有価証券報告書-第20期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)における当社グループを取り巻く環境は、東京証券取引所における2023年の株式売買比率が、プライム市場で海外投資家69.6%、個人23.1%と、引き続き海外投資家が売買の主体となっております。一方、スタンダード市場では、海外投資家44.3%、個人50.9%、グロース市場では、海外投資家40.5%、個人投資家56.0%と個人投資家が売買の主体となっており、海外投資家と個人の売買動向が株式市場に大きな影響を与えました(東京証券取引所『投資部門別売買状況』株式年間売買状況(2023年))。また、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の2,121兆円(2023年12月20日現在。日本銀行調査統計局『資金循環統計(速報)(2023年第3四半期)』)となるとともに個人株主数(延べ人数)は、9年連続で増加し6,982万人(東京証券取引所『2022年度株式分布状況調査の調査結果』)と過去最高を更新いたしました。
株主優待制度につきましては、業績への懸念がある企業や機関投資家保有比率の高い大手企業、上場廃止企業で株主優待制度を廃止する動きが見られましたが、配当利回りと株主優待利回りを合計した総合利回りの向上、株式流動性の改善及び企業の認知度向上等を目的に新たに株主優待制度を導入する企業もあり、引き続き需要があることが伺えます。結果として、株主優待制度導入企業数は、1,470社となりました(2023年12月31日現在)。
さらに、2023年1月には企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、サステナビリティ情報等の開示が求められることとなった結果、サステナビリティ関連情報を基軸とした投資家との対話が高度化したことで、ESGソリューション事業に対する需要が旺盛でした。2023年3月には、東京証券取引所からプライム市場、及びスタンダード市場の全上場会社を対象に行われた「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請により、これまで以上に株価と資本コストを意識した企業が増加している状況や株主との対話の推進状況に関する開示、及び招集通知の電子提供制度の開始等、当社グループのサービス全体へのニーズは今後一層高まるものと認識しております。
このような環境において、当社グループは、「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」のミッションの下、機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」及び顧客企業ごとに異なる株主優待ポイントの合算利用を可能とする株主優待共通コイン「WILLsCoin」の提供に注力し、バーチャル株主総会の推進等の株主総会プロセスの電子化並びに電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」のサービス提供を行いました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、3,662,734千円となり、前連結会計年度末と比べ401,575千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が65,958千円減少したものの、現金及び預金347,128千円、売掛金41,218千円、投資有価証券30,000千円、繰延税金資産50,022千円が増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ211,236千円増加の1,809,530千円となりました。これは主に、未払金が42,420千円、長期借入金が23,280千円減少したものの、買掛金が60,419千円、未払消費税等が23,340千円、契約負債が175,466千円増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ190,338千円増加の1,853,203千円となりました。これは主に、配当の支払218,751千円及び自己株式の取得99,991千円が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益506,595千円を計上したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における当グループの業績は売上高4,480,592千円(前期比17.4%増)、営業利益914,761千円(同30.2%増)、経常利益911,189千円(同31.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益506,595千円(同21.3%増)となりました。
報告セグメント別の経営成績の概況は、次のとおりであります。
(株主管理プラットフォーム事業)
「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。
契約社数は2022年末より10社純増し、計90社になりました。また、顧客企業の株主数の増加及び1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の売上高は2,853,446千円(前期比14.4%増)となりました。
「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームサービスであります。
2022年末より契約社数が25社純増し計343社となったことにより、売上高は284,604千円(同3.6%増)となりました。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポート等の投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスであります。
SDGs、ESGの社会的要請を背景に堅調に推移し、売上高は656,446千円(同19.8%増)となりました。
「その他」は、株主総会、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス等であります。
株主管理のDX推進を背景としたバーチャル株主総会及びオンライン決算説明会の受注が堅調に推移し、売上高は83,013千円(同7.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の株主管理プラットフォームの事業の売上高は3,877,510千円(同14.2%増)、セグメント利益は886,777千円(同21.3%増)となりました。
(広告事業)
広告事業は、「自社媒体 Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。
「自社媒体 Web広告」は、自社媒体におけるWeb広告配信を行うサービスであります。検索エンジンアルゴリズムのアップデートにあわせ、WEBコンテンツの見直し・追加を行い、WEB検索からのアクセスが増加したことにより売上高は493,285千円(前期比83.6%増)となりました。
