有価証券報告書-第3期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 15:13
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【項目】
117項目
4.重要な会計方針
以下に記載されている会計方針は、他に記載がない限り、本報告書に記載されている連結財務諸表の作成において、すべての期間について継続的に適用しております。
(1) 連結の基礎
① すべての子会社は連結対象子会社として当社グループの連結財務諸表の対象となっております。子会社は、当社により支配されているすべての企業(組成された企業を含む)であります。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していることとなります。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配喪失日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
② 当社グループ間の重要な債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。当社はグループ全体で会計方針を統一しております。
③ 当社グループが子会社の支配を喪失した場合、当社グループは旧子会社に留保していた投資を公正価値で再測定します。その公正価値は、金融資産の当初認識時の公正価値、又は関連会社もしくは合弁事業の当初認識時の費用とします。公正価値と帳簿価額の差額は純損益として認識します。子会社に関連して以前にその他の包括利益で認識されていたすべての金額は、関連資産又は負債が処分された場合に要求されるのと同じ基準で純損益に振り替えられます。すなわち、当社グループが子会社の支配を喪失した場合、その子会社に関連して以前にその他の包括利益に認識されていたすべての利得及び損失は資本から純損益に振替えられます。また、関連する資産又は負債が処分されたときに、これらの利得及び損失が純損益に振り替えられます。
④ 関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%から50%を保有する場合、当社グループは当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有する議決権が20%未満であっても、他の投資家との契約により、財務及び営業又は事業の方針の決定に重要な影響力を行使しうる会社も関連会社に含めます。当社グループは、関連会社に対する投資について、持分法を用いて会計処理を行います。
(2) 外貨換算
当社グループの連結財務諸表を構成する各連結対象会社の財務諸表は、事業を営む主要経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定されております。連結財務諸表は、当社グループの表示通貨である日本円で表示されております。
外貨建取引と残高
① 外貨建取引は、取引日における為替レート又は公正価値評価測定時における為替レートを用いて機能通貨に換算しております。換算又は決済により生じる為替差損益は、発生した期間に純損益として認識しております。
② 期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。期末日の再換算により生じる換算差額は純損益として認識しております。
③ 外貨換算による利得及び損失は連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に計上されております。
在外営業活動体の換算
当社グループにおいて表示通貨と異なる機能通貨を有する会社の財政状態及び経営成績は以下のとおり表示通貨に換算されております。
① 財政状態計算書の資産及び負債は期末日の為替レートを用いて換算されております。
② 損益計算書の収益及び費用は当該期間の平均為替レートを用いて換算されております。
③ その結果生じる換算差額は、その他の包括利益に認識され、累計額はその他の資本の構成要素に含めております。
在外営業活動体の持分全体の処分、及び支配、重要な影響力又は共同支配の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振替えております。
在外営業活動体の買収により生じるのれん及び公正価値の調整は、連結財政状態計算書日の為替レートで換算されております。
(3) 流動項目と非流動項目の分類
以下の基準のいずれかを満たす資産は、流動資産に分類しております。それ以外の場合は、非流動資産として分類しております。
① 実現することが期待されている、又は通常の営業サイクル内に売却又は消費される予定の営業活動から生じる資産。
② 主にトレーディング目的で生じる資産。
③ 期末日から12ヶ月以内に実現すると予想される資産。
④ 現金及び現金同等物。但し、拘束性のある現金及び現金同等物、並びに期末日から12ヶ月以上経過した後に交換又は使用される現金同等物を除く。
以下の基準のいずれかを満たす負債は、流動負債に分類しております。それ以外の場合は、非流動負債として分類しております。
① 通常の営業サイクル内に決済されると予想される負債。
② 主にトレーディング目的で生じる負債。
③ 期末日から12ヶ月以内に決済される負債。
④ 返済日が期末日後少なくとも12ヶ月間無条件で繰延べられない負債。但し、保有者の選択により持分金融商品の償還が可能な負債は、流動負債には分類されません。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金及び随時引き出し可能な預金からなっております。
(5) 金融商品
① 金融資産
a.当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について償却原価で測定する金融資産に分類しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
すべての金融資産は、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
b.事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
c.認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は金融資産を譲渡し、当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識しております。
d.減損
償却原価で測定する金融資産の予想信用損失について、損失評価引当金を計上しております。損失評価引当金の認識にあたっては、報告期間の末日ごとに償却原価で測定する金融資産又は金融資産グループに当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかを検討し予想信用損失を認識しております。期末時点で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増加していない場合には、期末日後12ヶ月以内の生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)を認識しております。
一方、期末時点で、金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増加している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)を認識しております。
営業債権及び契約資産について、当社グループはその当初認識時から全期間の予想信用損失に等しい金額で認識する、IFRS第9号「金融商品」が認める単純化したアプローチを適用しております。
