有価証券報告書-第4期(2023/04/01-2024/03/31)
b.戦略(方針)
将来の気候変動が当社グループの事業活動へもたらす影響について、TCFD提言で提唱されているフレームワークに基づき、2030年時点における定量的なシナリオ分析を実施しました。
〇シナリオ設定
TCFD提言では「戦略」の項目において「2℃以下シナリオを含む様々な気候関連シナリオに基づく検討」を行うことを推奨しております。本提言に基づき、以下の通り1.5~2℃シナリオと4℃シナリオを設定しました。
想定する1.5~2℃シナリオの世界観
全世界が2050年カーボンニュートラルを目指した規制や政策を強化し、現状を上回る気候変動対策がなされ、気温上昇が産業革命前の水準から1.5~2℃程度に収まるシナリオです。
・強化された規制や政策への対応コスト発生
・ステークホルダーの環境配慮意識変化への対応
・物理リスクの増大も想定されるものの、4℃シナリオよりも程度が軽い
想定する4℃シナリオの世界観
現状を上回る気候変動対策がなされず、気温上昇が産業革命前の水準から4℃程度まで上昇するシナリオです。
・気温上昇による空調コスト増加、異常気象の激甚化による被害増加等の物理リスクが増大する
〇リスク・機会の特定
不動産業における気候変動リスク・機会を外部情報に基づいて整理し、当社グループの事業と関連性が高いリスク・機会を特定しました。特定した気候変動における移行リスクと物理リスクならびに機会は、当社グループの経営成績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があります。
※短期:~2027年、中期:~2030年、長期:~2050年
〇財務インパクトの試算
客観的な将来予測データ*を用いて、リスク・機会項目の財務インパクトを試算しました。
主要項目の財務インパクト
* 財務インパクトの試算に活用した主な外部データ
IEA「World Energy Outlook 2022」
環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.3)」
国土交通省「建設資材・労働力需要実態調査<建築部門>の結果について」
一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEH設計ガイドライン」「ZEB設計ガイドライン」
〇シナリオ分析の結果と対応策
1.5℃~2℃および4℃シナリオ分析の結果を踏まえた対応策を策定しました。
将来の気候変動が当社グループの事業活動へもたらす影響について、TCFD提言で提唱されているフレームワークに基づき、2030年時点における定量的なシナリオ分析を実施しました。
〇シナリオ設定
TCFD提言では「戦略」の項目において「2℃以下シナリオを含む様々な気候関連シナリオに基づく検討」を行うことを推奨しております。本提言に基づき、以下の通り1.5~2℃シナリオと4℃シナリオを設定しました。
想定する1.5~2℃シナリオの世界観
全世界が2050年カーボンニュートラルを目指した規制や政策を強化し、現状を上回る気候変動対策がなされ、気温上昇が産業革命前の水準から1.5~2℃程度に収まるシナリオです。
・強化された規制や政策への対応コスト発生
・ステークホルダーの環境配慮意識変化への対応
・物理リスクの増大も想定されるものの、4℃シナリオよりも程度が軽い
想定する4℃シナリオの世界観
現状を上回る気候変動対策がなされず、気温上昇が産業革命前の水準から4℃程度まで上昇するシナリオです。
・気温上昇による空調コスト増加、異常気象の激甚化による被害増加等の物理リスクが増大する
〇リスク・機会の特定
不動産業における気候変動リスク・機会を外部情報に基づいて整理し、当社グループの事業と関連性が高いリスク・機会を特定しました。特定した気候変動における移行リスクと物理リスクならびに機会は、当社グループの経営成績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があります。
| 分類 | 内容 | 顕在化時期※ | |
| 移行 リスク | 政策/ 法規制 | 炭素税導入による当社グループGHG排出量への課税 | 中期 |
| 炭素税導入による当社グループ建築コストの増加 | |||
| 建築物省エネ法強化やZEB・ZEH義務化に伴う新築・改修コストの増加 | 短期 | ||
| 評判 | 顧客からの評判低下によるテナント空室率の上昇や賃料低下に伴う売り上げの減少 | 短期 | |
| 投資家からの評判低下に伴う資金調達コストの増加 | 中期 | ||
| 物理 リスク | 急性 | 風水害の激甚化による物件倒壊リスクに対する建替コストの増加 | 短期 |
| 慢性 | 平均気温上昇による空調コストの増加 | 中期 | |
| 平均気温上昇による工期の遅延に伴うコストの増加 | |||
| 機会 | 製品/ サービス | 低炭素物件の需要拡大による売り上げの増加 | 短期 |
| 市場 | 脱炭素に貢献する太陽光発電事業などの新規事業参入による収益の増加 | 中期 | |
| エネルギー源 | ・建物環境性能や設備省エネ性能の向上によるランニングコストの減少 ・太陽光発電設備を導入し、発電電力を自家消費することによるランニングコストの減少 | 短期 | |
※短期:~2027年、中期:~2030年、長期:~2050年
〇財務インパクトの試算
客観的な将来予測データ*を用いて、リスク・機会項目の財務インパクトを試算しました。
主要項目の財務インパクト
| 分類 | 内容 | シナリオ | 2030年の 財務インパクト 試算結果 | |
| 移行 リスク | 政策/ 法規制 | 炭素税導入による当社グループGHG排出量への課税 | 1.5~2℃ | 494百万円 |
| 炭素税導入による当社グループ建築コストの増加 | 576百万円 | |||
| 建築物省エネ法強化やZEB・ZEH義務化に伴う新築・改修コストの増加 | 1,342百万円 | |||
| 評判 | 顧客からの評判低下によるテナント空室率の上昇や賃料低下に伴う売り上げの減少 | 1,350百万円 | ||
| 物理 リスク | 急性 | 風水害の激甚化による物件倒壊リスクに対する建替コストの増加 | 4℃ | (極めて小さい) |
| 機会 | 製品/ サービス | 低炭素物件の需要拡大による売り上げの増加 | 1.5~2℃ | 2,935百万円 |
| エネルギー源 | 建物環境性能や設備省エネ性能の向上によるランニングコストの減少 | 1.5~2℃ 4℃ | 160百万円 | |
* 財務インパクトの試算に活用した主な外部データ
IEA「World Energy Outlook 2022」
環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.3)」
国土交通省「建設資材・労働力需要実態調査<建築部門>の結果について」
一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEH設計ガイドライン」「ZEB設計ガイドライン」
〇シナリオ分析の結果と対応策
1.5℃~2℃および4℃シナリオ分析の結果を踏まえた対応策を策定しました。
| 1.5~2℃ シナリオ | 炭素税導入やZEB・ZEH義務化といった政策・法規制に伴うコスト増加などが想定されます。また、脱炭素化に向けた取り組みが遅れた場合にはステークホルダーからの評判低下のリスクがあります。当社グループ物件における再生可能エネルギー利用やZEB・ZEH化によりGHG排出量を削減するほか、低炭素資材の使用や省エネ推進により炭素税導入の影響を低減します。 ZEB・ZEH化等の気候変動への対応はコスト増加になる一方、事業機会の創出にもつながります。主な機会として、低炭素物件の需要増加や太陽光発電設備・省エネ技術導入によるランニングコスト減少が期待されます。再生可能エネルギー発電事業など脱炭素化に向けた事業にも参画し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 |
| 4℃ シナリオ | 当社グループ保有物件立地は気象災害による損傷リスクが低く、競争力を有しています。 一方、気温上昇による空調コストや生産性低下の影響は発生するため、設備更新やエコチューニングによる運用改善、工期見直し等の対応を検討します。 |