有価証券報告書-第18期(2023/04/01-2024/03/31)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症から社会経済活動が正常化したことにより、景気は引き続き持ち直しの動きを見せております。一方、外国為替相場における円安の進行、エネルギー・資源コストの高騰などによる国内物価の上昇、また国際情勢等、先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境としては、近年消費者の価値観が「所有」から「利用」、「モノ」から「コト」へ変化する中で、「サブスクリプションビジネス」がBtoCの分野で先行的に拡大しており、すでに「サブスクリプション」はビジネスモデル変革の一つのキーワードとして広く業界に認知されるに至っております。こうした中で、トヨタ自動車の「KINTO」のように、日本企業、製造業においても「モノ」を中心とした売り切り型のビジネスモデルから、顧客に新たな体験価値を提供し継続的に対価を得る「コト」を中心としたビジネスモデルへと軸足を移そうという動きが具体的に始まっていると思料しております。また、近年は、技術革新に加え、社会生活の態様の変化を踏まえ、日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進んでいく環境が出来上がりつつあるものと思料しておりますが、加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、コンタクトレス・エコノミーへの対応が求められる時代にもなりました。
このような環境において、当社グループは創業以来「情報基盤の創造によって、より豊かな社会の実現に貢献する」ことを理念とし、「サブスクリプションをすべてのビジネスに」をテーマに、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats®」の開発・提供を一貫して行っております。サブスクリプション型ビジネスへの転換・事業創出のニーズは各産業に通底するものであり、当社プラットフォームを展開しうる業域は広いため、今後も事業機会は増加していくものと想定しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動が制約を受けたことを契機として、中長期的には、社会生活の態様の変化から日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進み、日本企業のビジネスモデルのサブスクリプション型ビジネスへの転換が従来よりも加速していく可能性もあり、その場合には、当社の主力製品である汎用型サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats® Platform Edition」は、より一層の支持を受けるものと期待されます。
当社グループでは、全てのサブスクリプションビジネスを取り込み得る将来的な拡販の可能性とそれに伴う企業成長を目指し、2017年半ばより汎用製品である「Bplats® Platform Edition」を主力製品として、当期においても引き続きその拡販に注力しており、日本企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームシステムとして着実な事業進捗を重ねているものと判断しております。
また、「Bplats® Platform Edition」で実現する「エコシステムがつながる」という当社の強みの機能向上を推進し、多様なニーズに対応すべく、新たなオプション機能の開発を継続的に進めております。特に、自社のサブスクリプションサービスを他事業者のサブスクリプションマーケットプレイスを通じて提供できる新サービス「Bplats® Connect」を活用すると、大手のサブスクリプションマーケットプレイスを展開する事業者に自社のサブスクリプションサービスを登録し新しい顧客層にサービスや商品を提供することや、複数の「Bplats®」の利用者が集まって一つのマーケットプレイス型サイトを新たに開設することによりスマートシティやスマートビルディングといった個々の目的にあった新たなマーケットプレイスに参加する各企業のサブスクリプションを簡単に取りまとめ新規のビジネスを立ち上げることが可能になります。
また、当社では国内の各種法令に適合した機能群を準備し、適切に対応おりますが、2023年4月より、「改正電子帳簿保存法」及び「適格請求書保存方式(インボイス制度)」に適合した新機能を「Bplats® Platform Edition」の標準機能として提供開始しております。
2023年10月には、「Bplats® Platform Edition v3」は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証する「電子取引ソフト法的要件」を取得いたしました。
当社といたしましては、このように主力製品「Bplats® Platform Edition」の機能向上を進めつつ、直販営業の強化に加え、販売パートナーの拡充と販売パートナーへの営業支援を強化し新規契約件数の拡大に注力しております。
2023年2月にSB C&S株式会社との間で業務提携に関する合弁契約を締結し、同社と合弁会社であるITplace株式会社を組成いたしました。IT商材のディストリビューターであるSB C&S社とサブスクリプションのプラットフォームを持つ当社が連携することで、サブスクリプション商材と販売するためのプラットフォームを一体でサービス提供することが可能になります。また、新しいプラットフォームサービスの提供に加え、導入・運用に必要なサポートサービスを提供いたします。
なお、当社が出願中の特許のうち2件が特許査定取得となり、2023年1月に登録されました。今後も知的財産面での強化を通じ、主力製品「Bplats® Platform Edition」での活用を含め、魅力的な製品の拡充と事業の成長を図ってまいります。
それらの結果、当連結会計年度における受注件数は165件(前年同期比152.7%)、当連結会計年度末における契約社数(無償版契約社数を含む)は252社(前年同期末比+70社)と着実に契約は伸長しております。
当社といたしましては、こうした販売戦略を通じ新規契約件数の拡大に注力することで、引き続き中長期的な成長を目指して当社グループの顧客基盤及びサブスクリプション収益(ストック型の月額収益、オプション追加収益)の拡大に努めてまいります。当連結会計年度においては、売上高に占めるストック収入の割合は、67.0%(前年同期60.0%比+7.0pt)、スポット収入に占めるオプション機能の提供を含む初期費用等の割合は、63.1%(前年同期36.1%比+26.9pt)、となりました。
