有価証券報告書-第19期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 10:01
【資料】
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【項目】
111項目

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「俯瞰的な視点で世の中の非効率を解消していくことで、“より満足度の高い未来”を創造する」を企業ビジョンに掲げております。当社は、顧客の業務プロセス全体を俯瞰し、既に導入されている各種システムインテグレーター等の汎用サービスをビジネス部門がスムーズに利用できるよう最適化するためのソリューションの提供を主な事業としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
ミッションである「企業向けITにおけるラストワンマイルを最適化する」を推し進めるための事業基盤の強化を行ってまいります。既存取引先の深耕及び豊富な取引実績がある資産運用会社に加えて、証券会社、信託銀行、その他金融機関等のより広範な金融機関との新規取引の獲得を目指します。
また、当社からのUiPath RPA Platform(注)の販売及び導入の促進によって、既存取引先の新たな業務プロセスへの関与及び金融機関に留まらないあらゆる業界の企業との取引開始を目指します。
(注)当社がリセラー契約を締結しているUiPath社が提供するRPA製品シリーズ(UiPath Studio、UiPath Orchestrator、UiPath Robots等)。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、営業利益率を安定的に確保することを目標としており、収益性の高い案件の獲得を目指しております。
(4)経営環境
金融機関のIT投資は金融規制への対応やグループの統廃合によるシステムの統廃合、他業界からの金融業への参入など、業界全体として安定的に推移しております。AIやIoTなど第4次産業革命の幕開けにより、業務プロセスはより複雑化されていくため、あらゆる企業にとってラストワンマイル領域における業務プロセスの最適化はこれまで以上に重要となっていくものと考えます。2020年度の企業業績は、新型コロナ禍により悪化しましたが、その一方で、2021年度の企業のIT予算は、新型コロナ禍を経て減速したとはいえ、全体としては増加基調を維持しております。(出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会『企業IT動向調査2021』(2020年度調査)2021年1月12日発表)。
また、今後の注力事業であるRPA市場についても、人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)として、2025年までに全世界で1億人以上の知的労働者、もしくは1/3の仕事がRPAに置き換わると言われております(出所:一般社団法人日本RPA協会ホームページ 参考:McKinsey Global Institute 「Disruptive technologies: Advances that will transform life, business, and the global economy(May 2013)」)。日本においても、生産年齢人口の減少や働き方改革によって一層活用期待が高まっており、拡大が期待できると考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①既存事業の受注拡大
・安定的な案件獲得
当社は設立以降、着実な実績の積み重ねにより、資産運用会社をはじめとする金融機関との取引を実現するに至りました。今後も製販一体体制、一気通貫したサービス提供体制及びMD制を強化し、提案力及び顧客の満足度向上に努め、既存取引先及び新規取引先との安定的な案件獲得を目指します。
既存取引先は、2019年12月期に案件受注実績のある取引先企業115社のうち、2020年12月期も案件受注実績がある取引先企業は94社であり、2020年12月期の取引継続率(注1)は81.7%となっております。2020年12月期の新規取引は、RPA関連サービスを中心に77社獲得しましたが、今後、更なる顧客基盤の強化を目指します。
・プライム案件の獲得
システム開発業界では、ピラミッド構造と呼ばれる開発体制が一般的でありますが、当社は、各種SIerからサービスを導入した後のエンドユーザーの支援を行うため、顧客である金融機関と直接コミュニケーションをとって案件を推進するプライム案件が多数を占めております。プライム案件は、中抜きが発生しないことで収益性が高まる案件が多くなる傾向にあり、また、顧客と直接コミュニケーションが取れることで次の案件提案につながるニーズを把握することも可能であります。当社は、今後も当該案件の拡大を目指してまいります。なお、2020年12月期において、航空券手配代行サービスを除く売上高2,627,228千円のうちプライム案件の売上高は2,326,802千円であり、プライム案件売上高比率は88.6%となっております。
(注)取引継続率
航空券手配代行サービスのみを提供している取引先を除く。
②顧客業務プロセスのデジタルプラットフォームとしてのRPA導入推進
