有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
マテリアリティ(重要項目)
当社グループはミッションである「医療という希望を創る。」を持続可能な形で達成するために、国際的なESGの主要な枠組みを参考に、取締役・執行役員・幹部社員が社会・ステークホルダー及び当社における重要度を複合的に議論することにより、経営理念を実現するために必要な以下の5つのマテリアリティを特定しました。これらは、いずれもSDGs(持続可能な開発目標)の各目標と深く関連するとともに、財務的影響と環境・社会的影響の双方を捉えたダブルマテリアリティの概念に立脚しており、社会課題の解決への貢献と、当社の持続的な成長の両立を目指す重要課題として位置づけています。各マテリアリティの担当として担当取締役又は執行役員を任命し、長期的な価値の創造に向けて、課題解決に向けた活動を推進しています。また、当社グループでは従業員がサステナビリティへの取り組みアイデアを提案する「サステナビリティコンテスト」を毎年開催しています。このコンテストを機会にサステナビリティの重要性を深く認識し、一人ひとりが主体的にその実現に取り組む組織文化を醸成することを目的としています。
各マテリアリティへの取り組み
関連する主なSDGsの目標
① 患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求
目標5: ジェンダー平等を実現しよう
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標8: 働きがいも経済成長も
目標10: 人や国の不平等をなくそう
② 持続可能でイノベーティブな医療サービスの創出
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標9: 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
③ 安心安全な医療の提供
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標11: 住み続けられるまちづくりを
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
④ 地球環境に配慮した経営
目標7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標11: 住み続けられるまちづくりを
目標13: 気候変動に具体的な対策を
⑤ コンプライアンスの徹底
目標12: つくる責任 つかう責任
目標16: 平和と公正をすべての人に
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
① 患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求
患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求を事業運営の核とし、地域医療の整備と高品質なサービス提供に努めています。顧客満足度向上のため、2019年より支援先訪問診療クリニックへのCS調査の導入・運用支援を実施するとともに、グループ会社(株式会社シーユーシー・ホスピス、ソフィアメディ株式会社)ではNPS®(ネット・プロモーター・スコア)を用いたCS調査を経年的に実施・分析しています。また、医療従事者が安心して働き続けられる環境構築を重要視し、安全な職場環境の整備、柔軟な働き方の推進、キャリア形成支援、メンタルヘルスケアの充実に積極的に投資しています。前述のサステナビリティコンテストにおいて、2025年度は「心身の健康・ウェルビーイング」をテーマに設定し、国内外のグループ会社から45の提案が集まりました。そのなかから、自律的な学びや貢献を将来の安心へと繋げる資産形成のアイデアや、AI活用や部署を超えたメンター制の仕組みにより早期のメンタルケアを実現するアイデアなどが選出され、企画実現に向けて取り組んでいます。「人的資本・ダイバーシティ」をテーマにした2024年度には、病気の予防など従業員の健康的な働き方を支援するアイデアが選出され、2026年度よりグループ会社のソフィアメディ株式会社にて導入開始しています。
また、女性活躍の推進や子育て支援へも精力的に取り組み、2025年10月には子育てサポート支援企業として「くるみん」を、11月には女性活躍推進企業として「えるぼし」を取得しました。更に、文部科学省が推奨するキャリア教育推進の一環として中学生の企業訪問の受け入れや、高校生に向けたキャリア授業についても継続的に開催しています。

②持続可能でイノベーティブな医療サービスの創出
