有価証券報告書-第11期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融を'サービス'として再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス事業者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。
今般、グローバルな経済環境の影響を受け、日本経済も見通しが不透明な状況が続いています。しかしながら、金融サービスにおけるデジタルトランスフォーメーションの流れは衰えることなく、当社グループが提供するサービスのニーズもより一層高まっていると認識しております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度においては、継続的な事業成長を実現するため、引き続き人材採用や機能拡充に積極的に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度末以降、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数が増加、ビッグデータ解析事業のデータライセンス契約件数が増加したことにより、フロー収益及びストック収益が拡大し、当連結会計年度における売上高は7,702,356千円(前年同期比43.3%増)、営業利益は950,126千円(前年同期比363.6%増)、経常利益は943,385千円(前年同期比385.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は659,714千円(前年同期は78,447千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は以下の通りです。
(ⅰ)金融インフラストラクチャ事業
金融インフラストラクチャ事業は、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして顧客に提供しております。
証券インフラストラクチャビジネスでは、既存パートナーへの保守運用及び機能拡充開発、新規パートナーへの初期導入支援に注力いたしました。当連結会計年度においては、新規パートナーへの開発支援によるフロー収益と既存サービス拡大に伴う従量課金収益が、売上高の拡大に寄与しました。サービスの初期開発については、デジタルウェルスマネジャー上で取り扱える金融商品を拡充した結果、より幅広いIFA事業者にご活用いただけるようになり、IFA向けのサービス数が大きく増加しました。この結果、「BaaS」上での稼働サービス数は19サービス(前連結会計年度末時点:12サービス)となっております。
保険インフラストラクチャビジネスでは、新規パートナーの獲得に向け、当社グループの保険基幹システムである「Inspire」の機能拡充に注力いたしました。当連結会計年度においては、「Inspire」の初期導入開発によるフロー収益が売上高の拡大に寄与しました。初期導入については、明治安田損害保険株式会社が新たに「Inspire」を導入しました。この結果、「Inspire」の導入企業数は11社(前連結会計年度末時点:9社)となっております。
クレジットインフラストラクチャビジネスでは、引き続きクレジットインフラストラクチャ「Crest」の基盤開発に注力しました。初期導入支援については、第4四半期連結会計期間中の新規ローンチはなかったため、「Crest」上での稼働社数は2社(前連結会計年度末時点:1社)となっております。
コスト面については、各ビジネスともに、将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、機能拡充の先行投資を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の金融インフラストラクチャ事業の売上高は4,529,228千円(前年同期比53.1%増)、セグメント利益は470,381千円(前年同期は106,192千円のセグメント損失)を計上しました。
(ⅱ)フィンテックソリューション事業
フィンテックソリューション事業では、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。
ソリューションビジネスでは、システム構築を支援した既存顧客向けに追加機能拡充の支援等を進めました。
以上の結果、フロー収益が拡大し、当連結会計年度のフィンテックソリューション事業の売上高は1,345,533千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は140,174千円(前年同期比121.0%増)となりました。
(ⅲ)ビッグデータ解析事業
ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、企業の持つビッグデータを機関投資家や官公庁に提供するデータライセンスビジネスや、企業のデータ利活用を支援するデータ解析支援ビジネスを行っております。
データAIソリューションビジネスは、今年度から新規事業として開始し、データウェアハウスから業務アプリケーションの開発まで網羅的に支援できる体制の構築を行いました。
データ解析支援ビジネスでは、不動産業界向けの新たなサービスを立ち上げ、商業リーシングや店舗開発などの業務をデータと生成AIで効率化するソリューション「DataLensHub」をリリースしました。
以上の結果、生成AI活用支援のビジネスと不動産領域向けの新サービスが拡大し、当連結会計年度のビッグデータ解析事業の売上高は1,827,594千円(前年同期比40.3%増)、セグメント利益は399,814千円(前年同期比55.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は19,026,948千円となり、前連結会計年度末に比べて1,148,843千円減少いたしました。
流動資産は18,079,945千円となり、前連結会計年度末と比較して1,480,033千円減少いたしました。これは主に営業貸付金が1,946,868千円、証券業における立替金が956,974千円増加した一方、証券業における預託金1,505,000千円、証券業における信用取引資産3,525,809千円、並びに証券業における短期差入保証金5,346千円が減少したこと等によるものであります。
