有価証券報告書-第15期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
① 当事業年度の経営成績(Non-GAAPベース)
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、穏やかな回復基調で推移いたしました。
当事業年度においては、新たに2支店(宇都宮、鹿児島)と2営業所(青森、新潟)を開設し更なる営業基盤の拡充を図るとともに、鳥・小動物向けのペット保険「うちの子キュート」の対象ペット範囲を従来、鳥・うさぎ・フェレットのみであったところ、ハリネズミ・モモンガ・リス・プレーリードッグ・ハムスター・テグー・チンチラ・ネズミ・モルモット・トカゲ・カメレオン・イグアナ・カメ等を追加し2018年11月より拡大しました。また、乃木坂46を起用したプロモーションの実施、当社初の試みであるドッグマラソンイベント「アイペットうちの子HAPPYマラソン2019」の特別協賛等、ペット保険の裾野を広げる各種認知度向上施策を行った結果、保有契約件数は423,352件(前事業年度末より67,839件増加、同19.1%増)となり、当事業年度における経常収益は14,941百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
経常費用は、デジタライゼーションを推進すべくRPAの導入を開始し事務部門のコスト削減を図る一方で、保険契約の伸展に伴う責任準備金及び新規契約獲得に係る事業費の増加や、保険金請求件数の増加による正味支払保険金や損害調査費の増加により、14,487百万円(同22.5%増)となりました。この結果、経常利益は453百万円(同2.1%増)となりました。
また、前事業年度において当時の基幹システム開発作業の遅延に伴い計上した特別損失(固定資産処分損)に対して、当事業年度にシステム開発を委託していた取引先から受け取った和解金170百万円を特別利益として計上したこと、税効果会計における企業分類の変更を行ったこと等により法人税等調整額を利益項目として720百万円計上したことなどにより、当期純利益は963百万円となりました。
調整後利益は異常危険準備金の影響を除いて算定されるため、税効果会計における企業分類の変更による影響は小さくなり、法人税等調整額を利益項目として97百万円計上しました。この結果、調整後経常利益は929百万円(同11.1%増)、調整後当期純利益は815百万円(同163.6%増)となりました。
なお、当社は損害保険事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
経営成績の分析は以下のとおりであります。
ア.経常収益
当社の経常収益は、主として保険引受収益及び資産運用収益から構成されます。
(単位:百万円)
(保険引受収益)
保険引受収益は当事業年度に獲得した新規契約と前年度以前に獲得した継続契約から構成されます。全チャネルを合計した新規契約件数は順調に増加し、前事業年度を上回る結果となりました。また、継続率は前年同期と比較して0.1pt減少しているものの、90.1%と高水準を維持しております。
今後の更なる新規契約の獲得に向け、メインチャネルの強化に加えて新たな販売チャネルを開拓し、チャネル複線化を進めてまいります。また、2019年4月1日付けで、第一生命ホールディングス株式会社との業務提携基本契約書を締結しており、同社傘下の第一生命保険株式会社による当社のペット保険商品の販売等により新規契約獲得に寄与するものと考えております。継続契約に関しては、お客さまとの接点強化により、継続率の維持向上を図ってまいります。
(資産運用収益)
中長期的に安定した資産運用収益の獲得を目的として、市場リスクの低い債券・投資信託を中心に積み上げた運用資産により、利息及び配当金収入等による資産運用収益は60百万円となりました。一方、世界の景気後退等に伴う株式市況の悪化により資産運用費用は15百万円、当事業年度末におけるその他有価証券評価差額金は14百万円となりました。
今後も運用資産の構成比を見直すことでリスクコントロールを適切に行いながら、運用資産の拡大を図り収益性の向上を目指してまいります。
イ.経常費用
経常費用は、主として発生損害額、事業費から構成されます。
発生損害額=正味支払保険金+支払備金繰入額+損害調査費
事業費=営業費及び一般管理費+諸手数料及び集金費
(発生損害額)
保有契約件数の増加に伴う保険金請求件数の増加等により、発生損害額は6,450百万円(前年同期比28.0%増)となりました。
E/I損害率(注1)は、保険金請求件数及び保険金請求単価の上昇による保険金支払額の増加により、前年同期より2.4pt上昇し、45.5%となりました。保険契約に加入しているペットの年齢上昇、医療費の値上がり等とともに上昇するため、今後も緩やかな上昇が継続すると考えております。
(事業費)
保険事業の拡大により人件費や代理店に支払う手数料が増加しました。加えて、メイン販売チャネルへの先行投資等により、事業費は6,882百万円(前年同期比17.4%増)となりました。一方で、既経過保険料ベース事業費率(注2)は、業務効率の向上により48.6%となりました。
上記の結果、E/I損害率と既経過保険料ベース事業費率を合計したコンバインド・レシオ(注3)は、前年同期より0.8pt上昇し、94.1%となりました。今後も引続きやデジタライゼーションの推進等の投資により業務効率を高め、E/I損害率の上昇を吸収できるように既経過保険料ベース事業費率を低減させ、長期的にはコンバインド・レシオが低下するように努力してまいります。
(注)1.E/I損害率:発生損害額により算定した損害率
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出
2.既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの事業費率