「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」は、「自社媒体 Web広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行うサービスであります。また、顧客のWebサイトに株式会社ネットマイルが開発したゲームソリューションを導入し、Web広告売上及びユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。一部広告主の出稿方針の変更により、インフルエンサー売上が減少し、売上高は145,656千円(同12.9%減)となりました。
「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は4,020千円(同28.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の広告事業の売上高は642,962千円(同45.6%増)、セグメント利益は27,983千円(前期は28,105千円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ652,871千円減少し、1,412,497千円となりました。
営業活動により獲得した資金は、947,877千円(前連結会計年度末は796,039千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益744,429千円、減価償却費94,262千円、減損損失154,867千円、前受金の増加額175,466千円による増加があった一方で、法人税等の支払額287,109千円があったこと等によるものであります。
投資活動により使用した資金は、1,246,647千円(前連結会計年度末は258,036千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,000,000千円、無形固定資産の取得による支出182,527千円があったこと等によるものであります。
財務活動により使用した資金は、354,101千円(前連結会計年度末は114,950千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額10,167千円、長期借入金の返済による支出25,192千円、自己株式の取得による支出99,991千円、配当金の支払額218,751千円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注活動を行っておりますが、受注実績は販売実績と近似しているため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の状況に関する認識及び分析は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、4,480,592千円となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、2,392,895千円となりました。その主な内訳は、プレミアム優待倶楽部の商品仕入、ESGソリューション制作原価等であります。
これらの結果、売上総利益は2,087,697千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,172,936千円となりました。その主な内訳は、役員報酬137,649千円、給与及び手当453,595千円、法定福利費87,428千円、のれん償却23,059千円、賞与引当金繰入額20,877千円、役員賞与引当金繰入額21,190千円、株主優待引当金繰入額16,655千円等であります。
これらの結果、営業利益は914,761千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、3,767千円となりました。その主な内訳は、未払配当金除斥益247千円、還付消費税等3,305千円等であります。営業外費用は、7,338千円となりました。その主な内訳は、支払利息4,673千円、投資事業組合運用損1,348千円等であります。
これらの結果、経常利益は911,189千円となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、166,760千円となりました。その主な内訳は、固定資産除却損11,893千円、減損損失154,867千円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は237,833千円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、506,595千円となりました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの目標とする経営指標の実績値は下表のとおりであります。
当社グループは、高い成長性、収益性を達成するために、売上高成長率20.0%、営業利益率20.0%の達成を中期的に目指す経営指標として捉えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、「プレミアム優待倶楽部」の優待商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。
なお、当連結会計年度における借入金の残高は327,090千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,412,497千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点での情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては以下のものがあると考えております。
a.貸倒引当金
貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b.有形・無形固定資産の評価
有形・無形固定資産の評価については、減損の兆候の判定基準に基づき検討を行っておりますが、将来の事業計画や経営環境の変化等により減損の兆候が認められ、減損の認識及び測定が必要となった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.のれん及び顧客関連資産の評価
のれん及び顧客関連資産は、その効果の発現する期間を見積り、その期間に基づく定額法により償却しています。また、のれん及び顧客関連資産の評価にあたっては、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローや割引率などの見積りや仮定を用いており、将来の事業計画や経営環境の変化等によりこれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性については、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異について、税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の計上にあたり、業績予想及び一時差異の解消スケジュール等を基にタックス・プランニングを検討して将来の課税所得を推定し、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、実現が困難であると判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税時期に関する判断が変動する場合、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼす可能性があります。
