有価証券報告書-第12期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、厳格な要件が求められる法人向けで実績豊富なクラウド型認証プラットフォームである「Akerun Access Intelligence」を基盤に、スマートロック等のIoT機器やソフトウエアを活用したAkerunブランドのHESaaSのサービスの普及拡大に加え、ギグワーカーを通じて様々な空間における人手不足の解決を支援する「Migakun」の施設運営BPaaSのサービス、さらに新たに当社グループに加わった店舗の無人化・省人化に特化したクラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」によるSaaSのサービスを展開することで、少子高齢化に伴う人手不足等の社会課題の解決に向けて、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの構築に取り組んでおります。
そして、これら社会課題の解決を目指す空間DX事業を法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体等の幅広い業界で展開し、リカーリング収益の最大化を通じた事業拡大を推進しております。
当社グループでは今後の経営方針として、中核サービスであり市場における実績が豊富なAkerunを起点として、Akerunにおける機能強化や営業活動の効率化、そしてAkerunの周辺領域における新規サービスの拡充等により、無人化・省人化のためのソリューション提案に注力することで事業成長を追求する計画であります。
営業活動における効率性と収益性を強化しながら、当社グループの各サービスを組み合わせたソリューション提案を通じた売上高と調整後EBITDAの継続的な成長、ARPUやLTVの最大化、そしてChurn Rate(解約率)の最小化による事業拡大を目指しております。また、開発においては新たに新規事業の創設を目指してフィジカルAI領域への参入に加えて、既存サービス/製品のさらなる進化と安定的な運用に注力する計画であります。
顧客や市場のニーズを的確に捉えた新サービスの効率的かつアセットライト(注)な開発を推進する計画であります。また同時に、中核サービスであるAkerunの周辺領域のプロダクトやサービスをアライアンスやM&A等を通じて取り込むことで、早期の収益化を実現するポートフォリオの拡充と事業基盤の強化を目指しております。
(注)アセットライトとは、資産(Asset)の保有を抑えながら、外部委託やリース等を活用して財務負担を軽く(Light)することで、市場環境等の変化への対応を目指す経営手法のことであります。

具体的な経営方針及び成長戦略は以下の通りであります。
当社グループの事業成長にあたっては、Akerunの顧客数の最大化を目指す“マーケット開拓”と、Akerunを中心としたソリューション提案による顧客単価の最大化を目指す“ソリューション開発”に特に注力する計画であります。この“マーケット開拓”と“ソリューション開発”を掛け合わせることで、顧客数と顧客単価を乗算した事業収益の最大化を目指しております。
① ソリューション提案の起点となるAkerunの顧客数の最大化(マーケットの開拓)
当社グループとしての事業成長にあたっては、市場における実績が豊富なAkerunを起点として、従来の主要顧客である法人オフィスに加え、商業施設、住宅、教育機関、医療機関、自治体等の新たな市場に向けた価値提供をより一層加速する計画であります。新たな市場の開拓にあたっては、無人化・省人化のニーズが旺盛な商業施設、不動産物件におけるスマート化のニーズが旺盛な住宅、そして従来型システムからの脱却とDXへのニーズが旺盛な教育機関/医療機関/自治体等への提案及びマーケティング活動等の強化により新たな需要を取り込み、Akerunの顧客基盤の拡大を図る考えであります。
また、これらの市場へのアプローチには、当社グループが従来から推進する営業チャネルのさらなる多様化も強化する計画であります。具体的には、Akerunの導入シーンに高い親和性を有する外部のシステム連携パートナー、オフィス複合機等を取り扱うOA機器のベンダーや商社、そして空間や施設そのものを取り扱う不動産事業者等のパートナーの開拓と拡充を通じて、あらゆる空間や施設におけるAkerunの提案機会の獲得と販売拡大を促進する計画であります。

② ソリューション提案のためのAkerun周辺領域におけるサービス/製品開発を通じた顧客単価の最大化(アップセル/クロスセル商材の開発)
当社グループでは、各マーケットに対するアップセル/クロスセルのためのソリューション提案を促進することで、顧客単価の向上を目指す計画であります。特に、ソリューション提案の起点となるAkerunとのデータ連携、ターゲット顧客、導入タイミング等のシナジーを発揮する、Akerun周辺領域におけるサービス/製品を中心とした商材の拡充により顧客あたりの単価の最大化を目指しております。実際に、当社グループが提供するAkerunとMigakun並びにfixUのクロスセルにおいては、当社グループの顧客における両サービスの重複導入割合や顧客単価の向上等に対して、クロスセルの効率性及び収益性に顕著な成果を生み出しております(注1)。
商材ラインアップの拡充にあたっては、Akerunを起点としてアップセル/クロスセルしやすく、収益性に優れた商材の選定を進める計画であります。具体的には、当社グループで提供する住宅向けAkerun、Akerun QR受付システム、Akerunデジタル身分証、Migakun、fixU等の各サービスに加え、業界最大規模(注2)の勤怠管理/会員管理/決済等のシステム等のAPI連携サービス、そして今後はセキュリティ用途でのシナジーを発揮するAIカメラ、施設環境の向上のための各種サービス、無人化・省人化でのシナジーを発揮する各種システム等の商材の拡充を進める計画であります。
また、商材ラインアップの拡充にあたっては、当社グループの認証、IoT、クラウド等のコアテクノロジーのアセットを活用した自社開発だけでなく、Akerunとの高いシナジーを発揮する商材を提供する企業との業務提携や協業、そして必要に応じてM&A等も視野に、資本効率に優れた商材の拡充をスピーディに進めていくことで、早期の収益化を実現することを目指しております。