また、連結子会社の株式会社サブスクリプション総合研究所におきましては、2023年4月よりサブスクリプション管理システムの導入を検討、遂行中の企業向けに、スムーズなサブスクリプションビジネス開始の支援を行うサービス「サブスク スタートパック」の提供を開始しております。
市場の拡大に向けた取り組みの強化としては、企業向けSaaSサービス市場の拡大に伴い、企業内でのSaaSサービスの社内での利用申請などの業務ワークフロー、システム担当者による煩雑な社外調達手配業務のオンライン化、企業内で多様化する働き方や職種に合わせて従業員に割り当てるSaaSサービスを一元管理するクラウドサービス「サブかん®」の大幅な機能強化を実施しました。2024年5月より提供開始する「サブかん」の新バージョンより、新たに「Subkan Connect(サブかんコネクト)」機能を搭載することにより、主力製品「Bplats® Platform Edition」のマーケットプレイスやマイページとデータがつながることを可能としました。これにより、「Bplats® Platform Edition」を活用する事業者によるSaaSサービスやサブスクリプションのオンライン販売サイト(「Bplats® Platform Edition」側)とそれらを購入した企業側の管理サービス(サブかん側)の、「売り手と買い手」がつながることを実現しています。「サブかん」とSubkan Connect(サブかんコネクト)機能を活用して連携可能な第一弾のマーケットプレイスとして、「サブかんストア」も同時に開設し、数百種類にも拡大している国内で流通するSaaSサービス商材の取り扱いを順次開始し、「サブかん」の利便性の拡充を継続的に実施します。
以上の結果、当連結会計年度における売上高については、契約社数が増加しストック収入が増加した一方で、前期の複数大型開発案件の効果が剥落しスポット収入が伸び悩んだことにより、897,963千円(前年同期比4.9%減)となりました。また、損益面については、売上原価において、主力製品バージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したこと、加えて減価償却費と人材投資に伴う労務費の増加があったこと等により、営業損失は76,749千円(前年同期は180,268千円の営業利益)、経常損失は78,730千円(前年同期は176,279千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円(前年同期は182,904千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また、当連結会計年度末における当社グループの財政状態については下記のとおりとなっております。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は1,367,583千円となり、前連結会計年度末に比べ17,290千円の増加となりました。
流動資産は435,563千円となり、前連結会計年度末に比べ110,262千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が117,848千円減少したこと等によります。
固定資産は932,020千円となり、前連結会計年度末に比べ127,553千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の無形固定資産が150,490千円増加したこと、繰延税金資産が23,124千円減少したこと等によります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は805,278千円となり、前連結会計年度末に比べ94,496千円の増加となりました。
流動負債は479,787千円となり、前連結会計年度末に比べ53,265千円の増加となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が41,301千円増加したこと、未払金が39,390千円増加したこと、未払法人税等が11,131千円減少したこと等によります。
固定負債は325,490千円となり、前連結会計年度末に比べ41,231千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が41,229千円増加したこと等によります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は562,305千円となり、前連結会計年度末に比べ77,206千円の減少となりました。これは主に、株式報酬及び新株予約権行使の払込みにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ12,938千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が98,013千円減少したこと等によります。
株主資本は562,305千円となり、前連結会計年度末に比べ72,319千円の減少となりました。自己資本比率につきましては、41.1%(前連結会計年度末は47.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ117,848千円減少し、232,212千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は116,976千円(前年同期は332,949千円の獲得)となりました。これは主に減価償却費184,047千円等で資金が増加したことに対し、税金等調整前当期純損失68,849千円等で資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は321,083千円(前年同期は353,344千円の支出)となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得による支出326,720千円等で資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は86,258千円(前年同期は124,342千円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入400,000千円等で資金が増加したことに対し、長期借入金の返済による支出317,470千円等で資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループのサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業別及びサービス別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、当社グループの中長期的な事業戦略に基づき当連結会計年度に実施しました諸施策に関係づけて分析すると、以下のとおりであります。