誰もが安心して質の高い医療・ケアを受けられるよう、増え続ける医療・介護ニーズや、医療人材をはじめとするリソースの制約といった社会課題に対し、DXの推進や適切なリソース配分を実行しています。実証実験として生成AIを活用し、介護現場の記録業務を約20%削減することを確認できましたので、今後これによりグループ全体で年間約3万時間の工数を創出し、ご入居者様への直接的なケアの充実に繋げていくことを検討しています。また、AIの入力支援により外国人スタッフの言語の壁を解消し、心理的負担の軽減と人材定着を推進しています。追加のシステム投資を行わずに現場の生産性向上と深刻な人材不足の解消を図り、次世代の医療・介護モデル構築を通じた持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、クラウド型電子カルテの導入により、可視化による人員配置の適正化や医療情報連携の効率化を図り、多職種による地域医療提供体制の持続可能性を強化しています。電子カルテの音声入力のほか、オンライン診療による生産性向上、AI活用による運転や事務業務の省人化も推進しています。また、国内の医療・介護人材不足の解消に向け、早期よりグローバル人材の受け入れ支援を行ってきました。東南アジア諸国から看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる制度であるEPA、留学、技能実習から特定技能に至るさまざまな在留資格のグローバル人材の登用を含め、2025年10月までに提携医療機関において86名の受け入れ支援実績がありました。単なる人材紹介に留まらず、受け入れ後には語学や異文化理解の研修などによる育成、定期面談とコンディションチェックなど、業務面、生活面において継続的にサポートを行い、グローバル人材の定着に伴走してきました。その結果、離職率2.3%という高い定着率を実現するまでになりました。この実績を生かし、2025年12月には、グループ会社の株式会社シーユーシー・ホスピス及び株式会社ノアコンツェルにおいて、合計47名のグローバル人材の受け入れを開始しました。今後、ホスピス事業やメディカルケアレジデンス事業においてもグローバル人材の登用を推進し、日本の医療・介護業界における先行事例になることを目指しています。
また、国際的な事業展開の強化として、米国市場への進出を本格化しています。2025年11月に、長引く痛みの原因となる「モヤモヤ血管」を標的とする低侵襲カテーテル治療を開発した奥野祐次医師と戦略的業務提携(MOU)を締結し、2028年までの3年間で約20拠点のOBL(Office-Based Laboratory)開設を目指します。これにより慢性疼痛患者の「アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ)」の解決に貢献し、グローバルな医療サービスの創出を推進します。
③ 安心安全な医療の提供
グループ横断で安全な医療・介護サービスの提供の推進を図ることを目的とした医療安全委員会を設置し、多角的な視点で、迅速かつ効率的に安全を確保する取り組みを実施しています。患者様・医療従事者双方の安全を実現するため、支援先医療機関とも連携しながら、さまざまなリスクの最小化に取り組んでいます。医療機関事業においては医療法人のインシデント・アクシデントレポートを医療的知見に基づいたさまざまな角度から分析、課題を抽出し、対策方針を立てるコンサルティングを行っています。また、2025年度はグループ各社において安心安全教育研修やカスタマーハラスメント研修の実施や、電子インシデント報告フォームの導入を進め、標準化を推進しました。
④ 地球環境に配慮した経営
地球温暖化に伴う猛暑の常態化や気象災害の激甚化等の環境変化は、高齢者や要介護者の健康リスクに直結し、地域の医療・介護ニーズに構造的な変化をもたらしています。当社グループは、「医療という希望を創る」というミッションのもと、人々の健康と暮らしを支える持続可能な社会の実現に向けて、気候変動への対応を推進しています。具体的な環境負荷低減へのアプローチとして、本社オフィスにおいて100%再生可能エネルギー由来電力の導入を行っているほか、環境データの透明性の確保のため、アスエネ等の外部プラットフォームを活用し、グループ全体でのSCOPE1・2のデータ収集・管理を実施しています。また事業活動を通じた環境課題への適応策として、ホスピス型住宅「ReHOPE」においてスタッフの発案による「生ごみ処理機プロジェクト」を2024年9月より始動しています。こちらは、2023年度のサステナビリティコンテストを契機に始まった取り組みです。本取り組みにより、廃棄物処理に伴うコストとCO2排出量の大幅な削減を図るとともに、現場の衛生環境改善とスタッフの業務負担軽減を同時に実現しており、2026年6月現在、グループの40施設に展開しています。
⑤コンプライアンスの徹底
コンプライアンスの徹底と不正発生の余地を排除する仕組み作りをグループ全体で継続的に実践しています。契約・請求業務や個人情報・機密情報の厳格な管理等における適正性の確保と不正リスクの根絶を目指し、内部統制の強化を図っています。多重チェック体制の構築や情報セキュリティ対策の強化、コンプライアンスに関する従業員教育の実施、そして公正な業績評価制度の運用などを通じ、健全な業務運営と組織文化の醸成を推進しています。2025年度は人権方針、環境方針、行動規範を策定し、全社のオンライン集会にて共有するとともにコーポレートサイトで公開しました。またグループ4社のリスクマップを作成したほか、AI活用の進展に伴うコンプライアンス・ガバナンスのリスクをAI推進プロジェクトで抽出しました。
