有価証券報告書-第54期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 16:23
【資料】
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【項目】
156項目
(3) 戦略/指標及び目標
当社グループは、最重要課題として「人的資本の向上」「水リスクの把握・水資源の有効活用・水質管理の徹底」「容器・包装の環境配慮」「持続可能な物流網の構築」「安定供給体制の構築」「気候変動への対応」を特定いたしました。
事業活動において、これらの最重要課題への取組みを進めてまいります。
a.人的資本の向上
当社グループは、人的資本を企業集団における人財の能力と位置づけており、中長期的な企業価値の向上には人的資本の向上が必要不可欠であると認識しております。人的資本の持続的向上を実現するため、人財採用の推進、人財育成への注力、多様性の尊重、及び労働環境の整備を進めてまいります。
なお、指標及び目標は「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異」に記載しております。
①人財採用の推進
当社グループは、採用難や離職増加により著しい人財不足が生じた場合、事業継続が困難になる可能性があると認識しております。一方で、従業員の定着や多様なバックグラウンドを持つ人財の活躍は、収益安定化や企業成長に繋がると認識しております。
当社は多様なバックグラウンドを持つ人財確保のために、過去より他社経験者採用を積極的に推進してまいりました。その結果、当社における入社者全体に占める中途採用者の比率は100.0%(2026/3期)となっております。当社グループは、適所適材の考えのもと、各個人の能力に基づく採用を進めてまいりましたが、今後も国籍・性別・障がいの有無などにとらわれず、多様な人財採用を推進してまいります。
②人財育成への注力
当社グループは、人的資本の向上には、従業員一人ひとりが自発的に学び、その学びや経験を通じて自身の成長を実感し、主体的・自律的なキャリアを構築できる仕組みが必要不可欠であるとの考えのもと、人財育成に注力しております。今後も1on1やフィードバックといった対話機会の創出・拡大・質向上、人財育成会議を通じた個別人財育成プランの策定及びモニタリング、リーダーシップ習得などの階層別の研修や工場人財の専門性習得研修の実施、キャリア形成を考える機会の提供などを進めてまいります。
③多様性の尊重
当社グループは、多様性を尊重し、その「違い」を積極的に活かすことが人的資本の向上に資すると考えております。また、多様なバックグラウンドを持つ人財がともに働き、パフォーマンスを最大限発揮するための共通言語として、企業理念やビジョン、バリューの浸透が重要であると考えております。会社が重視している価値観・方向性を共有することで、従業員一人ひとりが「働く意義」を見出しやすくなり、結果として生産性やエンゲージメント、モチベーションの向上に繋がると認識しております。人員拡大に合わせて、これらの浸透へ向けたトップメッセージの発信や職場ミーティングなどの取り組みを継続してまいります。
④労働環境の整備
当社グループは、長時間労働・過酷な労働環境・ハラスメントや労災事故の発生が身体的・精神的な従業員の健康被害を引き起こし、同時に離職増加に繋がる恐れがあると認識しております。これらのリスクを的確に把握し、従業員が安心して働ける安全な労働環境の整備に努めてまいります。
b.水リスクの把握・水資源の有効活用・水質管理の徹底
地球温暖化の進行に伴い、世界各地で干ばつ・渇水による水の調達リスクが深刻化しております。当社グループは、飲料を主要製品とすることから、採水量の減少・水質の変化をリスクと認識しております。
当社グループは、各工場での水使用量の適正化及び排水基準の遵守などの取組みにより、水使用量の原単位を削減することで、地域の水資源の保全に努めてまいります。
c.容器・包装の環境配慮
脱炭素の動きとともに、脱プラスチックは世界的な課題となっております。当社グループは、ペットボトル及びラベルなどの原材料としてプラスチックを使用しているため、環境負荷低減への対応が未実施であった場合、事業機会を失う可能性があります。一方で、環境配慮型製品の需要増加は、収益向上に繋がる機会であると認識しております。
当社グループは、今後もペットボトルの軽量化による1本あたりのレジン使用量の削減、ラベルレス製品への切り替え、及びリサイクルペットボトルへの対応などの取組みを進めてまいります。
d.持続可能な物流網の構築
近年、日本国内では物流分野における労働力不足が顕在化しております。また、輸配送時の温室効果ガスは地球温暖化を加速させる一因とも言われております。当社グループは、ドライバー不足による配送の遅延及び配送コストの増加、並びに輸配送時の温室効果ガス排出による気候変動の加速などをリスクと認識しております。
当社グループは、御殿場新工場の稼働のみならず、M&Aで獲得した新たな生産拠点を踏まえて輸配送ルートの最適化を進め、輸配送時の温室効果ガス排出量の削減及び配送コストの削減を目指してまいります。
e.安定供給体制の構築
気候変動に伴う急激な気温上昇により、飲料の需要が増加する可能性があります。当社グループは、気温上昇による需要増加を機会と捉える一方で、生産能力の不足により供給困難に陥る可能性をリスクと認識しております。
当社グループは、積極的な設備投資及びM&Aにより、需要増に対応するための体制構築を図ってまいります。
なお、指標及び目標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載しております。
f.気候変動への対応
地球温暖化による気候変動は、気温上昇による飲料需要の増加や干ばつ・渇水による水の調達リスクの深刻化など当社グループの事業に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
当社グループは、TCFDが提唱するフレームワークに基づくシナリオ分析の手法を用いることで、事業活動に影響を与える重要な気候変動関連のリスクと機会を特定いたしました。シナリオ分析は、当社グループのすべての事業を対象として、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の代表的濃度経路シナリオ、国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオに基づく「1.5/2℃」、「4℃」の二つのシナリオを設定したうえで、2030年及び2050年を対象時点とした中長期の気候変動による事業への影響に対して実施いたしました。
各シナリオにおける気候変動に伴う主なリスクと機会の項目を特定し、事業インパクト評価を行った結果、「1.5/2℃」シナリオの低炭素社会への移行リスク、「4℃」シナリオの気候変動がもたらす物理リスクから、特に重要な影響を及ぼす可能性が高いリスク・機会を識別しております。
なお、2025年3月期の二酸化炭素排出量(Scope1,2)は51,663t-CO2となっております(前期比16.3%増)。
(1.5/2℃シナリオにおける重要なリスク・機会)
物理リスク/
移行リスク
リスク内容リスクが発現する時間軸事業
インパクト
主な対応策
移行サプライヤーにおける炭素税の価格転嫁によるコスト増加中~長輸配送ルートの最適化
工場の分散化
容器資材の軽量化
炭素税導入及びCO2排出量取引制度の強化などによる自社操業コスト増加中~長エネルギー効率の良い設備への更新
エネルギー転換
容器資材の軽量化
リサイクルPET樹脂などの調達コストの増加短~長容器資材の軽量化

(4℃シナリオにおける重要なリスク・機会)
物理リスク/
移行リスク
リスク内容リスクが発現する時間軸事業
インパクト
主な対応策
物理水不足・水質悪化に起因する操業停止及びそれに伴う
機会損失
中~長水使用量の原単位を削減
機会気温上昇による飲料需要増加中~長熱中症対策製品の開発・展開

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