有価証券報告書-第27期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/29 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
103項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の中期ビジョン・経営の基本方針
①中期ビジョン
「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を中期ビジョンとして掲げ、不動産領域で真の価値を創造し、当社に関わる全ての人の幸福実現を目指しております。
②経営の基本方針
イ.不動産業務支援サービスをワンストップで提供する。
ロ.自社開発からアフターサポートまでの一貫したサービスを提供する。
ハ.付加価値の高い商品を開発・提供する。
ニ.お客様と真摯に向き合う営業、サポートを行う。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社が掲げる中期ビジョン「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を達成するためには、「商品戦略」・「人材戦略」・「顧客戦略」の3つの戦略が重要であると考えております。
①商品戦略
商品戦略はプラットフォーム構築に向けた商品開発を実施し、アップセル・クロスセルを通じた売上高の拡大と収益性の向上を目指すものであります。その実現のためには、当社が無償で提供する業者間物件流通サービス「不動産BB」のサービス強化を継続して行い、短期間での顧客基盤の構築を進める必要があります。また、構築した基盤に対して投下する有償サービスの強化に関しては、既に提供している既存製品の価値の向上を進めながらも、新サービスとなる電子契約サービス、賃貸革命新バージョン、ビッグデータによる経営支援・査定等のサービス強化を進めてまいります。特に電子契約サービスに関しては2021年5月に成立したデジタル改革関連法案にて、不動産取引における電子取引が認可されたことから、今後需要が高まることが予想されます。当社はこの電子契約サービスを自社オリジナルで開発しており、これまでの不動産業務支援のノウハウを活かし、顧客にとって使いやすくシームレスなサービスをリリースする予定です。
②人材戦略
人材戦略は地域密着型のコンサルティング営業により不動産業界のDX化を推進するものであります。当社には専門のマーケティング部隊がおり、WEB広告による集客やオンラインでのセミナーによる集客は常に行っておりますが、最終的な顧客への提案は営業コンサルタントによって実施する戦略を取っております。不動産業務は奥が深く、顧客の課題は複雑であることから、WEB広告や電話営業だけでは双方に満足する結果は得られません。個社ごとにヒアリングを重ね最適なソリューションを提案し、解決策がイメージ化されることではじめて顧客はサービスの導入を決断します。当社は創業の頃よりこのコンサルティング営業を重視しており、その結果、高い顧客満足度と低い解約率、連続増収を達成することに繋がっております。
また、顧客に最適な提案を実施するため、社内にはコンサルタント専用の教育部署を設置し、仲介ソリューションから管理ソリューションまでの知識習得のための支援を行っております。特に新入社員においては段階的に知識を身につけられるよう支援を行っております。
③顧客戦略
顧客戦略は地域密着型のコンサルティング営業及びサポート実現のための営業拠点展開と人員体制の強化を推進するものであります。これまでも全国を対象に事業活動を行ってまいりましたが、その市場の大きさから、まだまだ未開拓の部分が多くあります。シェア拡大のためにも、拠点及び、人員を追加して成長を加速させてまいります。また、①の商品戦略及び②の人材戦略を最大化するものがこの顧客戦略であります。顧客戦略を実施することによりプラットフォーム構築に向けて躍進してまいります。

市場環境として、現在の不動産業界の労働生産性は他の業界に比して低く、その格差は広がりつつあります。したがいまして不動産テック業界自体は拡大傾向にあり、不動産事業者によるIT投資市場は今後飛躍的な拡大が見込まれます。更に、以下外部環境の変化によって不動産業界のDX化は加速していくことが予想されます。
・デジタル改革関連法案成立によりDX化が加速
・賃貸住宅管理業適正化法による賃貸管理業務支援市場の活性化
・宅建業者の新規開業は毎年5,000社以上(デジタルネイティブ世代の開業)

また、不動産業務を支援するだけでなく、ITを活用して経営そのものを支援する方向に当社の事業を拡大すべく、取り組みを始めております。例として、不動産会社の経営状況に関する情報を可視化する「賃貸革命 経営分析オプション」を既にリリースしております。賃貸革命に蓄積されたデータを様々な角度から可視化したグラフ・表を提供することにより、不動産会社の管理業務の効率化や経営戦略立案の補助として利用していただけます。今後も、この「経営支援」の視点を持って事業者の課題解決に寄与するサービスを提供すべく、自社の基幹システムを最大限に活用しながらソリューション開発・外部連携を実施し、当社の事業拡大を有利に進めてまいります。
ビッグデータ活用という点においては、当社の事業活動の副産物として、不動産事業者が扱う膨大な物件データ、入居者属性データ等があります。これらは統計データとしての活用許諾を得ているデータであります。世の中では過去の不動産広告情報を蓄積してAI等で分析し、賃料や投資資産査定に活用するサービスも急成長しております。当社の有するデータは、流通する広告情報だけではなく、実在する建物と居住者のリアルタイムな情報であり、データの入出力によってデータベースを日々拡張しております。このビッグデータを用いたサービスの一つとして、物件情報登録時に、該当する建物情報を入力候補として提示する機能を仲介業務支援サービスに加えており、当社既存サービスの利便性向上に寄与しております。今後は過去の不動産取引情報等を活かした市場における「消費者の購買分析」や、行政から公表される路線価・公示価格の情報を活用した「資産価値評価」などの新たな事業を進めてまいります。
更には、不動産購入時のソリューションとして住宅ローンの取次業など、金融商品・ファイナンス事業も進めてまいります。特に不動産売買業務においては住宅ローンの融資関連手続きなど、効率化できる要素が多く残っております。当社の既存商品を通じて蓄積された、買主・物件・不動産会社・売主のデータ情報を活用し、金融商品・ファイナンス事業での発展も進めてまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
