有価証券報告書-第25期(2024/01/01-2024/12/31)
19.保険契約
当連結会計年度より、「保険事業」を非継続事業に分類しています。これにより当連結会計年度の該当事項はありません。詳細は、「42.非継続事業」をご参照ください。
(1)残存カバーに係る負債及び発生保険金に係る負債の変動
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注)1.PAAを適用して測定される保険契約の非金融リスクに係るリスク調整及び将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りは、金額的重要性が低いため発生保険金に係る負債に含めて表示しています。
2.保険契約資産は連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に計上しています。再保険契約資産及び再保険契約負債は金額的重要性が低いため記載していません。
3.保険収益及び保険サービス費用は連結損益計算書における「非継続事業からの当期利益」に計上しています。
(2)測定要素別の分析 – PAAを適用して測定しない契約
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注)保険サービス損益は連結損益計算書における「非継続事業からの当期利益」に計上しています。
(3)重要な判断及び見積り
①履行キャッシュ・フロー
1)将来キャッシュ・フローの見積り
将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは報告日現在で過大なコストや労力を掛けずに利用可能な全ての合理的で裏付け可能な情報を偏りのない方法で織り込んでいます。この情報は保険金及びその他の実績に関する内部及び外部の過去データを含み、将来の事象についての現在の予想を反映するように更新されます。将来キャッシュ・フローの見積りは、関連する市場変数の見積りが観察可能な市場価格と整合的であることを条件として、報告日現在の状況に関する当社グループの見解を反映しています。
なお、将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは将来キャッシュ・フローに影響を与える可能性のある将来の事象についての現在の予想を考慮に入れています。ただし、既存の契約における現在の義務を変更又は免除するか、もしくは新たな義務を創出することとなる将来の法制の変更についての予想は、その法制の変更が実質的に制定されるまでは考慮に入れていません。
(楽天損保)
既経過期間は、報告日現在において既発生未払となっている保険金請求の最終損害額、残存物の価値及びその他予想される回収額について、既報告の個々の保険金請求を調査すること並びに既発生未報告の保険金請求に関する引当をすることにより見積っています。保険金請求の最終損害額は、チェインラダー法、ボーンヒュッター・ファーガソン法を用いることにより見積られています。これらの技法は、当社グループ自身の保険金支払実績が将来の保険金のディベロップメント・パターン、ひいては最終損害額を示すものと仮定しています。保険金請求の最終損害額は各保険種目別等で見積っています。使用している仮定(事故頻度等)は、その予測の基礎としている過去のクレーム・ディベロップメントのデータから推計していますが、将来において過去の傾向が適用できない程度及び新たな将来の傾向が出現する程度について判断を適用しています。未経過期間は、報告日現在において未発生未払となっている将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる損害率等の仮定について、契約内容、将来キャッシュ・フローの特性等を考慮し、最近の実績値を含む過年度実績の情報を反映しています。
前連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している損害率は、以下のとおりです。なお、各連結会計年度の重要性が高い保険契約グループに対する損害率の最大値及び最小値を記載しています。
(楽天生命)
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる保険事故発生率等及び保険契約者の行動に関する仮定は、商品の種類別に策定し、最近の実績及び保険契約グループ内の保険契約者の特性を反映しています。死亡率等の仮定は社内外の実績を定期的な調査を通じて観測しており、その調査の結果は新商品の料率設定と既存の保険契約の測定の両方に反映しています。
保険契約の裁量的なキャッシュ・フローの変動を識別する方法を決定するために、当社グループは原則として、契約に基づくコミットメントを当初認識時の履行キャッシュ・フローの見積りに内在するリターン(現在の金融リスクの仮定を反映するように更新)とみなしています。