固定資産は947,003千円となり、前連結会計年度末と比較して331,190千円増加いたしました。これは主にソフトウェアが150,608千円、ソフトウェア仮勘定が103,578千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は9,399,774千円となり、前連結会計年度末と比較して2,054,082千円減少いたしました。
流動負債は8,826,340千円となり、前連結会計年度末に比べて2,076,859千円減少いたしました。これは主に、証券業における預り金、信用取引負債、受入保証金が3,330,068千円減少したこと等によるものであります。
固定負債及び特別法上の準備金は573,434千円となり、前連結会計年度末に比べて22,777千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が67,400千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,627,174千円となり、前連結会計年度末に比べて905,238千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が659,714千円、新株予約権が117,570千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが945,209千円の資金減、投資活動によるキャッシュ・フローが489,842千円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローが1,038,697千円の資金増となりました。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額5,308千円の資金減を含めた結果、当連結会計年度の資金残高は、前連結会計年度末に比べ401,663千円減少し、4,367,150千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は945,209千円となりました。この主な増加要因として、証券業における信用取引資産及び信用取引負債の増減額2,504,158千円、証券業における預託金の増減額1,505,000千円の増加があった一方で、減少要因として、証券業における預り金及び受入保証金の増減額2,308,418千円、営業貸付金の増減額1,946,868千円の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は489,842千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出324,942千円、有形固定資産の取得による支出28,218千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は1,038,697千円となりました。この主な増加要因として、長期借入れによる収入800,000千円、短期借入による収入600,000千円があった一方で、減少要因として、長期借入金の返済による支出466,200千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループが営む事業は、金融サービスの構築・運営を可能にする次世代クラウド基幹システムを提供する金融インフラストラクチャ事業、金融機関のデジタルトランスフォーメーションのニーズに対応したソリューションの提供を行うフィンテックソリューション事業、及びオルタナティブデータを提供するビッグデータ解析事業であり、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループでは、受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、受注実績は記載しておりません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内に合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループは、非上場株式等を保有しております。これらの評価において、発行体の超過収益力等に毀損が生じた際に、これを反映した実質価額が取得価額の50%程度以上下落している場合は、減損処理を行うこととしております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1.経営成績の分析・評価
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は7,702,356千円(前年同期比43.3%増)となりました。
金融インフラストラクチャ事業は、既存パートナーへの保守運用及び機能拡充開発、新規パートナーへの初期導入支援に注力いたしました。
フィンテックソリューション事業は、株式会社三菱UFJ銀行に対して「Money Canvas」に関する継続的な開発支援を行っており、当連結会計年度においてはアプリ開発や家計簿機能を追加しました。
ビッグデータ解析事業は、機関投資家向けにオルタナティブデータを提供する「Alterna Data」において銘柄選定支援機能、データ精度検証機能、企業間比較機能を拡充しました。
(営業利益)
当連結会計年度において、売上原価は2,569,161千円(前年同期比19.5%増)、販売費及び一般管理費は4,183,068千円(前年同期比38.5%増)となりました。将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、金融インフラストラクチャの機能拡充にかかる先行投資を行ってまいりました。
