有価証券報告書-第11期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/19 13:59
【資料】
PDFをみる
【項目】
138項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下の経営理念を掲げて事業展開を行っております。
「私たちは、女性のライフステージを応援します。」
「私たちは、相手の立場に立って考えます。」
「私たちは、コンプライアンスを推進します。」
「私たちは、事業を通して社会貢献致します。」
当社グループは、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けるためには、「いったい何が必要なのか」を基本に事業展開してまいりました。豊かな社会を築くためには、あらゆる場面でさまざまな発想で多くの知恵を出すことが必要です。そういった「より私らしく」と願う女性たちに対してサービスを提供することを事業コンセプトとしております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2026年12月期から2028年12月期を最終年度とする「中期経営計画(2026年~2028年)」の中で、最終年度にあたる2028年12月期における目標計画として連結売上高23,200百万円、営業利益948百万円を掲げております。なお、中期経営計画の3か年の計画は以下のとおりです。
連結数値目標
2026年度目標 (2026年12月期)2027年度目標 (2027年12月期)2028年度目標 (2028年12月期)
売 上 高(百万円)19,50021,20023,200
営 業 利 益645805948

(3)経営環境
① 事業環境
(保育事業)
当社グループの主力事業である保育業界の事業環境においては、未婚率の上昇や女性の社会進出の増加などを背景に、2024年度の日本人出生数が過去最少の68万人となり少子化の深刻化は依然として最大の課題であります。
このような状況を受け、こども家庭庁は「こども大綱」に基づく「こども未来戦略」を公表し、「次元の異なる少子化対策」として2024年度から2026年度までの3年間の加速化プランを実行フェーズに移しております。このプラン実現に向け、2024年6月に「子ども・子育て支援法」を一部改正することで法的な枠組みを強化し、同年10月には第3子以降の児童手当などを引き上げることによって経済的支援の拡充を図っております。また、2025年4月からの育児休業給付の給付率の引き上げや、育児時短就業給付の創設など、様々な子育て支援策が施行され、育児と就労の両立支援を大きく前進させております。さらに、東京都においては、国の施策に加え、2025年9月から0歳から2歳までの第一子保育料を所得制限なしで無償化する独自の支援策が始まりました。この大都市圏における経済的支援の大幅な拡充は、保育サービスの利用促進と、地域間の保育ニーズ構造の変化に強い影響を与えるものと見られます。
一方で、長年の課題であった保育所の待機児童問題は、受け皿整備の進展により、2017年ピーク時の26,081人から2025年4月時点では2,254人となり大幅に減少いたしました。この状況を踏まえ、2024年12月こども家庭庁は「保育政策の新たな方向性」を公表し、保育政策の焦点は、「保育の量の拡大」から「保育の質の確保・充実」へと明確に転換いたしました。2024年12月の「保育政策の新たな方向性」や、2025年6月公表の「こどもまんなか実行計画」が示す通り、2026年4月本格開始に向けた「こども誰でも通園制度」と合わせ、サービスの質の向上、多様化への対応が不可欠な局面を迎えております。
(介護事業)
次に注力事業である介護事業についての事業環境です。
高齢者介護については、いわゆる「2025年問題(団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に達する)」が現実のものとなり、介護の施設数は増加傾向にあります。しかしながら、「介護職員数」は2023年を境に減少に転じており、単なる「人手不足」という言葉を超えた、「需要と供給のミスマッチの深刻化」と「事業継続コストの急騰」が最重要の課題となっております。需要がピークに達する一方で、人材不足により入居制限をかける施設が続出し、潜在的な顧客を抱えながらも稼働を上げられないジレンマが生じております。人件費・運営コストの記録的な上昇が進む中、他産業への人材流出を食い止めるため、処遇改善や採用コストの投入を余儀なくされ、利益率を押し下げております。
また、障がい福祉分野においては、診断を受ける子どもの数は増加し続けており、待機児童が発生している地域も多く、需要は依然として旺盛です。障がい児の親が自身の親の介護(2025年問題)に直面する「ダブルケア」世帯が増加し、より長時間の預かりや家庭支援(レスパイトケア)への期待が高まっております。障がい福祉の事業は、児童発達支援管理責任者や理学療法士、言語聴覚士などの有資格者の確保が、介護以上に困難を極めており、さらには2024年の改定により、預かり時間に応じた報酬区分が導入され、短時間の受け入れでは収益が上がりにくい構造になるなど、「経営の二極化」が潮流となっております。
② 「tenoVISION2030」