e.保証債務
債務保証については、当社は連結子会社である株式会社ネットマイルの金融機関からの借入に対して債務保証を行っております。当事業年度において債務保証損失引当金は計上しておりませんが、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクに鑑みて開示項目として識別いたしました。
将来の事業計画をもとに資金繰りを策定し、資金繰りに懸念があると認められる場合には、債務保証損失引当金の要否を判定し、引当金額を見積もって算定します。判定の結果、当事業年度において、債務保証損失引当金は計上しておりませんが、将来の事業計画は成長ビジネスを含むものであり、その事業計画の達成には不確実性が伴います。
将来の事業計画における主要な仮定は、自社媒体Web広告サイトの立上げ予定数、及び1サイト当たりの売上見込額であります。これは、当事業年度の実績値、翌事業年度以降の事業戦略等を踏まえて見積もっております。
将来の事業計画における売上高、売上原価の見積りは不確実性を伴い、広告事業の市況変化等により、見積りと将来の結果が異なる可能性があります。
f.ポイント引当金
ポイント引当金については、過去の使用実績率に基づき将来使用されると見込まれる金額を計上しております。ポイント引当金の見込み額については、ポイントの引当金の使用実績率などから将来の使用見込率を合理的に見積り判断しておりますが、今後、使用実績率に影響を与える変化が生じた場合には、ポイント引当金の計上金額が変動する可能性があります。
g.株主優待引当金
株主優待引当金については、株主優待制度に伴う支出に備えるため、発生すると見込まれる額を計上しております。株主優待制度に伴う支出は、株主としての継続率及び優待制度の行使率に基づいて将来に発生すると見込まれる額を算定しておりますが、今後の継続率及び行使率が大きく変化した場合には、株主優待引当金の計上金額が多額に変動する可能性があります。
h.賞与引当金
従業員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額のうち当事業年度の負担すべき額を計上しております。
i.役員賞与引当金
役員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額のうち当事業年度の負担すべき額を計上しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)における当社グループを取り巻く環境は、東京証券取引所における2023年の株式売買比率が、プライム市場で海外投資家69.6%、個人23.1%と、引き続き海外投資家が売買の主体となっております。一方、スタンダード市場では、海外投資家44.3%、個人50.9%、グロース市場では、海外投資家40.5%、個人投資家56.0%と個人投資家が売買の主体となっており、海外投資家と個人の売買動向が株式市場に大きな影響を与えました(東京証券取引所『投資部門別売買状況』株式年間売買状況(2023年))。また、家計の金融資産残高は、株高等を背景に過去最高の2,121兆円(2023年12月20日現在。日本銀行調査統計局『資金循環統計(速報)(2023年第3四半期)』)となるとともに個人株主数(延べ人数)は、9年連続で増加し6,982万人(東京証券取引所『2022年度株式分布状況調査の調査結果』)と過去最高を更新いたしました。
株主優待制度につきましては、業績への懸念がある企業や機関投資家保有比率の高い大手企業、上場廃止企業で株主優待制度を廃止する動きが見られましたが、配当利回りと株主優待利回りを合計した総合利回りの向上、株式流動性の改善及び企業の認知度向上等を目的に新たに株主優待制度を導入する企業もあり、引き続き需要があることが伺えます。結果として、株主優待制度導入企業数は、1,470社となりました(2023年12月31日現在)。
さらに、2023年1月には企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、有価証券報告書等において、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄を新設し、サステナビリティ情報等の開示が求められることとなった結果、サステナビリティ関連情報を基軸とした投資家との対話が高度化したことで、ESGソリューション事業に対する需要が旺盛でした。2023年3月には、東京証券取引所からプライム市場、及びスタンダード市場の全上場会社を対象に行われた「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請により、これまで以上に株価と資本コストを意識した企業が増加している状況や株主との対話の推進状況に関する開示、及び招集通知の電子提供制度の開始等、当社グループのサービス全体へのニーズは今後一層高まるものと認識しております。
このような環境において、当社グループは、「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」のミッションの下、機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」及び顧客企業ごとに異なる株主優待ポイントの合算利用を可能とする株主優待共通コイン「WILLsCoin」の提供に注力し、バーチャル株主総会の推進等の株主総会プロセスの電子化並びに電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」のサービス提供を行いました。
以上の結果、当連結会計年度末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、3,662,734千円となり、前連結会計年度末と比べ401,575千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が65,958千円減少したものの、現金及び預金347,128千円、売掛金41,218千円、投資有価証券30,000千円、繰延税金資産50,022千円が増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ211,236千円増加の1,809,530千円となりました。これは主に、未払金が42,420千円、長期借入金が23,280千円減少したものの、買掛金が60,419千円、未払消費税等が23,340千円、契約負債が175,466千円増加したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ190,338千円増加の1,853,203千円となりました。これは主に、配当の支払218,751千円及び自己株式の取得99,991千円が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益506,595千円を計上したこと等によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における当グループの業績は売上高4,480,592千円(前期比17.4%増)、営業利益914,761千円(同30.2%増)、経常利益911,189千円(同31.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益506,595千円(同21.3%増)となりました。
