有価証券報告書-第13期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念において「出会いからイノベーションを生み出す」というミッション(注)を掲げています。このミッションの下、企業やビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題の解決につながるサービスを生み出すことを目指して事業活動を行っており、これらの活動が株主価値及び企業価値の最大化につながるものと考えています。
(注)当社グループのミッションは、以下の通りです。
「出会いからイノベーションを生み出す」
いつの時代も、世界を動かしてきたのは人と人の出会いです。
私たちは出会いが持つ可能性を再発見し、未来につなげることでビジネスを変えていきます。
イノベーションにつながる新しい出会いを生み出す。
出会いの力でビジネスの課題にイノベーションを起こす。
そして、名刺からはじまる出会い、そのもののあり方を変えていきます。
(2)目標とする経営指標
連結売上高の成長を重視した経営を行っています。Sansan事業においては、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、契約件数や契約の継続率(解約率)等を重要指標としています。また、Eight事業においては、BtoBサービスの成長や、ユーザーネットワークの構築・拡充を目的としたユーザー増加数等を重要指標として運営を行っています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業や事業領域には次のような特徴があり、これらに基づいて中長期的な経営戦略を立案しています。
①名刺の持つユニークな価値と市場機会
名刺は、ビジネスの出会いのシーンで交換される慣習が根強く、そこには、氏名や所属する会社、組織、役職、連絡先等のビジネスパーソンを表す正確な情報が記載されています。また、名刺交換の履歴情報自体にもユニークな価値があるほか、現在でも紙のままで日常的に利用されていてデジタル化が進んでおらず、業務効率化や有効活用の余地が大きく残されていると考えています。
当社が2007年の創業当時から手掛ける、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、自ら市場を創り上げてきたことで、法人向けクラウド名刺管理サービス市場で82.8%(注1)のシェアを有しており、パイオニアとして市場をリードしています。また、2012年に開始した名刺アプリ「Eight」のユーザー拡大と合わせて、当社及び当社サービスのブランド認知度は高まっているものと考えています。
しかしながら、日本国内に存在する企業数や従業者数でみた場合には、「Sansan」のカバー率は未だ低水準です。例えば、国内における総従業者数に占める「Sansan」利用者数の割合は、2%弱に留まっており、利用者数ベースでは潤沢な開拓余地が残されていると考えています(注2)。加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワーク等の働き方の変化やデジタルトランスフォーメーションへの意識改革、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、市場規模はさらに拡大が続いています。デジタルトランスフォーメーション市場は2021年において1兆4,357億円(2017年比8,704億円増)(注3)、国内SaaS市場は2023年には8,174億円(2018年比3,376億円増)(注4)の規模に達すると予想されています。
(注)1.シード・プランニング「名刺管理サービスの市場とSFA/CRM関連ビジネス2020」
2.2020年5月期末における「Sansan」合計ID数を分子とし、分母となる国内の総従業者数は、総務省統計
「2016年経済センサス活動調査」をもとに算出
3.富士キメラ総研「2018 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
4.富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」
②ビジネスプラットフォームとしての価値
当社グループの提供する「Sansan」と「Eight」は、業界や職種を問わず数多くのビジネスパーソンがあらゆるシーンで活用するサービスとなっています。名刺管理という極めて基本的なビジネスニーズと、そこに自律的に蓄積されるデータや情報が土台となっていることから、他のサービスやデータベースとの連携性・拡張性が高く、ビジネスにおけるプラットフォームになり得る要件を兼ね備えているものと捉えています。したがって、ビジネスプラットフォームとしての価値を高めていくことで、さまざまなビジネス機会にアクセスしやすいという特徴を有していると考えています。
③名刺データ化精度99.9%を実現する仕組みとテクノロジー