② 金融負債
a.当初認識及び分類
当社グループは、金融負債について、その当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債又は償却原価で測定する金融負債に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融負債に関する契約の当事者になった時点に当該金融商品を認識しております。
償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
b.事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値の変動額を純損益として認識しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、条件付取得対価が該当します。
c.認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となったときに、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び負債の相殺表示
金融資産及び金融負債は、当社グループがそれらの残高を相殺する法的に強制可能な権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(6) 有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入費用が含まれております。交換部品等その他のすべての修繕は、発生した連結会計年度中に純損益に計上しております。
減価償却については、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。土地は減価償却をしておりません。
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日に見直しを行い、必要に応じて改訂しております。資産の耐用年数及び残存価額に対する予想が以前の見積りと異なる、又は資産に含まれる将来の経済的便益の消費のパターンが著しく変化した場合、その変動はIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」(以下、「IAS第8号」という。)の下での見積りの変更として会計処理することとなります。
有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物附属設備 2~8年
・その他の有形固定資産 2~10年
(7) リース
当社グループは、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該取引をリースと判断しております。リースは、使用権資産が当社グループによって使用可能となった日に、使用権資産及び対応するリース負債として認識されております。短期リースについては、リース料はリース期間にわたり定額法で費用として認識されております。
リース負債は、リース期間開始日現在の残存リース料の正味現在価値をリース計算利子率を用いて、又は当該利子率が容易に算定できない場合には当社グループの追加借入利子率を用いて割り引いて算定しております。
リース料は以下のもので構成されております。
① 固定リース料から、未収リース料を控除した金額
② 経済指数又は金利に応じて変動するリース料
③ 残価保証に基づき借手が支払う予定の金額
④ 購入オプションの行使が確実と判断された場合の当該オプションの行使価格
⑤ 借手がリース期間中に購入オプションを行使しない場合のリース終了に伴う違約金の支払額
当社グループでは、リース料の支払は負債の返済分と金融費用に配分しています。金融費用は、各期間において負債残高に対して一定の期間利子率となるように、リース期間にわたり純損益において費用処理しています。リース契約の変更に起因しないリース期間又はリース料の変動があった場合、リース負債は再測定され、再測定額は使用権資産の調整として認識されております。
開始日現在、使用権資産は以下のものを含む原価で表示されております。
① リース負債の当初認識額
② リース期間開始又は開始前に生じたリース料
③ 借手が負担した初期直接費用
④ 原状回復費用
なお当社グループは、IFRS第16号「リース」が認めている実務上の簡便法として、原資産のクラスごとに、非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
使用権資産は、毎期原価モデルに基づき測定され、リース期間開始日から資産の耐用年数の終了又はリース期間の終了までのいずれか短い期間にわたり減価償却されております。リース負債が再測定された場合、再測定額は使用権資産の調整として認識されております。
(8) のれん及び無形資産
のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(16)企業結合」に記載しております。
その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用のみとなります。
無形資産の償却については、無形資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。
償却方法及び耐用年数は、連結会計年度末日に見直しを行い、必要に応じて改訂しております。無形資産の耐用年数に対する予想が以前の見積りと異なる、又は無形資産に含まれる将来の経済的便益の消費のパターンが著しく変化した場合、その変動はIAS第8号の下での見積りの変更として会計処理することとなります。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア開発資産 5年
・顧客関連資産 3年
・ソフトウェア 5年
研究開発費
研究関連支出は、発生時に費用認識しております。開発関連支出は、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみIAS第38号「無形資産」の資産の認識基準に従って資産計上しております。なお、研究関連支出と開発関連支出が明確に区分できない場合には、研究関連支出として発生時に費用認識しております。
(9) 非金融資産の減損
繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を連結会計年度末日ごと及び減損の兆候を識別した時に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっております。
減損損失については、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には純損益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
過去に認識した資産の減損損失については、四半期ごとに減損損失の戻し入れを示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合には、減損損失を戻し入れております。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。なお、のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。
(10)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが合理的に見積り可能である法的債務又は推定的債務を現在の債務として負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高い場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に固有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。将来生じる事象を起因とした営業損失に対する引当金は認識しておりません。
