有価証券報告書-第12期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 16:00
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【項目】
100項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
≪ミッション≫ 「シンプルな仕組みで世の中をちょっと前へ。」
ビジネスの常識を変えたり、新しい価値観を生み出すきっかけは、実は、ほんの「ちょっとしたこと」だったりする。それはつまり、シンプルだけど核心をついた仕組みのこと。
世の中をちょっと前へ進める、そんな「ちょっとした」きっかけを創造していく。それが私たちカオナビのミッションです。
≪ビジョン≫ 「マネジメントが変わる新たなプラットフォームを。」
労働人口の減少、雇用形態の多様化、産業構造のシフト、私たちを取り巻く企業環境は大きく変化しています。そのような中、私たちが最も重視するテーマは企業の“マネジメント”。
人材を有効活用できる企業しか生き残れないこの時代に、人材マネジメントを変革させるプラットフォームを提供することで、業務効率化、生産性向上、離職防止などの企業課題を解決していくことを目指しています。
(2)目標とする経営指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高、売上総利益率を特に重視しております。また、サブスクリプション型のビジネスモデルであるため、KPI(Key Performance Indicators)として、利用企業数、ARPU(注1)、ストック収益の成長率、MRR解約率及びLTV/CAC(注2)を重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めてまいります。なお、当社の中期成長のグランドデザインとして、2023年度(2024年3月期)において、売上高100億円、売上総利益率80%、営業利益率30%を目標として設定しております。
(3)経営環境及び経営戦略
公益社団法人日本生産性本部が2019年12月に発表した調査によると、我が国の就業者1人あたりの労働生産性は、OECD加盟諸国の中で21位と上位諸国とはかけ離れた実態が明らかになっております。また、就業者1人あたりの労働生産性が低い中、内閣府の調査では、2030年までに生産年齢人口は7,000万人を割り込み、その先の2060年までに5,000万人を下回ると推計されております。このような状況を踏まえ、今後の日本社会では、労働人口は減少するという前提のもとで如何に労働生産性を高めていくかが極めて重要な命題になると考えております。政府は、2016年9月より「働き方改革実現会議」を設置し、1億総活躍社会の実現、そのための働き方改革を推進しております。その背景としては、少子高齢化で労働人口が減少する中、労働力不足を解消し、経済の衰退を防ぐことにあります。このような働き方改革の流れの中、労働力不足の解決策として、AI(人工知能)・ロボットとHRテクノロジーが注目されております。
近年の技術進歩により、従来の仕事をAIやロボットが代用することで大きな労働力の補填に繋がると期待されております。さらに、これまで企業の中でも裏方的な存在であった人事・総務といった“人材に関わる業務”は、直接的に企業の売上や利益に直結する業務ではないこともあり、テクノロジーの導入や効率化が遅れている分野でもありましたが、近年のHRテクノロジーの発展に伴い、この分野にITを積極的に導入する企業が増加しております。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景とした政府や地方自治体による外出自粛要請を受けて、在宅勤務などテレワーク制度を導入する動きが急速に広がっております。このような多様な働き方を支援するツールとして、HRテクノロジーの必要性がますます高まっていくものと推察されます。
HRテクノロジーといっても、「人材紹介・人材派遣」「採用管理」「求人マッチング」「給与計算」「人材管理・評価」「勤怠管理」「社会保険」「求人広告」「福利厚生・人材教育」など、いくつかの分野が存在しており、各々の領域に特化したHRテクノロジーのサービスが数多くあります。業務の効率化や生産性向上に対して一定の効果は見られるものの、現状のHRテクノロジーは分野ごとの課題を解決するサービスに留まっており、今後は、「人材データベース」を軸に多数のサービスが連携して運用され、これまで以上に効率化が進み、生産性が高まっていくものと考えております。当社は「人材情報をクラウド上で一元管理」できるという機能優位性を活かして人材データベースとしてのハブ機能を備えることで、あらゆる人事・人材関連サービスにかかるプラットフォームを提供してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① サービスの普及拡大
労働生産性の向上に対する社会的要請の高まりに伴い、人事関連業務の効率化・先進化への取り組みが進んでおり、人材マネジメントシステムへの期待も急速に高まっているものと認識しております。一方、IDC Japanが2017年7月に発表した「国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向調査」の結果によると、人材マネジメントに対するITシステムの導入率は12.6%に留まっており、国内における普及度合いは十分とは言えません。今後は、費用対効果を検討した上での積極的な広告推進などを通じてサービスの認知度向上を図るとともに、新規顧客の獲得に向けて、マーケティングの強化、紹介パートナー及びセールスパートナーの拡大、営業拠点の設置など営業機能の強化に努めてまいります。
② サービス機能の拡充
