有価証券報告書-第10期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/27 15:12
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【項目】
140項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 会社の経営方針
当社グループは引き続き「Payment to the People, Power to the People.」のミッションのもと、個人及びスモールチーム、スタートアップ企業をエンパワーメントすることは変わらず、すべての人が活躍できる社会基盤を提供してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、対象顧客の拡大及びグループ独自の付加価値を向上させることにより、グループの価値創造の最大化を図ってまいります。
BASE事業が提供する「BASE」とPAY事業が提供する「PAY.JP」の成長が、対象顧客の拡大に寄与し、BASE及びPAY事業が提供する「Pay ID」とその他事業が提供する「YELL BANK」の成長が、グループ独自の付加価値の向上に寄与します。
このように、従来は各プロダクトが独立して成長し、別個の付加価値を提供してまいりましたが、今後は各プロダクトの成長だけでなく、プロダクト間のシナジーも追及し、グループ全体での成長を目指してまいります。

<成長戦略>① BASE事業が提供する「BASE」
従来の、個人やスモールチームから圧倒的に選ばれるポジションは堅持することに加え、より幅広い売上規模のショップから選ばれるサービスを目指すことで、グループの対象顧客の拡大に寄与してまいります。そのため、以下の取組みに注力する方針です。
A) より幅広い売上規模のショップの獲得を目指すセールス&マーケティング
これまで、TVCM等の認知系マーケティングに積極的に投資してきた結果、高いサービス認知度を実現し、個人やスモールチームから圧倒的に選ばれるサービスとなりました。2022年12月期下半期以降、TVCM等の認知系マーケティングは縮小しておりますが、高い認知度を維持できていることを鑑み、2023年12月期も引き続き縮小を図る方針です。一方で、より幅広い売上規模のショップから選ばれるよう、ターゲットを絞ったセールス&マーケティング施策を強化してまいります。
B) ショップの売上成長をサポートするプロダクトの強化
はじめての方でもかんたんにネットショップを始められるだけでなく、売上のさらなる成長を目指したい方のニーズにも対応できるプロダクトの提供を目指し、ストアフロント型ネットショップに必要不可欠な、販売促進及びCRM等をサポートするサービス及び機能を提供してまいります。
「BASE」のショップの大半が、販売促進のためにSNSを活用しており、「BASE」が提供しているSNS連携機能も多くご利用いただいております。今後は当機能をより有効に活用いただけるようサポートを強化してまいります。
また、ショップと購入者の関係構築をサポートすることを目的に、標準機能として提供しているCRM等の拡充を図ってまいります。
さらに、購入者向けのショッピングサービス「Pay ID」のモバイルアプリでは、購入者に対してショップのフォロー機能等を提供することにより、ショップのリピート購入の増加にも貢献しております。今後は「BASE」独自の購入者向けサービスである「Pay ID」をより有効にご活用いただけるよう、サービス及び機能の拡充を図ってまいります。
② PAY事業が提供する「PAY.JP」
「PAY.JP」は、シンプルなAPIと豊富なライブラリで、Webサービスやネットショップに、スムーズにクレジットカード決済を組み込むことができるオンライン決済サービスであり、主にスタートアップ企業やベンチャー企業をターゲットにサービスを提供してまいりました。
今後も、これらの企業をターゲットとして新規加盟店を獲得し、既存加盟店に継続利用いただけるよう、マーケティング及び営業活動を進めるとともに、プロダクトの強化を図ることにより、グループの対象顧客の拡大に努めてまいります。
A) 新規加盟店の獲得
シンプルなAPI等のプロダクトの強みを拡充することにより、引き続きオーガニックでの新規加盟店の獲得を目指します。さらに、営業代理店制度及びWebマーケティング等にも注力し、新たな獲得経路も開拓してまいります。
B) 既存加盟店の継続利用
セキュリティの強化等を目的とした機能開発に加え、主に大規模加盟店等を対象としたサポート体制の構築により、既存加盟店に継続的にご利用いただけるよう努めてまいります。
③ PAY事業が提供する「Pay ID」
