24GHzと併せて、従来の4G技術と新たな5G技術の併用も視野に入れて、5G無線ブロードバンドサービスの提供を目指して実用化に向けた取り組みを引き続き検討してまいります。
② 国内通信事業
当社グループが日本国内の販売代理権を持つコールセンターシステム「AmeyoJ」と秒課金サービスを合わせたコールセンターソリューションの分野は、引き続き需要の伸長が予想され、顧客管理とコールセンターの一元システムの構築といった包括的ソリューションのサービス提供を進めてまいります。また、2025年に完全実施となった電話網のIP化(PSTNマイグレーション)を契機として、着信側が課金される「0120」等を自社提供する新サービス開始に向けた対応を進めており、顧客ニーズに柔軟に対応しながら収益拡大を目指すとともに、さらなる新サービスの提供による事業拡大も図ってまいります。
一方、電気通信事業者間の音声通信回線の相互接続は、電話網IP化の影響を受け、接続料(アクセスチャージ)水準の変更や過年度分の遡及精算、一部取引を保守的に見直したことにより、収益が一時的に減少する影響を受けましたが、会計上の必要な手当等を講じるなど速やかに対応しており、今後は回復を見込んでおります。
③ メディカル&ヘルスケア事業
当期は競争環境の激化もあり、SLACCがマニラ首都圏で展開するレーシックの手術件数は減少いたしましたが、日本の技術やノウハウを導入した医療サービスに対する顧客の評価は依然高く、引き続き高品質のサービスの提供に努めます。また、人口増加を背景に若年層を中心とする適応対象の拡大を見込んでおり、マーケティング手法を柔軟に見直しながら、需要動向に応じた価格設定などを通じてきめ細やかなサービスの提供を図ってまいります。
人間ドック・健診センターにおいては、日本の優れた画像診断技術を活用し、多くのフィリピン人の方々に適切な費用での利用を図るSDPCCにおいて、法人の定期健診、個人の継続的利用の促進に取り組んだ結果、来院患者数は着実に伸長しております。引き続き、フィリピンにおける健康・予防意識の向上と予防医療の啓発活動を継続し、継続的な利用者の拡大を図ってまいります。
(2)経営戦略
① 国際通信事業
C2C回線の使用権を取得して当社グループの国際通信ネットワークを構築しております。これにより、国際通信回線の供給能力が飛躍的に増大して、従来のCATV事業者向けに加えて通信事業者向けの提供が可能となりました。一方で、国際通信事業の拡大には、フィリピン国内の通信網の拡大を始めとする通信基盤の整備が不可欠です。新たなエリアでのCATV事業者や通信事業者への販売拡大を図るため、フィリピンの通信事業者2社と共同建設していたルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶPDSCNが2023年12月に完成しました。併せて、陸上回線の整備を行い、フィリピン国内基幹網を構築しております。これにより、フィリピン全土の多くの地域に向けて通信サービスの提供が可能となっており、さらなる事業拡大を図ってまいります。
フィリピン国内の通信需要は経済成長に伴って拡大しており、マニラ首都圏の法人向けインターネット接続サービスの需要も引き続き伸長しているため、社内体制を強化して課金顧客数の増加を図ってまいります。また、デジタル化の加速を背景に、在宅勤務など多様な就業形態が広がっており、個人向け通信市場も拡大していることから、レジデンシャル向けサービスの提供を強化してまいります。
2021年2月に、InfiniVANが、フィリピン共和国国家通信委員会(NTC)から1.5GHzの周波数帯の割当を受け、2020年に割当済の3.7GHz、24GHzの周波数帯と併せて、従来の4G技術と新たな5G技術の併用も視野に入れ、5G無線ブロードバンドサービスの提供を目指して工業団地などでの実証実験を進捗させ、実用化に向けた取り組みを引き続き検討してまいります。
② 国内通信事業
主力であるコールセンター事業者向けのソリューションサービスは、引き続き通信トラフィックが堅調に推移し、安定的な需要が続くことが予想されます。コールセンターが必要としているニーズは多様化しており、従来の割安な電話サービスの提供に留まらず、SNS(注1)やAI(注2)によるコミュニケーションも含めた、顧客管理とコールセンターの一元システムの構築等、新しいコンセプトでの包括的ソリューションの提供を進めてまいります。また、会社分割により2022年7月1日に同事業を担う新会社として株式会社アイ・ピー・エス・プロを設立しており、同社による新分野への事業展開等の検討を進めてまいります。
(注1) SNS
Social Networking Serviceの略称で、Web上で社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築可能にするサービスです。
(注2) AI
Artificial Intelligenceの略称で、人工知能と訳されます。コンピューターを使って、学習・推論・判断等人間の知能のはたらきを人工的に実現したものです。
③ メディカル&ヘルスケア事業
主力事業であるレーシックは、競争環境の激化の影響を受け、手術件数が前期に比べ減少しております。引き続きSLACCの提供するサービスに対する高い評価や知名度を生かしつつ、顧客ニーズに応じた柔軟なサービス体系や価格設定を行い、新たなマーケティング手法の実施などにより顧客獲得の強化を図ってまいります。