インターネット業界においては常に技術革新が起こっており、競争優位性を維持していくことは容易ではありません。また、顧客基盤の拡大に伴い顧客ニーズも多様化してまいります。当社は、顧客ニーズを的確に捉え、その要望を入念に吟味しながら、サービス機能の追加・改善、外部サービスとのAPI連携など顧客価値の向上を目指した継続的なサービス機能の拡充に努めてまいります。
③ 顧客エンゲージメントの強化
当社の顧客数が拡大するにつれて、既存顧客との関係性を強化し、継続的に『カオナビ』を利用していただくことが重要な課題であると認識しております。当社は、カオナビの導入や定着の支援、セミナーやユーザー交流会など顧客エンゲージメント強化のための取り組みを実施してまいりました。今後、これらの活動をより一層強化・推進して、顧客に『カオナビ』の導入効果を最大限享受していただくことに努めてまいります。
④ 外部サービスとの連携拡大
当社は、顧客の利便性向上に向けて、さまざまな企業やサービスとの連携・協業を深化させることを目的とした「コネクテッドパートナープログラム」を推進しております。今後も既存のパートナーとの提携強化や新たなパートナーの拡大によって、顧客価値の向上を目指した取り組みを進め、人事・人材関連サービスのプラットフォームの構築に努めてまいります。
⑤ 情報管理体制の継続的な強化
当社は、顧客の従業員に関する個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要な課題であると認識しております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、今後も継続して社内教育・研修の実施やシステムの整備等を行ってまいります。
⑥ セキュリティの継続的な向上
当社サービスの継続利用の前提として、セキュリティの確保は必要不可欠であると考えております。当社では、自社による監視体制のみならず、外部業者による脆弱性診断を継続的に実施し、必要な対策を取ることでセキュリティの向上に努めております。当該対策には終わりはないと認識しており、今後も継続してセキュリティ向上に向けた対策を行ってまいります。
⑦ 組織体制の強化
当社の持続的な事業成長には、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を採用・育成し、組織体制を整備していくことが重要であると考えております。当社の理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が働きやすい環境の整備や人事制度の構築、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。
⑧ 利益の定常的な創出
当社は、将来の事業拡大を目指した人材獲得や認知度向上施策などを積極的に進めており、2020年3月期の経営成績は営業損失となっております。
当社の収益モデルは、当社サービスが複数年にわたり継続して利用されることで収益が積み上がっていくストック型の構造にありますが、収益を積み上げていくために費用が先行して計上されるという特徴があります。事業拡大に伴い増加傾向にある人件費及び採用費、先行投資として計上される広告宣伝費、販売促進費等の費用については、顧客基盤の拡大に伴い売上高に占める比率を低減させていくことが可能となるため、今後のマーケティングの強化やサービス機能の拡充等を通じた売上高の増加により収益性の向上に努め、利益を定常的に創出できる体制を目指す方針であります。
なお、2019年3月期及び2020年3月期における四半期ごとの経営成績の状況は以下のとおりです。
(2019年3月期) (単位:千円)
第1四半期会計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年6月30日)
第2四半期会計期間
(自 2018年7月1日
至 2018年9月30日)
第3四半期会計期間
(自 2018年10月1日
至 2018年12月31日)
第4四半期会計期間
(自 2019年1月1日
至 2019年3月31日)
事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
売上高354,873395,605438,502501,1821,690,162
売上総利益204,349248,287297,008358,2971,107,941
営業利益又は営業損失(△)△35,591△49,586△13,62825,409△73,396

(注)2019年3月期の第1四半期会計期間及び第2四半期会計期間の数値については、監査法人によるレビューを受けておりません。
(2020年3月期) (単位:千円)
第1四半期会計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年6月30日)
第2四半期会計期間
(自 2019年7月1日
至 2019年9月30日)
第3四半期会計期間
(自 2019年10月1日
至 2019年12月31日)
第4四半期会計期間
(自 2020年1月1日
至 2020年3月31日)
事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
売上高576,215635,038682,162731,3782,624,792
売上総利益439,411483,257513,631536,0501,972,348
営業利益又は営業損失(△)5,926△9,890△73,228△200,456△277,649

(注)1.ARPU
Average Revenue Per Userの略語で、1社当たりの平均売上金額をいいます。
2.LTV/CAC
LTV(Lifetime Valueの略語で、顧客生涯価値をいいます)とCAC(Customer Acquisition Costの略語で、顧客獲得単価をいいます)の比率で、マーケティング活動の投資効率性を表しています。

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