有価証券報告書-第37期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/27 15:30
【資料】
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【項目】
159項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、『空室のない元気な街を創る』の経営理念のもと、不動産販売事業、不動産賃貸事業及び不動産管理事業を展開しております。当社グループの最大の強みは空室の改善力であり、今後も、不動産販売事業において、その強みを活かして収益力の落ちた不動産を生まれ変わらせ、不動産投資家へ販売するビジネスを深化させていきます。東京本社開設以来、大きな収益源へと成長しており、今後も不動産販売事業を中心に、会社全体の事業規模を拡大してまいります。また、不動産賃貸・管理事業については、営業活動の強化と、ITを活用した管理業務の効率化により、スケール(受託戸数)を拡大することで安定収益源を確保するとともに、空室・遊休地に対する多様なソリューションも幅広く提供していきます。
(2) 経営環境
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の底堅さや、旺盛なインバウンド需要等に支えられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、日本銀行の政策金利引き上げに伴う借入コストの上昇や、依然として高止まりする建築資材価格・人件費の影響、さらには不安定な国際情勢による資源価格の変動など、先行きについては依然として不透明な状況が続きました。
当社グループの属する不動産業界におきましては、金利水準の上昇に伴う金融情勢の変化は見られるものの、都心部を中心とした地価の上昇や、実需・投資両面における旺盛な需要に支えられ、総じて活況な市場環境が継続いたしました。
(3) 経営戦略等
当社グループでは、中期経営計画(2025年2月期~2027年2月期)(2024年7月11日付公表。以下、「中期経営計画」といいます。)を推し進めており、「営業利益」や「1人当たり営業利益」を重視した経営に取組んでおります。本中期経営計画では、「営業利益10.8億円」「1人当たり営業利益1,800万円」を目標値とし、従前より販売事業の規模を拡大させるために取組んできた取扱物件の大型化と多様化に加え、営業利益向上に向けた取組み、社外との連携に向けた取組みを加えた大きく3つの取組みを進めています。なお、2027年2月期の更なる成長に向け、現中期経営計画を見直した新中期経営計画を2026年7月に策定・公表する見込みです。
① 営業利益向上に向けた取組み
営業利益向上を目的に、一部収益不動産の長期保有により、イ)内部成長(保有する不動産の収益性向上)の充実と、ロ)ストック収益(保有期間中の賃料収入)の拡充の2つに取り組んでまいります。短い保有期間は当社の強みですが、物件を選んで長期間保有する間に、難易度の高い賃料交渉や時間のかかる大規模なリニューアル工事、管理経費の削減などに取組み、販売時の利益率を向上させることが可能となります。また、保有期間を伸ばすことで、保有期間中の賃料収入増加による安定的な営業利益の積上げも期待することができます。
② 社外との連携に向けた取組み
営業強化による持続的成長だけでなく、非連続的な成長に向けて3つの重点領域を中心に、戦略的業務提携やM&A、連携(取引)先の拡充や提供サービスの活用等を進めてまいります。
[賃貸・管理]
・AM(アセットマネジメント)
・BM(ビルマネジメント)
・オーナー管理
・PM(プロパティマネジメント)
[流通・再生]
・資金調達
・仕入れ
・バリューアップ・販売
[業務改善]
・AI/DX(業務効率化)
③ 販売事業の規模拡大に向けた取組み
旧中期経営計画(2022年2月期~2024年2月期)(2021年12月14日付「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「計画書」といいます。)にて公表)では、当社グループの成長戦略として「取扱物件の大型化」「利益管理の見直し」「取扱商品の多様化」を掲げ、取扱高や取引件数の増加に向けた取組みを進めてまいりました。価格帯の向上については、旧中期経営計画で目標としていた3億円以上の物件の取扱いを中心とすることができたものと評価しております。したがいまして、本中期経営計画においては、さらに目標値を向上させ「5億円以上」へと変更しております。また、多様な商品種別を取扱うことで、マーケットのニーズに合わせてその時々でニーズの高い商品に寄せることも可能となっております。
上記を踏まえ、以下のとおり、取扱高や取引件数の増加を目指したこれまでの取組みにつきましても、引き続きさらに強化してまいります。
イ、価格帯の向上(大型化):5億円以上の物件を取扱いの中心とし、10~20億円規模の取扱いを
拡充することで、融資のつきやすい投資家層へのアプローチを進めております。
ロ、商品種別の多様化:従前は、取扱物件の中心はレジデンスでしたが、事業用物件の取組みも増