a.売上高
直販営業に加え販売パートナー経由の販売に注力してきたことが奏功し、契約社数は引き続き増加しストック収入が着実に増加しました。受注件数は堅調に増加したものの、前期の複数大型開発案件の効果が剥落しスポット収入が伸び悩み、売上高は897,963千円(前年同期比4.9%減)となりました。
b.売上原価、売上総利益
主力製品である「Bplats® Platform Edition」のバージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したこと、減価償却費が増加したこと等により、売上原価が559,607千円(前年同期比54.7%増)となり、売上総利益は338,356千円(前年同期比42.0%減)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
主に人材投資に伴う人件費の増加等により、販売費及び一般管理費は415,105千円(前年同期比2.9%増)となり、営業損失は76,749千円(前年同期は180,268千円の営業利益)となりました。
d.営業外損益、経常損失
営業外収益は4,819千円、営業外費用は6,800千円となり、その結果、経常損失は78,730千円(前年同期は176,279千円の経常利益)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純損失
株式会社サブスコアの全ての事業を譲渡し、事業譲渡益10,000千円を特別利益として計上しました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、ならびに非支配株主に帰属する当期純利益等の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円(前年同期は182,904千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性の事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性については下記のとおりと考えております。
資本の財源については、当連結会計年度末においては親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円を計上したことから自己資本比率は41.1%となりました。
また、資金の流動性については、当連結会計年度末における流動比率は90.8%となりました。
経営者の問題意識と今後の方針については次のとおりと考えております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後更に成長と発展を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症から社会経済活動が正常化したことにより、景気は引き続き持ち直しの動きを見せております。一方、外国為替相場における円安の進行、エネルギー・資源コストの高騰などによる国内物価の上昇、また国際情勢等、先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境としては、近年消費者の価値観が「所有」から「利用」、「モノ」から「コト」へ変化する中で、「サブスクリプションビジネス」がBtoCの分野で先行的に拡大しており、すでに「サブスクリプション」はビジネスモデル変革の一つのキーワードとして広く業界に認知されるに至っております。こうした中で、トヨタ自動車の「KINTO」のように、日本企業、製造業においても「モノ」を中心とした売り切り型のビジネスモデルから、顧客に新たな体験価値を提供し継続的に対価を得る「コト」を中心としたビジネスモデルへと軸足を移そうという動きが具体的に始まっていると思料しております。また、近年は、技術革新に加え、社会生活の態様の変化を踏まえ、日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進んでいく環境が出来上がりつつあるものと思料しておりますが、加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、コンタクトレス・エコノミーへの対応が求められる時代にもなりました。
このような環境において、当社グループは創業以来「情報基盤の創造によって、より豊かな社会の実現に貢献する」ことを理念とし、「サブスクリプションをすべてのビジネスに」をテーマに、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats®」の開発・提供を一貫して行っております。サブスクリプション型ビジネスへの転換・事業創出のニーズは各産業に通底するものであり、当社プラットフォームを展開しうる業域は広いため、今後も事業機会は増加していくものと想定しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動が制約を受けたことを契機として、中長期的には、社会生活の態様の変化から日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進み、日本企業のビジネスモデルのサブスクリプション型ビジネスへの転換が従来よりも加速していく可能性もあり、その場合には、当社の主力製品である汎用型サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats® Platform Edition」は、より一層の支持を受けるものと期待されます。
当社グループでは、全てのサブスクリプションビジネスを取り込み得る将来的な拡販の可能性とそれに伴う企業成長を目指し、2017年半ばより汎用製品である「Bplats® Platform Edition」を主力製品として、当期においても引き続きその拡販に注力しており、日本企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームシステムとして着実な事業進捗を重ねているものと判断しております。
また、「Bplats® Platform Edition」で実現する「エコシステムがつながる」という当社の強みの機能向上を推進し、多様なニーズに対応すべく、新たなオプション機能の開発を継続的に進めております。特に、自社のサブスクリプションサービスを他事業者のサブスクリプションマーケットプレイスを通じて提供できる新サービス「Bplats® Connect」を活用すると、大手のサブスクリプションマーケットプレイスを展開する事業者に自社のサブスクリプションサービスを登録し新しい顧客層にサービスや商品を提供することや、複数の「Bplats®」の利用者が集まって一つのマーケットプレイス型サイトを新たに開設することによりスマートシティやスマートビルディングといった個々の目的にあった新たなマーケットプレイスに参加する各企業のサブスクリプションを簡単に取りまとめ新規のビジネスを立ち上げることが可能になります。
