有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「データと知恵で未来をつくる」という企業理念のもと、誰もが新しいデジタル時代の道具であるビッグデータとテクノロジーをマーケティングに活用できるようにすること、そしてあらゆる企業の持続的な成長に貢献することを目指しております。
現在、当社は新中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)の始動に伴い、従来の「データ分析会社」から、企業の意思決定そのものを支える「意思決定支援会社」への進化を加速させております。実店舗からECまでを横断する購買データとAIを融合させた「意思決定基盤(OS)」の提供を通じ、企業が市場への過剰なリソース投下を抑制し、需給の最適化による在庫及び廃棄ロスの削減を実現できる仕組みを構築してまいります。これにより、大量生産・大量消費の時代からの脱却を促し、顧客と社会のサステナビリティへの貢献を目指します。
当社は、データやテクノロジーは新しいパワフルな道具であるからこそ、道具を使う「人」の育成が重要であり、持続的な成長と社会課題の解決を両立させたいとの志のもと、以下の行動指針を掲げて経営に取り組んでおります。
① 社会に貢献し、持続的な成長を追求します。
② 地域や規模を超え、あらゆる組織のデータ活用を支援します。
③ データやテクノロジーを使う人の教育を推進します。
(2) 経営戦略
当社はこれまで、国内最大規模の消費者マーケティングデータ(ID-POSデータ)を核に、企業各社の現状把握や課題抽出を担う「購買データプラットフォーム」を同業他社に先駆けて構築・展開し、「データ分析会社」として市場における独自の地位を築いてまいりました。
現在は、新中期経営計画の始動に伴い、この強固なデータ基盤を土台として、クライアント企業の経営判断や価値創造そのものをリードする「意思決定支援会社」への進化を強力に推進しております。具体的には、従来の顧客分析に留まらず、AIを活用した高度なテクノロジー支援、オンライン・オフラインを横断する広告・販促支援、さらにはデータガバナンス構築や人材育成支援に至るまで、データ活用の全プロセスをフルサポートする体制を確立しております。
この独自の事業モデルに基づき、小売業に対しては、顧客の購買データを精製・蓄積・管理・分析するツールとして「ショッピングスキャン」を主に提供しております。また、消費財メーカーに対しては、全国や地域における消費者の購買行動を詳細に分析できるツールとして「イーグルアイ」を主に提供しております。このように、各ステークホルダーに最適化されたサービスを統合的に提供することで、産業全体の生産性向上と持続的な成長に寄与し、デジタル時代の新たな「意思決定基盤(OS)」としての地位確立を目指しております。
① サービス利用小売業の増加による、消費者との「顧客接点」であるID-POSデータの増加
当社サービスの基盤となるID-POSデータの網羅性を高めるため、既存のドラッグストア・スーパーマーケットに加え、コンビニエンスストア、ホームセンター、EC、プレステージチャネル等への対象拡大を推進しております。これにより、消費財メーカーが抱える多様な販路(マス・チャネルからECまで)を一気通貫で分析したいという高度なニーズに応えます。
② ストック型サービス(「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」など)の拡大による収益構造の強化
「イーグルアイ」や「ショッピングスキャン」等のストック型サービスを事業の柱とし、収益構造の強靭化を図ります。無償情報サービス「ウレコン」による潜在顧客層の開拓や、卸商社等の販売パートナーを通じた提案強化により、利用企業数の拡大を加速させます。
あわせて、AI・機械学習による予測モデルや、デジタル広告・サイネージと連携するマーケティングソリューション等の新領域をストック型サービスとして展開いたします。購買データベースは、利用数が増加しても追加原価が限定的であるという特性(限界利益率が高い構造)を持つため、ストック売上の伸長に伴い、利益率が加速度的に向上する高収益モデルを確立してまいります。
③ 消費者をビッグデータで把握するための多角的なデータラインナップの充実
