有価証券報告書-第6期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 15:00
【資料】
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【項目】
101項目
下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社は、「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」をビジョンに掲げ、「世界中のあらゆるスペースをシェアできるプラットフォームを創る」をミッションとしております。
(2) 経営戦略等
今後の中長期的な方向性としては、以下のとおりです。その結果として、新たなスペース利用の可能性を創造し、スペースのシェアリングエコノミー(以下、「スペースシェアリング」とする)のモデルを確立・拡充していきます。
既存プラットフォームサービスの成長
当社は、スペースシェアリングの先行者の強みである、業界有数の掲載数と蓄積してきたノウハウの2つを最大限生かし、さらなるプラットフォームの成長を推進します。
特にホストに対してアプローチを強化し、「スペースマーケット」でなければならない付加価値を提供し、ファンになってもらうことで、競合が現れても使い続けてもらえるプラットフォームへと成長させていきます。
周辺ソリューションの提供を通じたスペースのバリュー拡充
当社は、プラットフォーム運営のほか、スペースのプロデュース、スペースの利用に紐づく付加サービスの提供、IoTの導入、内装工事サービスとの連携などといった付加価値を提供していきます。
また、今後は料飲・デリバリーをはじめとしたその他の付加サービスの提供も検討しております。
この付加価値の領域とスペースの利用用途を広げ、それぞれを有機的に組み合わせることによって新しい取り組みに挑戦し、さらなる価値を提供していきます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
① 当社の収益構造
当社の売上高は、プラットフォームサービスに関する売上高と法人向けソリューションサービスに関する売上高により構成されております。プラットフォームサービスに関する売上高は、GMVの内ホスト手数料とゲスト手数料の合計であり、GMVは利用スペース数×利用スペースあたりのGMVにより算出されます。
GMV・・・・・Gross Merchandise Value(総流通額)を意味しております。
利用日を経過したゲストのご利用料金を集計したもの。
※スペース料金及びゲスト手数料の合計
※特に断りがない限り税抜
利用スペース数・・・・・ある月について予約が成立した状態で利用日を経過したスペース数
※通期及び四半期期間の数値は当該期間に係る月次の利用スペース数の合計(月間利用スペース数合計)
利用スペースあたりのGMV・・・・・ある期間の1利用スペースあたりの月間平均GMV
(GMV÷利用スペース数)

② 重要視する指標
当社は、プラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っております。また、GMVの構成要素である利用スペース数、利用スペースあたりのGMVのうち、利用スペース数の拡大に軸足を置いております。
③ 当社のプラットフォームの特徴
当社のプラットフォームの特徴として、ホストにより貸し出されるスペース数が蓄積する事により、ゲストの利用が増加し、ゲストの利用が増加する事で、集客力の高まったプラットフォームに更に新規のホストが登録し、貸し出されるスペース数が更に蓄積するというネットワーク外部性が働き、継続したスペースの利用が為される構造を有しております。当社は、今後も利用スペース数の継続的な拡大を目指したいと考えており、中期的に1年間で利用スペース数を約8万とする事を目指しております。
当社はネットワーク外部性を有するプラットフォームならではの事業成長サイクルを構築し、一定の開発・運営リソースでレバレッジの効いた収益獲得構造の構築を図る方針です。
当社は、ネットワーク外部性が働く事により利用スペース数が拡大し、GMVが拡大し、売上高が拡大する事業構造を有しております。また、売上高の拡大と共に広告効率・オペレーション効率が向上し、営業利益率が継続的に改善する収益構造を有しております。
上記における将来に関する事項は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の要因及びその他の要因により大きく異なる可能性があります。
(4)経営環境
当社の事業に関連する国内シェアリングエコノミーサービス市場規模(資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額ベース)は、2018年度は1兆8,874億円と推計されており、現状のペースで成長した場合は2030年度に5兆7,589億円に、成長に向けた課題が解決した場合には2030年度に2018年度の約6倍の11兆1,275億円に達すると予測されています。(注1)
また、「シェアリングエコノミー」という言葉の認知の割合は26.9%まで上昇し、年々、シェアリングエコノミーの認知が拡大している状況となっています。特に、シェアリングエコノミーのいずれかのサービスを知っている人の割合は47.5%まで上昇し、そのうち、当社の事業領域である「場所・空間」のサービスを知っている人の割合は64.1%となり、シェアリングエコノミーの領域で「場所・空間」のサービスの認知度が着実に上昇している状況です。(注2)