この結果、営業利益は950,126千円(前年同期比363.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益が11,803千円(前年同期比43.6%増)、営業外費用が18,545千円(前年同期比41.0%増)が発生し、経常利益は943,385千円(前年同期比385.2%増)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益が1千円(前年同期比82.0%減)、特別損失が14,587千円(前年同期比90.8%減)発生し、法人税等合計は241,947千円(前年同期比44.7%増)となりました。
この結果、当期純利益は686,851千円(前年同期は131,005千円の当期純損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は659,714千円(前年同期は78,447千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
2.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループにおける主な資金需要は、人件費等の運転資金及び設備投資資金であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、運転資金は自己資金を基本としつつ、投資資金は自己資金並びに金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で優先順位を検討して実施することを基本としております。
④ 目標とする経営指標
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数を、目標とする経営指標として位置づけています。第11期連結会計年度末時点のパートナー数は32件で、第10期連結会計年度末比+10件となっております。デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まる中で、IFA会社による投資一任サービスの導入や資産運用会社による直販事業展開に関する需要が旺盛となったことで、パートナー数が増加したものと分析しております。
金融インフラストラクチャ事業におけるパートナー数
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、これまでインフラストラクチャの安定稼働と業務プロセスの確立を優先し安定的な成長を続けておりました。今後は、様々なニーズに応えられるよう金融インフラストラクチャの機能拡充を図るとともに、大企業向けの事業開発チームを確立し、パートナー数の拡大に取り組んでまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「金融を'サービス'として再発明する」をミッションに掲げております。このミッションのもと、金融サービス事業者向けの次世代クラウド基幹システムの提供等を通じて、パートナー企業とともに人々にとって遠い存在である金融サービスを暮らしに寄り添ったものにすることを目指しております。
今般、グローバルな経済環境の影響を受け、日本経済も見通しが不透明な状況が続いています。しかしながら、金融サービスにおけるデジタルトランスフォーメーションの流れは衰えることなく、当社グループが提供するサービスのニーズもより一層高まっていると認識しております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度においては、継続的な事業成長を実現するため、引き続き人材採用や機能拡充に積極的に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度末以降、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数が増加、ビッグデータ解析事業のデータライセンス契約件数が増加したことにより、フロー収益及びストック収益が拡大し、当連結会計年度における売上高は7,702,356千円(前年同期比43.3%増)、営業利益は950,126千円(前年同期比363.6%増)、経常利益は943,385千円(前年同期比385.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は659,714千円(前年同期は78,447千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は以下の通りです。
(ⅰ)金融インフラストラクチャ事業
金融インフラストラクチャ事業は、金融サービスを運営するために必要となる複雑な基幹システムを、クラウド上でSaaS型のシステムとして顧客に提供しております。
証券インフラストラクチャビジネスでは、既存パートナーへの保守運用及び機能拡充開発、新規パートナーへの初期導入支援に注力いたしました。当連結会計年度においては、新規パートナーへの開発支援によるフロー収益と既存サービス拡大に伴う従量課金収益が、売上高の拡大に寄与しました。サービスの初期開発については、デジタルウェルスマネジャー上で取り扱える金融商品を拡充した結果、より幅広いIFA事業者にご活用いただけるようになり、IFA向けのサービス数が大きく増加しました。この結果、「BaaS」上での稼働サービス数は19サービス(前連結会計年度末時点:12サービス)となっております。
保険インフラストラクチャビジネスでは、新規パートナーの獲得に向け、当社グループの保険基幹システムである「Inspire」の機能拡充に注力いたしました。当連結会計年度においては、「Inspire」の初期導入開発によるフロー収益が売上高の拡大に寄与しました。初期導入については、明治安田損害保険株式会社が新たに「Inspire」を導入しました。この結果、「Inspire」の導入企業数は11社(前連結会計年度末時点:9社)となっております。
クレジットインフラストラクチャビジネスでは、引き続きクレジットインフラストラクチャ「Crest」の基盤開発に注力しました。初期導入支援については、第4四半期連結会計期間中の新規ローンチはなかったため、「Crest」上での稼働社数は2社(前連結会計年度末時点:1社)となっております。
