有価証券報告書-第77期(2024/10/01-2025/09/30)

【提出】
2025/12/22 15:39
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162項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
今後の経営環境につきましては、個人消費や企業の設備投資の増加、インバウンド需要の増加等により、緩やかな景気拡大が見込まれております。また、多くの業種で人手不足感が強まっていることから、企業規模のいかんを問わず、自動化省力化投資の充実・強化のニーズが高まることにより、かかる技術を最も得意とする当社への引き合い件数の増加も期待されます。しかし一方では、建設資材や労務単価等建設コスト上昇を背景とした住宅着工件数の低下、金利の上昇、解決の兆しが見えない中東情勢等の地政学リスクの高まり、資源価格の高騰、生産資材の仕入れ納期長期化等不透明な状況の変化も見込まれます。
そうした経営環境のもと、当社では以下のテーマに順次取り組み、業績拡大を目指しているところであります。
① 当社のCIの構築
令和5年10月1日に、社名を「KLASS(クラス)株式会社」に変更するとともに、理念体系をStatement(=つなぐ。ツクル。),Mission(存在意義),Belief(経営理念),Value(行動指針)の階層に再構築いたしました。「CI・ブランディング基本方針」に基づいて、引き続き新社名・新経営理念、新コーポレートロゴマークの内外への浸透をはかるとともに、全社的なブランディング戦略の強化とデザイン経営の実現をはかってまいります。
② 2.4次産業型企業への展開
「当社は2次産業(メーカー)として永年にわたり技術力を駆使したオリジナル商品の開発・販売を核とする事業を推進してくる中で、多様な無形の経営資源(=無形財)を蓄積しており、これらの無形財を活用して、ハードのみならず、ソフト・サービスの提供事業を成長させることで、さらなる事業の拡大と会社の発展を目指します。
これはまさに当社の新社名KLASSのSS(=Solution Service)の趣旨にもかなうものであります。
[当社の無形財]
・インテリア事業や畳事業の機械・工具ユーザー
・代理店等の販売ルート
・地元やマーケットでの知名度
・構造改革提案に賛同するユーザー畳店グループ(JCS会)
・ITシステムを活用したソリューション
・顧客要望による機器の設計開発技術力 等
③ サステナビリティへの貢献
当社「Mission」に定める通り、各セグメントの事業を通じて諸問題を解決することにより「人」「社会」「環境」の3つに貢献するとともに、SDGsにも貢献いたします。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
(2)事業展開構想
当社がこれまで蓄積しております無形財(無形の経営資源)に価値を付加し、利益率、総資産回転率の改善によるROE向上を実現し、もって、中長期的な企業価値の向上をはかってまいります。
0102010_001.jpg① プロフェッショナルセグメント(インテリア事業、畳事業、ソリューション&ネットワーク事業)
インテリア事業においては、既存分野のシェアの維持向上と周辺関連市場の開拓に注力し、一層の業績拡大を目指してまいります。そのため、主力商品の壁紙自動糊付機に女性・高齢者・外国人でも使いやすい機能を盛り込んだモデルの開発や、内装施工現場の更なる省力化ニーズに対応してまいります。また、IT等を駆使して営業時間を拡大することで、従来以上のスピードで新市場開拓を目指してまいります。
畳事業においては、補助金活用により畳店の設備需要が一段落した状況に対して、当社の得意とする構造改革提案(当社の畳製造機械を活用した経営と生産の近代化の提案)等によって他社機ユーザーを取り込み、畳製造機器のシェア拡大をはかるほか、材料・工具・消耗品のネット販売への注力と、SNSの販売促進へのさらなる活用等により、早期の業績回復を目指してまいります。
ソリューション&ネットワーク事業は、2.4次産業型企業の推進役として令和6年10月にスタートし、商品・サービスの拡大と顧客数の拡大により事業基盤を築いている段階であります。2.4次産業型企業は、当社の持つユーザー、販売ルート、ITシステム・機器開発能力等の無形財を組み合わせることで、新たな商品・サービス・付加価値と顧客層を生み出すことを目指しており、引き続き、インテリア事業・畳事業との連携強化をはかりつつ、クラウドサービスの拡充、プリンターとオリジナルコンテンツの販売促進等、着実に事業基盤の充実をはかってまいります。
② コンシューマセグメント(コンシューマ事業・ソーラー・エネルギー事業)
コンシューマ事業においては、幅広い対象分野への販売拡大の可能性は大きいもののマンパワーの不足が課題となっておりました。この解消のため、得意分野や新規分野の絞り込みによる新商品開発スピードや営業効率の向上、サスティナブル&リノベーション部門の発足による得意市場への商品・サービスの投入体制の拡充等の施策を実施し、黒字体質の定着をはかってまいります。
③ インダストリーセグメント(産業機器事業、食品機器事業)
産業機器事業においては、企業の設備投資の活発化を受注拡大に結びつけ、一段の事業規模拡大を目指してまいります。二次電池製造装置、脱炭素関連装置等の大手企業からの引き合いに、引き続き積極的に対応してまいります。一方、人手不足解消のための省人化ニーズの高まりや老齢化、女性・外国人労働者の増加等の社会の変化は、当社コア技術を活用できる自動化・省力化機器等へのニーズ拡大のチャンスと捉えており、そうした分野の開拓も従来以上に積極的に取り組んでまいります。