事業費÷既経過保険料にて算出
3.コンバインド・レシオ
E/I損害率+既経過保険料ベース事業費率にて算出
②初年度収支残方式による経営成績(J-GAAP)の状況
保険引受収益14,831百万円、資産運用収益60百万円等を合計した経常収益は、14,941百万円(前事業年度比21.8%増)となりました。一方、保険引受費用9,398百万円、営業費及び一般管理費5,224百万円などを合計した経常費用は14,643百万円(同25.1%増)となり、その結果、経常利益は297百万円(同47.0%減)、当期純利益は851百万円(同2521.2%増)となりました。
③Non-GAAP指標からJ-GAAP指標への調整
未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP)から初年度収支残方式による経常利益(J-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
また、未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP)から調整後経常利益(Non-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
さらに、未経過保険料方式による当期純利益(Non-GAAP)から調整後当期純利益(Non-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
なお、未経過保険料方式、初年度収支残方式による普通責任準備金残高及び異常危険準備金残高は、以下のとおりであります。
④保険引受の状況
ア.保険引受利益(J-GAAP)
(注)営業費及び一般管理費は、損益計算書における営業費及び一般管理費のうち保険引受に係る金額であります。
イ.元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注)元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものをいいます。(積立型保険の積立保険料を含みます。)
ウ.正味収入保険料
エ.正味支払保険金
(注)正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)/正味収入保険料
⑤資産運用の状況
ア.運用資産
イ.有価証券
ウ.利回り
(ア)運用資産利回り(インカム利回り)
(注)1.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」の金額であります。
2.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
(イ)運用資産利回り(実現利回り)
(注)1.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」の金額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
2.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
3.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による)を加減算した金額であります。
(2)財政状態
①資産、負債及び純資産の状況及び分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ4,324百万円増加し、13,574百万円となりました。その主な要因は、現金及び預貯金369百万円の増加、運用資産の積上げによる有価証券1,406百万円の増加、事業規模拡大に向けた基幹システム等の無形固定資産965百万円の増加、税効果会計における企業分類の変更等による繰延税金資産750百万円の増加によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ1,890百万円増加し、8,237百万円となりました。その主な要因は、保有契約件数の増加に伴う保険契約準備金1,458百万円の増加によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ2,433百万円増加し、5,336百万円となりました。その主な要因は、新規上場に伴う増資等による資本金及び資本剰余金1,565百万円の増加、当期純利益の計上による利益剰余金851百万円の増加によるものであります。
②ソルベンシー・マージン比率の状況及び分析
当事業年度末のソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ96.6pt増加し、381.4%となりました。その主な要因は、前述の純資産の増加によりソルベンシー・マージン総額がリスクの増加を大きく上回ったことによるものであります。ソルベンシー・マージン比率は行政当局の求める200%を超えており、当事業年度末時点において懸念すべき事項もないため、財務の健全性は良好であると判断しております。
(注)上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
<ソルベンシー・マージン比率の考え方>・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「ソルベンシー・マージン比率」であります。
・「通常の予測を超える危険」
a 保険引受上の危険、b 予定利率上の危険、c 資産運用上の危険、d 経営管理上の危険、e 巨大災害に係る危険の総額をいいます。
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額であります。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
