訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/12/04 15:00
【資料】
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【項目】
102項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下を経営理念として、事業展開を行っております。
「私たちは、女性のライフステージを応援します。」
「私たちは、相手の立場に立って考えます。」
「私たちは、コンプライアンスを推進します。」
「私たちは、事業を通して社会貢献致します。」
テノ.グループは、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けるためには、「いったい何が必要なのか」を基本に事業展開してまいりました。豊かな社会を築くためにはきっと、あらゆる場面でさまざまな発想をもっと男女が知恵を出し合うことが必要です。そういった「より私らしく」と願う女性たちに対してサービスを提供することを事業コンセプトとしております。
(2)経営環境
当社グループの属する保育業界を取り巻く状況といたしましては、長期的には少子高齢化・人口減少の急速な進展が予想されておりますが、厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」(平成29年9月1日公表)によると、平成29年4月1日時点で、待機児童数は26,081人(前年比2,528人増)で3年連続の増加となっております。これは、女性の社会進出の増加による共働き世帯の増加や働き方の多様化等に加え、政府・自治体による積極的な子育て施策の実施によるもので、更に現政権による無償化施策が実現されれば、一層の保育ニーズの高まりが予想されます。
当社グループとしましては、公的保育、受託保育、その他サービスにより、一層高まる保育ニーズに対応すべく、より一層の業容拡大を推進してまいりたいと考えております。
(3)対処すべき課題
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営戦略を立案し、企業価値を最大限に高めることに努めております。当社グループが今後より一層の業容拡大を推進し、より良いサービスを実現するためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の項目を対処すべき課題として認識しております。
① 人材の確保
当社グループ運営施設の増加に伴い、保育士、調理師、看護師等の資格を有する優秀な人材の確保が急務となっています。特に保育士の有効求人倍率は全国的に上昇の一途を辿っており、大都市圏を中心として年々採用が難しくなる傾向が続いております。このような中、当社グループではこれまでの経験者を中心とした採用から新卒者採用にも注力し、門戸を広げております。また給与条件の改善をはじめ、業務効率化による働きやすい環境づくりの推進、研修制度の充実(海外での研修実施等)、人事評価制度の見直し等を通じた総合的な待遇改善への取組みを進め、優秀な人材の確保に向けた施策を進めております。
② 人材の育成
保育士資格取得やベビーシッター向けの講座、子ども・子育て支援研修制度による自治体主催研修への講師派遣等を通じ、外部人材の育成・教育を実施しております。また、当社グループ運営施設においては、保育スキルアップ研修や安全・アレルギー研修等を通じ、常に質の高いサービスを提供するために、人材への継続的な教育投資を実施しております。
③ 保育の質の維持・向上
当社グループでは、公的保育事業を株式会社テノ.コーポレーションが、受託保育事業を株式会社テノ.サポートが担っております。事業特性に応じた組織運営によりノウハウの集約を図り、効率的・組織的な管理体制を構築しています。また、研修機会の充実や総合的な処遇改善等による働き方改革の推進により、保育の質の維持・向上に努めてまいります。
重ねて保育の現場では、保育士等の職員がより保育に集中できる環境作りやより児童と向き合う機会を作る仕組みの構築に努めております。具体的には、タブレット機器の導入や見守りカメラの設置といった保育施設のICT化(コンピューター技術を活用した保育業務の支援機器等の導入)を推進しております。
④ コンプライアンスへの取組み
児童福祉法をはじめ、保育事業を展開するにあたって根拠となる法律・条令等の遵守は、厳格に実施しております。また、当社グループが有している施設利用者等の個人情報についても、法律に則った取扱いを徹底しております。これらコンプライアンスへの取組みとして、社内規程の拡充整備を進め、社員研修等により日常的にコンプライアンスへの意識を高め、適正に業務を遂行してまいります。
⑤ 安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化
今後も継続的に公的保育施設の開設を進めるためには、必要な設備投資資金を安定的に確保することが重要となります。当社グループでは、複数の金融機関との継続的取引を通じた安定調達、財務安全性を高める諸施策の実施による財務基盤の強化を進め、安定的かつ機動的な資金調達に努めております。