また、当社では国内の各種法令に適合した機能群を準備し、適切に対応おりますが、2023年4月より、「改正電子帳簿保存法」及び「適格請求書保存方式(インボイス制度)」に適合した新機能を「Bplats® Platform Edition」の標準機能として提供開始しております。
2023年10月には、「Bplats® Platform Edition v3」は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証する「電子取引ソフト法的要件」を取得いたしました。
当社といたしましては、このように主力製品「Bplats® Platform Edition」の機能向上を進めつつ、直販営業の強化に加え、販売パートナーの拡充と販売パートナーへの営業支援を強化し新規契約件数の拡大に注力しております。
2023年2月にSB C&S株式会社との間で業務提携に関する合弁契約を締結し、同社と合弁会社であるITplace株式会社を組成いたしました。IT商材のディストリビューターであるSB C&S社とサブスクリプションのプラットフォームを持つ当社が連携することで、サブスクリプション商材と販売するためのプラットフォームを一体でサービス提供することが可能になります。また、新しいプラットフォームサービスの提供に加え、導入・運用に必要なサポートサービスを提供いたします。
なお、当社が出願中の特許のうち2件が特許査定取得となり、2023年1月に登録されました。今後も知的財産面での強化を通じ、主力製品「Bplats® Platform Edition」での活用を含め、魅力的な製品の拡充と事業の成長を図ってまいります。
それらの結果、当連結会計年度における受注件数は165件(前年同期比152.7%)、当連結会計年度末における契約社数(無償版契約社数を含む)は252社(前年同期末比+70社)と着実に契約は伸長しております。
当社といたしましては、こうした販売戦略を通じ新規契約件数の拡大に注力することで、引き続き中長期的な成長を目指して当社グループの顧客基盤及びサブスクリプション収益(ストック型の月額収益、オプション追加収益)の拡大に努めてまいります。当連結会計年度においては、売上高に占めるストック収入の割合は、67.0%(前年同期60.0%比+7.0pt)、スポット収入に占めるオプション機能の提供を含む初期費用等の割合は、63.1%(前年同期36.1%比+26.9pt)、となりました。
また、連結子会社の株式会社サブスクリプション総合研究所におきましては、2023年4月よりサブスクリプション管理システムの導入を検討、遂行中の企業向けに、スムーズなサブスクリプションビジネス開始の支援を行うサービス「サブスク スタートパック」の提供を開始しております。
市場の拡大に向けた取り組みの強化としては、企業向けSaaSサービス市場の拡大に伴い、企業内でのSaaSサービスの社内での利用申請などの業務ワークフロー、システム担当者による煩雑な社外調達手配業務のオンライン化、企業内で多様化する働き方や職種に合わせて従業員に割り当てるSaaSサービスを一元管理するクラウドサービス「サブかん®」の大幅な機能強化を実施しました。2024年5月より提供開始する「サブかん」の新バージョンより、新たに「Subkan Connect(サブかんコネクト)」機能を搭載することにより、主力製品「Bplats® Platform Edition」のマーケットプレイスやマイページとデータがつながることを可能としました。これにより、「Bplats® Platform Edition」を活用する事業者によるSaaSサービスやサブスクリプションのオンライン販売サイト(「Bplats® Platform Edition」側)とそれらを購入した企業側の管理サービス(サブかん側)の、「売り手と買い手」がつながることを実現しています。「サブかん」とSubkan Connect(サブかんコネクト)機能を活用して連携可能な第一弾のマーケットプレイスとして、「サブかんストア」も同時に開設し、数百種類にも拡大している国内で流通するSaaSサービス商材の取り扱いを順次開始し、「サブかん」の利便性の拡充を継続的に実施します。
以上の結果、当連結会計年度における売上高については、契約社数が増加しストック収入が増加した一方で、前期の複数大型開発案件の効果が剥落しスポット収入が伸び悩んだことにより、897,963千円(前年同期比4.9%減)となりました。また、損益面については、売上原価において、主力製品バージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したこと、加えて減価償却費と人材投資に伴う労務費の増加があったこと等により、営業損失は76,749千円(前年同期は180,268千円の営業利益)、経常損失は78,730千円(前年同期は176,279千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円(前年同期は182,904千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
また、当連結会計年度末における当社グループの財政状態については下記のとおりとなっております。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は1,367,583千円となり、前連結会計年度末に比べ17,290千円の増加となりました。
流動資産は435,563千円となり、前連結会計年度末に比べ110,262千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が117,848千円減少したこと等によります。
固定資産は932,020千円となり、前連結会計年度末に比べ127,553千円の増加となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の無形固定資産が150,490千円増加したこと、繰延税金資産が23,124千円減少したこと等によります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は805,278千円となり、前連結会計年度末に比べ94,496千円の増加となりました。
流動負債は479,787千円となり、前連結会計年度末に比べ53,265千円の増加となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が41,301千円増加したこと、未払金が39,390千円増加したこと、未払法人税等が11,131千円減少したこと等によります。