(3)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況及び分析
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ964百万円増加し、3,931百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,529百万円の収入(前年同期比224百万円の収入増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益464百万円の計上、保険事業の拡大に伴う責任準備金の増加1,289百万円、その他資産の増加△526百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,048百万円の支出(前年同期比201百万円の支出増加)となりました。これは主に、定期預金の払戻しによる収入594百万円、運用資産の積上げによる有価証券の取得による支出1,387百万円、事業規模拡大に向けた基幹システム等の無形固定資産の取得による支出922百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,484百万円の収入(前年同期比1,489百万円の収入増加)となりました。これは主に、新規上場に伴う株式の発行による収入1,449百万円によるものであります。
②資本の財源
当事業年度は保険料収入等の営業活動及び新規上場に伴う増資等の財務活動により調達した資金を、主に有価証券の取得及び無形固定資産の取得に使用いたしました。
③資金の流動性
当社の資金の流れは、ご契約者さまから保険料として資金を収受し、補償開始日以降に発生した事故に対して保険金を支払います。このため当社は、遅滞無く保険金の支払いを履行するのに十分な資金及び流動性を確保することが重要であると認識しております。支払能力の確保に関しては、流動性リスク管理方針及び流動性リスク管理規程を設け、適切に運用することで十分な資金及び流動性を確保しております。
(4)生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産、受注及び販売の実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表(重要な会計方針)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針の適用が、財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
①繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において経営環境の変化により課税所得の見積りが大きく変動した場合、税制改正によって法定実効税率が変化した場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。
②有価証券の減損
その他有価証券について、時価が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、合理的な基準に基づいて減損処理を行うこととしております。今後、株式市場等の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
③貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定及び償却・引当規程に基づいて、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。
④支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てております。今後、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑤責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行及びパンデミック型の疾病等の大数の法則が機能しないリスクに備えるため、責任準備金を積み立てております。当初想定した環境や条件等が大きく変動した場合には、責任準備金を上回る保険金支払が発生する可能性があります。
(6)経営成績等に重要な影響を与える要因
当社の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
① 当事業年度の経営成績(Non-GAAPベース)
| (単位:百万円) | ||||
| 決算年月 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減金額 | 増減率 |
| 経常収益 | 12,268 | 14,941 | 2,673 | +21.8% |
| 未経過保険料方式による経常利益 | 444 | 453 | 9 | +2.1% |
| 未経過保険料方式による当期純利益 | △81 | 963 | 1,045 | - |
| 調整後経常利益 | 835 | 929 | 93 | +11.1% |
| 調整後当期純利益 | 309 | 815 | 506 | +163.6% |
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、穏やかな回復基調で推移いたしました。