AI・機械学習の精度を左右する教師データとして、独自の生活者インサイトデータ「KURASHI360」の提供を強化し、他社との差別化を図ります。また、データサプライヤーとの連携により外部ビッグデータを拡充し、購買行動の背後にある「嗜好性」や「ライフスタイル」までを可視化する体制を整えます。
これらのデータ連携を通じ、小売・消費財領域に留まらず、幅広い業界における顧客理解の深化に寄与いたします。
④ 当社データプラットフォームに連携される多様なソリューションのエコシステム運営による事業拡大
自社サービスの提供に留まらず、外部のAI・テクノロジー・データ企業との連携によるエコシステムを構築し、提供価値の最大化とスピード向上を実現します。新規出店予測や在庫・廃棄ロス削減といった顧客ニーズに即した高度なソリューションをクロスセルすることで、顧客企業内での「意思決定基盤(OS)」としての定着を促します。グローバルプラットフォーム企業やAIスタートアップのテクノロジーを積極的に導入し、最先端の知見と日本のリテール現場の知恵を融合させた、独自のデータエコシステムを展開してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、主要な経営指標として、成長性については売上高の対前期成長率、収益性については営業利益及び営業利益率を掲げており、それらの向上を図る経営に努めてまいります。
また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとなるKPIは、データの網羅性やデータ価値を示す「分析
対象とする小売業の購買データ金額」及び事業成長の持続性と安定性を示す「ストック型契約」の売上高及び売上
高比率であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① ブランドの認知度向上
当社が主な事業領域とする小売業界及び消費財メーカーにおけるサービス利用企業の確保は、当社事業において重要な要素であり、ブランドの認知度の向上は重要な課題と認識しております。無償サービスである「ウレコン」の提供やメディアでのデータ活用実績の増加、サービス導入企業の増加に伴い、認知度は着実に高まっているものの、持続的な事業成長のためには、さらなる認知度の向上が不可欠と考えております。この課題に対し、AI等を活用したサービスの利便性向上、消費者ビッグデータの活用ノウハウの高度化など、提供価値の強化を積極的に行い、「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」に代表される当社サービス利用者の満足度向上に努め、クオリティの高いソリューションを提供する企業としてのブランド確立を着実に進めてまいります。
② 収益基盤の多様化と強化
当社は、国内最大級の消費者購買データプラットフォームを基盤とした分析サービスを主軸に成長してまいりました。次なる成長ステージにおいて、持続的な企業価値向上を実現するためには、収益基盤の多様化と強化が最重要課題であると認識しております。
この課題に対処するため、新たな中期経営計画では、「リテールデータ」と「AIインサイト」を掛け合わせ、現場の意思決定を自律化・高度化させるソリューションの提供を加速させております。単なるデータの提供にとどまらず、AIが精緻な需要予測や最適な施策を提示することで、顧客のマーケティング業務そのものを変革する「意思決定のOS」の構築に注力しております。
さらに、ビジネスアナリティクス領域や広告領域(リテールメディア)といった領域においても、すでに具体的な収益化が始まっております。これらのサービス群を、従来のID-POS分析サービスに次ぐ収益の柱として確立させることで、収益源の多角化と、より強固な収益ポートフォリオの構築を推進してまいります。
③ プラットフォームの価値向上
当社は、データマーケティングに不可欠な3領域である①データ、②テクノロジー、③教育プログラムを含むデータ活用ノウハウの全てにおいて提供価値とクオリティを向上させ、データを収集・精製・管理・分析し、多様なマーケティングソリューションで活用するためのビジネスプラットフォームとしての優位性の盤石化を図ります。
データ戦略に関しては、既に強みを持つドラッグストアに加え、スーパーマーケットとの連携が着実に進展しており、購買データの網羅性は一段と高まっております。今後はこれらをベースとしつつ、ホームセンター、コンビニエンスストア、ECなどの他業態の小売業のデータ連携により、データの付加価値を高めていくことが重要と認識しております。