報告セグメント別の経営成績の概況は、次のとおりであります。
(株主管理プラットフォーム事業)
「プレミアム優待倶楽部」は、「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」(株主の電子メールアドレスを取得して法定書類を電磁的に提供し、また株主専用サイトにおける上場企業と株主との双方向コミュニケーションを実現すること)を組み合わせたサービスであります。
契約社数は2022年末より10社純増し、計90社になりました。また、顧客企業の株主数の増加及び1社当たりのポイント売上高の平均単価が増加いたしました。これらの結果、「プレミアム優待倶楽部」の売上高は2,853,446千円(前期比14.4%増)となりました。
「IR-navi」は、上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームサービスであります。
2022年末より契約社数が25社純増し計343社となったことにより、売上高は284,604千円(同3.6%増)となりました。
「ESGソリューション」は、統合報告書やアニュアルレポート等の投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスであります。
SDGs、ESGの社会的要請を背景に堅調に推移し、売上高は656,446千円(同19.8%増)となりました。
「その他」は、株主総会、決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス等であります。
株主管理のDX推進を背景としたバーチャル株主総会及びオンライン決算説明会の受注が堅調に推移し、売上高は83,013千円(同7.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の株主管理プラットフォームの事業の売上高は3,877,510千円(同14.2%増)、セグメント利益は886,777千円(同21.3%増)となりました。
(広告事業)
広告事業は、「自社媒体 Web広告」と「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」によって構成されております。
「自社媒体 Web広告」は、自社媒体におけるWeb広告配信を行うサービスであります。検索エンジンアルゴリズムのアップデートにあわせ、WEBコンテンツの見直し・追加を行い、WEB検索からのアクセスが増加したことにより売上高は493,285千円(前期比83.6%増)となりました。
「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」は、「自社媒体 Web広告」で蓄積してきたWebマーケティング及びWeb広告のノウハウを生かし、広告代理店として顧客のWeb広告活動のサポートを行うサービスであります。また、顧客のWebサイトに株式会社ネットマイルが開発したゲームソリューションを導入し、Web広告売上及びユーザーのロイヤリティ向上等を行っております。一部広告主の出稿方針の変更により、インフルエンサー売上が減少し、売上高は145,656千円(同12.9%減)となりました。
「その他」の受託開発に伴うサービスについての売上高は4,020千円(同28.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の広告事業の売上高は642,962千円(同45.6%増)、セグメント利益は27,983千円(前期は28,105千円の損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ652,871千円減少し、1,412,497千円となりました。
営業活動により獲得した資金は、947,877千円(前連結会計年度末は796,039千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益744,429千円、減価償却費94,262千円、減損損失154,867千円、前受金の増加額175,466千円による増加があった一方で、法人税等の支払額287,109千円があったこと等によるものであります。
投資活動により使用した資金は、1,246,647千円(前連結会計年度末は258,036千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,000,000千円、無形固定資産の取得による支出182,527千円があったこと等によるものであります。
財務活動により使用した資金は、354,101千円(前連結会計年度末は114,950千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額10,167千円、長期借入金の返済による支出25,192千円、自己株式の取得による支出99,991千円、配当金の支払額218,751千円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注活動を行っておりますが、受注実績は販売実績と近似しているため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | |
| 販売額(千円) | 前期比(%) | |
| 株主管理プラットフォーム | 3,844,590 | 13.7 |
| 広告 | 636,002 | 46.4 |
| 合計 | 4,480,592 | 17.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の状況に関する認識及び分析は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、4,480,592千円となりました。その主な内訳は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、2,392,895千円となりました。その主な内訳は、プレミアム優待倶楽部の商品仕入、ESGソリューション制作原価等であります。
これらの結果、売上総利益は2,087,697千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,172,936千円となりました。その主な内訳は、役員報酬137,649千円、給与及び手当453,595千円、法定福利費87,428千円、のれん償却23,059千円、賞与引当金繰入額20,877千円、役員賞与引当金繰入額21,190千円、株主優待引当金繰入額16,655千円等であります。