(注) 1.当社グループの注力する特定マーケットにおけるテストマーケティングや事業シミュレーションをもとに算出。
2.業界各社の報道発表等を元にした自社調べ。
(2) 2026年度からの中期経営計画を通じた事業成長の再加速
当社グループでは、様々な変化に対応するため、組織としてのレジリエンシーを高めることを目的に、営業利益の黒字化に向けた継続的な事業成長に加え、収益性の強化や生産性の向上を目指し、2023年度を開始年度とした中期経営計画を策定し、中期経営計画の目標の1つであった2023年中の連結営業利益の単月での黒字化を同年12月に達成、また2024年12月期の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化も達成しております。
そして今回、前回の中期経営計画の目標である各指標の黒字化と収益性・生産性の強化における成果を踏まえ、これからの中長期的かつ持続的な事業成長を図るために、売上成長の再加速と調整後EBITDAの拡大を目指して、新たに2026年12月期を開始年度とする中期経営計画を策定しております。
2026年12月期を開始年度とする中期経営計画の概要は以下の通りであります。
<市場機会>前述の通り、日本国内では、少子高齢化に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口(15〜64歳)の減少といった社会課題に直面しており、オフィスにおける人手不足に起因する過重労働や生産性の低下、観光業界における訪日外国人旅行客の増加に伴う人手不足や機会損失、教育機関等における働き方改革の要請、そして小売店舗や飲食店等におけるアルバイトを含む人材不足による営業時間の短縮や機会損失等、現在そして将来にわたって企業だけでなく日本経済自体の成長への大きな課題となっております。
当社グループでは、この社会課題の解決を目指し、新たにビジョンとして掲げる「人手に依存しない、自律型の物理空間で、社会を自由化する。」の理念のもと、中核サービスであるAkerunに加え、堅調な成長を続けるMigakun、新たに当社グループに加わったfixU、そしてAPIで連携する外部サービスや今後開発予定のサービス等を組み合わせた物理空間の無人化・省人化のためのソリューションによる価値提供を通じた事業成長を図る計画であります。
<中期経営計画で注力する施策>当社グループでは、中期経営計画における具体的な取り組みとして、以下の3つの取り組みを事業成長の柱として位置付け、売上成長の再加速及び調整後EBITDAの拡大を図る計画であります。

① [マーケット開拓] Akerunの加速度的拡大(Akerunの顧客数の増加に向けた戦略)
当社グループでは、中核サービスであり、また市場での実績も豊富なAkerun事業のさらなる成長が事業成長の再加速に必要であると認識しており、そのための施策として、「光通信グループとの強力なパートナーシップを通じた拡販」と「大規模顧客の獲得に向けた営業活動の強化」に注力する方針であります。
Ⅰ.光通信グループとのパートナーシップを通じた拡販
当社グループは、中核サービスであるAkerunをはじめとした当社グループのサービスの提供拡大に向けて、強固な営業力及び営業ネットワークを有する光通信グループの各社との販売パートナー契約を推進しております。これにより、数多くの営業人員や代理店を有する光通信グループとの協業を通じた売上及び調整後EBITDAの加速度的な増加を図ってまいります。

Ⅱ.大規模顧客の獲得に向けた営業活動の強化
中核サービスであるAkerunのこれまでの市場における実績やその有用性が評価され、従来の主要顧客であった小規模〜中規模の企業に加えて、直近では大手不動産会社や大手自動車メーカーの営業所などを中心に数百拠点規模の導入を獲得しております。また、兵庫県豊岡市による導入をはじめとして自治体が運営する施設における管理の無人化・省人化にAkerunと予約管理等の連携サービスを組み合わせた導入も堅調で、さらに、「Akerunデジタル身分証」の学生証の用途における大型受注案件も好調に推移しております。
当社グループでは、これらの大型導入案件の受注が好調であることから、引き続き大型受注を獲得するための営業体制の強化や整備を積極的に進めることで、Akerunの売上の拡大を図る計画であります。