テクノロジー戦略に関しては、グローバルプラットフォーマー及びAIスタートアップとの連携を推進しております。世界標準のDXソリューションや、AIスタートアップが持つ最先端のアルゴリズムを当社の購買データと融合させることで、クライアントへの提供価値を飛躍的に高めてまいります。
教育プログラムを含む活用ノウハウに関しては、小売業から消費財メーカーへのデータ外販支援を含め、データマーケティングに関連する様々な活用ノウハウを蓄積しています。これらをベースに事業会社、教育研究機関、地方公共団体等に対するデータマーケティングに係る教育機会の提供を行っています。今後はデータマーケターの育成活動を通じて地域での雇用創出、地方経済や企業の発展に寄与していくことが、持続的な成長と社会への貢献を両立させる企業として重要であると認識しております。この取り組みの一環として、地域性を持つデータを分析し、マーケティング戦略の立案・実行につなげる専門性を有した「データマーケティング人材」を育成すること、また、地域社会の人材確保のために実践力のあるマーケティング人材の採用支援を図り、地域の雇用創出、地方創生に貢献することを目的とする一般社団法人ビッグデータマーケティング教育推進協会に出資しております。
④ 業績の持続的成長と社会課題解決への貢献の両立
データやテクノロジーを活用したマーケティングや市場変化への対応は、大企業のみならず中堅・中小企業や地方経済においてもその重要性が高まっております。
当社はかねてよりデータマーケターの育成や、地方行政との連携、教育研究機関や自治体と連携したSDGsやESGに関わる指標づくり、地域雇用の活性化や女性のエンパワーメントをはじめとする取り組みにも力を入れてまいりましたが、こうした社会課題の解決やサステナビリティに関わる領域への価値提供についての社会的な意義は今後ますます高まっていくと認識しており、企業としての持続的成長と並ぶ経営活動の基本戦略に位置付けて取り組みを進めています。
⑤ 組織と人材
当社の競争力の源泉は、データの力と人材の力であり、人材に関しては特に採用と教育に力を入れています。当社のような規模の企業にとっては、良質な人材の確保は経営上の重要課題です。当社の価値観に共感し自ら成長を求める人材を幅広く採用し、挑戦する舞台と教育の機会を用意することで、自律的なプロフェッショナルや次世代の経営人材を育成することが、持続的な成長につながると信じています。
そのためにも、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境を整え、様々な価値観や働き方を支えるインフラや制度を模索し、整備することで自律的なプロフェッショナルにとって魅力ある企業であることを目指しています。新卒採用と中途採用をバランス良く行いながら、人を育てることで組織も成長し、互いの成長を支援する風土を醸成しております。
教育プログラムとしては、専門性向上のためのテクニカル・スキルの教育プログラムのみならず、リーダーシップ開発や人間力の向上を目指したヒューマンスキルのプログラムを提供しています。具体的には、研修等のプログラムに加え、専門のコーチによるリーダーシップ開発、チームビルディング、女性リーダーのエンパワーメント、キャリアコーチングなど、コーチングプログラムの提供がそれにあたります。
当社としては、全社員が安心して自らの持つ力を存分に発揮できる環境を用意することで、組織としてのレジリエンシーを高めることが何よりも重要だと考えております。
⑥ 情報管理体制の強化
当社の事業は、将来的な発展を期待される領域であると同時に個人情報の取り扱いをベースとするため、その社会的責任は極めて重いものと認識しています。堅確な情報セキュリティは当社ビジネスを継続する上での大前提であり、最優先で取り組むべき課題です。個人情報保護体制に関するプライバシーマークに加え、国際基準の情報セキュリティ管理体制を示す「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」の認証を取得し、厳格な運用を実施しております。グローバルレベルの関連規制を遵守することはもとより、データマーケティングのリーディングカンパニーとして、さらなるデータガバナンスの強化を推進してまいります。徹底した社内統制や継続的な社員教育を通じ、お客様や取引先の皆様から常に信頼いただける確かなセキュリティ体制を構築し、安全かつ付加価値の高いデータ活用を追求してまいります。