前連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している保険事故発生率のうち、重要性が高いアサンプションは以下のとおりです。
2)契約の境界線
契約の測定に含まれる将来のキャッシュ・フローを定義する契約の境界線の評価には、当社グループの契約上の実質的な権利及び義務に関する判断をしています。
3)割引率
楽天損保は、流動性のある無リスクのイールド・カーブを、市場で観察される率の基礎となる金融商品の流動性特性と保険契約の流動性特性との相違を反映するように調整することによって、割引率を決定しています。無リスクのイールド・カーブは、国債利回りを用いて算定しています。当該イールド・カーブは、長期の実質金利とインフレ予想を反映して算定していますが、市場データのない期間の補外については、終局金利を用いて算定し、補間についてはスミス・ウィルソン法を用いて算定しています。保険契約の流動性特性を反映するために、EIOPAが公表しているVAを非流動性プレミアムとして調整しています。非流動性プレミアムは、資産から参照ポートフォリオを設定して算定しています。
楽天生命は、EIOPAが公表しているスワップレートを割引率として決定しています。また、EIOPAが公表しているVAを非流動性プレミアムとして調整しています。
保険契約のキャッシュ・フローを割り引く際に用いたイールド・カーブは、以下のとおりです。
4)非金融リスクに係るリスク調整
非金融リスクに係るリスク調整は、保険契約から生じる金融リスク以外のリスクに関するものです。金融リスクは、将来キャッシュ・フローの見積り又はキャッシュ・フローを調整するために使用する割引率に含められ、非金融リスクに係るリスク調整の対象となるリスクは、保険リスク及び他の非金融リスクです。
当社グループは、非金融リスクに係るリスク調整の変動を、保険サービス損益と保険金融収益又は費用とに分解していません。非金融リスクに係るリスク調整の変動全体は、保険サービス損益に含めています。
当社グループは、非金融リスクに係るリスク調整を信頼水準法により決定しています。なお、楽天損保、楽天生命のそれぞれの目標信頼水準は65%、85%です。
②契約上のサービス・マージンにおけるカバー単位の決定
保険契約グループについての契約上のサービス・マージンの金額は、各期間に提供されたサービスを反映するために、個々の契約における給付の量とカバーの予想存続期間を考慮して決定したカバー単位の数に基づいて、各期間の純損益に認識しています。給付の量としては既経過保険料等や保険金額等を用いています。カバー単位は、各報告日に見直し、更新しています。
③投資要素の決定
当社グループは、経済実態を伴う全てのシナリオにおいて、保険契約者に返済することが要求される金額と定義することにより、契約の投資要素を識別しています。これらには、保険事故が発生したり、契約が満期を迎えたり、保険事故が発生せずに終了したりする状況も含まれます。投資要素は、保険収益及び保険サービス費用から除外しています。
楽天損保及び楽天生命の保有する一部の保険契約には明示的な解約返戻金等が存在します。保険収益及び保険サービス費用から除外される投資要素は、原則として契約条件で定める解約返戻金等です。
その他の契約における解約返戻金等は、未経過保険料の返戻としての性格を有し、満期により保険会社は支払いを免れることができるため、投資要素ではなく保険料の返戻としています。
(4)リスク管理
健全かつ適切な保険事業を運営するためには、多様化・複雑化するリスクを的確に把握した上で、適切に管理することが重要です。そのため、組織横断的なリスク管理の仕組みを構築して、リスク所管部門の設定、リスク管理体制の整備、リスク状況の把握・分析・評価、業務執行部門への指導等、リスクの統括管理を行っています。
①信用リスク
発行した保険契約から生じる信用リスクは、保険契約者が保険料支払義務を履行できなくなった場合に当社グループが保険契約を終了できる能力により軽減されているため、当社グループに重要な信用リスクのエクスポージャーはありません。
②流動性リスク
流動性リスク管理のために、新契約、解約、満期等の資金移動に関する情報収集・分析に努め、適切な資金繰り管理に努めるとともに、大規模災害発生時の資金確保体制に留意し、資金調達のための資産の流動化が円滑に行えるよう、常時、取引環境等を注視しています。また、日々の資金の出入状況を把握するとともに、流動性の高い資産を一定金額以上確保しています。
満期分析
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注)保険契約について、要求払金額は130,219百万円であり、対応する帳簿価額は134,307百万円です。
③市場リスク