コスト面については、各ビジネスともに、将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、機能拡充の先行投資を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の金融インフラストラクチャ事業の売上高は4,529,228千円(前年同期比53.1%増)、セグメント利益は470,381千円(前年同期は106,192千円のセグメント損失)を計上しました。
(ⅱ)フィンテックソリューション事業
フィンテックソリューション事業では、金融機関向けにデジタルトランスフォーメーション及びデジタルマーケティングの支援を行っております。
ソリューションビジネスでは、システム構築を支援した既存顧客向けに追加機能拡充の支援等を進めました。
以上の結果、フロー収益が拡大し、当連結会計年度のフィンテックソリューション事業の売上高は1,345,533千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は140,174千円(前年同期比121.0%増)となりました。
(ⅲ)ビッグデータ解析事業
ビッグデータ解析事業は、ビッグデータを保有する企業のデータ利活用の促進を支援しており、企業の持つビッグデータを機関投資家や官公庁に提供するデータライセンスビジネスや、企業のデータ利活用を支援するデータ解析支援ビジネスを行っております。
データAIソリューションビジネスは、今年度から新規事業として開始し、データウェアハウスから業務アプリケーションの開発まで網羅的に支援できる体制の構築を行いました。
データ解析支援ビジネスでは、不動産業界向けの新たなサービスを立ち上げ、商業リーシングや店舗開発などの業務をデータと生成AIで効率化するソリューション「DataLensHub」をリリースしました。
以上の結果、生成AI活用支援のビジネスと不動産領域向けの新サービスが拡大し、当連結会計年度のビッグデータ解析事業の売上高は1,827,594千円(前年同期比40.3%増)、セグメント利益は399,814千円(前年同期比55.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は19,026,948千円となり、前連結会計年度末に比べて1,148,843千円減少いたしました。
流動資産は18,079,945千円となり、前連結会計年度末と比較して1,480,033千円減少いたしました。これは主に営業貸付金が1,946,868千円、証券業における立替金が956,974千円増加した一方、証券業における預託金1,505,000千円、証券業における信用取引資産3,525,809千円、並びに証券業における短期差入保証金5,346千円が減少したこと等によるものであります。
固定資産は947,003千円となり、前連結会計年度末と比較して331,190千円増加いたしました。これは主にソフトウェアが150,608千円、ソフトウェア仮勘定が103,578千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は9,399,774千円となり、前連結会計年度末と比較して2,054,082千円減少いたしました。
流動負債は8,826,340千円となり、前連結会計年度末に比べて2,076,859千円減少いたしました。これは主に、証券業における預り金、信用取引負債、受入保証金が3,330,068千円減少したこと等によるものであります。
固定負債及び特別法上の準備金は573,434千円となり、前連結会計年度末に比べて22,777千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が67,400千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,627,174千円となり、前連結会計年度末に比べて905,238千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が659,714千円、新株予約権が117,570千円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが945,209千円の資金減、投資活動によるキャッシュ・フローが489,842千円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローが1,038,697千円の資金増となりました。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額5,308千円の資金減を含めた結果、当連結会計年度の資金残高は、前連結会計年度末に比べ401,663千円減少し、4,367,150千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は945,209千円となりました。この主な増加要因として、証券業における信用取引資産及び信用取引負債の増減額2,504,158千円、証券業における預託金の増減額1,505,000千円の増加があった一方で、減少要因として、証券業における預り金及び受入保証金の増減額2,308,418千円、営業貸付金の増減額1,946,868千円の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は489,842千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出324,942千円、有形固定資産の取得による支出28,218千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は1,038,697千円となりました。この主な増加要因として、長期借入れによる収入800,000千円、短期借入による収入600,000千円があった一方で、減少要因として、長期借入金の返済による支出466,200千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループが営む事業は、金融サービスの構築・運営を可能にする次世代クラウド基幹システムを提供する金融インフラストラクチャ事業、金融機関のデジタルトランスフォーメーションのニーズに対応したソリューションの提供を行うフィンテックソリューション事業、及びオルタナティブデータを提供するビッグデータ解析事業であり、提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループでは、受注販売を行っておりますが、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、受注実績は記載しておりません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (千円) | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (千円) | 前年 同期比(%) |