加させていくことを目指します。レジデンス以外の種別(オフィス・店舗)の取扱比率を上げ
ることで、不動産投資家からの様々なニーズに応える体制を整えてまいりました。また、区分
所有不動産の取扱いも推進しております。
なお、①~③においては企業成長の柱として不動産販売事業での取組みが多くを占めておりますが、不動産賃貸事業・不動産管理事業からの収益は、安定収益として位置付けており、その安定収益で固定費を賄えるまで成長を図ってまいります。上記①に挙げた保有期間を伸ばすことで得られる保有期間中の賃料収入は不動産賃貸事業の拡大に繋がり、不動産販売事業で販売した収益不動産の管理受託の獲得増加による管理手数料の増加も不動産管理事業の拡大に繋がり、安定収益の拡充を図ってまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
不動産マーケットにおいては、エリアやアセットタイプごとに状況に違いがありますが、特に当社グループが取扱う都心や首都圏の優良なオフィス・店舗ビルやレジデンスは、空室率や賃料が安定的に推移していることもあり、国内外の不動産投資家の需要は依然として高く推移しています。一方で、日本銀行により政策金利が段階的に引き上げられており、引き続き金融動向には注視してまいります。
このような状況下における、当社グループの課題は、以下のとおりであります。
① 主力である不動産販売事業の強化
当社グループは不動産販売事業が売上高の90%以上を占めるとともに、利益でも大部分を占めている中核セグメントです。そのため、物件の在庫・滞留リスクに対処しつつ事業基盤を構築することが課題となっております。
国籍・性別を問わず能力のある者を積極的に採用・育成し、社員が一体となって、出口戦略まで見据えた都心の優良資産を厳選して仕入れ、バリューアップやリーシングを通じてテナント・オーナー様双方にとって満足度の高い物件づくりを行っています。仕入物件を短期間で回転させ、不動産販売事業のさらなる拡大に努めてまいります。
② 金利の上昇
近年、日本銀行の政策金利が段階的に引き上げられています。金利上昇による借入コストが増大することで、不動産購入や不動産投資が抑制される可能性があります。
当社は、ハード面のバリューアップ、低水準にある賃料の引き上げを行うとともに管理コストの最適化によるコスト削減を行い、収益性を向上させています。金利コストを十分に吸収しつつ、投資魅力ある商品組成を実現してまいります。
不動産投資家の投資意欲は旺盛であることから、こうした取組みを着実に進めることで、金利の上昇下でも成長は期待できると考えております。
③ 物価上昇並びに建築費の高騰
物価上昇並びに建築費の高騰により当初予定していた収益を下回るリスクがあります。
これに対しては、長年継続的に取引している建築会社と綿密に連携しており、一方で賃料上昇や売却価格への転嫁を行い、他方でコスト低減に努めております。当社の注力事業地域である都心の不動産市場は成長市場であり、物価上昇を上回る収益を上げることは可能と考えております。
④ 安定収益基盤の確立
不動産市況に左右されない収益基盤の確立に向けて、ストック型収益の強化も目指しています。2025年9月に浅草で70年不動産管理事業を営む株式会社富士ホームを子会社化し、管理戸数の増加を図りました。今後もM&Aを通じてストック型収益企業をグループ化し、安定収益基盤を確立してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として、社会的責任を自覚し、公平性、透明性及び効率性を確保しながら会社事業を遂行することを重んじております。徹底したコンプライアンスの遵守を基に、当社を取り巻く全てのステークホルダーから信頼していただける企業を目指しております。
組織形態においては監査等委員会設置会社を採用し、取締役会の議決権を有する監査等委員が取締役の業務執行について適法性、妥当性を監査することで取締役会の監督機能をより一層強化しております。また、執行役員制度を採用し、機動的な執行体制を確立しております。また、2026年5月の株主総会に複数の女性取締役体制を諮るなど、年齢や性別等にかかわらず能力のある者を登用し、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
⑥ 資本効率の改善
当社は、株主や銀行から調達した資本を効率よく収益につなげる資本効率性の改善を経営の重点課題として位置付けております。特に重視しているのがROEであり、中長期的に12%水準を達成・維持することを目指しております。
具体的には、従業員一人当たり営業利益を1,800万円規模に高めて売上高当期純利益率を向上していきます。また、訴求力のある在庫を短期間で売却することで総資産回転率を高めていきます。加えて、財務の健全性を維持しつつ機動的な借り入れを行うことで大型物件等、在庫を質量の双方から拡充し、財務レバレッジを適正に働かせながら事業規模を拡大させていきます。

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