当社グループの保険事業を営む一部の子会社において、為替変動リスク、金利変動リスク及び価格変動リスクの影響を受ける金融資産及び金融負債は、主として保険事業の有価証券及び保険契約です。保険事業の有価証券については、市場リスク管理のために運用資産の残高・含み損益状況の把握に努めるとともに、ストレステストを実施し、リスク量を計測・管理しています。ストレステストの実施にあたっては、通常の市場変化を超える動きが発生した場合を想定したリスク量を推計しています。保険契約の市場リスク管理は、経済価値ベースのソルベンシー・マージン比率にリスク許容度を設けて管理し、定期的に測定しています。
市場リスクのうち、保険契約に与える影響が大きいのは金利変動リスクであり、割引率は履行キャッシュ・フロー算定において重要な要素の一つです。割引率以外の全てのリスク変数が一定であると仮定し、指標となる割引率が全て50ベーシス・ポイント(0.5%)上昇又は下落した場合の、現在価値の影響額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
④保険リスク
当社グループは、保険契約によって、保険リスク、契約者行動リスク及び費用リスクからなる引受リスクに晒されています。当社グループのリスク・エクスポージャーに関する情報、リスクの測定及び管理、並びに資本管理の目的、方針及びプロセスについては下記のとおりです。
損害保険事業においては、保険事故の発生状況、金利動向、経済情勢等を踏まえつつ、保険商品の収支状況の分析、将来収支予測等を実施してリスクの把握に努めています。また、保険引受にあたっては、リスクの特性に応じ設定された引受基準を厳正に運用しています。
生命保険事業においては、定期的に保険事故発生率や解約率等の状況をモニタリングする等、リスクの把握・分析を行い、新商品開発にあたっては、収益性とのバランスに配慮してリスク分析を実施しています。
当社グループは、引受リスクについて、種類及び量の観点から十分な分散の確保及び再保険の手配を通じて引受リスクを管理しています。当社グループの保険契約ポートフォリオは地理的に分散しており、過度に集中した保険リスクを有していません。
損害保険事業においては、主に損害率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
生命保険事業においては、主に保険事故発生率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
以下の表は、合理的に生じ得る引受リスクの変動が報告日に生じた場合に純損益及び資本の増加(減少)を分析したものであり、他の全ての変数が一定であると仮定した場合の感応度分析です。この分析は、再保険によるリスク控除前の感応度を示しています。
1)損害保険
(単位:百万円)
2)生命保険
(単位:百万円)
当連結会計年度より、「保険事業」を非継続事業に分類しています。これにより当連結会計年度の該当事項はありません。詳細は、「42.非継続事業」をご参照ください。
(1)残存カバーに係る負債及び発生保険金に係る負債の変動
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
| 楽天損保 | 楽天生命 | |||||||
| 残存カバーに係る 負債 | 発生保険金に係る負債 | 合計 | 残存カバーに係る 負債 | 発生保険金に係る負債 | 合計 | |||
| 損失要素以外 | 損失要素 | 損失要素以外 | 損失要素 | |||||
| 2023年1月1日(資産) | - | - | - | - | △21,481 | - | 1,620 | △19,861 |
| 2023年1月1日(負債) | 143,895 | 19,047 | 15,580 | 178,522 | 9,076 | 16 | 1,762 | 10,854 |
| 2023年1月1日(純額) | 143,895 | 19,047 | 15,580 | 178,522 | △12,405 | 16 | 3,382 | △9,007 |
| 保険収益 | ||||||||
| (修正遡及アプローチ) | - | - | - | - | △21,921 | - | - | △21,921 |
| (その他) | △33,049 | - | - | △33,049 | △11,766 | - | - | △11,766 |
| 保険サービス費用 | ||||||||
| 発生保険金及びその他の 保険サービス費用 | - | △5,617 | 17,750 | 12,133 | - | - | 19,650 | 19,650 |
| 保険獲得キャッシュ・フローの 償却 | 8,090 | - | - | 8,090 | 6,554 | - | - | 6,554 |
| 発生保険金に係る調整 | - | - | 9,352 | 9,352 | - | - | - | - |
| 不利な契約に係る損失及び 損失の戻入 | - | 1,499 | - | 1,499 | - | △17 | - | △17 |
| 保険サービス損益 | △24,959 | △4,118 | 27,102 | △1,975 | △27,133 | △17 | 19,650 | △7,500 |