(1) 経営方針
当社は「データと知恵で未来をつくる」という企業理念のもと、誰もが新しいデジタル時代の道具であるビッグデータとテクノロジーをマーケティングに活用できるようにすること、そしてあらゆる企業の持続的な成長に貢献することを目指しております。
現在、当社は新中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)の始動に伴い、従来の「データ分析会社」から、企業の意思決定そのものを支える「意思決定支援会社」への進化を加速させております。実店舗からECまでを横断する購買データとAIを融合させた「意思決定基盤(OS)」の提供を通じ、企業が市場への過剰なリソース投下を抑制し、需給の最適化による在庫及び廃棄ロスの削減を実現できる仕組みを構築してまいります。これにより、大量生産・大量消費の時代からの脱却を促し、顧客と社会のサステナビリティへの貢献を目指します。
当社は、データやテクノロジーは新しいパワフルな道具であるからこそ、道具を使う「人」の育成が重要であり、持続的な成長と社会課題の解決を両立させたいとの志のもと、以下の行動指針を掲げて経営に取り組んでおります。
① 社会に貢献し、持続的な成長を追求します。
② 地域や規模を超え、あらゆる組織のデータ活用を支援します。
③ データやテクノロジーを使う人の教育を推進します。
(2) 経営戦略
当社はこれまで、国内最大規模の消費者マーケティングデータ(ID-POSデータ)を核に、企業各社の現状把握や課題抽出を担う「購買データプラットフォーム」を同業他社に先駆けて構築・展開し、「データ分析会社」として市場における独自の地位を築いてまいりました。
現在は、新中期経営計画の始動に伴い、この強固なデータ基盤を土台として、クライアント企業の経営判断や価値創造そのものをリードする「意思決定支援会社」への進化を強力に推進しております。具体的には、従来の顧客分析に留まらず、AIを活用した高度なテクノロジー支援、オンライン・オフラインを横断する広告・販促支援、さらにはデータガバナンス構築や人材育成支援に至るまで、データ活用の全プロセスをフルサポートする体制を確立しております。
この独自の事業モデルに基づき、小売業に対しては、顧客の購買データを精製・蓄積・管理・分析するツールとして「ショッピングスキャン」を主に提供しております。また、消費財メーカーに対しては、全国や地域における消費者の購買行動を詳細に分析できるツールとして「イーグルアイ」を主に提供しております。このように、各ステークホルダーに最適化されたサービスを統合的に提供することで、産業全体の生産性向上と持続的な成長に寄与し、デジタル時代の新たな「意思決定基盤(OS)」としての地位確立を目指しております。
① サービス利用小売業の増加による、消費者との「顧客接点」であるID-POSデータの増加
当社サービスの基盤となるID-POSデータの網羅性を高めるため、既存のドラッグストア・スーパーマーケットに加え、コンビニエンスストア、ホームセンター、EC、プレステージチャネル等への対象拡大を推進しております。これにより、消費財メーカーが抱える多様な販路(マス・チャネルからECまで)を一気通貫で分析したいという高度なニーズに応えます。
② ストック型サービス(「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」など)の拡大による収益構造の強化
「イーグルアイ」や「ショッピングスキャン」等のストック型サービスを事業の柱とし、収益構造の強靭化を図ります。無償情報サービス「ウレコン」による潜在顧客層の開拓や、卸商社等の販売パートナーを通じた提案強化により、利用企業数の拡大を加速させます。
あわせて、AI・機械学習による予測モデルや、デジタル広告・サイネージと連携するマーケティングソリューション等の新領域をストック型サービスとして展開いたします。購買データベースは、利用数が増加しても追加原価が限定的であるという特性(限界利益率が高い構造)を持つため、ストック売上の伸長に伴い、利益率が加速度的に向上する高収益モデルを確立してまいります。
③ 消費者をビッグデータで把握するための多角的なデータラインナップの充実
