訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
2024年3月期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1)研究開発活動の体制と方針
当社グループでは、キオクシア株式会社のメモリ事業部、SSD事業部にて製品の開発を行い、将来市場を見据えた研究開発は同社先端技術研究所が行います。研究開発戦略は同社メモリ開発戦略部と先端技術研究所がそれぞれ協力しながら取り組んでいます。先端技術研究所は、次世代メモリ等の研究開発、新規事業につながる技術創出の強化のためにメモリ技術研究所を再編し、2024年4月に発足しました。
拡大するストレージ市場におけるお客様の新たな要求に応えることで、安定した事業の成長を目指し、大容量・低コスト、高性能化による市場競争力のあるメモリ及びSSD製品の開発を行います。特にビジネスの中核となる3次元フラッシュメモリチップで世界トップグループの地位を確立するために、新規デバイス、プロセス及びコントローラの技術開発を加速してまいります。そのための将来のビジネスに必要な研究開発投資を積極的に行います。
2024年3月期における当社グループの研究開発費は141,030百万円であり、研究開発の主要な成果は次のとおりです。
また、当社グループはメモリ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しています。
(2)研究開発の主要な成果
| 主要製品・サービス | 発表時期 | 概要 |
| PCIe® 4.0対応の小型・大容量クライアントSSD | 2023年5月 | クライアントSSDのラインアップに、PCIe®4.0高速インターフェースに対応し、モバイル機器向けの小型フォームファクターを採用しながら大容量を実現した「KIOXIA BG6シリーズ」を追加。携帯性と高機能を求められるPCなどのモバイル機器、IoTデバイス、ゲーム機器などの高性能化に貢献。 |
| UFS(注1)4.0に対応した組み込み式フラッシュメモリの、性能を向上させた次世代製品 | 2023年5月 | ハイエンド・スマートフォンをはじめとするモバイル機器などのアプリケーション向けに、データのダウンロードの高速化、タイムラグの短縮など、5Gの高速ネットワークを活用することができるように開発した製品。次世代製品の投入によって、ユーザー体験を向上させる高性能モバイル機器の開発に貢献。 |
| エンタープライズ・データセンター向けPCIe® 5.0対応NVMe™ SSD「KIOXIA CD8Pシリーズ」 | 2023年8月 | サーバーやクラウドで必要となる大量で複雑な高速データ処理などの厳しい条件に適した高性能・大容量ラインアップを開発。エンタープライズとデータセンター向けの次世代SSDフォームファクターEDSFF(Enterprise and Datacenter Standard Form Factor)のE3.Sと、2.5インチ(U.2)のフォームファクターに対応。 |
| e-MMC Ver.5.1準拠のフラッシュメモリ製品 | 2023年9月 | 民生機器向けに、性能を向上させたJEDEC e-MMC Ver.5.1(注2)準拠の組み込み式フラッシュメモリを開発し、サンプル出荷を開始。 |
| PCIe®4.0に対応したメインストリームモデルのパーソナル向けSSD「EXCERIA PLUS G3シリーズ」 | 2023年10月 | 「EXCERIA PLUS G3シリーズ」はゲーミングPC、デスクトップPC、ノートPCなどで手軽にPCIe®4.0の高速性を体感したいメインストリーム・ユーザー向けに開発したパーソナル向けSSD。 |
| SDXC規格最大容量となる2TBのmicroSDXC メモリカード「EXCERIA PLUS G2 microSDXC 2TB」 | 2023年12月 | 当社独自の薄厚チップ多段積層パッケージング技術によって、チップ搭載部分の厚さが最大0.8mmのmicroSDメモリカードのパッケージ内に、1テラビット(128ギガバイト)のフラッシュメモリのチップを16枚積層することで、SDXCの最大容量である2TBのmicroSDメモリカードを実現。 |
| 主要製品・サービス | 発表時期 | 概要 |
| 次世代高速インターフェースPCIe® 5.0及びNVMe™ 2.0の認証を取得したエンタープライズSSD | 2023年12月 | 高性能サーバーやストレージシステム用に、次世代高速インターフェースPCIe® 5.0に対応したエンタープライズSSD 「KIOXIA CM7シリーズ」の量産を開始。AI、機械学習、データ分析など次世代ユースケースの要求に対応。 |