② [ソリューション開発]複数サービスのパッケージ化によるクロスセルの推進(顧客単価の増加に向けた戦略)
当社グループでは、大きなシナジーを有するAkerun、Migakun、fixUの各サービスを組み合わせた、空間管理のための統合的な無人化・省人化ソリューションの提供を推進しており、実際に直近ではこれら複数のサービスや、さらにはAPI連携する外部サービスも組み合わせたクロスセル導入が加速しております。その結果、2025年12月期第4四半期におけるARPUは過去最高の48,536円(前年同期比14.5%増)を達成するなど大きな成果を上げております。
当社グループでは、この各サービス間の大きなシナジーを今後も最大限に活用し、さらなる売上の拡大に向けた「サービスのパッケージ化によるクロスセル」と、将来的なさらなる提供価値の向上を目指して「無人化・省人化に資するサービスやテクノロジーを保有する企業とのパートナーシップやM&A」を推進する考えであります。
Ⅰ.サービスのパッケージ化によるクロスセルの推進
人手不足等の課題から、当社グループのAkerunとMigakunを導入し、空間の管理運営におけるセキュリティ強化だけでなく、無人化・省人化を背景とした24時間営業による収益機会及び売上の増加、さらには人件費等のコスト削減を実現する施設が増加しております。実際に、コンビニエンスストア、書店、公民館、自習室、フィットネスジム、セルフ飲食店等では、当社グループが提供する無人化・省人化パッケージを導入し、24時間営業しながら売上の増加とコストの削減を実現しております。
当社グループでは、今後もこのような空間の無人化・省人化をワンストップで提供するためのサービスのパッケージ化を積極的に提案・推進することで、クロスセルによる売上の拡大を図る計画であります。
Ⅱ.M&Aやパートナーシップを通じた無人化・省人化のためのサービスやテクノロジーの拡充
当社グループでは、物理空間の無人化・省人化のための統合ソリューションの拡充を図っており、その一環として2025年10月に完全子会社化したfixUは、これまでもAkerunのAPI連携パートナーとして多くの共同受注実績があり、コワーキングスペースやレンタルスペース等の無人化・省人化を通じた収益性の向上に貢献しております。また、完全子会社化後も共同のソリューション提案の推進により堅調な実績を上げております。
当社グループでは、今後もこのような物理空間の無人化・省人化に資するサービスやテクノロジーを保持する企業とのパートナーシップやM&Aを今後も積極的に推進することで、サービスのパッケージ化を通じた提供価値の向上とクロスセルの強化を図る考えであります。また、M&Aにおいては、有人の小売店やホテル、飲食店等も対象とし、それらを当社グループの無人化・省人化ソリューションによって収益性を改善する等の取り組みも検討してまいります。

③ [新事業創出]フィジカルAIへの新規参入とサービス開発の推進(顧客への付加価値の強化に向けた戦略)
当社グループは、ハードウエア、組込み、AIを含むソフトウエア、製造までを網羅するフルスタックの開発体制に強みを有しており、さらに法人向け事業で培ったハードウエア/ソフトウエア両面での信頼性や安定性で豊富な実績を有しております。
そして、このフルスタックの開発体制を基盤に、無人化・省人化に資する新規事業の創出を目的として新たにフィジカルAI領域に事業参入しております。そして、このフィジカルAIの開発を推進するために研究開発拠点となる「Photosynth Physical AI Lab」を設立し、無人化・省人化のための業務支援ロボットなどの研究開発とその社会実装を目指しております。
将来的には、清掃、ビルメンテナンス、総務事務、警備、商品陳列、そして福祉・介護などを担う業務支援ロボットなどを想定した研究開発を行うことで、新規事業の創出と少子高齢化等の社会課題の解決に向けた取り組みを加速する考えであります。

当社グループでは、2026年12月期からの中期経営計画においてこれらの注力施策を強力に推進することで、グループ全体における売上成長の再加速及び調整後EBITDAの拡大を図る計画であります。
<中期経営計画における目標数値>前回の中期経営計画における黒字化と安定的な顧客基盤の構築における一定の成果を達成したこと受け、今回の2026年12月期からの中期経営計画では、当社グループの経済圏のさらなる拡大とそれに伴う本格的な利益創出、そして将来のさらなる事業成長に向けた事業基盤の構築と発展を推進する計画であります。
この2026年12月期からの中期経営計画の定量的な目標は、以下の通りであります。
① 中期経営計画の期間における毎年の売上成長率(注)で20〜30%を達成
② 2028年12月期における売上で58〜75億円を達成
③ 2028年12月期における調整後EBITDAで11.6〜15億円を達成