AI・機械学習の精度を左右する教師データとして、独自の生活者インサイトデータ「KURASHI360」の提供を強化し、他社との差別化を図ります。また、データサプライヤーとの連携により外部ビッグデータを拡充し、購買行動の背後にある「嗜好性」や「ライフスタイル」までを可視化する体制を整えます。
これらのデータ連携を通じ、小売・消費財領域に留まらず、幅広い業界における顧客理解の深化に寄与いたします。
④ 当社データプラットフォームに連携される多様なソリューションのエコシステム運営による事業拡大
自社サービスの提供に留まらず、外部のAI・テクノロジー・データ企業との連携によるエコシステムを構築し、提供価値の最大化とスピード向上を実現します。新規出店予測や在庫・廃棄ロス削減といった顧客ニーズに即した高度なソリューションをクロスセルすることで、顧客企業内での「意思決定基盤(OS)」としての定着を促します。グローバルプラットフォーム企業やAIスタートアップのテクノロジーを積極的に導入し、最先端の知見と日本のリテール現場の知恵を融合させた、独自のデータエコシステムを展開してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、主要な経営指標として、成長性については売上高の対前期成長率、収益性については営業利益及び営業利益率を掲げており、それらの向上を図る経営に努めてまいります。
また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとなるKPIは、データの網羅性やデータ価値を示す「分析
対象とする小売業の購買データ金額」及び事業成長の持続性と安定性を示す「ストック型契約」の売上高及び売上
高比率であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① ブランドの認知度向上
当社が主な事業領域とする小売業界及び消費財メーカーにおけるサービス利用企業の確保は、当社事業において重要な要素であり、ブランドの認知度の向上は重要な課題と認識しております。無償サービスである「ウレコン」の提供やメディアでのデータ活用実績の増加、サービス導入企業の増加に伴い、認知度は着実に高まっているものの、持続的な事業成長のためには、さらなる認知度の向上が不可欠と考えております。この課題に対し、AI等を活用したサービスの利便性向上、消費者ビッグデータの活用ノウハウの高度化など、提供価値の強化を積極的に行い、「イーグルアイ」「ショッピングスキャン」「POS分析クラウド」に代表される当社サービス利用者の満足度向上に努め、クオリティの高いソリューションを提供する企業としてのブランド確立を着実に進めてまいります。
② 収益基盤の多様化と強化
当社は、国内最大級の消費者購買データプラットフォームを基盤とした分析サービスを主軸に成長してまいりました。次なる成長ステージにおいて、持続的な企業価値向上を実現するためには、収益基盤の多様化と強化が最重要課題であると認識しております。
この課題に対処するため、新たな中期経営計画では、「リテールデータ」と「AIインサイト」を掛け合わせ、現場の意思決定を自律化・高度化させるソリューションの提供を加速させております。単なるデータの提供にとどまらず、AIが精緻な需要予測や最適な施策を提示することで、顧客のマーケティング業務そのものを変革する「意思決定のOS」の構築に注力しております。
さらに、ビジネスアナリティクス領域や広告領域(リテールメディア)といった領域においても、すでに具体的な収益化が始まっております。これらのサービス群を、従来のID-POS分析サービスに次ぐ収益の柱として確立させることで、収益源の多角化と、より強固な収益ポートフォリオの構築を推進してまいります。
③ プラットフォームの価値向上
当社は、データマーケティングに不可欠な3領域である①データ、②テクノロジー、③教育プログラムを含むデータ活用ノウハウの全てにおいて提供価値とクオリティを向上させ、データを収集・精製・管理・分析し、多様なマーケティングソリューションで活用するためのビジネスプラットフォームとしての優位性の盤石化を図ります。
データ戦略に関しては、既に強みを持つドラッグストアに加え、スーパーマーケットとの連携が着実に進展しており、購買データの網羅性は一段と高まっております。今後はこれらをベースとしつつ、ホームセンター、コンビニエンスストア、ECなどの他業態の小売業のデータ連携により、データの付加価値を高めていくことが重要と認識しております。