当事業年度においては、新たに2支店(宇都宮、鹿児島)と2営業所(青森、新潟)を開設し更なる営業基盤の拡充を図るとともに、鳥・小動物向けのペット保険「うちの子キュート」の対象ペット範囲を従来、鳥・うさぎ・フェレットのみであったところ、ハリネズミ・モモンガ・リス・プレーリードッグ・ハムスター・テグー・チンチラ・ネズミ・モルモット・トカゲ・カメレオン・イグアナ・カメ等を追加し2018年11月より拡大しました。また、乃木坂46を起用したプロモーションの実施、当社初の試みであるドッグマラソンイベント「アイペットうちの子HAPPYマラソン2019」の特別協賛等、ペット保険の裾野を広げる各種認知度向上施策を行った結果、保有契約件数は423,352件(前事業年度末より67,839件増加、同19.1%増)となり、当事業年度における経常収益は14,941百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
経常費用は、デジタライゼーションを推進すべくRPAの導入を開始し事務部門のコスト削減を図る一方で、保険契約の伸展に伴う責任準備金及び新規契約獲得に係る事業費の増加や、保険金請求件数の増加による正味支払保険金や損害調査費の増加により、14,487百万円(同22.5%増)となりました。この結果、経常利益は453百万円(同2.1%増)となりました。
また、前事業年度において当時の基幹システム開発作業の遅延に伴い計上した特別損失(固定資産処分損)に対して、当事業年度にシステム開発を委託していた取引先から受け取った和解金170百万円を特別利益として計上したこと、税効果会計における企業分類の変更を行ったこと等により法人税等調整額を利益項目として720百万円計上したことなどにより、当期純利益は963百万円となりました。
調整後利益は異常危険準備金の影響を除いて算定されるため、税効果会計における企業分類の変更による影響は小さくなり、法人税等調整額を利益項目として97百万円計上しました。この結果、調整後経常利益は929百万円(同11.1%増)、調整後当期純利益は815百万円(同163.6%増)となりました。
なお、当社は損害保険事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
経営成績の分析は以下のとおりであります。
ア.経常収益
当社の経常収益は、主として保険引受収益及び資産運用収益から構成されます。
(単位:百万円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減金額 | 増減率 | |
| 保険引受収益 | 12,212 | 14,831 | 2,619 | +21.5% |
| 資産運用収益 | 50 | 60 | 10 | +20.3% |
(保険引受収益)
保険引受収益は当事業年度に獲得した新規契約と前年度以前に獲得した継続契約から構成されます。全チャネルを合計した新規契約件数は順調に増加し、前事業年度を上回る結果となりました。また、継続率は前年同期と比較して0.1pt減少しているものの、90.1%と高水準を維持しております。
今後の更なる新規契約の獲得に向け、メインチャネルの強化に加えて新たな販売チャネルを開拓し、チャネル複線化を進めてまいります。また、2019年4月1日付けで、第一生命ホールディングス株式会社との業務提携基本契約書を締結しており、同社傘下の第一生命保険株式会社による当社のペット保険商品の販売等により新規契約獲得に寄与するものと考えております。継続契約に関しては、お客さまとの接点強化により、継続率の維持向上を図ってまいります。
(資産運用収益)
中長期的に安定した資産運用収益の獲得を目的として、市場リスクの低い債券・投資信託を中心に積み上げた運用資産により、利息及び配当金収入等による資産運用収益は60百万円となりました。一方、世界の景気後退等に伴う株式市況の悪化により資産運用費用は15百万円、当事業年度末におけるその他有価証券評価差額金は14百万円となりました。
今後も運用資産の構成比を見直すことでリスクコントロールを適切に行いながら、運用資産の拡大を図り収益性の向上を目指してまいります。
イ.経常費用
経常費用は、主として発生損害額、事業費から構成されます。
| (単位:百万円) | ||||
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減金額 | 増減率 | |
| 発生損害額 | 5,039 | 6,450 | 1,411 | +28.0% |
| 事業費 | 5,860 | 6,882 | 1,022 | +17.4% |
発生損害額=正味支払保険金+支払備金繰入額+損害調査費
事業費=営業費及び一般管理費+諸手数料及び集金費
(発生損害額)
保有契約件数の増加に伴う保険金請求件数の増加等により、発生損害額は6,450百万円(前年同期比28.0%増)となりました。
E/I損害率(注1)は、保険金請求件数及び保険金請求単価の上昇による保険金支払額の増加により、前年同期より2.4pt上昇し、45.5%となりました。保険契約に加入しているペットの年齢上昇、医療費の値上がり等とともに上昇するため、今後も緩やかな上昇が継続すると考えております。
(事業費)
保険事業の拡大により人件費や代理店に支払う手数料が増加しました。加えて、メイン販売チャネルへの先行投資等により、事業費は6,882百万円(前年同期比17.4%増)となりました。一方で、既経過保険料ベース事業費率(注2)は、業務効率の向上により48.6%となりました。
上記の結果、E/I損害率と既経過保険料ベース事業費率を合計したコンバインド・レシオ(注3)は、前年同期より0.8pt上昇し、94.1%となりました。今後も引続きやデジタライゼーションの推進等の投資により業務効率を高め、E/I損害率の上昇を吸収できるように既経過保険料ベース事業費率を低減させ、長期的にはコンバインド・レシオが低下するように努力してまいります。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減pt | |
| E/I損害率 | 43.1% | 45.5% | +2.4 |
| 既経過保険料ベース事業費率 | 50.1% | 48.6% | △1.5 |
| コンバインド・レシオ | 93.3% | 94.1% | +0.8 |
(注)1.E/I損害率:発生損害額により算定した損害率