当社グループでは、前述の注力施策を推進することで、日本における少子高齢化等の社会課題の解決を支援する無人化・省人化産業の創出と、それに伴うさらなる事業成長を通じて上記の①〜③の定量目標の達成に向けて取り組む計画であります。
なお、この定量目標の達成に向けては、中長期的な企業価値の向上のために、資金調達が必要な場合でも株式の希薄化を伴う増資は行わず、財務規律を担保することを前提に有利子負債による調達を行う方針であります。
(注)売上成長率は、2026年12月期から2028年12月期にかけての年次平均売上成長率であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
① 規模や業種業態を問わないさらなる新規顧客及び新規ユーザーの獲得
当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」の導入顧客の新規獲得及びユーザー数の増加が経営方針における最重要課題であると考えております。「Akerun入退室管理システム」は、既存の扉に後付け可能、従来型システムにはないクラウドを活用した入退室ログの活用、勤怠管理/会員管理/決済等の外部システムとの連携によるユースケースの拡張性等の特徴から、国内の企業や商業施設、住宅における導入余地は引き続き非常に大きいものと考えております。
今後も営業体制の強化や生産性の向上、直販に加えて取次/再販等の販売パートナー/チャネルの新規開拓と拡大、従来の中小規模企業に加えて大企業や新たな業界への拡販など対象企業の拡充、そして技術開発や外部サービスとの連携拡大を通じたサービス自体の価値のさらなる向上等を通じて新規導入や追加導入を促進することで、それに伴う新規顧客及びユーザー数の拡大を図ってまいります。
② 技術開発力の継続的な向上
技術開発は当社グループの市場競争力の強化と持続的成長に欠かせないものであると認識しております。引き続き優秀な技術者の採用・育成を推進するとともに、研究開発への投資を通じた技術力の強化・拡充により、IoT、認証、クラウド、フィジカルAI等に関する先端技術を取り入れるなど、ハードウエア、組込み、アプリケーション、Web、AI等の各開発分野のさらなる技術力及び開発力の強化に取り組む計画であります。
③ 売上及び調整後EBITDAの中長期的な拡大
当社グループは、中長期的な売上及び調整後EBITDAの拡大を目指しており、第12期連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)は売上及び調整後EBITDAの継続的な成長を達成しております。
当社グループの収益の中心であるHESaaS、BPaaS、SaaSのビジネスは、リカーリングモデルで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的であります。しかしながら、直近の株式市場を取り巻く環境や競合環境、及びマクロ経済環境等を鑑み、当社グループでは経営の強靭化と売上や本業の儲けを示す調整後EBITDAの拡大が引き続き必要であると認識しております。
当社グループでは、事業の拡大によりストック収益を順調に積み上げるとともに、事業の収益性をより一層高めることで、今後も当社グループの提供するサービスを通じて、中長期的な売上及び調整後EBITDAの最大化に努めてまいります。
④ Akerunを起点としたソリューション提案によるサービス提供価値のさらなる向上と新規サービスの拡充
当社グループが提供する法人向け/住宅向けAkerun及びAkerunと連携する勤怠管理/会員管理/決済等の外部サービスによる価値提供に加え、MigakunやfixU等のその他の事業とのシナジーを通じたさらなる導入促進とユーザー基盤の拡大、そして既存顧客の満足度の向上のために、従来から提供する入退室管理や勤怠管理にとどまらない、MigakunやfixU等のAkerunの周辺領域の新規商材の提案等の提供価値のさらなる向上が必要であると認識しております。
当社グループでは、顧客環境の様々な課題を解決するソリューション提案及びクロスセルのための組織体制の再編、開発体制の強化・拡充を通じた新規サービスの開発、そして外部のパートナー企業との技術連携による継続的なサービス適用範囲の拡充を積極的に進めることで、市場における実績が豊富なAkerunを起点としたユーザーへのさらなる提供価値の向上を図ってまいります。また、事業成長のための起点としてのAkerunの法人、住宅、商業施設、さらには学校、医療機関、自治体への導入促進と規模を問わない顧客基盤の拡充等、新規事業とのシナジーやさらなる新規事業の開発を検討・推進してまいります。
⑤ 子会社の事業拡大と収益性の強化
当社グループのさらなる事業成長と収益性の強化に向けて、住宅領域におけるスマートロック及びその関連システムの普及と事業拡大に取り組む子会社のMIWA Akerun Technologiesと、ギグワーカープラットフォームを通じた施設運営代行サービスの普及と事業拡大に取り組む子会社のMigakun、そして無人化・省人化に特化した店舗運営のためのワンストップSaaSの普及と事業拡大に取り組む子会社のfixUにおける、サービス導入顧客の新規獲得及び営業利益の黒字化が必要であると認識しております。
当社グループでは、住宅領域における特に集合住宅等における不動産管理会社や不動産オーナー等の管理性の向上を目的とした旺盛な需要の取り込み、人手不足を背景とした施設や空間の運営における無人化・省人化へのニーズへの対応、そして店舗運営における無人化・省人化の要請とワンストップソリューションへの旺盛な需要に対して、当社の販売チャネルの拡大や各サービス間のシナジーを最大限に活かしたプロダクトのパッケージ化を積極的に図ることで、子会社の事業におけるさらなる新規顧客の獲得と売上成長に取り組んでまいります。
⑥ 情報セキュリティ体制の強化
当社グループの提供するサービスでは、認証に用いる個人情報等の機密情報を取り扱っております。この情報資産を保護するため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針を策定し、専任のセキュリティ担当者を設置しております。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)」の認証を本社及び大阪オフィス、福岡オフィス、物流拠点の各拠点で取得しております。また、技術開発にあたっては社内に専任の品質保証エンジニアを配置し、さらに外部のセキュリティ診断等も実施することで、システムとしての安全性と堅牢性の向上を図っております。これらの取り組みにより、全社的な情報管理体制を強化するとともに、従業員への継続的な情報セキュリティ教育を実施することで、情報セキュリティ体制を強化してまいります。
⑦ ガバナンスの強化
当社グループは鍵や認証というセキュリティに関する事業を行う企業として、ユーザーや市場からの信頼が必要不可欠であると考えております。情報管理、財務、IT、その他の社内制度等を含めた内部統制の継続的な策定、強化、改善を実施することで信頼を獲得し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
⑧ 優秀な人材の採用及び育成と定着
当社グループの将来にわたる持続的成長に向けて、優秀な人材の採用及び育成と定着が欠かせないものと認識しております。特に、サービスの開発や継続的な改善によるサービス価値の拡大を担うエンジニアと、さらなるサービス導入促進のための営業人員及び新規事業担当者の採用及び育成と定着が不可欠であると考えております。当社グループでは、優秀な人材の育成と定着に向けて積極的な人材の採用活動を実施するとともに、人材の育成と定着のための社内トレーニング体制の強化や企業文化の醸成等の施策を推進してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的に安定した売上成長率を維持すること、及び、本業の儲けを示す調整後EBITDAを拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標として主に売上、売上成長率、調整後EBITDAを採用しております。また、2026年2月に開示した「事業計画及び成長可能性について」において2026年12月期からの新たな中期経営計画を策定するとともに、2026年12月期の通期における業績目標を設定し、この目標の達成に向けた成長を加速させることに注力する所存であります。
(1) 経営方針
当社グループは、厳格な要件が求められる法人向けで実績豊富なクラウド型認証プラットフォームである「Akerun Access Intelligence」を基盤に、スマートロック等のIoT機器やソフトウエアを活用したAkerunブランドのHESaaSのサービスの普及拡大に加え、ギグワーカーを通じて様々な空間における人手不足の解決を支援する「Migakun」の施設運営BPaaSのサービス、さらに新たに当社グループに加わった店舗の無人化・省人化に特化したクラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」によるSaaSのサービスを展開することで、少子高齢化に伴う人手不足等の社会課題の解決に向けて、あらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの構築に取り組んでおります。
そして、これら社会課題の解決を目指す空間DX事業を法人、住宅、商業施設、教育機関、自治体等の幅広い業界で展開し、リカーリング収益の最大化を通じた事業拡大を推進しております。
当社グループでは今後の経営方針として、中核サービスであり市場における実績が豊富なAkerunを起点として、Akerunにおける機能強化や営業活動の効率化、そしてAkerunの周辺領域における新規サービスの拡充等により、無人化・省人化のためのソリューション提案に注力することで事業成長を追求する計画であります。
(注)アセットライトとは、資産(Asset)の保有を抑えながら、外部委託やリース等を活用して財務負担を軽く(Light)することで、市場環境等の変化への対応を目指す経営手法のことであります。