当社グループの引当金には、資産除去債務が含まれております。当該引当金は、賃借建物に対する原状回復義務に備え、過去の原状回復実績及び事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間等を基礎として、各物件の状況を個別に勘案して資産除去費用を見積り、資産除去債務として認識しております。
(11)従業員給付
短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
有給休暇費用については、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供したときに負債及び費用として認識しております。
年金 - 確定拠出型年金制度
確定拠出型年金制度は、企業が一定の掛金を別個の事業体(基金)に拠出し、たとえ基金が従業員の当期及び過去の期間の勤務に関連するすべての従業員給付を支払うために十分な資産を保有しない場合でも、企業がさらに掛金を支払うべき法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型年金制度の拠出金は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。前払の拠出金が、報告日末前の勤務に対する掛金を超過する場合には当該前払が現金の返還又は将来の支払の減少となる範囲で資産として認識されております。
(12)株式に基づく報酬
当社の最終親会社であるAppier Holdings, Inc.は持分決済型の株式報酬制度を運用しており、株式及びオプションは当該最終親会社により当社グループの役員及び従業員に付与されております。株式及びオプションの付与と引き換えに従業員から受け取るサービスの価値は、権利確定期間にわたって報酬費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。権利確定期間にわたり費用化される金額は、付与日における付与された株式及びオプションの公正価値及び権利確定日における株式及びオプションの数を参考に決定されます。各期末日において、当社は権利確定日における株式及びオプションの数を修正し、当該修正の影響を報酬費用として認識し、同額を資本剰余金の修正として認識しております。
(13)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金費用は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りで測定しております。税額の算定に当たっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して資産負債法に基づき認識しております。繰延税金資産は一時差異及び未使用の繰越欠損金について、それらを利用できるだけの課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
① のれんの当初認識における将来加算一時差異
② 企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれかの損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識にかかる一時差異
③ 子会社及び関連会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
④ 子会社及び関連会社に対する投資にかかる将来減算一時差異のうち、予見可能な期間内に一時差異が解消される可能性が高くない場合
繰延税金資産は、一時差異を利用できるだけの将来の課税所得が生じる可能性が高い範囲内においてのみ認識しております。繰延税金資産の回収可能性の評価には、将来の予想売上収益成長率及び利益率、利用可能な税額控除、税務計画等の予想を含む、重要な会計上の判断及び経営者の見積りが含まれます。また、法律及び規制の新設、改訂等により、繰延税金資産が大幅に調整される可能性があります。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税主体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものについてであります。
(14)資本金
発行した普通株式に対する払込額については資本金として計上しております。新株又はストック・オプションの発行に直接起因する増分費用は、発行により増加した資本金額から控除(税引後)する形式で表示されております。
(15)収益認識
当社グループでは顧客との契約について、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは主にAIプラットフォームを用いたソリューションを提供しております。具体的には、AIの技術を活用して生涯価値の高いユーザーの獲得を可能にするソリューションを提供するデジタルマーケティングサービス、ユーザーエンゲージメント、ユーザーターゲティング又はデータサイエンスを行うプラットフォームを基礎としたオンラインサービスの提供を行っております。デジタルマーケティングサービスについては、インターネットユーザーが当社の提供するキャンペーンに対し一定の反応をするにつれて履行義務が充足されるため、その量に基づき契約期間にわたって収益を認識しております。売上原価には、収益を生み出すことに直接関連するコストのみが含まれており、主な内容はサービス提供に伴い外部に支払う費用であります。プラットフォームを基礎としたオンラインサービスの提供については、履行義務が継続して充足されるため、当該オンラインサービスの提供期間にわたって収益を認識しております。なお、デジタルマーケティングサービスについては、顧客への請求時点まで契約資産として認識し、顧客への請求時に営業債権として認識しております。
当社グループが提供するサービスの履行義務の充足期間は、主に1年以内の契約であり、重大な金融要素は含まれておりません。顧客より契約条件に基づいて前払を受けた場合には、契約負債として認識しております。
(16)企業結合
当社グループは企業結合の会計処理に関して、取得法を適用しております。取得対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債、当社が発行した持分及び条件付対価契約から生じる負債の公正価値が含まれております。
企業結合に関連して発生するすべての費用は、発生時に費用処理しております。
企業結合において取得した被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債は、取得日の公正価値で測定しております。資産又は負債とみなされた条件付対価の公正価値の事後の変動は、IFRS第9号「金融商品」に準拠して純損益として認識しています。
取得日時点で測定した取得対価の公正価値と被取得企業に対する非支配持分の金額の合計が、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額の超過額はのれんとして計上しております。逆に下回る場合には、純損益として認識しております。
(17)1株当たり利益
当社グループは、基本的及び希薄化後1株当たり利益(親会社の所有者に帰属)を開示しております。基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり利益は、すべての希薄化効果のある潜在株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。