これらの結果、営業利益は914,761千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、3,767千円となりました。その主な内訳は、未払配当金除斥益247千円、還付消費税等3,305千円等であります。営業外費用は、7,338千円となりました。その主な内訳は、支払利息4,673千円、投資事業組合運用損1,348千円等であります。
これらの結果、経常利益は911,189千円となりました。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は、166,760千円となりました。その主な内訳は、固定資産除却損11,893千円、減損損失154,867千円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は237,833千円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、506,595千円となりました。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの目標とする経営指標の実績値は下表のとおりであります。
| 経営指標 | 目標値 | 2023年12月期 | 目標差異 |
| 売上高成長率 | 20.0%以上 | 17.4% | △2.6ポイント |
| 営業利益率 | 20.0%以上 | 20.4% | 0.4ポイント |
当社グループは、高い成長性、収益性を達成するために、売上高成長率20.0%、営業利益率20.0%の達成を中期的に目指す経営指標として捉えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、「プレミアム優待倶楽部」の優待商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入により調達しております。
なお、当連結会計年度における借入金の残高は327,090千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,412,497千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積りは、過去の実績やその時点での情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては以下のものがあると考えております。
a.貸倒引当金
貸倒引当金については、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過年度実績率を基礎とした将来の貸倒予測率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
b.有形・無形固定資産の評価
有形・無形固定資産の評価については、減損の兆候の判定基準に基づき検討を行っておりますが、将来の事業計画や経営環境の変化等により減損の兆候が認められ、減損の認識及び測定が必要となった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
c.のれん及び顧客関連資産の評価
のれん及び顧客関連資産は、その効果の発現する期間を見積り、その期間に基づく定額法により償却しています。また、のれん及び顧客関連資産の評価にあたっては、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローや割引率などの見積りや仮定を用いており、将来の事業計画や経営環境の変化等によりこれらの見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
d.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性については、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異について、税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の計上にあたり、業績予想及び一時差異の解消スケジュール等を基にタックス・プランニングを検討して将来の課税所得を推定し、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、実現が困難であると判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税時期に関する判断が変動する場合、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼす可能性があります。
e.保証債務
債務保証については、当社は連結子会社である株式会社ネットマイルの金融機関からの借入に対して債務保証を行っております。当事業年度において債務保証損失引当金は計上しておりませんが、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクに鑑みて開示項目として識別いたしました。
将来の事業計画をもとに資金繰りを策定し、資金繰りに懸念があると認められる場合には、債務保証損失引当金の要否を判定し、引当金額を見積もって算定します。判定の結果、当事業年度において、債務保証損失引当金は計上しておりませんが、将来の事業計画は成長ビジネスを含むものであり、その事業計画の達成には不確実性が伴います。
将来の事業計画における主要な仮定は、自社媒体Web広告サイトの立上げ予定数、及び1サイト当たりの売上見込額であります。これは、当事業年度の実績値、翌事業年度以降の事業戦略等を踏まえて見積もっております。
将来の事業計画における売上高、売上原価の見積りは不確実性を伴い、広告事業の市況変化等により、見積りと将来の結果が異なる可能性があります。
f.ポイント引当金
ポイント引当金については、過去の使用実績率に基づき将来使用されると見込まれる金額を計上しております。ポイント引当金の見込み額については、ポイントの引当金の使用実績率などから将来の使用見込率を合理的に見積り判断しておりますが、今後、使用実績率に影響を与える変化が生じた場合には、ポイント引当金の計上金額が変動する可能性があります。
g.株主優待引当金
株主優待引当金については、株主優待制度に伴う支出に備えるため、発生すると見込まれる額を計上しております。株主優待制度に伴う支出は、株主としての継続率及び優待制度の行使率に基づいて将来に発生すると見込まれる額を算定しておりますが、今後の継続率及び行使率が大きく変化した場合には、株主優待引当金の計上金額が多額に変動する可能性があります。
h.賞与引当金
従業員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額のうち当事業年度の負担すべき額を計上しております。
i.役員賞与引当金
役員に対する賞与の支出に備えるため、支給見込額のうち当事業年度の負担すべき額を計上しております。