| 金融インフラストラクチャ事業 | 2,957,487 | 4,529,228 | 153.14 |
| フィンテックソリューション事業 | 1,115,235 | 1,345,533 | 120.65 |
| ビッグデータ解析事業 | 1,302,589 | 1,827,594 | 140.30 |
| 合計 | 5,375,312 | 7,702,356 | 143.29 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社三菱UFJ銀行 | 922,043 | 17.2 | 675,724 | 8.8 |
| ニッセイアセットマネジメント株式会社 | 553,900 | 10.3 | 308,169 | 4.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内に合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(投資有価証券)
当社グループは、非上場株式等を保有しております。これらの評価において、発行体の超過収益力等に毀損が生じた際に、これを反映した実質価額が取得価額の50%程度以上下落している場合は、減損処理を行うこととしております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1.経営成績の分析・評価
(売上高)
当連結会計年度において、売上高は7,702,356千円(前年同期比43.3%増)となりました。
金融インフラストラクチャ事業は、既存パートナーへの保守運用及び機能拡充開発、新規パートナーへの初期導入支援に注力いたしました。
フィンテックソリューション事業は、株式会社三菱UFJ銀行に対して「Money Canvas」に関する継続的な開発支援を行っており、当連結会計年度においてはアプリ開発や家計簿機能を追加しました。
ビッグデータ解析事業は、機関投資家向けにオルタナティブデータを提供する「Alterna Data」において銘柄選定支援機能、データ精度検証機能、企業間比較機能を拡充しました。
(営業利益)
当連結会計年度において、売上原価は2,569,161千円(前年同期比19.5%増)、販売費及び一般管理費は4,183,068千円(前年同期比38.5%増)となりました。将来のビジネス拡大を見据え、引き続き人材採用、金融インフラストラクチャの機能拡充にかかる先行投資を行ってまいりました。
この結果、営業利益は950,126千円(前年同期比363.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益が11,803千円(前年同期比43.6%増)、営業外費用が18,545千円(前年同期比41.0%増)が発生し、経常利益は943,385千円(前年同期比385.2%増)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益が1千円(前年同期比82.0%減)、特別損失が14,587千円(前年同期比90.8%減)発生し、法人税等合計は241,947千円(前年同期比44.7%増)となりました。
この結果、当期純利益は686,851千円(前年同期は131,005千円の当期純損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は659,714千円(前年同期は78,447千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
2.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループにおける主な資金需要は、人件費等の運転資金及び設備投資資金であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、運転資金は自己資金を基本としつつ、投資資金は自己資金並びに金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較した上で優先順位を検討して実施することを基本としております。
④ 目標とする経営指標
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、金融インフラストラクチャ事業のパートナー数を、目標とする経営指標として位置づけています。第11期連結会計年度末時点のパートナー数は32件で、第10期連結会計年度末比+10件となっております。デジタルトランスフォーメーションの必要性が高まる中で、IFA会社による投資一任サービスの導入や資産運用会社による直販事業展開に関する需要が旺盛となったことで、パートナー数が増加したものと分析しております。
金融インフラストラクチャ事業におけるパートナー数
| 2022年3月 期末 | 2023年3月 期末 | 2024年3月 期末 | 2025年3月 期末 | |
| 証券インフラストラクチャ | 5 | 8 | 12 | 19 |
| 保険インフラストラクチャ | 4 | 9 | 9 | 11 |
| クレジットインフラストラクチャ | - | - | 1 | 2 |
| 合計 | 9 | 17 | 22 | 32 |
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、これまでインフラストラクチャの安定稼働と業務プロセスの確立を優先し安定的な成長を続けておりました。今後は、様々なニーズに応えられるよう金融インフラストラクチャの機能拡充を図るとともに、大企業向けの事業開発チームを確立し、パートナー数の拡大に取り組んでまいります。