| 保険金融収益又は費用(純額) | 937 | 13 | 22 | 972 | 4,527 | 1 | 2 | 4,530 |
| 連結損益計算書及び連結包括利益 計算書における変動合計 | △24,022 | △4,105 | 27,124 | △1,003 | △22,606 | △16 | 19,652 | △2,970 |
| 投資要素及び保険料の払戻し | △25,729 | - | 25,729 | - | △287 | - | 287 | - |
| キャッシュ・フロー | ||||||||
| 保険料の受取額 | 38,498 | - | - | 38,498 | 36,273 | - | - | 36,273 |
| 保険金等の支払額 | - | - | △54,337 | △54,337 | - | - | △19,603 | △19,603 |
| 保険獲得キャッシュ・フロー | △8,172 | - | - | △8,172 | △12,014 | - | - | △12,014 |
| 2023年12月31日(資産) | - | - | - | - | △19,424 | - | 1,406 | △18,018 |
| 2023年12月31日(負債) | 124,470 | 14,942 | 14,096 | 153,508 | 8,385 | - | 2,312 | 10,697 |
| 2023年12月31日(純額) | 124,470 | 14,942 | 14,096 | 153,508 | △11,039 | - | 3,718 | △7,321 |
(注)1.PAAを適用して測定される保険契約の非金融リスクに係るリスク調整及び将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りは、金額的重要性が低いため発生保険金に係る負債に含めて表示しています。
2.保険契約資産は連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に計上しています。再保険契約資産及び再保険契約負債は金額的重要性が低いため記載していません。
3.保険収益及び保険サービス費用は連結損益計算書における「非継続事業からの当期利益」に計上しています。
(2)測定要素別の分析 – PAAを適用して測定しない契約
前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
| 楽天損保 | 楽天生命 | ||||||||
| 将来CFの 現在価値 の見積り | 非金融 リスクに 係るリスク調整 | CSM | 合計 | 将来CFの 現在価値 の見積り | 非金融 リスクに 係るリスク調整 | CSM | 合計 | ||
| 修正遡及アプローチ | その他の 契約 | ||||||||
| 期首の資産 | - | - | - | - | △77,633 | 8,057 | 29,261 | 20,454 | △19,861 |
| 期首の負債 | 177,445 | 651 | 307 | 178,403 | △18,428 | 4,746 | 21,838 | 2,171 | 10,327 |
| 期首の純額 | 177,445 | 651 | 307 | 178,403 | △96,061 | 12,803 | 51,099 | 22,625 | △9,534 |
| 現在のサービスに関する 変動 | |||||||||
| 提供したサービス について認識したCSM | - | - | △806 | △806 | - | - | △5,684 | △2,403 | △8,087 |
| リスク調整の変動 | - | △440 | - | △440 | - | △777 | - | - | △777 |
| 実績調整 | △11,253 | - | - | △11,253 | 1,848 | - | - | - | 1,848 |
| 将来のサービスに関する 変動 | |||||||||
| 当期に当初認識した契約 | 989 | 390 | 879 | 2,258 | △11,929 | 1,653 | - | 10,276 | - |
| CSMを修正する見積りの 変更 | △114 | △1 | 115 | - | △24,362 | 291 | 12,693 | 11,378 | - |
| 不利な契約に係る損失 及び損失の戻入れを 伴う見積りの変更 | △691 | △69 | - | △760 | △14 | △3 | - | - | △17 |
| 過去のサービスに関する 変動 | |||||||||
| 発生保険金に係る負債の 調整 | 9,340 | △6 | - | 9,334 | - | - | - | - | - |
| 保険サービス損益 | △1,729 | △126 | 188 | △1,667 | △34,457 | 1,164 | 7,009 | 19,251 | △7,033 |