少子高齢化と人口減少による生産年齢人口の減少は、労働投入の減少となることから、労働者1人当たりの生産性を高めなければ、経済規模の縮小や人手不足の深刻化など、今後の経済・労働環境にマイナスの影響を与えます。また、労働生産性を向上させるためには、付加価値額を増加させずに機械化・ロボット化等ICTの導入により業務効率化を図り、労働投入量を減少させることである(出典:総務省「令和2年版情報通信白書」)とされております。日本国内のRPA市場は、2019年度の52,970百万円から2023年度には152,000百万円(出典:株式会社矢野経済研究所「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場に関する調査(2020年)」)に拡大すると試算されております。
・新規取引業界及び顧客の獲得
企業が業務プロセスの効率化をIT投資で解決したい中期的な経営課題として認識しており、RPAは、企業において重視されるテクノロジーとして注目されております(出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2020(IT予算の速報値)」、「『企業IT動向調査報告書2020』ユーザー企業のIT投資・活用の最新動向(2019年度調査)」)。また、RPA導入率は、導入済みの企業が全体で38%、業種別にみると金融業界が59%と最も高くなっております(株式会社MM総研「RPA国内利用動向調査2020」)。既存取引先への導入推進に加えて、今まで取引がなかった非金融事業者の幅広い業界の企業からの問い合わせや受注が発生しており、今後、新規取引業界及び取引先の獲得を強化してまいりたいと考えております。
・広範な業務プロセスへの関与
当社はRPAの主要製品を提供するUiPath社のダイヤモンドパートナーであり、ライセンス販売や導入コンサルティングを提供しております。UiPath RPA Platformの企業への本格導入にあたっては、「UiPath Orchestrator」を導入し、顧客企業の各種システムを活用した各業務の自動化状況を把握・制御(注)するよう設定いたします。UiPath RPA Platform上に各業務が集約された結果、当社が潜在的なニーズを発見しやすくなり、システム開発やコンサルティングの需要を掘り起こすことが可能となります。
当社は、RPAライセンス販売や導入コンサルティングはもちろん、RPA導入後も顧客業務プロセスを改善する案件を獲得していきたいと考えております。
(注)オーケストレーション機能と呼ばれており、ソフトウェアロボットの監視、管理、ワークフロージョブの管理、ユーザー管理・監査証跡など様々な機能を一元管理することができる。
③優秀な人材の確保と育成
当社が継続して成長し発展していくためには、業務分析スキルやITスキルをもった優秀な人材の確保と育成が最重要経営課題であります。そのため、ITコンサルタントの転職イベントへの出展、当社ホームページでの採用特設サイト等を通じて当社の知名度向上・ブランディング強化を図り、継続的な新卒採用と即戦力となるキャリア採用を積極的に推進しております。
また、MD制に基づいて人材育成や実績に応じた報酬制度を採用しており、2020年12月期においては、MD22名の年間インセンティブ金額総額は86,664千円であり、MDの平均インセンティブは3,939千円(注1)となっております。なお、2016年12月期以降、MDの退職者はおりません。
当社の事業展開と発展のためには、ITコンサルタントとしての資質を備えていることに加えて顧客経営層と現場担当者の双方のニーズを適切に汲み取れるコミュニケーションスキルやRPA技術等先端ITの動向に対応できる人材が必須のため、人材開発に関連する投資を実行してまいります。
また、RPAに関する人材確保のため、2020年12月末現在、85名であるUiPathアカデミートレーニング(注2)修了者、及び31名であるUiPathアカデミー RPAディベロッパー認定資格(注3)保有者を更に増加させるよう取り組んでまいります。
(注)1.2020年12月期のMDの年間インセンティブ金額総額をMD数で除して算出。
2.UiPath社が提供するRPA開発に必要な知識を習得できるオンライン学習サービス。
3.UiPathの製品と機能について深い知識を持ち、ベストプラクティスと原則に基づいた開発スキルを証明する資格。
④コーポレート・ガバナンス体制
当社は、企業規模が比較的小さいため、現在は十分な体制を構築しているものと考えておりますが、今後の業容拡大に応じてコーポレート・ガバナンス体制、社内管理体制及び内部管理体制をより一層強化していく必要があると考えております。
⑤新型コロナウイルス感染症への対応
当社は、同感染症に関する情報収集および同感染症の感染拡大に伴う影響を最小限に抑えるための対応に当たっております。同時に、社員及び顧客をはじめとするステークホルダーの皆様の安全確保を最優先とし、従業員の時差出勤・在宅勤務の推奨、出社時の手洗い・マスク着用の徹底、テレビ会議システムの活用など、同感染症拡大防止の対策を講じております。
また、業績面への対応については、外部のビジネスパートナーとの関係を強化し、機動的な人材の調達を行うことで、環境変化による売上減少の業績への影響を抑制してまいります。
今後におきましても、引き続き、同感染症の感染拡大に伴う経済活動への影響を注視するとともに、同感染症に限らず、当社を取り巻く想定外のリスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図ってまいります。

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