訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/10/29 10:00
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【項目】
124項目

有報資料

本書提出日現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものになります。
(1)経営方針及び経営環境
当社は、「テクノロジーデシンプルニ」をビジョンに掲げ、複雑な外部環境リスクから企業を守ることを目指しております。近年、様々な社会情勢の変化により、企業を取り巻く外部環境が多様化し、事件や事故が起こることで新たな規制強化等が行われてきました。その中で、当社は、GRC及びセキュリティの視点に着目し、企業が抱える外部環境への課題を解決する事業を展開しております。
環境の変化や規制強化としては、個人情報の規制強化、電子決済の普及、サイバー攻撃の高度化、テレワークの急拡大、従来型のガバナンス体制の見直し等が挙げられます。これらの変化により、企業は、重要なシステムの停止、多額のリカバリー費用、信用失墜や取引減少等の経営に直結するリスクに晒されております。変化が起きる度に、企業は対応を迫られるものの、日本国内においては、ガバナンスの強化やセキュリティ対策の整備など、GRCやセキュリティへの対応が遅れております。当社はこの課題に対し、専門性の高いサービス提供を行いながら、その必要性を啓蒙し、GRC及びセキュリティに対する意識向上を図ってまいります。
なお、近年、複雑化する外部環境の主な変遷は下記のとおりです。
外部環境の変遷
時 期事 象説 明
2017年決済サービスの不正アクセス問題大手小売企業の決済サービスにおいて、認証フローの不足から不正アクセスが発生する。
2018年GDPR施行※欧州における個人情報保護の厳格化に伴い、情報の取扱いが大きく変化する。
2019年不正販売問題全社的リスク管理の不備から、保険会社の不正販売問題が起こり、特別調査委員会による約3千万件の全契約について調査が行われる。
2020年~感染症対策リスク新型コロナウイルス感染症が発生し、グローバルレベルでのリスク管理が急務となる。
テレワークの普及新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、テレワークが普及し、通信量の急増に伴うセキュリティ対策が課題となる。
コーポレート・ガバナンスコードの改訂上場市場の区分再編に伴い、新市場であるプライム市場に該当する企業を中心に更なるガバナンスの向上が必須となる。
ESG投資の拡大財務情報以外の、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資が拡大し、当該情報開示の重要性が注目される。

※ 「欧州経済領域内の各人が自身で自身の個人データをコントロールする権利を保障する」という基本的人権の保護を目的とする法律。
(2)経営戦略等
当社は、3ヵ年(2021年11月期から2023年11月期まで)の戦略として、ソリューションとプロダクトの連携を強化・促進することで、顧客1社あたりの収益を拡大させていく方針であります。顧客収益を下記のとおり取引金額別のフェーズに区分することで管理しております。
フェーズZ:1億円超
フェーズC:5,000万円超1億円以下
フェーズB:3,000万円超5,000万円以下
フェーズA:1,000万円超3,000万円以下
フェーズB(取引金額3,000万円超5,000万円以下)以上に該当する顧客を増加させること、また、将来的にフェーズB以上へつながるフェーズA以下の顧客層を開拓することで、顧客基盤の強化を図ってまいります。
① フェーズA以下の顧客をフェーズB以上へ移行
既存顧客に対する提供サービスの拡大を重点的に行う方針であります。現状では、GRCソリューション、セキュリティソリューション、GRCプロダクトのうち、いずれかのサービス提供がメインとなっており、1顧客へ全てのサービスを提供しているケースは少ない状況にあります。そのため、顧客の顕在化したニーズに対して、これら3サービスの連携強化によりクロスセルを行い、ワンストップで提供可能な体制を構築することでサービス拡大によるアップセルに努め、収益拡大を図ってまいります。
具体的には、GRCプロダクトのデータ活用により、全社的な情報管理・共有を効率的に行い、企業の課題を容易に可視化できる体制を整えます。それにより、GRCプロダクトを活用したアナリティクスの実施が可能になることで顧客の課題を可視化し、優先順位をつけることで明確化された取組み課題に対して、解決のためのソリューションを提供しております。また、必要に応じたプロダクトの導入支援を行っております。改善された後は、企業活動の中で改善状態が維持されていることを計画的に確認する必要があり、顧客の日々のオペレーションをモニタリングしております。
② 将来的にフェーズB以上となる見込みがあるフェーズA以下の顧客層を開拓
将来的な収益拡大を図るため、フェーズB以降へ繋がる見込みがあるフェーズA以下の顧客層を開拓いたします。日々変化するリスクに伴い顧客のニーズも変化しており、その顧客ニーズに迅速に対応するべく取扱うGRCプロダクトを拡充することで、顧客層の開拓を進めてまいります。
現状では、情報管理体制が未整備である企業が多く、プロダクト導入の前段階としてコンサルティングに対する需要が高い傾向にあります。顧客ニーズを見極め、サービスを提供しております。
GRC及びセキュリティの領域における課題の可視化から解決までのプロセスは、企業活動の中で定期的に、且つ繰り返し行われることが望ましいことから、顧客との取引関係は長期間に及んでおり、そうした長期の取引関係の中で企業を守る伴走者となれるよう努めております。このプロセスを繰り返し行うことで、顧客の新たなニーズを捉え、解決策を提案しており、既存顧客の受注取引は増加しプロジェクトが継続する傾向にあります。その結果、成長性と安定性を実現する収益構造となっており、直近の売上構成は下記のとおりであります。
(単位:千円)
2018年11月期2019年11月期2020年11月期
売上高構成比売上高構成比売上高構成比
既存顧客568,01173.7%907,01682.4%1,223,74485.5%
新規顧客202,65126.3%194,12817.6%208,10514.5%
合計770,662100.0%1,101,145100.0%1,431,849100.0%