固定負債は325,490千円となり、前連結会計年度末に比べ41,231千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が41,229千円増加したこと等によります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は562,305千円となり、前連結会計年度末に比べ77,206千円の減少となりました。これは主に、株式報酬及び新株予約権行使の払込みにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ12,938千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が98,013千円減少したこと等によります。
株主資本は562,305千円となり、前連結会計年度末に比べ72,319千円の減少となりました。自己資本比率につきましては、41.1%(前連結会計年度末は47.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ117,848千円減少し、232,212千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は116,976千円(前年同期は332,949千円の獲得)となりました。これは主に減価償却費184,047千円等で資金が増加したことに対し、税金等調整前当期純損失68,849千円等で資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は321,083千円(前年同期は353,344千円の支出)となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得による支出326,720千円等で資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は86,258千円(前年同期は124,342千円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入400,000千円等で資金が増加したことに対し、長期借入金の返済による支出317,470千円等で資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループのサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業別及びサービス別に示すと、次のとおりであります。
| 事業及びサービスの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| サブスクリプション事業 | 882,655 | 95.2 | |
| 初期費用・初期開発等 | 270,262 | 76.1 | |
| 月額利用料等 | 612,393 | 107.0 | |
| その他の事業 | 15,307 | 83.3 | |
| 合計 | 897,963 | 95.0 | |
(注) 当連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| SB C&S株式会社 | 140,872 | 14.9 | 113,326 | 12.6 |
| エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 | 124,283 | 13.1 | 111,541 | 12.4 |
| 富士通株式会社 | 37,476 | 3.9 | 90,372 | 10.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、当社グループの中長期的な事業戦略に基づき当連結会計年度に実施しました諸施策に関係づけて分析すると、以下のとおりであります。
a.売上高
直販営業に加え販売パートナー経由の販売に注力してきたことが奏功し、契約社数は引き続き増加しストック収入が着実に増加しました。受注件数は堅調に増加したものの、前期の複数大型開発案件の効果が剥落しスポット収入が伸び悩み、売上高は897,963千円(前年同期比4.9%減)となりました。
b.売上原価、売上総利益
主力製品である「Bplats® Platform Edition」のバージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したこと、減価償却費が増加したこと等により、売上原価が559,607千円(前年同期比54.7%増)となり、売上総利益は338,356千円(前年同期比42.0%減)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損失
主に人材投資に伴う人件費の増加等により、販売費及び一般管理費は415,105千円(前年同期比2.9%増)となり、営業損失は76,749千円(前年同期は180,268千円の営業利益)となりました。
d.営業外損益、経常損失
営業外収益は4,819千円、営業外費用は6,800千円となり、その結果、経常損失は78,730千円(前年同期は176,279千円の経常利益)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純損失
株式会社サブスコアの全ての事業を譲渡し、事業譲渡益10,000千円を特別利益として計上しました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、ならびに非支配株主に帰属する当期純利益等の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円(前年同期は182,904千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当社グループの将来の経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性の事項については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性については下記のとおりと考えております。
資本の財源については、当連結会計年度末においては親会社株主に帰属する当期純損失は98,013千円を計上したことから自己資本比率は41.1%となりました。
また、資金の流動性については、当連結会計年度末における流動比率は90.8%となりました。
経営者の問題意識と今後の方針については次のとおりと考えております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後更に成長と発展を遂げるためには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。