これら事業環境下、当社は、2030年12月期のあるべき姿(理想像)として、「tenoVISION2030」~時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団となり、働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループを目指す~を掲げ、その実現に向けた取組みを盛り込んだ「中期経営計画」を策定しております。
当社グループのボトルネックとなりうる“人材”への戦略的アプローチにより理想的な循環を実現させることで、当社グループのステークホルダーの皆さまから選ばれる企業集団となることを目標としております。変化の激しい社会情勢においても揺らぐことのない「真に必要とされる事業」を追求し、中長期的な戦略として以下の重点施策を通じて企業価値の向上に邁進してまいります。
ⅰ.主力事業の強化 「保育事業(公的保育・受託保育)における事業拡大」
保育市場が成熟期を迎える中、画一的な規模拡大から脱却し、専門性の高い保育実践を通じて「選ばれ続ける園」としての「質」を追求します。学童保育においては、依然として1万6千人を超える待機児童問題が存在します。働き盛り世代の離職を防ぎ、社会的な人的資源の損失を最小化する不可欠なインフラとして、積極的な受託拡大を図ります。多様化するニーズに柔軟に適応し、地域社会に根差した安心の拠点としての価値を確立してまいります。
ⅱ.介護事業の強化「介護事業に注力し、保育事業に次ぐ事業へ成長させる」
当社グループの根幹である「女性のライフステージ支援」を拡張し、現在取り組んでいる介護・障がい福祉事業を「第二の柱」へと成長させます。現在は高齢者介護や児童発達支援、放課後等デイサービスを中心に展開しておりますが、中長期的にはこれらを融合させ、障がいを持つお子様から介護を必要とする高齢者までを包括的にサポートする「ワンストップの多世代支援体制」を目指します。これにより、家族全体の生活を支える事業ポートフォリオを構築いたします。
ⅲ.M&Aによる事業拡大
社会貢献を永続させるためには、健全な利益体質が不可欠です。対人援助における「人のぬくもり」を大切にする一方、AIやDXによる業務プロセスの省力化・データ活用を徹底いたします。現場の付加価値を高めながら、生産性向上と収益性へのこだわりを両立させることで、安定した経営基盤を維持します。将来にわたってサービスを提供し続ける責任を果たし、ステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。
「tenoVISION2030」の最終年度である2030年12月期においては、連結売上高300億円、営業利益率5%以上の達成を目指しております。
③ 「中期経営計画(2026年~2028年)」
「tenoVISION2030」の実現に向けて「中期経営計画(2026~2028)」においては、以下の基本方針を掲げ、主力事業の安定成長と新規事業による事業拡大に取組んでまいります。なお数値目標については、経営環境の変化等に柔軟に対応するため原則として毎期改定を行うローリング方式を採用しております。
イ.保育事業(公的保育・受託保育)における事業拡大(M&Aによる事業拡大も含む)
ロ.「サービス品質」を追求し、選ばれる施設づくりを行う
ハ.人事制度と人材育成制度の一体改革に着手する
ニ.新規事業(保育以外の主力事業へ)を立ち上げる(将来への投資として、多くの種まきを行う)
ホ.介護事業における事業拡大に注力し、保育事業に続く柱の事業へ成長させる
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営戦略を立案し、企業価値を最大限に高めることに努めております。当社グループが今後より一層の業容拡大を推進し、より良いサービスを実現するためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の5項目を対処すべき課題として認識しております。なお、最重点課題として人材の確保を掲げ、「tenoVISION2030」の達成に向けて「人材を持続的に確保・育成できる」ことを最初の取組みとしており、当社グループが考える理想的な循環実現のために対応してまいります。
①人材の確保・育成
当社グループの事業は、労働集約型の事業であり、保育士、調理師、介護士や看護師等の資格を有する優秀な人材の確保が急務となっています。特に保育士や介護士の有効求人倍率は依然全国的に高位に推移しており、都市圏を中心に人材の確保が難しい状況が続いております。このような中、当社グループではこれまでの経験者を中心とした中途採用に加え新卒採用や新たなルート開拓により、人材紹介会社経由の採用に依存しない採用経路確保に取組んでおります。しかしながら、人材の確保は単なる入り口の議論に留まるべきではなく、入社後の「活躍」と「定着」が伴って初めて事業成長の原動力となります。そのため、給与条件の改善をはじめ、多様な働き方のためのキャリアパス設計、研修制度の充実、人事評価制度の見直し等を通じた総合的な処遇改善への取り組みや、保育園と本部が一体となって保育士の働きがいの向上に取り組むプロジェクトとしてチームエンゲージメントセンター(TEC)を立ち上げるなど、優秀な人材の確保に向けた施策を推進しております。
② 既存事業における「質」の向上
昨今の保育・介護業界を取り巻く環境は、単なる「受け皿の確保」という量的拡大のフェーズから、一人ひとりの利用者に寄り添った「サービスの質の向上」が厳格に問われる質的転換期を迎えております。特に、安全管理の徹底や個別ニーズへの細やかな対応は、社会保障の一端を担う事業者に課せられた最重要の社会的責務となっており、保育・介護共に「選ばれる施設」としての価値の提供が求められております。
