有価証券報告書-第7期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/31 15:31
【資料】
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【項目】
124項目
2.戦略
(1) 気候変動
当社グループは、リスクシナリオ分析の結果に基づき、気候変動が当社グループの事業に与えうる影響を認識し、事業に直接影響を与えるリスクと機会の管理に関して、透明性と主体性が重要であると考えています。
以下の表では、短期(0-3年)、中期(3-10年)、長期(10年以上)の各時点において、当社グループの事業に影響を与える可能性のある気候関連のリスクと機会およびこれらを管理し影響を軽減するための戦略を特定しています。
移行リスク
リスク分類リスク内容時間軸移行リスクへの対応
温室効果ガス排出に対する価格の上昇低炭素経済への転換に対応するため、多くの国がカーボンプライシングや炭素税の導入を実施又は計画している。当社グループが事業を展開する地域において、このような規制が導入された場合、事業コストの増加や、このような法規制に対応できず企業価値が損なわれるリスクがある。長期・社内基準の策定による電力消費量の削減
・法令遵守の徹底
原材料コストの上昇日本政府による「エネルギー基本計画」のように、エネルギー政策によりエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を高めることが要求されることにより、電力価格が上昇し、電力調達コストが増加する可能性がある。長期・社内基準の策定による電力消費量の削減
・省エネの推進
ステークホルダーの懸念やネガティブなフィードバックの増加投資家やお客様の気候変動への対応に対する懸念や要求が高まることにより、企業はステークホルダーの期待に応えるための行動を取らなければ、既存・新規の事業機会を失うというプレッシャーを受けている。また、ステークホルダーからの要求に応えることにより、事業コストが上昇する。中期・気候変動に対する戦略の透明性を確保するため、当社グループのウェブサイトでESG関連情報を積極的に開示


物理的リスク
リスク分類リスク内容時間軸物理的リスクへの対応
異常気象の深刻化気候変動により台風等の異常気象の影響は甚大となり頻度も増加することで、当社グループの設備に損害を与え、事業運営が中断する可能性がある。異常気象により当社グループの事業運営や製品提供・サービスが中断された場合、復旧費用が増加する可能性がある。中期・全社的なリスク管理手順(リスク管理規程)に従い、潜在的なリスクを評価し、定期的なモニタリングを実施
・マルチソーシングの拡大等の対策を実施
・要求される機器の性能を正確に評価し、休止中の機材や装置のコストを削減
・再生可能エネルギーを利用するデータセンター業者の選択
・長距離輸送によるコスト増や輸送中の資産の損傷を避けるため、社内で使用する実物資産を現地調達
平均気温の上昇気温の上昇と長期間の干ばつは、エネルギーと水の消費量の増加につながり、事業コストを上昇させる中期・社内の省エネ・節水を推進

機会
機会の分類機会の内容時間軸機会に対する取り組み
持続可能な製品・サービスの開発エネルギー効率の高い製品・サービスを開発・提供することにより新たなビジネスチャンスが生まれ、売上の増加に貢献する。また、より効率的なアルゴリズムやモデルは、製品性能の向上やインフラコストの低減につながり、当社グループの製品・サービスの市場競争力を高める。短期・お客様のために、事象をより正確に予測し更に効率的に学習するアルゴリズムを開発
・お客様のために、高いパフォーマンスを発揮するためのイノベーションを継続
ステークホルダーからの信頼度向上を伴う報告体制の強化投資家は気候変動に関連する問題や、企業がそれらの解決に取り組む手段への関心を高めている。ESG情報開示の透明性の向上とコミュニケーションの効率化により、ステークホルダーは当社グループのESG戦略に対する理解を深め、Appierのブランドイメージを向上させ、より多くの投資機会をもたらす。中期・より包括的な報告の枠組み及び多くのデータを用いて、当社グループのウェブサイトでESG関連情報を積極的に開示
より効率的な勤務形態の活用ハイブリッドワークの導入により、毎日の通勤時間を削減することで、二酸化炭素排出量を削減するだけでなく、従業員に柔軟な働き方を提供することができる。また、テクノロジーの活用により出張の頻度を減らすことで、当社グループの環境負荷低減に貢献している。短期・従業員にハイブリッドワークへの適用を促進
・不要な出張を最低限に抑制


(2) 人的資本
デジタルソリューションプロバイダーである当社グループにとって、従業員は最も大切な資産です。当社グループが提供するソリューションの開発には、AIに関する集約された専門知識が必要です。競争の激しいハイテク業界において、スキルの高い従業員を採用し維持することは、当社グループにとって最優先の課題です。当社グループは、各種の福利厚生や支援制度を通じて、従業員の福祉に配慮しています。また、当社グループの人的資本管理は従業員一人ひとりを尊重しており、性別、国籍、人種等の個人の能力とは関係のない属性にかかわらず、コミュニティの全員に均等な機会を提供する企業文化を有しています。さらに、AI研究の発展を積極的に後押しするために、教育機関と連携して若手人材への助成を行っています。
当社グループが重視するトピックおよび具体的な取り組みは以下のとおりです。
重要なトピック定義および
当社グループにとっての重要性
現在のアプローチおよび取り組み
人材育成当社グループの事業戦略を達成するため、適切なスキルを有する適切な人材を採用し、マネジメントし、専門的な能力を開発し、人材の流出を防止します。当社グループが重視し、目指しているESGの考え方を持つ人材の採用と育成:
当社グループは、長期的な成長と持続可能性を重視する企業文化の構築に取り組んでいます。企業の持続可能性は、未来志向の人材の確保するための独自の価値であると考えています。また、社内人材のスキル向上のため継続的に研修を実施し、このような考え方を日々の業務に組み込んでいます。
多様性および機会均等性別、宗教、人種、年齢、民族性、性的指向、学歴等の属性が異なる個人を指示する人材を育成します。これには、公平な待遇や報酬等、全従業員に均等な機会を提供することが含まれます。コアバリューとしての多様性、公平性、一体性(DE&I):
•当社グループは、15ヵ国に17のオフィスを構えており、従業員は現地で雇用し、性別、宗教、人種、年齢、配偶者の有無などの個人的な属性にかかわらず、実績に基づいて報酬と均等な機会を提供しています。
•DE&Iは当社グループの行動規範においても強調されており、当社全体の正式な方針の一つとなっています。
従業員の福祉・健康・安全労働安全衛生や、社会的、経済的、精神的、身体的な幅広い福祉を含む、従業員の福祉・健康・安全を守ります。安全かつ健康的で思いやりのある労働条件:
•当社グループは、従業員にさまざまな支援と福利厚生を提供しています。これには、競争力のある報酬、団体医療保険、従業員紹介ボーナス、標準的な制度よりも優れた年次有給休暇制度、広々とした柔軟な職場環境、実地研修(OJT)、レクリエーションなどが含まれます。
•当社グループの行動規範には、リスクのない環境で働くことも含まれています。暴力や虐待、健康や安全を脅かす恐れのある潜在的な危険性がある場合に、従業員が利用できる報告窓口を設けています。