訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/12/10 15:00
【資料】
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【項目】
157項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下の事項は当社グループに係る全ての事業等のリスクを網羅的に記載したものではなく、記載された事項以外にも予測し難い事業等のリスクが存在するものと考えます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な開示の観点から記載しています。
以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 海外事業について
当社グループは、売上高全体に占める海外売上高の比率が高く、また、アジア地域に複数の生産拠点を設置しております。それに伴い、対象国の経済動向、社会情勢及び政治状況の変化、競合他社との競争激化、貿易、通商及び金融に係る社会制度等の政策の変更、もしくは近隣諸国における戦争、内乱、クーデター、テロ、暴動及び治安悪化等のリスクが存在します。
想定を超える外部環境の変化が発生した場合には、当社の売上高の減少や、当社グループ子会社が営む事業の遅延、中断及び中止等によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替相場の変動について
当社グループは、売上高全体に占める海外売上高の比率が高く、海外拠点を媒介した取引が旺盛であることから、外貨保有、取引に伴う為替の変動リスクが発生します。急激な為替相場の変動が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するために、外貨建の債権債務のポジションを掌握し、受取外貨による外貨支払いを基本線としつつ、必要に応じて外貨の円転及び外貨の購入等を機動的に実施しております。
(3) 原材料等の価格変動について
当社グループはアルミ線をはじめとした原材料等を仕入れておりますが、国際市況の影響を受けることにより、仕入価格上昇によるコストアップの可能性があります。原材料等の急激な価格高騰が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、主要材料の相場変動に連動したスライド価格制度を導入しており、主要顧客への安定供給と事業保全の両立を図っております。
(4) 価格競争について
当社グループはグローバルニッチ市場において製品を提供しておりますが、一定の競合他社の存在があり、価格の引き下げ圧力は当社グループの財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 天候・自然災害等について
当社グループは、多くの生産設備を有しており、地震や風水害等の予期せぬ自然災害等、不測の事態や火災等の事故が発生した場合には、生産能力の著しい低下等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産拠点において、生産設備の定期的な災害防止検査・点検を実施し、生産設備の保全に努めております。
(6) 研究開発について
当社グループは、既存製品及び新製品の研究開発等により技術力の向上を図っておりますが、研究開発費用に対して十分な製品開発等ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の品質について
当社グループが製造している製品については、グループ全体に関わる品質方針に基づき、IATF 16949やISO9001に準拠した品質管理基準に則って製品を製造しております。しかし、何らかの原因により当社製品に欠陥が生じた場合や、製造物責任による高額な賠償金支払、品質不良が原因の高額な間接的損害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、万一の紛争・賠償リスクに備えるべくグループ全体の付保状況を見直し、国内外PL(製造物賠償責任)保険への加入を鋭意進めております。
(8) 人材確保のリスクについて
当社グループが企業の価値を永続的に高めていくためには研究開発・製造やマネジメントをはじめ各部署に必要な人材の確保が不可欠であります。当社グループでは新人・中途採用を問わず計画的・継続的な人材採用や育成を行っておりますが、海外子会社においては特に企業間の採用動向や労働人口の変化が大きい場合があるため、当社グループの財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 他社との提携の成否について
当社グループは、創業以来培った技術の更なる研鑽に加え、新たな技術の獲得が必要と考えております。このため、新製品開発に注力する一方、M&Aや業務提携等による更なる拡充を図っております。しかし、M&Aの実現や業務提携等には、多額の投資が必要になる他、知的財産権や人的な問題等が発生する場合があります。効果的な他社との提携が成立しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、M&Aや業務提携にあたり、財務・法務等に係るデューデリジェンスを実施し、対象会社のリスクを適切に把握のうえ実行してまいります。
(10) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業経営に関わる多岐にわたる重要機密情報を有しており、不測の事態による情報漏洩により、当社グループの信用失墜による売上高の減少または損害賠償による費用の発生等が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報管理を徹底するため、「情報セキュリティ基本方針」等の情報管理に関する規程を整備し、従業員に対する教育を徹底しております。
(11) 知的財産権について
当社グループは、弛まぬ研究開発を重ね、競争優位性の源泉たる技術の蓄積を図り、知的財産権としての権利化を進め、法的保護に努めておりますが、出願する特許権等の知的財産権の特許査定を得られない場合、当社グループの知的財産権が不正目的で使用されたり外部により模倣された場合や、当社グループが第三者の知的財産権を侵害していると司法判断された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが管理する知的財産権に関して、第三者による権利の侵害リスクを検知した場合には、遅滞なく所管部門長を経て技術部部門長に報告することとなっており、第三者の特許権等の侵害が疑われる場合には、顧問弁護士の意見を聴取して、詳細調査を行う体制を構築しております。