当社グループは、圧倒的な付加価値を創出すべく、「保育みらい研究所Compass」を核としてメソッドの構築やICTやAI技術を駆使した業務変革に取組んでおります。タブレット機器による事務作業の削減や、見守りカメラ・AI分析の導入は、単なる効率化を目的とするものではありません。これらは、従業員を作業から解放し、子どもや高齢者と向き合うという「専門業務の本質」に集中するための環境整備であり、デジタル活用によって生み出された時間的・心理的ゆとりを、利用者一人ひとりへの深い洞察と関わりに再投資する点に当社の独自性があります。
さらに、この「ケアの質」を支える基盤として、専門性の向上と働く従業員のエンゲージメントの向上も不可欠と捉えております。研修機会の拡充によるスペシャリストの育成と、総合的な処遇改善を並行して推進することで、職員の心身のゆとりがサービスの質へと直結する好循環を構築いたします。最先端のテクノロジーによるバックアップと、それによって最大化された人間味あふれる温かなケア。この両立こそが他社との決定的な差別化要因であり、今後も持続可能な就業環境の整備を通じて、優秀な人材が誇りを持って定着し続ける環境を追求してまいります。
③コンプライアンスへの取組み
当社グループが担う保育・介護事業は、利用者の生命と尊厳を預かる極めて公共性の高い職務であり、法令遵守はもとより、社会からの揺るぎない信頼に応えるための高い倫理観と透明性の確保が不可欠です。全国に多数の施設を展開し、多くの従業員を擁する当社グループにおいて、コンプライアンスの徹底は単なる組織の枠組み整備に留まらず、現場の最前線で働く一人ひとりの日常的な判断や行動にまでいかに浸透させるかが最重要の課題であると認識しております。
この課題に対し、当社グループでは社内規程の拡充や相談窓口の設置といったハード面の整備に加え、現場の実情と乖離させないための「自分事化」を促す教育体制を強化しております。具体的には、施設ごとに発生し得るリスクを想定した事例検討会や、双方向型のコミュニケーションを重視した階層別研修を継続的に実施することで、コンプライアンスを形式的な知識から、現場での具体的な行動指針へと昇華させております。また、ハラスメントの防止や個人情報の厳格な管理についても、問題の早期発見・早期解決に向けた「声の上げやすい」組織風土の醸成と並行し、万が一の事態に対する即応体制の構築に注力してまいります。
全国に広がる各拠点において、全従業員が自律的に正しい判断を下せる体制を築くことは、結果として不祥事の未然防止のみならず、提供するサービスの安心・安全という「質の向上」にも直結するものです。今後も、本部と現場が一体となったコンプライアンス経営を推進し、全社一丸となって社会的信頼の維持・向上に努めることで、持続可能な社会基盤としての役割を果たしてまいります。
④安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化
成長戦略の加速に不可欠な資金流動性を維持しつつ、強固な財務体質を構築することは、当社グループの持続的な企業価値向上における根幹の課題です。
保育・介護施設の戦略的な開設や、機動的なM&Aを継続的に推進するためには、投資資金の量的な確保に加え、調達コストの最適化と財務の健全性を高める多層的な施策が求められます。当社グループでは、複数の金融機関との強固な信頼関係に基づき、市場環境に左右されない安定的な資金調達チャネルを維持するとともに、シンジケートローンやコミットメントラインの活用などを通じて、成長機会を逃さない機動的な資金供給体制を確立しております。
しかしながら、真に盤石な財務基盤を構築するためには、外部調達に依存するだけでなく、既存事業における収益性の抜本的な強化によるキャッシュ・フローの最大化が不可欠です。不採算部門の改善やDXによる運営効率の向上を徹底し、自己資金の創出力を高めることで、攻めの投資を支える強靭な財務構造への転換を急いでおります。これら外部調達の安定化、既存事業の収益力強化を通じて、健全な成長を裏付ける強固な財務基盤の構築に邁進してまいります。
⑤事業領域の拡大及びM&AとPMIの推進
当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するため、既存事業の質的深化に留まらず、周辺領域への戦略的な事業拡張が不可欠であると認識しており、「私たちは、女性のライフステージを応援します。」という経営理念を具現化する事業ドメインを再定義し、収益基盤の多角化に向けた施策を加速させております。第一の重点課題として、介護事業を保育に次ぐ「第二の柱」へと成長させるべく、機動的なM&Aを推進してまいります。ここでは単なる規模の拡大を目的とせず、買収後の経営管理体制を迅速に整備し、グループのノウハウを融合させるPMIを徹底することで、統合シナジーを早期に創出できる強固な事業ポートフォリオを構築いたします。
第二に、女性のあらゆるライフステージに寄り添うべく、従来の保育・介護の枠組みを超えた生活関連支援事業などの新規事業探索にも注力しております。ライフスタイルが多様化する現代において、利用者の潜在的なニーズを的確に捉え、社会的価値と経済的利益を両立させる新たなサービスの創出を目指します。これら既存領域の強化と新領域への挑戦を並行して進めることで、外部環境の変化に左右されない強靭な経営基盤を確立してまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。