「Pay ID」は、ID決済の提供により、購入者のショッピング体験をサポートするショッピングサービスで、登録者数は2022年12月現在、1,000万人を突破しております。今後は、BASEグループのショップ及び加盟店と、購入者双方に対するサービス及び機能の拡充により、グループ全体の付加価値の向上を図ってまいります。
A) BNPL機能の提供
2023年春に、グループ独自の後払い決済「あと払い(Pay ID)」の提供を開始いたします。「Pay ID」が保有する、過去の取引履歴・評価情報といった付加価値の高いデータを活用し、グループ独自の決済ネットワークを構築してまいります。
B) 「PAY.JP」等への横展開
「Pay ID」は、現在はBASE事業の「BASE」で開設されたショップでのお買い物にのみご利用いただけるサービスですが、将来的にはPAY事業の「PAY.JP」等への横展開も目指してまいります。
④ その他事業が提供する「YELL BANK」
資金調達サービス「YELL BANK」は、当社グループのショップ及び加盟店等のキャッシュフローの早期化をサポートすることにより、グループ全体の付加価値の向上を図ってまいります。
まずは、BASE事業の「BASE」のショップを対象としたマーケティング及び機能開発等により、「YELL BANK」の利用を促進し、将来的にはPAY事業の「PAY.JP」の加盟店等への横展開も目指してまいります。

(3) 目標とする経営指標
当社グループでは、売上総利益(売上高から流通総額に応じて決済会社へ支払う決済手数料を控除した金額)の成長を重視した経営を行っております。
当社グループの主な収益は、BASE事業においては、BASEショップの流通総額に対して発生する決済手数料及びサービス利用料であり、PAY事業においては、PAY.JP加盟店の流通総額に対して発生する決済手数料であります。そのため収益の源泉である流通総額の最大化と、さらに提供するサービスの高付加価値化及び売上原価の低減により実現される売上総利益の最大化を目指しております。
(4) 経営環境
国内の電子商取引(BtoC-EC)市場は、ネット上での販売商品の多様化、市場参加者の増加、物流事業者による配達時間の大幅な短縮化、スマートフォンの普及、SNSによる情報流通量の増加等を背景に引き続き順調な市場拡大が見込まれております。経済産業省発表の「令和3年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書」によると、BtoC-ECの市場規模は2021年時点で約20.6兆円(物販系約13.2兆円、サービス系約4.6兆円、デジタル系約2.7兆円)となっております。当社設立の2012年の市場規模は約9.5兆円であり、2012年から9年間で市場規模は2倍を超え大きく成長しております。
また、昨今のSNSの普及により、購入者はネットショップで何らかの商品・サービスを購入する際に、その商品・サービスの販売者と直接交流をして商品・サービスの情報を取得したうえで、商品・サービスの「ユニークさ」や、ショップの世界観や販売者のパーソナリティに価値を見出して、購入するようになってきており、今後もSNSを活用した個人やスモールチームによる情報発信と個人同士のダイレクトな交流による商品販売の流れがさらに強まるものと考えております。
当社の「BASE」におきましても、オリジナル商品を販売するネットショップやブランド独自の世界観を有するネットショップに多数ご利用していただいており、今後想定されうる購入者の志向の変化にもタイムリーに対応可能であると考えております。
また、現在、電子決済普及拡大への取り組みは官民で非常に活発化しており、電子決済やキャッシュレス市場にとっては追い風が吹いている状況とも考えております。
一方で、2022年12月期においては、リオープニングに伴うオフライン消費の回復により、国内のオンライン消費が当社の想定以上に減速し、短期的には「BASE」にとって逆風の事業環境となっております。当社グループでは、こうした事業環境の変化にも機動的に対応し、現在の入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案することで、企業価値の最大化に努めております。
(5) 対処すべき課題
上記の経営環境の下、当社グループが対処すべき課題として重点的に取り組んでいる事項は以下のとおりです。
① サステナブルな社会の実現
当社グループは「Payment to the People, Power to the People.」をミッションとして掲げ、インターネットテクノロジーによって、多くの方が必要としながらもまだ享受できずにいる決済や金融領域へのアクセシビリティを高め、これにより個人やスモールチームをエンパワーメントすることで、すべての人が活躍できる社会の実現を目指して企業活動を行っております。当社グループは、1日も早いミッションの実現を目指して、社会に開かれた決済・金融を提供するプラットフォーマーとしての責任と役割に向き合い、サステナブルな社会を実現するためにグループ全体を通じてESGに関する取り組みを推進することが重要な課題であると考えております。