近年、これまでの過剰生産、過剰消費が見直され、人々の消費スタイルは所有から共有へと変わってきたと当社では考えております。また、テクノロジーの進歩によって、シェアリングの取引(例えば、物のシェアリングとしてフリマアプリ、労働力のシェアリングとしてクラウドソーシング、移動のシェアリングとしてカーシェア等)が手軽かつ安全に実現できるようになってきたと当社では考えております。これらを背景に、上記のとおり、世の中はシェアリングエコノミーの時代へと突入したと当社では考えており、当社は「場所のシェアリング」の代表的な事業者となる事を目指して事業を展開してまいりました。海外にも類似サービスが複数存在しており、グローバルで時間貸しスペースの需要が確認できます。当社は日本で事業モデルを確立した後、海外展開も視野に入れております。
また、世の中の変化(シェアリングエコノミーの概念、多様性が認められる社会への変化等)により、ある程度決められた形式の中から選ぶのが一般的であった住まい方、働き方、余暇の過ごし方等について、多様性への対応が求められる時代になったと当社では考えております。当社は時間単位でスペースの貸し借りを出来るようにする事で、世の中の多様性に対応可能な選択肢を提供してまいります。
(注1)一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所による共同調査より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000022734.html
(注2)2019年7月「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2019」(PwCコンサルティング合同会社)
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① シェアによって利用されるスペースの増加
当社はこれまで、様々な用途で快適に利用ができる良質なスペースが増加することで、事業の成長を実現してまいりました。
スペース領域におけるシェアリングエコノミーは依然として成長の途上と認識しており、今後も継続して、当社プラットフォームで利用される良質なスペースを増加させることに取り組んでまいります。
② 継続したサービスの改善・運営の効率化
当社は、シェアリングエコノミーという比較的新しい領域でサービスの提供を行っております。このため、利用者にとっての利便性を高めるため、継続したサービスの改善に努め、また、効率的な運営体制・オペレーションの構築に取り組んでまいります。
③ 様々な事業者との協働によるスペースシェアの普及
当社は、場所に対してシェアという新しい考え方を提起し、これまでサービス提供を行ってまいりました。これまでに多くの方々にサービスを利用いただいておりますが、スペースのシェアをより価値のあるものとして提供し、スペースシェアをさらに多くの人に利用いただくため、また、社会に対して価値を提供し、課題を解決すべく、不動産事業者様やスペースシェアの領域においてソリューションを提供する様々な事業者様と協働し、スペースシェアの価値向上と普及に取り組んでまいります。
④ システムの安定性・サービスの安全性・健全性強化
当社は、インターネットを介したサービスを展開していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、突発的なアクセス増加にも耐えられるようなサーバー設備の強化や、そのための人員確保、教育・研修などを継続的に行ってまいります。当社はサービスの安全性・健全性強化の一環として、内閣官房IT総合戦略室が主宰したシェアリングエコノミー検討会議が策定した「シェアリングエコノミー・モデルガイドライン」に準拠した、(一社)シェアリングエコノミー協会による「シェアリングエコノミー認証制度」に賛同し、第1号認証を受けております。
⑤ テクノロジーを最大限に活用したサービスの成長
当社は、テクノロジーを最大限に活用し、サービス運営の効率化、データの蓄積・分析、AI・ディープラーニング等の新しい技術の活用、という観点を中心にサービスの成長に取り組んでまいります。
⑥ 情報管理体制の強化
当社は、ゲスト・ホストの個人情報を多く預かっており、その情報管理を強化していくことが重要であると考えております。現在、個人情報保護方針及び社内規程に基づき管理を徹底しておりますが、2019年9月にはISMS認証を取得し、今後も、社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して行ってまいります。
⑦ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の強化
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍出来る優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持するなど、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社は、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、代表取締役を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、対応策を検討する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
⑧ 安定したキャッシュ・フローの定常的な創出
営業キャッシュ・フローについては、過年度から継続的にマイナスとなっておりますが、第5期事業年度が278,964千円のマイナスであったのに対し、第6期事業年度は75,042千円のマイナスとなっており、キャッシュ・フローの定常的な創出能力について改善は進んでおります。
当社はプラットフォームとしての価値を計る指標としてGMVを重視した経営を行っておりますが、引き続き、中期経営計画においてGMVの構成要素である利用スペース数等の継続的な増加を図る事により、キャッシュ・フローを定常的に創出できる体制の構築を目指す方針です。

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