| 保険金融収益又は費用 (純額) | 967 | 3 | 2 | 972 | 4,349 | - | 42 | 139 | 4,530 |
| 連結損益計算書及び 連結包括利益計算書に おける変動合計 | △762 | △123 | 190 | △695 | △30,108 | 1,164 | 7,051 | 19,390 | △2,503 |
| キャッシュ・フロー | |||||||||
| 保険料の受取額 | 37,997 | - | - | 37,997 | 32,930 | - | - | - | 32,930 |
| 保険金等の支払額 | △54,218 | - | - | △54,218 | △17,420 | - | - | - | △17,420 |
| 保険獲得 キャッシュ・フロー | △8,098 | - | - | △8,098 | △11,916 | - | - | - | △11,916 |
| 期末の資産 | - | - | - | - | △101,028 | 9,265 | 35,886 | 37,859 | △18,018 |
| 期末の負債 | 152,364 | 528 | 497 | 153,389 | △21,547 | 4,702 | 22,264 | 4,156 | 9,575 |
| 期末の純額 | 152,364 | 528 | 497 | 153,389 | △122,575 | 13,967 | 58,150 | 42,015 | △8,443 |
(注)保険サービス損益は連結損益計算書における「非継続事業からの当期利益」に計上しています。
(3)重要な判断及び見積り
①履行キャッシュ・フロー
1)将来キャッシュ・フローの見積り
将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは報告日現在で過大なコストや労力を掛けずに利用可能な全ての合理的で裏付け可能な情報を偏りのない方法で織り込んでいます。この情報は保険金及びその他の実績に関する内部及び外部の過去データを含み、将来の事象についての現在の予想を反映するように更新されます。将来キャッシュ・フローの見積りは、関連する市場変数の見積りが観察可能な市場価格と整合的であることを条件として、報告日現在の状況に関する当社グループの見解を反映しています。
なお、将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは将来キャッシュ・フローに影響を与える可能性のある将来の事象についての現在の予想を考慮に入れています。ただし、既存の契約における現在の義務を変更又は免除するか、もしくは新たな義務を創出することとなる将来の法制の変更についての予想は、その法制の変更が実質的に制定されるまでは考慮に入れていません。
(楽天損保)
既経過期間は、報告日現在において既発生未払となっている保険金請求の最終損害額、残存物の価値及びその他予想される回収額について、既報告の個々の保険金請求を調査すること並びに既発生未報告の保険金請求に関する引当をすることにより見積っています。保険金請求の最終損害額は、チェインラダー法、ボーンヒュッター・ファーガソン法を用いることにより見積られています。これらの技法は、当社グループ自身の保険金支払実績が将来の保険金のディベロップメント・パターン、ひいては最終損害額を示すものと仮定しています。保険金請求の最終損害額は各保険種目別等で見積っています。使用している仮定(事故頻度等)は、その予測の基礎としている過去のクレーム・ディベロップメントのデータから推計していますが、将来において過去の傾向が適用できない程度及び新たな将来の傾向が出現する程度について判断を適用しています。未経過期間は、報告日現在において未発生未払となっている将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる損害率等の仮定について、契約内容、将来キャッシュ・フローの特性等を考慮し、最近の実績値を含む過年度実績の情報を反映しています。
前連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している損害率は、以下のとおりです。なお、各連結会計年度の重要性が高い保険契約グループに対する損害率の最大値及び最小値を記載しています。
| 前連結会計年度 (2023年12月31日) | |
| 損害率 | 32.0%~76.6% |
(楽天生命)
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる保険事故発生率等及び保険契約者の行動に関する仮定は、商品の種類別に策定し、最近の実績及び保険契約グループ内の保険契約者の特性を反映しています。死亡率等の仮定は社内外の実績を定期的な調査を通じて観測しており、その調査の結果は新商品の料率設定と既存の保険契約の測定の両方に反映しています。