そのために、サステナビリティ委員会を設置し、当該委員会においてサステナビリティに関する事項の審議、推進施策の遂行状況のモニタリングを行い、定期的に取締役会に報告することで、ESGに関する取り組みを推進する体制を確保しております。
今後も、2022年に特定した重点課題であるマテリアリティに関する取り組みを中心に、ESGに関する取り組みを推進してまいります。
気候変動について、当社グループは2023年3月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言への賛同を表明いたしました。今後は、気候変動が事業にもたらすリスクや機会についての分析と対応を強化し、情報開示を進めてまいります。
なお、特定したマテリアリティは以下の通りです。

② 開発力・技術力の強化
当社グループの事業はインターネット業界と深くかかわっており、競争力のあるプロダクトをEC市場へ提供していくためには、その情報技術やサービスをタイムリーに採用し、常に新しいプロダクトを創造し続けていくことが重要な課題であると考えております。
そのために、EC環境の変化や当社グループのサービス利用者の要望を効率よく吸収し、質の高いプロダクトを提供してまいります。
③ 人材の育成
当社グループが持続的に成長するためには、人材の育成が重要な課題であると考えております。
そのため、教育体制や人事制度の整備、D&Iの推進を進め、人材の定着と能力の底上げを行ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループは今後もより一層の事業拡大を目指しており、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値の向上を図るために、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。
そのため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、リスクマネジメント及びコンプライアンス委員会を設置の上、業務運営上のリスクの把握及び管理の実施、役職員に対する定期的な研修等による啓蒙活動の実施、定期的な内部監査の実施等によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を図っております。
⑤ サービスの安全性・健全性の確保
当社グループは、取引の場を提供する事業者として、ショップ運営者や購入者をはじめとするあらゆるステークホルダーが安心して取引を行うことができるよう、サービスの安全性・健全性を確保することが重要な課題であると考えております。
そのため、365日対応の専門部署を設置し、サービスの安全性・健全性を確保するための取り組みを進めております。具体的には、当社が保有する取引データの機械学習の活用等による分析やクレジットカード会社の不正配送先データベースの活用により、不正決済や不適切な商品の販売を検知・防止することで、サービスの安全性・健全性の確保を図っております。
⑥ 筋肉質な財務体質への転換
当社グループは、従来、サービスの急成長に合わせて、プロモーション費及び人件費に大きく投資することにより、BASE事業の流通総額(GMV)のさらなる成長に注力してまいりました。
今後につきましては、事業環境の変化及び事業戦略の進捗等を踏まえた経営方針の見直しに伴い、グループ全体の売上総利益の成長に注力してまいります。同時に、マーケティング方針の転換に加え、従業員の生産性向上にも注力し、販管費も削減することによって、筋肉質な財務体質への転換を図ってまいります。
⑦ 情報管理体制の強化
当社グループが提供するサービスにおいては、サービス利用者の個人情報をはじめとした様々な情報を預かっており、これらの情報を適切に管理するための体制強化が重要な課題であると考えております。
そのため、情報セキュリティ基本規程等の社内規程を制定し、これらに基づいて情報の適切な管理を徹底しております。また、情報セキュリティに関する専門部署の設置や、情報セキュリティ委員会を定期的に開催し情報セキュリティ上のリスクの洗い出し等を行うことによって情報セキュリティ対策の強化を図っております。今後も、グループ全体の教育・研修の実施やシステムの強化・整備を推進し、情報管理体制を強化してまいります。

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