(正味支払保険金+支払備金増減額+損害調査費)÷既経過保険料にて算出
2.既経過保険料ベース事業費率:発生ベースの事業費率
事業費÷既経過保険料にて算出
3.コンバインド・レシオ
E/I損害率+既経過保険料ベース事業費率にて算出
②初年度収支残方式による経営成績(J-GAAP)の状況
保険引受収益14,831百万円、資産運用収益60百万円等を合計した経常収益は、14,941百万円(前事業年度比21.8%増)となりました。一方、保険引受費用9,398百万円、営業費及び一般管理費5,224百万円などを合計した経常費用は14,643百万円(同25.1%増)となり、その結果、経常利益は297百万円(同47.0%減)、当期純利益は851百万円(同2521.2%増)となりました。
③Non-GAAP指標からJ-GAAP指標への調整
未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP)から初年度収支残方式による経常利益(J-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 決算年月 | 2018年3月期 | 2019年3月期 |
| 未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP) | 444 | 453 |
| 未経過保険料方式による普通責任準備金繰入額(イ) | 522 | 658 |
| 初年度収支残方式による普通責任準備金繰入額(ロ) | 405 | 814 |
| 差額(イ-ロ) | 117 | △155 |
| 初年度収支残方式による経常利益(J-GAAP) | 561 | 297 |
また、未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP)から調整後経常利益(Non-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 決算年月 | 2018年3月期 | 2019年3月期 |
| 未経過保険料方式による経常利益(Non-GAAP) | 444 | 453 |
| 異常危険準備金影響額 | 391 | 475 |
| 調整後経常利益(Non-GAAP) | 835 | 929 |
さらに、未経過保険料方式による当期純利益(Non-GAAP)から調整後当期純利益(Non-GAAP)への調整は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| 決算年月 | 2018年3月期 | 2019年3月期 |
| 未経過保険料方式による当期純利益(Non-GAAP) | △81 | 963 |
| 異常危険準備金影響額 | 391 | △147 |
| 調整後当期純利益(Non-GAAP) | 309 | 815 |
なお、未経過保険料方式、初年度収支残方式による普通責任準備金残高及び異常危険準備金残高は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 決算年月 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 増減額 |
| 未経過保険料方式による普通責任準備金残高(Non-GAAP) | 2,874 | 3,533 | 658 |
| 初年度収支残方式による普通責任準備金残高(J-GAAP) | 3,018 | 3,832 | 814 |
| 異常危険準備金残高 | 1,748 | 2,223 | 475 |
④保険引受の状況
ア.保険引受利益(J-GAAP)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) (百万円) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) (百万円) | 対前年増減(△)額 (百万円) |
| 保険引受収益 | 12,212 | 14,831 | 2,619 |
| 保険引受費用 | 6,983 | 9,398 | 2,415 |
| 営業費及び一般管理費 | 4,713 | 5,224 | 510 |
| 保険引受利益 | 515 | 208 | △306 |
(注)営業費及び一般管理費は、損益計算書における営業費及び一般管理費のうち保険引受に係る金額であります。
イ.元受正味保険料(含む収入積立保険料)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率(%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率(%) | |
| ペット保険 | 12,212 | 100.00 | 21.3 | 14,831 | 100.00 | 21.5 |
| 合計 | 12,212 | 100.00 | 21.3 | 14,831 | 100.00 | 21.5 |
| (うち収入積立保険料) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) |
(注)元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものをいいます。(積立型保険の積立保険料を含みます。)
ウ.正味収入保険料
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 対前年増減(△)率 (%) | |
| ペット保険 | 12,212 | 100.00 | 21.3 | 14,831 | 100.00 | 21.5 |
| 合計 | 12,212 | 100.00 | 21.3 | 14,831 | 100.00 | 21.5 |
エ.正味支払保険金