マテリアリティ(重要項目)
当社グループはミッションである「医療という希望を創る。」を持続可能な形で達成するために、国際的なESGの主要な枠組みを参考に、取締役・執行役員・幹部社員が社会・ステークホルダー及び当社における重要度を複合的に議論することにより、経営理念を実現するために必要な以下の5つのマテリアリティを特定しました。これらは、いずれもSDGs(持続可能な開発目標)の各目標と深く関連するとともに、財務的影響と環境・社会的影響の双方を捉えたダブルマテリアリティの概念に立脚しており、社会課題の解決への貢献と、当社の持続的な成長の両立を目指す重要課題として位置づけています。各マテリアリティの担当として担当取締役又は執行役員を任命し、長期的な価値の創造に向けて、課題解決に向けた活動を推進しています。また、当社グループでは従業員がサステナビリティへの取り組みアイデアを提案する「サステナビリティコンテスト」を毎年開催しています。このコンテストを機会にサステナビリティの重要性を深く認識し、一人ひとりが主体的にその実現に取り組む組織文化を醸成することを目的としています。
各マテリアリティへの取り組み
関連する主なSDGsの目標① 患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求
目標5: ジェンダー平等を実現しよう
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標8: 働きがいも経済成長も
目標10: 人や国の不平等をなくそう
② 持続可能でイノベーティブな医療サービスの創出
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標9: 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
③ 安心安全な医療の提供
目標3: すべての人に健康と福祉を
目標11: 住み続けられるまちづくりを
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
④ 地球環境に配慮した経営
目標7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標11: 住み続けられるまちづくりを
目標13: 気候変動に具体的な対策を
⑤ コンプライアンスの徹底
目標12: つくる責任 つかう責任
目標16: 平和と公正をすべての人に
目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
① 患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求
患者様と医療従事者のウェルビーイングの追求を事業運営の核とし、地域医療の整備と高品質なサービス提供に努めています。顧客満足度向上のため、2019年より支援先訪問診療クリニックへのCS調査の導入・運用支援を実施するとともに、グループ会社(株式会社シーユーシー・ホスピス、ソフィアメディ株式会社)ではNPS®(ネット・プロモーター・スコア)を用いたCS調査を経年的に実施・分析しています。また、医療従事者が安心して働き続けられる環境構築を重要視し、安全な職場環境の整備、柔軟な働き方の推進、キャリア形成支援、メンタルヘルスケアの充実に積極的に投資しています。前述のサステナビリティコンテストにおいて、2025年度は「心身の健康・ウェルビーイング」をテーマに設定し、国内外のグループ会社から45の提案が集まりました。そのなかから、自律的な学びや貢献を将来の安心へと繋げる資産形成のアイデアや、AI活用や部署を超えたメンター制の仕組みにより早期のメンタルケアを実現するアイデアなどが選出され、企画実現に向けて取り組んでいます。「人的資本・ダイバーシティ」をテーマにした2024年度には、病気の予防など従業員の健康的な働き方を支援するアイデアが選出され、2026年度よりグループ会社のソフィアメディ株式会社にて導入開始しています。
また、女性活躍の推進や子育て支援へも精力的に取り組み、2025年10月には子育てサポート支援企業として「くるみん」を、11月には女性活躍推進企業として「えるぼし」を取得しました。更に、文部科学省が推奨するキャリア教育推進の一環として中学生の企業訪問の受け入れや、高校生に向けたキャリア授業についても継続的に開催しています。