名刺管理サービスにおける名刺データ化の精度は、サービスの本質的な品質・競争力に資するものであり、「Sansan」では99.9%の精度を、そして「Eight」でもそれに準ずる高い精度を有しており、事業共通の強みとなっています。当社グループのサービスでは、機械学習等によって日々進化するテクノロジーと、人力の組み合わせによって名刺のデータ化を行っており、創業以来、人力による名刺データ入力を中心に、膨大な名刺をデータ化してきたことで、現在では、大量の名刺を正確かつ効率的にデータ化する独自システムの開発・運営が可能となりました。この技術力と独自の仕組みが競争力の源泉であり、継続的なサービス品質・競争力の向上に向けて、新技術の開発やオペレーションの改善を追求しています。また、これらの仕組みやテクノロジーは、さまざまな領域で活用が可能であるという特徴を有しています。
④高い安定性を誇る財務・収益モデル
当社グループの「Sansan」の課金モデルは、継続収入が見込めるサブスクリプションモデル(月額課金)が中心であることから、安定的かつ継続的な事業進捗が見込める収益モデルです。また、サービスの月次解約率は直近12か月平均で1.0%以下に留まっており、契約当たり売上高の拡大に努めることで、顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を推進しやすい魅力的なモデルであると捉えています。
具体的な当社グループの経営戦略は、以下の通りです。
(ⅰ)Sansan事業の更なる成長
マーケティング活動から新規受注までの一連の業務プロセスが確立し、安定的な成長が続いていますが、今後のさらなる成長に向けて積極的にさまざまな施策を実施していきます。具体的には、新型コロナウイルス感染症が拡大している環境等を考慮し、新しく導入した「オンライン名刺」機能の普及拡大を図ることでサービス価値のさらなる向上に取り組みます。また、データ活用を促進するさまざまな機能を「Sansan」に追加していく等、「Sansan」のビジネスプラットフォームとしての価値を向上させていく戦略「Sansan Plus」を推進していきます。加えて、これまで進めてきた営業体制の強化や国内外の拠点を通じた広範な営業活動の展開等による契約件数の拡大、ユーザー企業の全社員によるサービス利用(全社利用)を前提とした大型契約の獲得や既存顧客の利用拡大の促進等についても継続して取り組むことで、契約当たり売上高のさらなる拡大を図ります。
(ⅱ)Eight事業のマネタイズ(収益化)
事業全体でのマネタイズを加速すべく、「Eight」における名刺共有を企業内で可能にするサービスである「Eight 企業向けプレミアム」や「Eight」のユーザーに対して広告配信が可能な「Eight Ads」等の各種BtoBサービスの展開を強化していきます。また、「オンライン名刺」機能等の利便性を向上させることで、ユーザー数のさらなる拡大を目指します。
(ⅲ)新規サービス展開
請求書のデータ化・オンライン受領サービス「Bill One」、契約書データ化ソリューション「Contract One」といった、「Sansan」や「Eight」で培った99.9%の精度で名刺をデータ化する技術を名刺以外の媒体に活用した新規事業を開始しており、これらの展開を強化していきます。新型コロナウイルス感染症の拡大防止等を目的に、企業はリモートワークといった働き方の多様化や生産性の向上等が求められている中、請求書や契約書関連業務に関しては、紙媒体を受領・処理するために出社が強いられる等、大きな課題が残されていると考えています。これらのサービスは、リモートワークやBCP(事業継続計画)といった課題解決に貢献するサービスであり、まず、これらのサービスの業務プロセスを確立し、安定的なサービス提供に向けた取り組みを推進していきます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき主な課題は以下の通りです。
①優秀な人材の採用と育成
当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えています。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取り組んでいきます。
②情報管理体制の継続的な強化
当社グループは多くの個人情報を扱っており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在も個人情報保護に係る施策には万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化・整備を行っていきます。
③技術力の強化