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 金額 (百万円) | 対前年増減(△)率 (%) | 正味損害率 (%) | 金額 (百万円) | 対前年増減(△)率 (%) | 正味損害率 (%) | |
| ペット保険 | 4,523 | 24.7 | 39.9 | 5,788 | 28.0 | 42.4 |
| 合計 | 4,523 | 24.7 | 39.9 | 5,788 | 28.0 | 42.4 |
(注)正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)/正味収入保険料
⑤資産運用の状況
ア.運用資産
| 区分 | 前事業年度 (2018年3月31日) | 当事業年度 (2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 預貯金 | 4,666 | 50.4 | 5,035 | 37.1 |
| コールローン | - | - | - | - |
| 買現先勘定 | - | - | - | - |
| 債券貸借取引支払保証金 | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - |
| 金銭の信託 | - | - | - | - |
| 有価証券 | 2,160 | 23.4 | 3,566 | 26.3 |
| 貸付金 | 25 | 0.3 | 119 | 0.9 |
| 土地・建物 | 29 | 0.3 | 46 | 0.3 |
| 運用資産計 | 6,881 | 74.4 | 8,768 | 64.6 |
| 総資産 | 9,250 | 100.0 | 13,574 | 100.0 |
イ.有価証券
| 区分 | 前事業年度 (2018年3月31日) | 当事業年度 (2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 国債 | - | - | - | - |
| 地方債 | - | - | - | - |
| 社債 | 303 | 14.1 | 616 | 17.3 |
| 株式 | - | - | 164 | 4.6 |
| 外国証券 | 200 | 9.3 | 238 | 6.7 |
| その他の証券 | 1,656 | 76.7 | 2,547 | 71.4 |
| 合計 | 2,160 | 100.0 | 3,566 | 100.0 |
ウ.利回り
(ア)運用資産利回り(インカム利回り)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | 収入金額 (百万円) | 平均運用額 (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 1 | 4,839 | 0.0 | 3 | 5,583 | 0.1 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買現先勘定 | - | - | - | - | - | - |
| 債券貸借取引支払保証金 | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 金銭の信託 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 28 | 1,384 | 2.1 | 56 | 3,253 | 1.7 |
| 貸付金 | 0 | 19 | 1.6 | 0 | 44 | 1.6 |
| 土地・建物 | - | 64 | - | - | 37 | - |
| 小計 | 30 | 6,308 | 0.5 | 60 | 8,919 | 0.7 |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 30 | - | - | 60 | - | - |
(注)1.収入金額は、損益計算書における「利息及び配当金収入」の金額であります。
2.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
(イ)運用資産利回り(実現利回り)
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用損益 (実現ベース) (百万円) | 平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 1 | 4,839 | 0.0 | 1 | 5,583 | 0.1 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買現先勘定 | - | - | - | - | - | - |
| 債券貸借取引支払保証金 | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 金銭の信託 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 48 | 1,384 | 3.5 | 43 | 3,253 | 1.3 |
| 貸付金 | 0 | 19 | 1.6 | 0 | 44 | 1.6 |
| 土地・建物 | - | 64 | - | - | 37 | - |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 50 | 6,308 | 0.8 | 44 | 8,919 | 0.5 |
(注)1.資産運用損益(実現ベース)は、損益計算書における「資産運用収益」の金額から「資産運用費用」を控除した金額であります。
2.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価又は償却原価)の平均に基づいて算出しております。
3.資産運用利回り(実現利回り)にその他有価証券の評価差額等を加味した時価ベースの利回り(時価総合利回り)は以下のとおりであります。