具体的な経営方針及び成長戦略は以下の通りであります。
当社グループの事業成長にあたっては、Akerunの顧客数の最大化を目指す“マーケット開拓”と、Akerunを中心としたソリューション提案による顧客単価の最大化を目指す“ソリューション開発”に特に注力する計画であります。この“マーケット開拓”と“ソリューション開発”を掛け合わせることで、顧客数と顧客単価を乗算した事業収益の最大化を目指しております。
① ソリューション提案の起点となるAkerunの顧客数の最大化(マーケットの開拓)
当社グループとしての事業成長にあたっては、市場における実績が豊富なAkerunを起点として、従来の主要顧客である法人オフィスに加え、商業施設、住宅、教育機関、医療機関、自治体等の新たな市場に向けた価値提供をより一層加速する計画であります。新たな市場の開拓にあたっては、無人化・省人化のニーズが旺盛な商業施設、不動産物件におけるスマート化のニーズが旺盛な住宅、そして従来型システムからの脱却とDXへのニーズが旺盛な教育機関/医療機関/自治体等への提案及びマーケティング活動等の強化により新たな需要を取り込み、Akerunの顧客基盤の拡大を図る考えであります。
また、これらの市場へのアプローチには、当社グループが従来から推進する営業チャネルのさらなる多様化も強化する計画であります。具体的には、Akerunの導入シーンに高い親和性を有する外部のシステム連携パートナー、オフィス複合機等を取り扱うOA機器のベンダーや商社、そして空間や施設そのものを取り扱う不動産事業者等のパートナーの開拓と拡充を通じて、あらゆる空間や施設におけるAkerunの提案機会の獲得と販売拡大を促進する計画であります。

② ソリューション提案のためのAkerun周辺領域におけるサービス/製品開発を通じた顧客単価の最大化(アップセル/クロスセル商材の開発)
当社グループでは、各マーケットに対するアップセル/クロスセルのためのソリューション提案を促進することで、顧客単価の向上を目指す計画であります。特に、ソリューション提案の起点となるAkerunとのデータ連携、ターゲット顧客、導入タイミング等のシナジーを発揮する、Akerun周辺領域におけるサービス/製品を中心とした商材の拡充により顧客あたりの単価の最大化を目指しております。実際に、当社グループが提供するAkerunとMigakun並びにfixUのクロスセルにおいては、当社グループの顧客における両サービスの重複導入割合や顧客単価の向上等に対して、クロスセルの効率性及び収益性に顕著な成果を生み出しております(注1)。
商材ラインアップの拡充にあたっては、Akerunを起点としてアップセル/クロスセルしやすく、収益性に優れた商材の選定を進める計画であります。具体的には、当社グループで提供する住宅向けAkerun、Akerun QR受付システム、Akerunデジタル身分証、Migakun、fixU等の各サービスに加え、業界最大規模(注2)の勤怠管理/会員管理/決済等のシステム等のAPI連携サービス、そして今後はセキュリティ用途でのシナジーを発揮するAIカメラ、施設環境の向上のための各種サービス、無人化・省人化でのシナジーを発揮する各種システム等の商材の拡充を進める計画であります。
また、商材ラインアップの拡充にあたっては、当社グループの認証、IoT、クラウド等のコアテクノロジーのアセットを活用した自社開発だけでなく、Akerunとの高いシナジーを発揮する商材を提供する企業との業務提携や協業、そして必要に応じてM&A等も視野に、資本効率に優れた商材の拡充をスピーディに進めていくことで、早期の収益化を実現することを目指しております。