名刺データ化等に係る技術力は当社グループの競争力の源泉であり、Sansan事業及びEight事業の成長を支える共通基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えています。優秀な技術者の採用や先端技術への投資・モニタリング等を通じて、技術力の向上に取り組んでいきます。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念において「出会いからイノベーションを生み出す」というミッション(注)を掲げています。このミッションの下、企業やビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題の解決につながるサービスを生み出すことを目指して事業活動を行っており、これらの活動が株主価値及び企業価値の最大化につながるものと考えています。
(注)当社グループのミッションは、以下の通りです。
「出会いからイノベーションを生み出す」
いつの時代も、世界を動かしてきたのは人と人の出会いです。
私たちは出会いが持つ可能性を再発見し、未来につなげることでビジネスを変えていきます。
イノベーションにつながる新しい出会いを生み出す。
出会いの力でビジネスの課題にイノベーションを起こす。
そして、名刺からはじまる出会い、そのもののあり方を変えていきます。
(2)目標とする経営指標
連結売上高の成長を重視した経営を行っています。Sansan事業においては、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、契約件数や契約の継続率(解約率)等を重要指標としています。また、Eight事業においては、BtoBサービスの成長や、ユーザーネットワークの構築・拡充を目的としたユーザー増加数等を重要指標として運営を行っています。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業や事業領域には次のような特徴があり、これらに基づいて中長期的な経営戦略を立案しています。
①名刺の持つユニークな価値と市場機会
名刺は、ビジネスの出会いのシーンで交換される慣習が根強く、そこには、氏名や所属する会社、組織、役職、連絡先等のビジネスパーソンを表す正確な情報が記載されています。また、名刺交換の履歴情報自体にもユニークな価値があるほか、現在でも紙のままで日常的に利用されていてデジタル化が進んでおらず、業務効率化や有効活用の余地が大きく残されていると考えています。
当社が2007年の創業当時から手掛ける、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、自ら市場を創り上げてきたことで、法人向けクラウド名刺管理サービス市場で82.8%(注1)のシェアを有しており、パイオニアとして市場をリードしています。また、2012年に開始した名刺アプリ「Eight」のユーザー拡大と合わせて、当社及び当社サービスのブランド認知度は高まっているものと考えています。
しかしながら、日本国内に存在する企業数や従業者数でみた場合には、「Sansan」のカバー率は未だ低水準です。例えば、国内における総従業者数に占める「Sansan」利用者数の割合は、2%弱に留まっており、利用者数ベースでは潤沢な開拓余地が残されていると考えています(注2)。加えて、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワーク等の働き方の変化やデジタルトランスフォーメーションへの意識改革、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、市場規模はさらに拡大が続いています。デジタルトランスフォーメーション市場は2021年において1兆4,357億円(2017年比8,704億円増)(注3)、国内SaaS市場は2023年には8,174億円(2018年比3,376億円増)(注4)の規模に達すると予想されています。
(注)1.シード・プランニング「名刺管理サービスの市場とSFA/CRM関連ビジネス2020」
2.2020年5月期末における「Sansan」合計ID数を分子とし、分母となる国内の総従業者数は、総務省統計
「2016年経済センサス活動調査」をもとに算出
3.富士キメラ総研「2018 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」
4.富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」
②ビジネスプラットフォームとしての価値
当社グループの提供する「Sansan」と「Eight」は、業界や職種を問わず数多くのビジネスパーソンがあらゆるシーンで活用するサービスとなっています。名刺管理という極めて基本的なビジネスニーズと、そこに自律的に蓄積されるデータや情報が土台となっていることから、他のサービスやデータベースとの連携性・拡張性が高く、ビジネスにおけるプラットフォームになり得る要件を兼ね備えているものと捉えています。したがって、ビジネスプラットフォームとしての価値を高めていくことで、さまざまなビジネス機会にアクセスしやすいという特徴を有していると考えています。
③名刺データ化精度99.9%を実現する仕組みとテクノロジー