なお、資産運用損益等(時価ベース)は、資産運用損益(実現ベース)にその他有価証券に係る評価差額(税効果控除前の金額による)の当期増減額を加減算した金額であります。
また、平均運用額(時価ベース)は、平均運用額(取得原価ベース)にその他有価証券に係る前期末評価差額(税効果控除前の金額による)を加減算した金額であります。
| 区分 | 前事業年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||||
| 資産運用 損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | 資産運用 損益等 (時価ベース) (百万円) | 平均運用額 (時価ベース) (百万円) | 年利回り (%) | |
| 預貯金 | 1 | 4,839 | 0.0 | 1 | 5,583 | 0.1 |
| コールローン | - | - | - | - | - | - |
| 買現先勘定 | - | - | - | - | - | - |
| 債券貸借取引支払保証金 | - | - | - | - | - | - |
| 買入金銭債権 | - | - | - | - | - | - |
| 金銭の信託 | - | - | - | - | - | - |
| 有価証券 | 31 | 1,403 | 2.3 | 62 | 3,256 | 1.9 |
| 貸付金 | 0 | 19 | 1.6 | 0 | 44 | 1.6 |
| 土地・建物 | - | 64 | - | - | 37 | - |
| その他 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 33 | 6,327 | 0.5 | 63 | 8,921 | 0.7 |
(2)財政状態
①資産、負債及び純資産の状況及び分析
(資産の部)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ4,324百万円増加し、13,574百万円となりました。その主な要因は、現金及び預貯金369百万円の増加、運用資産の積上げによる有価証券1,406百万円の増加、事業規模拡大に向けた基幹システム等の無形固定資産965百万円の増加、税効果会計における企業分類の変更等による繰延税金資産750百万円の増加によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ1,890百万円増加し、8,237百万円となりました。その主な要因は、保有契約件数の増加に伴う保険契約準備金1,458百万円の増加によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ2,433百万円増加し、5,336百万円となりました。その主な要因は、新規上場に伴う増資等による資本金及び資本剰余金1,565百万円の増加、当期純利益の計上による利益剰余金851百万円の増加によるものであります。
②ソルベンシー・マージン比率の状況及び分析
当事業年度末のソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ96.6pt増加し、381.4%となりました。その主な要因は、前述の純資産の増加によりソルベンシー・マージン総額がリスクの増加を大きく上回ったことによるものであります。ソルベンシー・マージン比率は行政当局の求める200%を超えており、当事業年度末時点において懸念すべき事項もないため、財務の健全性は良好であると判断しております。
| 前事業年度 (2018年3月31日) (百万円) | 当事業年度 (2019年3月31日) (百万円) | ||
| (A)ソルベンシー・マージン総額 | 4,659 | 7,584 | |
| 資本金又は基金等 | 2,906 | 5,322 | |
| 価格変動準備金 | 3 | 7 | |
| 危険準備金 | - | - | |
| 異常危険準備金 | 1,748 | 2,223 | |
| 一般貸倒引当金 | 1 | 1 | |
| その他有価証券の評価差額(税効果控除前) | 2 | 30 | |
| 土地の含み損益 | - | - | |
| 払戻積立金超過額 | - | - | |
| 負債性資本調達手段等 | - | - | |
| 払戻積立金超過額及び負債性資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額 | - | - | |
| 控除項目 | - | - | |
| その他 | - | - | |
| (B)リスクの合計額 √{(R1+R2)²+(R3+R4)²}+R5+R6 | 3,272 | 3,976 | |
| 一般保険リスク(R1) | 3,156 | 3,826 | |
| 第三分野保険の保険リスク(R2) | - | - | |
| 予定利率リスク(R3) | - | - | |
| 資産運用リスク(R4) | 285 | 419 | |
| 経営管理リスク(R5) | 103 | 127 | |
| 巨大災害リスク(R6) | - | - | |
| (C)ソルベンシー・マージン比率(%) [(A)/{(B)×1/2}]×100 | 284.8 | 381.4 | |
(注)上記の金額及び数値は、保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
<ソルベンシー・マージン比率の考え方>・損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。
・この「通常の予測を超える危険」に対して「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたのが「ソルベンシー・マージン比率」であります。