(注) 1.当社グループの注力する特定マーケットにおけるテストマーケティングや事業シミュレーションをもとに算出。
2.業界各社の報道発表等を元にした自社調べ。
(2) 2026年度からの中期経営計画を通じた事業成長の再加速
当社グループでは、様々な変化に対応するため、組織としてのレジリエンシーを高めることを目的に、営業利益の黒字化に向けた継続的な事業成長に加え、収益性の強化や生産性の向上を目指し、2023年度を開始年度とした中期経営計画を策定し、中期経営計画の目標の1つであった2023年中の連結営業利益の単月での黒字化を同年12月に達成、また2024年12月期の連結営業利益と連結フリーキャッシュフローの通期黒字化も達成しております。
そして今回、前回の中期経営計画の目標である各指標の黒字化と収益性・生産性の強化における成果を踏まえ、これからの中長期的かつ持続的な事業成長を図るために、売上成長の再加速と調整後EBITDAの拡大を目指して、新たに2026年12月期を開始年度とする中期経営計画を策定しております。
2026年12月期を開始年度とする中期経営計画の概要は以下の通りであります。
<市場機会>前述の通り、日本国内では、少子高齢化に伴う深刻な人手不足や生産年齢人口(15〜64歳)の減少といった社会課題に直面しており、オフィスにおける人手不足に起因する過重労働や生産性の低下、観光業界における訪日外国人旅行客の増加に伴う人手不足や機会損失、教育機関等における働き方改革の要請、そして小売店舗や飲食店等におけるアルバイトを含む人材不足による営業時間の短縮や機会損失等、現在そして将来にわたって企業だけでなく日本経済自体の成長への大きな課題となっております。
当社グループでは、この社会課題の解決を目指し、新たにビジョンとして掲げる「人手に依存しない、自律型の物理空間で、社会を自由化する。」の理念のもと、中核サービスであるAkerunに加え、堅調な成長を続けるMigakun、新たに当社グループに加わったfixU、そしてAPIで連携する外部サービスや今後開発予定のサービス等を組み合わせた物理空間の無人化・省人化のためのソリューションによる価値提供を通じた事業成長を図る計画であります。
<中期経営計画で注力する施策>当社グループでは、中期経営計画における具体的な取り組みとして、以下の3つの取り組みを事業成長の柱として位置付け、売上成長の再加速及び調整後EBITDAの拡大を図る計画であります。

① [マーケット開拓] Akerunの加速度的拡大(Akerunの顧客数の増加に向けた戦略)
当社グループでは、中核サービスであり、また市場での実績も豊富なAkerun事業のさらなる成長が事業成長の再加速に必要であると認識しており、そのための施策として、「光通信グループとの強力なパートナーシップを通じた拡販」と「大規模顧客の獲得に向けた営業活動の強化」に注力する方針であります。
Ⅰ.光通信グループとのパートナーシップを通じた拡販
当社グループは、中核サービスであるAkerunをはじめとした当社グループのサービスの提供拡大に向けて、強固な営業力及び営業ネットワークを有する光通信グループの各社との販売パートナー契約を推進しております。これにより、数多くの営業人員や代理店を有する光通信グループとの協業を通じた売上及び調整後EBITDAの加速度的な増加を図ってまいります。

Ⅱ.大規模顧客の獲得に向けた営業活動の強化
中核サービスであるAkerunのこれまでの市場における実績やその有用性が評価され、従来の主要顧客であった小規模〜中規模の企業に加えて、直近では大手不動産会社や大手自動車メーカーの営業所などを中心に数百拠点規模の導入を獲得しております。また、兵庫県豊岡市による導入をはじめとして自治体が運営する施設における管理の無人化・省人化にAkerunと予約管理等の連携サービスを組み合わせた導入も堅調で、さらに、「Akerunデジタル身分証」の学生証の用途における大型受注案件も好調に推移しております。
当社グループでは、これらの大型導入案件の受注が好調であることから、引き続き大型受注を獲得するための営業体制の強化や整備を積極的に進めることで、Akerunの売上の拡大を図る計画であります。

② [ソリューション開発]複数サービスのパッケージ化によるクロスセルの推進(顧客単価の増加に向けた戦略)
当社グループでは、大きなシナジーを有するAkerun、Migakun、fixUの各サービスを組み合わせた、空間管理のための統合的な無人化・省人化ソリューションの提供を推進しており、実際に直近ではこれら複数のサービスや、さらにはAPI連携する外部サービスも組み合わせたクロスセル導入が加速しております。その結果、2025年12月期第4四半期におけるARPUは過去最高の48,536円(前年同期比14.5%増)を達成するなど大きな成果を上げております。
当社グループでは、この各サービス間の大きなシナジーを今後も最大限に活用し、さらなる売上の拡大に向けた「サービスのパッケージ化によるクロスセル」と、将来的なさらなる提供価値の向上を目指して「無人化・省人化に資するサービスやテクノロジーを保有する企業とのパートナーシップやM&A」を推進する考えであります。
Ⅰ.サービスのパッケージ化によるクロスセルの推進
人手不足等の課題から、当社グループのAkerunとMigakunを導入し、空間の管理運営におけるセキュリティ強化だけでなく、無人化・省人化を背景とした24時間営業による収益機会及び売上の増加、さらには人件費等のコスト削減を実現する施設が増加しております。実際に、コンビニエンスストア、書店、公民館、自習室、フィットネスジム、セルフ飲食店等では、当社グループが提供する無人化・省人化パッケージを導入し、24時間営業しながら売上の増加とコストの削減を実現しております。
当社グループでは、今後もこのような空間の無人化・省人化をワンストップで提供するためのサービスのパッケージ化を積極的に提案・推進することで、クロスセルによる売上の拡大を図る計画であります。
Ⅱ.M&Aやパートナーシップを通じた無人化・省人化のためのサービスやテクノロジーの拡充
当社グループでは、物理空間の無人化・省人化のための統合ソリューションの拡充を図っており、その一環として2025年10月に完全子会社化したfixUは、これまでもAkerunのAPI連携パートナーとして多くの共同受注実績があり、コワーキングスペースやレンタルスペース等の無人化・省人化を通じた収益性の向上に貢献しております。また、完全子会社化後も共同のソリューション提案の推進により堅調な実績を上げております。
当社グループでは、今後もこのような物理空間の無人化・省人化に資するサービスやテクノロジーを保持する企業とのパートナーシップやM&Aを今後も積極的に推進することで、サービスのパッケージ化を通じた提供価値の向上とクロスセルの強化を図る考えであります。また、M&Aにおいては、有人の小売店やホテル、飲食店等も対象とし、それらを当社グループの無人化・省人化ソリューションによって収益性を改善する等の取り組みも検討してまいります。