保険契約の裁量的なキャッシュ・フローの変動を識別する方法を決定するために、当社グループは原則として、契約に基づくコミットメントを当初認識時の履行キャッシュ・フローの見積りに内在するリターン(現在の金融リスクの仮定を反映するように更新)とみなしています。
前連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している保険事故発生率のうち、重要性が高いアサンプションは以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (2023年12月31日) | |
| 疾病入院発生指数 | 46% |
2)契約の境界線
契約の測定に含まれる将来のキャッシュ・フローを定義する契約の境界線の評価には、当社グループの契約上の実質的な権利及び義務に関する判断をしています。
3)割引率
楽天損保は、流動性のある無リスクのイールド・カーブを、市場で観察される率の基礎となる金融商品の流動性特性と保険契約の流動性特性との相違を反映するように調整することによって、割引率を決定しています。無リスクのイールド・カーブは、国債利回りを用いて算定しています。当該イールド・カーブは、長期の実質金利とインフレ予想を反映して算定していますが、市場データのない期間の補外については、終局金利を用いて算定し、補間についてはスミス・ウィルソン法を用いて算定しています。保険契約の流動性特性を反映するために、EIOPAが公表しているVAを非流動性プレミアムとして調整しています。非流動性プレミアムは、資産から参照ポートフォリオを設定して算定しています。
楽天生命は、EIOPAが公表しているスワップレートを割引率として決定しています。また、EIOPAが公表しているVAを非流動性プレミアムとして調整しています。
保険契約のキャッシュ・フローを割り引く際に用いたイールド・カーブは、以下のとおりです。
| 年限 | 前連結会計年度(2023年12月31日) | |
| イールド・カーブ(%) | ||
| 円 | ||
| 楽天損保 | 楽天生命 | |
| 1年 | △0.03% | 0.06% |
| 5年 | 0.23% | 0.44% |
| 10年 | 0.66% | 0.84% |
| 15年 | 1.12% | 1.14% |
| 20年 | 1.49% | 1.38% |
4)非金融リスクに係るリスク調整
非金融リスクに係るリスク調整は、保険契約から生じる金融リスク以外のリスクに関するものです。金融リスクは、将来キャッシュ・フローの見積り又はキャッシュ・フローを調整するために使用する割引率に含められ、非金融リスクに係るリスク調整の対象となるリスクは、保険リスク及び他の非金融リスクです。
当社グループは、非金融リスクに係るリスク調整の変動を、保険サービス損益と保険金融収益又は費用とに分解していません。非金融リスクに係るリスク調整の変動全体は、保険サービス損益に含めています。
当社グループは、非金融リスクに係るリスク調整を信頼水準法により決定しています。なお、楽天損保、楽天生命のそれぞれの目標信頼水準は65%、85%です。
②契約上のサービス・マージンにおけるカバー単位の決定
保険契約グループについての契約上のサービス・マージンの金額は、各期間に提供されたサービスを反映するために、個々の契約における給付の量とカバーの予想存続期間を考慮して決定したカバー単位の数に基づいて、各期間の純損益に認識しています。給付の量としては既経過保険料等や保険金額等を用いています。カバー単位は、各報告日に見直し、更新しています。
③投資要素の決定
当社グループは、経済実態を伴う全てのシナリオにおいて、保険契約者に返済することが要求される金額と定義することにより、契約の投資要素を識別しています。これらには、保険事故が発生したり、契約が満期を迎えたり、保険事故が発生せずに終了したりする状況も含まれます。投資要素は、保険収益及び保険サービス費用から除外しています。
楽天損保及び楽天生命の保有する一部の保険契約には明示的な解約返戻金等が存在します。保険収益及び保険サービス費用から除外される投資要素は、原則として契約条件で定める解約返戻金等です。
その他の契約における解約返戻金等は、未経過保険料の返戻としての性格を有し、満期により保険会社は支払いを免れることができるため、投資要素ではなく保険料の返戻としています。
(4)リスク管理
健全かつ適切な保険事業を運営するためには、多様化・複雑化するリスクを的確に把握した上で、適切に管理することが重要です。そのため、組織横断的なリスク管理の仕組みを構築して、リスク所管部門の設定、リスク管理体制の整備、リスク状況の把握・分析・評価、業務執行部門への指導等、リスクの統括管理を行っています。
①信用リスク
発行した保険契約から生じる信用リスクは、保険契約者が保険料支払義務を履行できなくなった場合に当社グループが保険契約を終了できる能力により軽減されているため、当社グループに重要な信用リスクのエクスポージャーはありません。