・「通常の予測を超える危険」
a 保険引受上の危険、b 予定利率上の危険、c 資産運用上の危険、d 経営管理上の危険、e 巨大災害に係る危険の総額をいいます。
| a 保険引受上の危険 (一般保険リスク) | : | 保険事故の発生率等が通常の予測を超えることにより発生し得る危険(巨大災害に係る危険を除く) |
| (第三分野保険の保険リスク) | ||
| b 予定利率上の危険 (予定利率リスク) | : | 積立型保険について、実際の運用利回りが保険料算出時に予定した利回りを下回ることにより発生し得る危険 |
| c 資産運用上の危険 (資産運用リスク) | : | 保有する有価証券等の資産の価格が通常の予測を超えて変動することにより発生し得る危険等 |
| d 経営管理上の危険 (経営管理リスク) | : | 業務の運営上通常の予測を超えて発生し得る危険で上記①~③及び⑤以外のもの |
| e 巨大災害に係る危険 (巨大災害リスク) | : | 通常の予測を超える巨大災害(関東大震災や伊勢湾台風相当)により発生し得る危険 |
・「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(ソルベンシー・マージン総額)とは、損害保険会社の純資産(社外流出予定額等を除く)、諸準備金(価格変動準備金・異常危険準備金等)、土地の含み益の一部等の総額であります。
・ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
(3)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況及び分析
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ964百万円増加し、3,931百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,529百万円の収入(前年同期比224百万円の収入増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益464百万円の計上、保険事業の拡大に伴う責任準備金の増加1,289百万円、その他資産の増加△526百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,048百万円の支出(前年同期比201百万円の支出増加)となりました。これは主に、定期預金の払戻しによる収入594百万円、運用資産の積上げによる有価証券の取得による支出1,387百万円、事業規模拡大に向けた基幹システム等の無形固定資産の取得による支出922百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,484百万円の収入(前年同期比1,489百万円の収入増加)となりました。これは主に、新規上場に伴う株式の発行による収入1,449百万円によるものであります。
②資本の財源
当事業年度は保険料収入等の営業活動及び新規上場に伴う増資等の財務活動により調達した資金を、主に有価証券の取得及び無形固定資産の取得に使用いたしました。
③資金の流動性
当社の資金の流れは、ご契約者さまから保険料として資金を収受し、補償開始日以降に発生した事故に対して保険金を支払います。このため当社は、遅滞無く保険金の支払いを履行するのに十分な資金及び流動性を確保することが重要であると認識しております。支払能力の確保に関しては、流動性リスク管理方針及び流動性リスク管理規程を設け、適切に運用することで十分な資金及び流動性を確保しております。
(4)生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産、受注及び販売の実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表(重要な会計方針)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針の適用が、財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
①繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において経営環境の変化により課税所得の見積りが大きく変動した場合、税制改正によって法定実効税率が変化した場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。
②有価証券の減損
その他有価証券について、時価が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、合理的な基準に基づいて減損処理を行うこととしております。今後、株式市場等の状況によっては、有価証券評価損を計上する可能性があります。
③貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定及び償却・引当規程に基づいて、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。
④支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てております。今後、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
⑤責任準備金
保険契約に基づく将来における債務の履行及びパンデミック型の疾病等の大数の法則が機能しないリスクに備えるため、責任準備金を積み立てております。当初想定した環境や条件等が大きく変動した場合には、責任準備金を上回る保険金支払が発生する可能性があります。
(6)経営成績等に重要な影響を与える要因
当社の経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。