③ [新事業創出]フィジカルAIへの新規参入とサービス開発の推進(顧客への付加価値の強化に向けた戦略)
当社グループは、ハードウエア、組込み、AIを含むソフトウエア、製造までを網羅するフルスタックの開発体制に強みを有しており、さらに法人向け事業で培ったハードウエア/ソフトウエア両面での信頼性や安定性で豊富な実績を有しております。
そして、このフルスタックの開発体制を基盤に、無人化・省人化に資する新規事業の創出を目的として新たにフィジカルAI領域に事業参入しております。そして、このフィジカルAIの開発を推進するために研究開発拠点となる「Photosynth Physical AI Lab」を設立し、無人化・省人化のための業務支援ロボットなどの研究開発とその社会実装を目指しております。
将来的には、清掃、ビルメンテナンス、総務事務、警備、商品陳列、そして福祉・介護などを担う業務支援ロボットなどを想定した研究開発を行うことで、新規事業の創出と少子高齢化等の社会課題の解決に向けた取り組みを加速する考えであります。

当社グループでは、2026年12月期からの中期経営計画においてこれらの注力施策を強力に推進することで、グループ全体における売上成長の再加速及び調整後EBITDAの拡大を図る計画であります。
<中期経営計画における目標数値>前回の中期経営計画における黒字化と安定的な顧客基盤の構築における一定の成果を達成したこと受け、今回の2026年12月期からの中期経営計画では、当社グループの経済圏のさらなる拡大とそれに伴う本格的な利益創出、そして将来のさらなる事業成長に向けた事業基盤の構築と発展を推進する計画であります。
この2026年12月期からの中期経営計画の定量的な目標は、以下の通りであります。
① 中期経営計画の期間における毎年の売上成長率(注)で20〜30%を達成
② 2028年12月期における売上で58〜75億円を達成
③ 2028年12月期における調整後EBITDAで11.6〜15億円を達成