(注)既存顧客は過年度より取引関係を有している企業とし、新規顧客との取引は翌期以降の既存顧客に含めております。
また、2020年11月期の実績は、フェーズB以上に該当する顧客は10社、その売上高合計は975,930千円であり、主な業種として、金融、通信、グローバル展開を行っている企業を中心に取引を広げております。当該3業種は、海外規制、監督官庁のレギュレーションが厳しく、高い水準のリスク管理体制が必要であることから、需要が顕在化しているものと認識しております。
当社は、ガバナンス体制の強化やリスク対策の潜在的な需要や企業の投資可能額に鑑み、上場企業をメインターゲットとし、まずは、上記の3つの業種(金融、通信、グローバル)との取引拡大に努めます。ノウハウを蓄積してサービスを多角化することで、将来的には上記以外の業種へ展開できる体制を整えてまいります。
今後も、企業を取り巻く外部環境の変化は続き、顧客が対応を必要とするリスクも日々刻々と変化することが想定されます。そのため、GRC及びセキュリティの領域に特化した専門企業としての知見を活かし、顧客からの需要が見込まれる新たなソリューションやプロダクトの提供を継続して行ってまいります。当該領域において先進的な海外企業が有する知識を吸収・活用し、また、日本国内において当社顧客が抱える課題に合致するよう自社でサービスを開発するなど、顧客に対して提供するノウハウの拡充に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「(2)経営戦略等」において記載しました各フェーズにおける顧客数に加え、売上高、売上総利益及び売上高総利益率を3ヵ年(2021年11月期から2023年11月期まで)の重要な指標と考えております。
なお、各フェーズにおける顧客数について、事業年度ごとの年間取引金額を合理的に見積もることが困難であることから、計画の詳細を開示する予定はございません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 顧客基盤の更なる拡大
当社のGRCソリューション事業において、外部環境の変化に伴い様々なリスクに直面している幅広い業種の企業に対して、事業展開を計画しております。現状のビジネス規模を維持拡大していくために、足元では既存のGRCソリューションやセキュリティソリューションにおいて確実に成果を出して顧客の信頼を獲得し、顧客内シェアを高めていくとともに、監査法人やSIer※を中心としたパートナー企業との関係を強化するなど、顧客基盤の拡大に向けた営業活動を強化してまいります。
(※)システム開発や運用等を請け負う企業
② サービス競争力の向上
当社のGRCソリューション事業において、サービスラインに準拠した組織体制作りを行っております。各プロジェクトリーダーを中心に、サービス強化の方向性について検討するとともに、各サービスの競争力向上に向けた施策に取り組み、多様化する顧客ニーズに対応してまいります。
③ プロジェクトマネジメント能力及び品質管理体制の強化
当社のGRCソリューション事業において、幅広い業種の様々なリスクに対して効果的にサービスを創出していくためには、組織全体としてのプロジェクトマネジメント能力の強化が必要と認識しております。プロジェクトの全ての局面(計画・設計から導入まで)におけるマネジメント技法の更なる洗練及び標準化を推進するとともに、プロジェクトレビューの充実などを通じ、プロジェクト遂行上発生する課題に対して予防的に対応し、常に一定水準以上の品質を維持管理できる体制構築を進めてまいります。
④ パートナー企業(外注先)との関係性強化
当社では、全てのプロジェクトについて社内人員のみで対応するのではなく、プロジェクトの内容や局面に応じて、専門性やコスト面も考慮して選定した適切なパートナー企業(外注先)にプロジェクトへ参画していただいております。プロジェクトの成功のためには、単に、スキル要件を満たしているだけでなく、継続的取引先として、業務を委託する上での信頼感があるパートナー企業(外注先)から、タイムリーにリソースの提供を受けることが不可欠であり、これを可能にすべく、適切なプロセスを経て選定されたパートナー企業(外注先)との関係性強化に取り組んでまいります。
⑤ 優秀な人材の確保及び育成
当社では、積極的に事業規模及び事業領域を拡大していく上で、人材が最も重要な経営資源であると考えております。当社が展開するサービスでは、プロジェクトに参画し顧客に対し適切なサービスを提供し、顧客ニーズに応じて様々な提案型営業やコンサルティングができる、質の高い人材が必要であり、積極的な採用活動を行いながら、社内における教育基盤(人材育成プラン)や人事評価制度を整備し、研修やプロジェクトの現場を通じた、優秀な人材を育成し、定着化させていく仕組み作りを進めてまいります。
⑥ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化
当社では、今後の更なる事業拡大に向けて、会社規模に応じた適切な内部管理体制の整備を進めるとともに、運用面の徹底を推進し、実効性のある、効率的かつ信頼性の高い組織基盤を構築・運用してまいります。また、社外のステークホルダーとも緊密な関係を維持し、会社運営の透明性を高めるなど、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでまいります。
⑦ 財務基盤の強化
当社は、継続的にサービスを提供し、サービスメニューの拡充や新しい技術を取り入れていくために、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると考えております。このため、一定の内部留保の確保や費用対効果の検討による各種コストの見直しを継続的に行うことで、財務基盤の強化を図ってまいります。

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