名刺管理サービスにおける名刺データ化の精度は、サービスの本質的な品質・競争力に資するものであり、「Sansan」では99.9%の精度を、そして「Eight」でもそれに準ずる高い精度を有しており、事業共通の強みとなっています。当社グループのサービスでは、機械学習等によって日々進化するテクノロジーと、人力の組み合わせによって名刺のデータ化を行っており、創業以来、人力による名刺データ入力を中心に、膨大な名刺をデータ化してきたことで、現在では、大量の名刺を正確かつ効率的にデータ化する独自システムの開発・運営が可能となりました。この技術力と独自の仕組みが競争力の源泉であり、継続的なサービス品質・競争力の向上に向けて、新技術の開発やオペレーションの改善を追求しています。また、これらの仕組みやテクノロジーは、さまざまな領域で活用が可能であるという特徴を有しています。
④高い安定性を誇る財務・収益モデル
当社グループの「Sansan」の課金モデルは、継続収入が見込めるサブスクリプションモデル(月額課金)が中心であることから、安定的かつ継続的な事業進捗が見込める収益モデルです。また、サービスの月次解約率は直近12か月平均で1.0%以下に留まっており、契約当たり売上高の拡大に努めることで、顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を推進しやすい魅力的なモデルであると捉えています。
具体的な当社グループの経営戦略は、以下の通りです。
(ⅰ)Sansan事業の更なる成長
マーケティング活動から新規受注までの一連の業務プロセスが確立し、安定的な成長が続いていますが、今後のさらなる成長に向けて積極的にさまざまな施策を実施していきます。具体的には、新型コロナウイルス感染症が拡大している環境等を考慮し、新しく導入した「オンライン名刺」機能の普及拡大を図ることでサービス価値のさらなる向上に取り組みます。また、データ活用を促進するさまざまな機能を「Sansan」に追加していく等、「Sansan」のビジネスプラットフォームとしての価値を向上させていく戦略「Sansan Plus」を推進していきます。加えて、これまで進めてきた営業体制の強化や国内外の拠点を通じた広範な営業活動の展開等による契約件数の拡大、ユーザー企業の全社員によるサービス利用(全社利用)を前提とした大型契約の獲得や既存顧客の利用拡大の促進等についても継続して取り組むことで、契約当たり売上高のさらなる拡大を図ります。
(ⅱ)Eight事業のマネタイズ(収益化)
事業全体でのマネタイズを加速すべく、「Eight」における名刺共有を企業内で可能にするサービスである「Eight 企業向けプレミアム」や「Eight」のユーザーに対して広告配信が可能な「Eight Ads」等の各種BtoBサービスの展開を強化していきます。また、「オンライン名刺」機能等の利便性を向上させることで、ユーザー数のさらなる拡大を目指します。
(ⅲ)新規サービス展開
請求書のデータ化・オンライン受領サービス「Bill One」、契約書データ化ソリューション「Contract One」といった、「Sansan」や「Eight」で培った99.9%の精度で名刺をデータ化する技術を名刺以外の媒体に活用した新規事業を開始しており、これらの展開を強化していきます。新型コロナウイルス感染症の拡大防止等を目的に、企業はリモートワークといった働き方の多様化や生産性の向上等が求められている中、請求書や契約書関連業務に関しては、紙媒体を受領・処理するために出社が強いられる等、大きな課題が残されていると考えています。これらのサービスは、リモートワークやBCP(事業継続計画)といった課題解決に貢献するサービスであり、まず、これらのサービスの業務プロセスを確立し、安定的なサービス提供に向けた取り組みを推進していきます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき主な課題は以下の通りです。
①優秀な人材の採用と育成
当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えています。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取り組んでいきます。
②情報管理体制の継続的な強化
当社グループは多くの個人情報を扱っており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在も個人情報保護に係る施策には万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化・整備を行っていきます。
③技術力の強化
名刺データ化等に係る技術力は当社グループの競争力の源泉であり、Sansan事業及びEight事業の成長を支える共通基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えています。優秀な技術者の採用や先端技術への投資・モニタリング等を通じて、技術力の向上に取り組んでいきます。