当社グループでは、前述の注力施策を推進することで、日本における少子高齢化等の社会課題の解決を支援する無人化・省人化産業の創出と、それに伴うさらなる事業成長を通じて上記の①〜③の定量目標の達成に向けて取り組む計画であります。
なお、この定量目標の達成に向けては、中長期的な企業価値の向上のために、資金調達が必要な場合でも株式の希薄化を伴う増資は行わず、財務規律を担保することを前提に有利子負債による調達を行う方針であります。
(注)売上成長率は、2026年12月期から2028年12月期にかけての年次平均売上成長率であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
① 規模や業種業態を問わないさらなる新規顧客及び新規ユーザーの獲得
当社グループの中核サービスである「Akerun入退室管理システム」の導入顧客の新規獲得及びユーザー数の増加が経営方針における最重要課題であると考えております。「Akerun入退室管理システム」は、既存の扉に後付け可能、従来型システムにはないクラウドを活用した入退室ログの活用、勤怠管理/会員管理/決済等の外部システムとの連携によるユースケースの拡張性等の特徴から、国内の企業や商業施設、住宅における導入余地は引き続き非常に大きいものと考えております。
今後も営業体制の強化や生産性の向上、直販に加えて取次/再販等の販売パートナー/チャネルの新規開拓と拡大、従来の中小規模企業に加えて大企業や新たな業界への拡販など対象企業の拡充、そして技術開発や外部サービスとの連携拡大を通じたサービス自体の価値のさらなる向上等を通じて新規導入や追加導入を促進することで、それに伴う新規顧客及びユーザー数の拡大を図ってまいります。
② 技術開発力の継続的な向上
技術開発は当社グループの市場競争力の強化と持続的成長に欠かせないものであると認識しております。引き続き優秀な技術者の採用・育成を推進するとともに、研究開発への投資を通じた技術力の強化・拡充により、IoT、認証、クラウド、フィジカルAI等に関する先端技術を取り入れるなど、ハードウエア、組込み、アプリケーション、Web、AI等の各開発分野のさらなる技術力及び開発力の強化に取り組む計画であります。
③ 売上及び調整後EBITDAの中長期的な拡大
当社グループは、中長期的な売上及び調整後EBITDAの拡大を目指しており、第12期連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)は売上及び調整後EBITDAの継続的な成長を達成しております。
当社グループの収益の中心であるHESaaS、BPaaS、SaaSのビジネスは、リカーリングモデルで顧客にサービスを提供し、継続して利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルである一方で、顧客獲得費用や開発費用が先行して計上される特徴があり、短期的には赤字が先行することが一般的であります。しかしながら、直近の株式市場を取り巻く環境や競合環境、及びマクロ経済環境等を鑑み、当社グループでは経営の強靭化と売上や本業の儲けを示す調整後EBITDAの拡大が引き続き必要であると認識しております。
当社グループでは、事業の拡大によりストック収益を順調に積み上げるとともに、事業の収益性をより一層高めることで、今後も当社グループの提供するサービスを通じて、中長期的な売上及び調整後EBITDAの最大化に努めてまいります。
④ Akerunを起点としたソリューション提案によるサービス提供価値のさらなる向上と新規サービスの拡充
当社グループが提供する法人向け/住宅向けAkerun及びAkerunと連携する勤怠管理/会員管理/決済等の外部サービスによる価値提供に加え、MigakunやfixU等のその他の事業とのシナジーを通じたさらなる導入促進とユーザー基盤の拡大、そして既存顧客の満足度の向上のために、従来から提供する入退室管理や勤怠管理にとどまらない、MigakunやfixU等のAkerunの周辺領域の新規商材の提案等の提供価値のさらなる向上が必要であると認識しております。
当社グループでは、顧客環境の様々な課題を解決するソリューション提案及びクロスセルのための組織体制の再編、開発体制の強化・拡充を通じた新規サービスの開発、そして外部のパートナー企業との技術連携による継続的なサービス適用範囲の拡充を積極的に進めることで、市場における実績が豊富なAkerunを起点としたユーザーへのさらなる提供価値の向上を図ってまいります。また、事業成長のための起点としてのAkerunの法人、住宅、商業施設、さらには学校、医療機関、自治体への導入促進と規模を問わない顧客基盤の拡充等、新規事業とのシナジーやさらなる新規事業の開発を検討・推進してまいります。
⑤ 子会社の事業拡大と収益性の強化
当社グループのさらなる事業成長と収益性の強化に向けて、住宅領域におけるスマートロック及びその関連システムの普及と事業拡大に取り組む子会社のMIWA Akerun Technologiesと、ギグワーカープラットフォームを通じた施設運営代行サービスの普及と事業拡大に取り組む子会社のMigakun、そして無人化・省人化に特化した店舗運営のためのワンストップSaaSの普及と事業拡大に取り組む子会社のfixUにおける、サービス導入顧客の新規獲得及び営業利益の黒字化が必要であると認識しております。
当社グループでは、住宅領域における特に集合住宅等における不動産管理会社や不動産オーナー等の管理性の向上を目的とした旺盛な需要の取り込み、人手不足を背景とした施設や空間の運営における無人化・省人化へのニーズへの対応、そして店舗運営における無人化・省人化の要請とワンストップソリューションへの旺盛な需要に対して、当社の販売チャネルの拡大や各サービス間のシナジーを最大限に活かしたプロダクトのパッケージ化を積極的に図ることで、子会社の事業におけるさらなる新規顧客の獲得と売上成長に取り組んでまいります。
⑥ 情報セキュリティ体制の強化
当社グループの提供するサービスでは、認証に用いる個人情報等の機密情報を取り扱っております。この情報資産を保護するため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針を策定し、専任のセキュリティ担当者を設置しております。さらに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格「JIS Q 27001:2023(ISO/IEC 27001:2022)」の認証を本社及び大阪オフィス、福岡オフィス、物流拠点の各拠点で取得しております。また、技術開発にあたっては社内に専任の品質保証エンジニアを配置し、さらに外部のセキュリティ診断等も実施することで、システムとしての安全性と堅牢性の向上を図っております。これらの取り組みにより、全社的な情報管理体制を強化するとともに、従業員への継続的な情報セキュリティ教育を実施することで、情報セキュリティ体制を強化してまいります。
⑦ ガバナンスの強化
当社グループは鍵や認証というセキュリティに関する事業を行う企業として、ユーザーや市場からの信頼が必要不可欠であると考えております。情報管理、財務、IT、その他の社内制度等を含めた内部統制の継続的な策定、強化、改善を実施することで信頼を獲得し、企業価値のさらなる向上に取り組んでまいります。
⑧ 優秀な人材の採用及び育成と定着
当社グループの将来にわたる持続的成長に向けて、優秀な人材の採用及び育成と定着が欠かせないものと認識しております。特に、サービスの開発や継続的な改善によるサービス価値の拡大を担うエンジニアと、さらなるサービス導入促進のための営業人員及び新規事業担当者の採用及び育成と定着が不可欠であると考えております。当社グループでは、優秀な人材の育成と定着に向けて積極的な人材の採用活動を実施するとともに、人材の育成と定着のための社内トレーニング体制の強化や企業文化の醸成等の施策を推進してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的に安定した売上成長率を維持すること、及び、本業の儲けを示す調整後EBITDAを拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標として主に売上、売上成長率、調整後EBITDAを採用しております。また、2026年2月に開示した「事業計画及び成長可能性について」において2026年12月期からの新たな中期経営計画を策定するとともに、2026年12月期の通期における業績目標を設定し、この目標の達成に向けた成長を加速させることに注力する所存であります。