(12) 法的規制及びコンプライアンスについて
当社グループが事業を展開する国または地域において、当社グループは環境法令等多くの法令・公的規制による影響を受けております。そのため、法令等の重要な変更が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、万一、各種法令諸規則に抵触する行為が発生し、コンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起、係争中事案の進展、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各種法令諸規則が遵守されるよう、すべての役員及び従業員に対してコンプライアンスの徹底を行っております。具体的には、コンプライアンス研修等の実施や、コンプライアンス管理規程の制定、コンプライアンス委員会の設置・運営等により、コンプライアンスの風土醸成と全社的推進を図っております。
(13) 不正競争防止法に係る訴訟について
当社グループは、技術、営業その他事業にかかる営業秘密を多数有しており、情報管理体制の整備及び厳重化、すべての役員及び従業員に対する教育等を通じて、営業秘密のグループ外への漏洩を防ぐ方策を講じています。また、第三者の営業秘密を不正に取得、使用することがないよう、すべての役員及び従業員に対する教育等を徹底しております。
当社グループは、情報管理に万全を期していますが、予期せぬ事態により営業秘密が流出し、第三者がこれを不正に取得、使用するような事態が生じた場合、あるいは当社グループ役員及び従業員が第三者の営業秘密を不正に取得、使用するような事態が生じた場合、当社グループの社会的評価が失墜し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の光部品・デバイス事業において、2019年8月に不正競争防止法における営業秘密の不正取得を理由とした訴訟が提起され、係争中となっております。損害賠償請求額について、原告の訴訟上の形式的請求金額は、訴状の請求の趣旨記載の805百万円ですが、その後の原告準備書面にて原告の実質的請求金額は減縮されています。当該訴訟については、当社の弁護士のほか、複数の第三者の大手弁護士法人の見解も入手しており、原告に対して当社の主張を丁寧に説明するなど反論を行っております。当社グループにおいては、役員及び従業員が営業秘密を不正に取得、使用した事実はなく、当該要因による損失負担の可能性はないと考えていることから、引当金の計上及び偶発債務としての注記を行っておりません。
(14) 第三者による類似した商号との誤認について
当社グループは、「KOHOKU」と商標登録することでブランドを保護しておりますが、当社グループと資本関係を有さない第三者が類似した商号を使用することにより、当社グループ会社であると誤認されるリスクが存在します。当該第三者が重大事故等の事態を引き起こし、それによって当社のブランド価値が毀損された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 固定資産の減損について
当社グループは、工場、機械設備等多くの固定資産を保有しています。四半期毎に各拠点において減損兆候の判定を行っておりますが、業績変動等を理由に減損の兆候が生じ、固定資産の減損を行う必要が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 財務制限条項について
当社は、2015年に実行されましたFDK株式会社の光部品事業(光部品事業を営む同社の子会社の株式、その他これらに付随又は関連する資産を含む。)の譲り受けを目的として、複数の金融機関とシンジケーション方式による長期貸出コミットメント契約を締結しております。シンジケートローン契約には財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
当社グループは、国内及び海外で生産活動を行っており、各拠点において健康や安全衛生に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、国内及び海外主要各国における流行が長期間にわたり続いた場合は、当社グループの事業活動に支障をきたす恐れがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染防止策をすべての役員及び従業員に対して周知徹底しており、政府等からの要請を遵守のうえ、感染拡大防止に努めております。
(18) 特定人物への依存について
当社の代表取締役である石井太は、当社グループの事業運営において極めて重要な役割を担っております。当社グループでは、取締役会や経営会議等において役員及び従業員への情報共有を行うことで経営管理体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により業務遂行が困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 大株主について
当社の代表取締役である石井太及び同氏の資産管理会社であるアイエフマネジメント株式会社が、本書提出日現在で発行済株式総数の79.0%を所有しており、本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。
同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。
同氏は、当社の代表取締役であることから、当社といたしましても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社取締役及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして、新株予約権(以下、「ストックオプション」という。)を付与しております。これらのストックオプションに加え、今後付与されるストックオプションの権利が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値が希薄化し、以後の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。