また、新規事業である予防医療分野では、平均年齢の低いフィリピンにおいて先駆的な取り組みである予防医療について、重要性の啓発活動を強化してまいります。日本の優れた画像診断技術を活用しながらも、適切な費用で利用できる人間ドック・健診センターの認知度を高め、利用状況の改善を図ってまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中長期経営戦略を推進するにあたり、優先的に対処すべき課題として下記のものがあります。
当社グループは、フィリピンでの通信事業に主要な収益の機会を求めており、国際通信事業は、CATV事業者や通信事業者に対して国際通信回線を提供するホールセール部門と、主にマニラ首都圏地域に通信設備を構築し、法人向けのインターネット接続サービスを提供するエンタープライズ部門から成り立っております。フィリピンでは外資規制等により新規参入が困難であり、既存の大手事業者による寡占市場であること等が、外資系企業としていち早く参入した当社グループにとって様々な収益機会となりました。ただ、通信事業が外資規制の対象から除外されたことで、今後新たな競合事業者の参入も想定されうることから、今後数年間の投資が将来的な事業拡大にとって重要であり、そのための人材や資金、その他のリソースの確保が最も重要であると認識しております。
その他にも、下記の対処すべき課題があります。
① 国際通信事業
2020年、2021年に使用権を取得いたしましたC2C回線は、順調に顧客への提供を積み上げており、さらなる安定的な供給のために新たな国際通信回線を確保していくことが必要となります。また、供給量確保の前提として、全体的な通信需要を適切に把握するとともに、通信事業者向け等の大口の顧客を開拓するなど新規顧客の獲得を進め、提供先を拡大することが求められます。
フィリピンの通信環境を改善し、フィリピン各地の通信事業者やCATV事業者にも国際通信回線の提供など当社グループのサービスを提供するには、フィリピン国内基幹網の整備・拡充が必要となります。2022年7月に共同建設を開始したPDSCNは2023年12月に完成し、陸上回線の敷設を行うことで、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内基幹網を構築しており、さらなる整備・拡充を図ってまいります。
また、マニラ首都圏を中心とする法人向けインターネット接続サービスの拡大を図るとともに、個人向けブロードバンドサービスの開拓等、市場の変化に応じた新たな顧客獲得による需要の確保も重要な課題であります。
② 国内通信事業
2022年7月に会社分割により国内通信事業を分社化し、株式会社アイ・ピー・エス・プロを設立しております。分社化による意思決定の迅速化などのメリットを活かし、新たな通信サービスの提供を行うなど事業の拡大を図ってまいります。特に、2025年にかけて実施された電話網のIP化(PSTNマイグレーション)に対応した新たなサービスの提供などをはじめとして、顧客基盤の強化と収益改善を図ってまいります。
また、国内通信事業において収益の大部分を担ってきた音声通信は、無料通話アプリの普及等により、国内での需要が減少しつつあります。そのような環境下、当社株式会社アイ・ピー・エス・プロが主力としているコールセンターソリューション事業は、広くコンタクトセンターのソリューション提供に方針を変えることが求められております。当社が提供しているコールセンター向けソフトウエアの提供、自動書き起こしやAIによる応答等、多様なニーズに応えてまいります。
③ メディカル&ヘルスケア事業
フィリピンの医療環境の改善を図るため、2022年6月に人間ドック・健診センターを運営する子会社SHSCを設立し、2023年5月に人間ドック・健診センターSDPCCの運営を開始しております。フィリピンの方々の予防医療についての認知を高め、SDPCCの運営を軌道に乗せ、早期の収益化を図ってまいります。
また、主力であるSLACCが提供するレーシックについては、引き続き需要の拡大に対応し、マーケティング手法の強化などにより、来院者数の増加に努めてまいります。
④ 内部統制システムの強化・運用
当社グループはこれまで継続的に内部監査体制を強化し、業務の改善、統制の強化に努めてまいりました。今後は、コーポレート・ガバナンスの強化を推進するとともに、さらにコンプライアンス遵守を社内に浸透させる施策を展開してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは事業拡大と企業価値の向上のために、売上高、営業利益を重要な指標としております。ただ下記の事業につきましては、投資が先行する新規事業であること等から、独自の尺度で経営上の目標の達成状況を判断しております。
国際通信事業は、法人向けインターネット接続サービスに関して、課金済みの顧客件数及びその契約容量を事業成長判断の一つの基準としており、毎月集計して進捗の管理をしております。
また、同サービスを利用できるようになった建物の件数も、事業成長判断の一つの基準としております。通信回線・通信機器を設置するまで、調整に時間がかかるものの、いったん設置した後は容易にサービス提供できるため、収益の可能性が高まるといえるからです。

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