テクノロジー戦略に関しては、グローバルプラットフォーマー及びAIスタートアップとの連携を推進しております。世界標準のDXソリューションや、AIスタートアップが持つ最先端のアルゴリズムを当社の購買データと融合させることで、クライアントへの提供価値を飛躍的に高めてまいります。
教育プログラムを含む活用ノウハウに関しては、小売業から消費財メーカーへのデータ外販支援を含め、データマーケティングに関連する様々な活用ノウハウを蓄積しています。これらをベースに事業会社、教育研究機関、地方公共団体等に対するデータマーケティングに係る教育機会の提供を行っています。今後はデータマーケターの育成活動を通じて地域での雇用創出、地方経済や企業の発展に寄与していくことが、持続的な成長と社会への貢献を両立させる企業として重要であると認識しております。この取り組みの一環として、地域性を持つデータを分析し、マーケティング戦略の立案・実行につなげる専門性を有した「データマーケティング人材」を育成すること、また、地域社会の人材確保のために実践力のあるマーケティング人材の採用支援を図り、地域の雇用創出、地方創生に貢献することを目的とする一般社団法人ビッグデータマーケティング教育推進協会に出資しております。
④ 業績の持続的成長と社会課題解決への貢献の両立
データやテクノロジーを活用したマーケティングや市場変化への対応は、大企業のみならず中堅・中小企業や地方経済においてもその重要性が高まっております。
当社はかねてよりデータマーケターの育成や、地方行政との連携、教育研究機関や自治体と連携したSDGsやESGに関わる指標づくり、地域雇用の活性化や女性のエンパワーメントをはじめとする取り組みにも力を入れてまいりましたが、こうした社会課題の解決やサステナビリティに関わる領域への価値提供についての社会的な意義は今後ますます高まっていくと認識しており、企業としての持続的成長と並ぶ経営活動の基本戦略に位置付けて取り組みを進めています。
⑤ 組織と人材
当社の競争力の源泉は、データの力と人材の力であり、人材に関しては特に採用と教育に力を入れています。当社のような規模の企業にとっては、良質な人材の確保は経営上の重要課題です。当社の価値観に共感し自ら成長を求める人材を幅広く採用し、挑戦する舞台と教育の機会を用意することで、自律的なプロフェッショナルや次世代の経営人材を育成することが、持続的な成長につながると信じています。
そのためにも、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境を整え、様々な価値観や働き方を支えるインフラや制度を模索し、整備することで自律的なプロフェッショナルにとって魅力ある企業であることを目指しています。新卒採用と中途採用をバランス良く行いながら、人を育てることで組織も成長し、互いの成長を支援する風土を醸成しております。
教育プログラムとしては、専門性向上のためのテクニカル・スキルの教育プログラムのみならず、リーダーシップ開発や人間力の向上を目指したヒューマンスキルのプログラムを提供しています。具体的には、研修等のプログラムに加え、専門のコーチによるリーダーシップ開発、チームビルディング、女性リーダーのエンパワーメント、キャリアコーチングなど、コーチングプログラムの提供がそれにあたります。
当社としては、全社員が安心して自らの持つ力を存分に発揮できる環境を用意することで、組織としてのレジリエンシーを高めることが何よりも重要だと考えております。
⑥ 情報管理体制の強化
当社の事業は、将来的な発展を期待される領域であると同時に個人情報の取り扱いをベースとするため、その社会的責任は極めて重いものと認識しています。堅確な情報セキュリティは当社ビジネスを継続する上での大前提であり、最優先で取り組むべき課題です。個人情報保護体制に関するプライバシーマークに加え、国際基準の情報セキュリティ管理体制を示す「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」の認証を取得し、厳格な運用を実施しております。グローバルレベルの関連規制を遵守することはもとより、データマーケティングのリーディングカンパニーとして、さらなるデータガバナンスの強化を推進してまいります。徹底した社内統制や継続的な社員教育を通じ、お客様や取引先の皆様から常に信頼いただける確かなセキュリティ体制を構築し、安全かつ付加価値の高いデータ活用を追求してまいります。