②持続可能でイノベーティブな医療サービスの創出誰もが安心して質の高い医療・ケアを受けられるよう、増え続ける医療・介護ニーズや、医療人材をはじめとするリソースの制約といった社会課題に対し、DXの推進や適切なリソース配分を実行しています。実証実験として生成AIを活用し、介護現場の記録業務を約20%削減することを確認できましたので、今後これによりグループ全体で年間約3万時間の工数を創出し、ご入居者様への直接的なケアの充実に繋げていくことを検討しています。また、AIの入力支援により外国人スタッフの言語の壁を解消し、心理的負担の軽減と人材定着を推進しています。追加のシステム投資を行わずに現場の生産性向上と深刻な人材不足の解消を図り、次世代の医療・介護モデル構築を通じた持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、クラウド型電子カルテの導入により、可視化による人員配置の適正化や医療情報連携の効率化を図り、多職種による地域医療提供体制の持続可能性を強化しています。電子カルテの音声入力のほか、オンライン診療による生産性向上、AI活用による運転や事務業務の省人化も推進しています。また、国内の医療・介護人材不足の解消に向け、早期よりグローバル人材の受け入れ支援を行ってきました。東南アジア諸国から看護師・介護福祉士の候補者を受け入れる制度であるEPA、留学、技能実習から特定技能に至るさまざまな在留資格のグローバル人材の登用を含め、2025年10月までに提携医療機関において86名の受け入れ支援実績がありました。単なる人材紹介に留まらず、受け入れ後には語学や異文化理解の研修などによる育成、定期面談とコンディションチェックなど、業務面、生活面において継続的にサポートを行い、グローバル人材の定着に伴走してきました。その結果、離職率2.3%という高い定着率を実現するまでになりました。この実績を生かし、2025年12月には、グループ会社の株式会社シーユーシー・ホスピス及び株式会社ノアコンツェルにおいて、合計47名のグローバル人材の受け入れを開始しました。今後、ホスピス事業やメディカルケアレジデンス事業においてもグローバル人材の登用を推進し、日本の医療・介護業界における先行事例になることを目指しています。
また、国際的な事業展開の強化として、米国市場への進出を本格化しています。2025年11月に、長引く痛みの原因となる「モヤモヤ血管」を標的とする低侵襲カテーテル治療を開発した奥野祐次医師と戦略的業務提携(MOU)を締結し、2028年までの3年間で約20拠点のOBL(Office-Based Laboratory)開設を目指します。これにより慢性疼痛患者の「アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療法が見つかっていない疾患に対する医療ニーズ)」の解決に貢献し、グローバルな医療サービスの創出を推進します。
③ 安心安全な医療の提供
グループ横断で安全な医療・介護サービスの提供の推進を図ることを目的とした医療安全委員会を設置し、多角的な視点で、迅速かつ効率的に安全を確保する取り組みを実施しています。患者様・医療従事者双方の安全を実現するため、支援先医療機関とも連携しながら、さまざまなリスクの最小化に取り組んでいます。医療機関事業においては医療法人のインシデント・アクシデントレポートを医療的知見に基づいたさまざまな角度から分析、課題を抽出し、対策方針を立てるコンサルティングを行っています。また、2025年度はグループ各社において安心安全教育研修やカスタマーハラスメント研修の実施や、電子インシデント報告フォームの導入を進め、標準化を推進しました。
④ 地球環境に配慮した経営
地球温暖化に伴う猛暑の常態化や気象災害の激甚化等の環境変化は、高齢者や要介護者の健康リスクに直結し、地域の医療・介護ニーズに構造的な変化をもたらしています。当社グループは、「医療という希望を創る」というミッションのもと、人々の健康と暮らしを支える持続可能な社会の実現に向けて、気候変動への対応を推進しています。具体的な環境負荷低減へのアプローチとして、本社オフィスにおいて100%再生可能エネルギー由来電力の導入を行っているほか、環境データの透明性の確保のため、アスエネ等の外部プラットフォームを活用し、グループ全体でのSCOPE1・2のデータ収集・管理を実施しています。また事業活動を通じた環境課題への適応策として、ホスピス型住宅「ReHOPE」においてスタッフの発案による「生ごみ処理機プロジェクト」を2024年9月より始動しています。こちらは、2023年度のサステナビリティコンテストを契機に始まった取り組みです。本取り組みにより、廃棄物処理に伴うコストとCO2排出量の大幅な削減を図るとともに、現場の衛生環境改善とスタッフの業務負担軽減を同時に実現しており、2026年6月現在、グループの40施設に展開しています。
⑤コンプライアンスの徹底
コンプライアンスの徹底と不正発生の余地を排除する仕組み作りをグループ全体で継続的に実践しています。契約・請求業務や個人情報・機密情報の厳格な管理等における適正性の確保と不正リスクの根絶を目指し、内部統制の強化を図っています。多重チェック体制の構築や情報セキュリティ対策の強化、コンプライアンスに関する従業員教育の実施、そして公正な業績評価制度の運用などを通じ、健全な業務運営と組織文化の醸成を推進しています。2025年度は人権方針、環境方針、行動規範を策定し、全社のオンライン集会にて共有するとともにコーポレートサイトで公開しました。またグループ4社のリスクマップを作成したほか、AI活用の進展に伴うコンプライアンス・ガバナンスのリスクをAI推進プロジェクトで抽出しました。