②流動性リスク
流動性リスク管理のために、新契約、解約、満期等の資金移動に関する情報収集・分析に努め、適切な資金繰り管理に努めるとともに、大規模災害発生時の資金確保体制に留意し、資金調達のための資産の流動化が円滑に行えるよう、常時、取引環境等を注視しています。また、日々の資金の出入状況を把握するとともに、流動性の高い資産を一定金額以上確保しています。
満期分析
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
| 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
| 保険契約負債 | 34,327 | 13,086 | 10,938 | 19,943 | 16,059 | 36,464 |
(注)保険契約について、要求払金額は130,219百万円であり、対応する帳簿価額は134,307百万円です。
③市場リスク
当社グループの保険事業を営む一部の子会社において、為替変動リスク、金利変動リスク及び価格変動リスクの影響を受ける金融資産及び金融負債は、主として保険事業の有価証券及び保険契約です。保険事業の有価証券については、市場リスク管理のために運用資産の残高・含み損益状況の把握に努めるとともに、ストレステストを実施し、リスク量を計測・管理しています。ストレステストの実施にあたっては、通常の市場変化を超える動きが発生した場合を想定したリスク量を推計しています。保険契約の市場リスク管理は、経済価値ベースのソルベンシー・マージン比率にリスク許容度を設けて管理し、定期的に測定しています。
市場リスクのうち、保険契約に与える影響が大きいのは金利変動リスクであり、割引率は履行キャッシュ・フロー算定において重要な要素の一つです。割引率以外の全てのリスク変数が一定であると仮定し、指標となる割引率が全て50ベーシス・ポイント(0.5%)上昇又は下落した場合の、現在価値の影響額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2023年12月31日) | ||
| 純損益 | 資本 | |
| 0.5%上昇した場合 | ||
| 保険契約 | - | △906 |
| 保険事業の有価証券 | - | △2,057 |
| 0.5%下落した場合 | ||
| 保険契約 | - | 905 |
| 保険事業の有価証券 | - | 2,197 |
④保険リスク
当社グループは、保険契約によって、保険リスク、契約者行動リスク及び費用リスクからなる引受リスクに晒されています。当社グループのリスク・エクスポージャーに関する情報、リスクの測定及び管理、並びに資本管理の目的、方針及びプロセスについては下記のとおりです。
損害保険事業においては、保険事故の発生状況、金利動向、経済情勢等を踏まえつつ、保険商品の収支状況の分析、将来収支予測等を実施してリスクの把握に努めています。また、保険引受にあたっては、リスクの特性に応じ設定された引受基準を厳正に運用しています。
生命保険事業においては、定期的に保険事故発生率や解約率等の状況をモニタリングする等、リスクの把握・分析を行い、新商品開発にあたっては、収益性とのバランスに配慮してリスク分析を実施しています。
当社グループは、引受リスクについて、種類及び量の観点から十分な分散の確保及び再保険の手配を通じて引受リスクを管理しています。当社グループの保険契約ポートフォリオは地理的に分散しており、過度に集中した保険リスクを有していません。
損害保険事業においては、主に損害率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
生命保険事業においては、主に保険事故発生率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
以下の表は、合理的に生じ得る引受リスクの変動が報告日に生じた場合に純損益及び資本の増加(減少)を分析したものであり、他の全ての変数が一定であると仮定した場合の感応度分析です。この分析は、再保険によるリスク控除前の感応度を示しています。
1)損害保険
(単位:百万円)
| 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
| 純損益 | 資本 | |
| 損害率(10%上昇した場合) | △5,221 | △5,064 |
| 損害率(10%下落した場合) | 5,172 | 5,015 |
2)生命保険
(単位:百万円)
| 前連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
| 純損益 | 資本 | |
| 保険事故発生率(10%上昇した場合) | △1,575 | 1,519 |
| 保険事故発生率(10%下落した場合) | 1,311 | △1,812 |