高品質なサービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、売上高の対前年増加額、収益性については経常利益の対前年増加額を重要指標としております。
(4)経営環境
当社における経営環境については、「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の記載をご参照ください。
(5)対処すべき課題
当社が対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①「不動産BB」のユーザー拡大
当社の成長を維持するためには、不動産業の中核にあたる業者間での物件情報共有を支援する業者間物件流通サービス「不動産BB」の利用者数を増やし、顧客基盤を拡大させていくことが重要であると認識しております。さらなる利用社数の拡大のために、CRM機能の追加や、売買物件対応、及び既存ユーザーからの要望をサービスに反映する機能改善や、サービス未導入である大手管理会社への積極的な架電によるサービスのご案内など、「不動産BB」の利便性強化と利用促進に取り組んでまいります。また、この顧客基盤の拡大に向けては、全国拠点数の拡大と人員体制強化によって成長を加速させてまいります。
②人材の確保と育成
成長戦略にもあるとおり、当社は、今後の事業拡大のための重要な経営資源は人材であると考えており、優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。積極的な採用活動を行い優秀な人材を採用していくとともに、社内における教育体制の強化に取り組んでおります。
③新規事業の強化
当社は、AI・ビッグデータを活用し、新規事業の強化を進めていくことが重要であると認識しております。当社が持つ膨大な物件情報・入居者属性のデータは、不動産市場における消費者の行動分析や購買分析、投資家に向けた資産価値の評価など、分析手法によって多数のアプローチが可能な内容になっております。既にデータ活用の1つとして、物件情報データを活用し、システム内の入力補助となる機能を仲介集客支援サービスに備えておりますが、さらなる価値を顧客に提供するため、データサイエンスのアプローチから新たな付加価値を生み出し、新規事業の強化として取り組んでおります。今後は、当社のデータベースに蓄積された不動産取引の成約情報を活用し市場における消費者の購買分析を行う「消費者・購買分析」、過去の不動産取引の成約情報と行政より公表されている路線価・公示価格の情報をもとに資産価値の評価を行う「資産価値評価」等、新規事業の強化を目的として取り組んでまいります。
また、不動産購入時のソリューションとなる金融商品・ファイナンス事業においても蓄積されたデータ活用を行い新規事業としての強化を行ってまいります。
④既存事業の強化(都道府県毎の導入率向上)
当社が提供する製品・サービスの導入社数は全国6,390社(2021年6月30日時点)となっておりますが、都道府県別の宅建業者に対する導入率には偏りがあります。導入率が高ければ、そのエリアにおいて効率的な活動ができることから収益性も高まります。当社としては、導入率が低いエリアに対し、販売の強化を行い、導入率を上げ、収益性を高めていくことが重要であると認識しております。現在、無償提供中である「不動産BB」による顧客基盤の拡大を推進するため、新たな拠点展開と人員体制の強化によって成長を加速させてまいります。尚、遠方地での商談においてはWEB会議システム等を活用しながら課題解決に向けて取り組んでおります。
⑤市場拡大・新規開業企業への対応
国土交通省の報告によれば、宅建業者数は微増で推移しており、なかでも法人業者数が増加傾向にあります。また、毎年5,000社以上の事業者が新規開業を行っており、その度に設備投資による商談の機会が創出されております。不動産事業へのソリューションを提供する当社としては、その機会を確実に当社の製品・サービスの魅力を伝え、早期に導入いただけるよう、販売の強化を行っていくことが重要であると認識しております。Webマーケティングによるプロモーション活動や顧客からの紹介案件の創出など、様々な角度から販売を強化し、課題解決に向けて取り組んでおります。
(出典:国土交通省「平成30年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果」(2019年9月30日))
⑥政府動向への対応と不動産における労働生産性の向上
デジタル改革関連法案による不動産取引のデジタル化(脱はんこ)や、賃貸住宅管理業適正化法の成立、政府主導で推進される働き方改革やキャッシュレスの推進、世界最先端デジタル国家創造宣言などの重要な施策に対しては、常に最新の情報を入手しながら素早く対応することが重要であると認識しております。また、日本の業種別GDP第2位で11.5%を占める「不動産業界」ですが、2000年を100とする労働生産性は、2017年に全業界では107.2と向上しているのに対し、不動産業界は78.1と悪化し、最下位となっております。また、米国と比べた場合には、IT資本投入は米国の1割程度で労働生産性は米国の4割程度というデータがあります。日本の労働生産性は政府の施策による後押しもあり今後成長していくことが予想されますが、当社も生産性向上に繋がる業務支援サービス提供事業社として、この課題解決に取り組んでおります。
(出典:総務省「ICTの経済分析に関する調査」(2019年3月)、厚生労働省「労働経済の分析」(2015年版))
⑦セキュリティ対策の向上
当社が進めている電子契約サービスにおいては、個人情報保護の観点から利用者に安心してサービスをご利用いただくための強固なセキュリティ対策を行い、今まで以上にデータの堅牢性を高める必要があります。Webアプリケーションを取り巻く脅威は常に時代と共に変化しており、多様化するサイバー攻撃を防ぐためには、積極的な研究開発を行い適切な対策を講じる事が重要であると考えているため、課題として取り組んでおります。
⑧経営管理体制の強化
当社が、今後持続的な成長を図っていくためには、事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しており、株主やその他ステークホルダーに信頼される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取組みが不可欠であると考えております。そのため、優秀な人材の採用・育成により業務執行体制の充実を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するような仕組みを強化・維持していくとともに、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。