| 車載機器向けUFS Ver4.0準拠の組み込み式フラッシュメモリ | 2024年1月 | 車載機器向けのJEDEC UFS Version 4.0インターフェースに準拠した組み込み式フラッシュメモリ(UFS製品)を開発し、サンプル出荷を開始。 |
(注)1.UFS(Universal Flash Storage):JEDECが規定する組み込み式フラッシュストレージの標準規格。シリアルインターフェースを採用し、全二重通信を用いているため、ホスト機器との間でのリード・ライトの同時動作が可能。
2.e-MMC(embedded Multi Media Card):JEDECが規定する組み込み式フラッシュメモリ標準規格の一つ。
2025年3月期第1四半期連結累計期間(自 2024年4月1日 至 2024年6月30日)
(1)研究開発活動の体制と方針
当第1四半期連結累計期間において研究開発体制及び研究開発方針について変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は32,155百万円であり、研究開発の主要な成果は次のとおりです。
また、当社グループはメモリ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しています。
(2)研究開発の主要な成果
| 主要製品・サービス | 発表時期 | 概要 |
| 小型化及び性能向上した、最新世代UFS4.0フラッシュメモリ製品 | 2024年4月 | 当社従来製品比でパッケージサイズを約18%縮小し、性能向上した最新世代のUFS4.0組み込み式フラッシュメモリ製品のサンプル出荷を開始。5G高速ネットワークに対応したハイエンド・スマートフォンを含むさまざまな次世代モバイル機器に適した製品。 |
| ノックスライド式デザインのUSBフラッシュメモリ | 2024年4月 | ワンプッシュで簡単にコネクタを格納できるノックスライド式デザインの使いやすいUSBフラッシュメモリ「TransMemory U304シリーズ」を発売。 |
| ゲーマー向けヒートシンク付きSSDの発売 | 2024年6月 | パーソナル向けヒートシンク付きSSDである「EXCERIA with Heatsink SSDシリーズ」を発売。ヒートシンクを標準搭載し、優れた放熱機能を備えSSDが発熱しやすいゲーミング環境でも温度上昇を抑える製品。 |
| 当社のSSD「KIOXIA CM7シリーズ」とXinnor社のRAIDソフトウェアを組み合わせたPCIe 5.0対応高速ストレージソリューションの構築 | 2024年6月 | PCIe® 5.0対応NVMe™ SSD「KIOXIA CM7シリーズ」とXinnor社のRAIDソフトウェア「xiRAID Opus」との間の互換性と相互運用性の確保および、性能向上のためのチューニングをすることで、高速ストレージソリューションを構築。ベンチマーク試験において、生成AI などで使われるPostgreSQLデータベースの実行性能を、標準のソフトウェアベースのRAIDソリューションと比較して最大約25倍※向上。オンプレミスのサーバーにおけるAI、データアナリティクスなどのミッションクリティカルなアプリケーションの性能向上に貢献。 ※ Linux環境での標準RAIDソフトウェアソリューション(mdraid / mdadm)における RAID縮退時(ドライブ1台故障状態でのデータベース読み出し時)との比較。 |
なお、当社は2024年7月に第8世代BiCS FLASH™3次元フラッシュメモリ技術を適用した2Tb(テラビット) QLC(Quad-Level-Cell、4ビット/セル)製品のサンプル出荷を開始しました。業界最大容量となる2Tb QLC製品は、AI向けを始め、様々なアプリケーションにおける需要に対応します。従来製品の第5世代QLC製品と比較して、ビット密度が約2.3倍、書き込み電力効率は約70%と大幅に向上しました。また、2Tbのチップをひとつのパッケージ内に16段積層することにより、パッケージあたり業界最大容量となる4TB(テラバイト)の容量を実現しました。サイズは11.5 x 13.5mm、高さは1.5mmとなっております。
また、当社グループは2024年9月に株式会社モーデックと共同で、業界初となる立体構造物の高周波特性測定用プロービングシステムを開発したことを発表しました。一般的に、データセンター内のSSDは、プロセッサのマザーボード上の高速インターフェースコネクターに挿入して用いられております。そのため、PCIeなどの高速インターフェースの伝送線路は、プロセッサのマザーボードからSSDのプリント基板まで、直交するカードエッジコネクタを介して延びる立体構造となるところ、今回開発した3次元プロービングシステムにより、初めて110GHzまでの立体構造物の高周波特性を直接測定することが可能になっております。