食品機器事業は、引き続きマルチディスペンサーを主力商品とし、大手飲食チェーン店の入替需要の確実な受注と、新たな飲食チェーンの開拓を推進してまいります。また、飲食業界は人手不足が顕著な業界の一つであり、産業機器事業と連携して新しい分野の自動化・省力化機器開発も推進してまいります。
④ ニュー・インダストリーセグメント
本セグメントのROSECC社は、ロボット制御のノウハウを活用したウォータージェット機器等を核とする製造の省力化システムを主要製品として、自動車業界並びに住設機器関連業界をメインマーケットとしております。当社では、同社のロボット制御技術と当社のコア技術のシナジーを持って、新たな市場開拓を進め業績拡大を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、ROE(自己資本収益率)、売上高利益率(収益性)、総資産回転率(効率性)、財務レバレッジ(資金の効率性)を重要な経営指標と位置づけて、バランスの取れた企業価値の拡大を目指してまいります。当連結会計年度の各指標の実績は、ROE5.8%=売上高利益率1.8%×総資産回転率1.0回×財務レバレッジ(総資産÷純資産)3.3倍となりました。
(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、以下の項目を特に認識すべき課題として捉えております。
① 仕入れ価格の高騰
原油価格の上昇や急激な円安進行により、原材料や商品の仕入れ価格の高騰が今もなお続いております。当社においては、令和4年10月発刊の新総合カタログでの価格改定をはじめ、各種製商品の販売価格を適正水準に見直しておりますが、仕入れ価格が一段と上昇した場合は、更なる対応を検討する方針であります。
② 開発力の強化
畳製造装置やインテリア内装施工機器等の従来開発してきた機器の他、当社のコア技術を活かした顧客仕様による工場生産設備等の機器開発において、IoTやロボット技術等の新技術に対応した製品を開発することが求められております。この課題に対処するため、技術者の育成、自由度の高い研究開発体制の構築等の開発環境を整備し、「真似はされても真似するな」の信念に基づいた「オンリーワン製品」の開発を目指してまいります。
③ 子会社とのシナジー効果の発揮による事業拡大
令和2年10月に子会社化した株式会社ROSECCは、ウォータージェット技術、ロボット技術を活かした各種の自動化システムを企画・開発・販売するファブレス企業であります。子会社化後、研究開発部門を中心に、同社との技術面や人材面での交流を進めており、今後、同社とのシナジー効果を発揮した引き合い対応と受注促進に努め、着実な事業拡大に結びつけてまいる方針であります。
④ マーケティング力の向上
各セグメントにおいて、技術力と商品力を活かしつつ新商品と新市場を拡大していくためには、顧客ニーズを的確に捉え迅速に対応するマーケティング力の向上と、上場企業としての知名度を活かした新規購買先の開拓が課題となってまいります。この課題に対処するため、営業部門での幅広い情報収集とともに、マーケティング担当部署、購買担当部署、担当人員の充実をはかってまいります。
⑤ 生産体制の強化
令和4年4月に生産本部棟・新組立棟を竣工し、生産能力を強化したことが産業機器の受注拡大に結びつきました。今後、人材育成や労務環境の改善で一層の労働生産性の向上をはかるとともに、親密な外注先の維持・拡大の一層の活用によって、更に生産能力の拡大をはかってまいります。
⑥ 原価管理の充実
インテリア内装施工機器・工具・コンピュータ式畳製造システム、特殊機能畳、顧客仕様の生産設備やディスペンサー等の厨房機器等の多様な製品を、見込生産又は受注生産により、ロット又は単品で生産しており、その製造工程に応じた適切な原価管理が必要であります。この課題に対処するため、それぞれの製品特性を踏まえた標準原価を設定し、毎月定期的に原価検討会議を開催して改善策を継続的に検討することにより、原価管理の充実に努めてまいります。
⑦ 経営体制の充実
取締役会においては、中途採用者の取締役への登用や複数の独立社外取締役の選任等により人材の多様化を進め、幅広い観点から充実した審議が可能となる体制整備をはかっております。今般も昨年同様に取締役の多様性マトリックスを作成いたしております。また、令和元年10月には執行役員制度を導入し、事業推進及び社内連携体制の強化とともに、経営層の人材育成に努めております。
⑧ 経営理念の徹底、内部監査、監査等委員会監査、ISOの充実
社名変更とともに新理念体系を構築して、サステナビリティに関する目標も明確にして推進しているところであります。引き続き、企業行動規範や内部統制システム基本方針、コンプライアンスの重要性も周知徹底するとともに、内部監査室による内部監査の実施と、常勤監査等委員の選定による監査等委員会監査の充実により、経営方針、経営計画の実現のための円滑な業務運営を徹底しております。また、ISO9001とISO14001のマネジメントシステムに基づき、メーカーの原点である品質向上と環境対応の向上に努めております。
⑨ 人材育成
社員一人ひとりの能力向上を通じた組織力の強化で、従来の市場でのシェア拡大とともに新市場を開発し、売上、利益の拡大をはかってまいる方針であります。その課題に対処するため令和4年10月に人事部を新たに設置いたしました。引き続き人事考課制度の刷新、タレントマネジメント委員会の設置、研修教育体制の充実、キャリア・プランの作成等、人事戦略の強化により人材の育成と更なる活力向上をはかってまいります。

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