訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/02/10 10:00
【資料】
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【項目】
146項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「中期経営計画2022ローリングプラン」において、2022年度終了時点でのありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけしました。

「根元」とは、当社の事業の根幹である、20年の実績がある既存事業(コンタクトセンター・BPOサービス)のことを表現しており、「新芽」とはビジネスの次世代化に向けた新規事業(Omnia LINK外販等)のことを表現しております。「根元」は更に深く、「新芽」は更なる広がりを持って、両面で「健康」に成長し続けていくこと、これが当社の経営ビジョンです。
また、この経営ビジョンを達成するために以下の「5つの取組方針」を定めております。
i. ビジネスの継続的価値向上(根元)コンタクトセンター・BPOにおける、顧客業界ごとの営業方針の策定、顧客ポートフォリオの改善、既存顧客に向けた領域拡大提案等を行ないます。
ii. ビジネスの次世代化(新芽)Omnia LINK外販強化や、コンタクトセンター・BPOにおけるデジタル活用による生産性の向上、顧客業界を理解し、コンタクトセンター・BPOの延長にとどまらない新たな事業展開の検討などを行ないます。
iii. 事業基盤の強化ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。
iv. ダイバーシティ&インクルージョン女性活躍推進、障がい者雇用、外国人採用、若年層の育成などを通じて、多様性のある会社を目指します。
v. ESG経営の推進SDGsの推進、コーポレートガバナンスの強化、地域貢献等を積極的に実行します。
(2)経営戦略
当社の成長戦略は、経営ビジョンに「根元から新芽まで」とあるように、コンタクトセンター・BPOサービスとOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバとして位置づけております。
コンタクトセンター・BPOにおいては、重点戦略グループ(金融業界・小売流通業界・ライフライン業界・情報通信業界)を設定し、重点戦略グループにおける顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。
システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、オフィス向けのOmnia LINKの販売開始によるターゲットユーザーの拡大の他、新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発として、現在はCXプラットフォームと滋賀大学との声の印象評価システムの研究開発を行なっております。CXプラットフォームは、保険や不動産契約等、本人確認を伴うために非対面化ができていない接客をオンラインで完結させるための顧客対応システムです。滋賀大学との研究開発は、Qua-cleですでに実現している電話応対品質の自動評価をさらに高度化するものです。
システムソリューション販売は、コンタクトセンター・BPOサービスと比較し、人件費などをはじめとした必ず発生する変動コストが少なく、販売数が増加することで固定費を回収し、利益が逓増する収益モデルとなっております。これらの取り組みを通じて、システムソリューション販売における売上高を拡大させるとともに、全社利益への貢献を図ります。
なお、上記の当社の今後の成長戦略を図示すると、以下のようなイメージとなります。

(3)目標とする経営指標
当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。
(4)経営環境
「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2021年)」(㈱矢野総合研究所・2021年11月2日発表)によると、2020年度の広義のテレマーケティング市場規模(注1)は、前年度比5.2%増の1兆421億円と推計されております。同市場は、同研究所によると今後についても堅調に推移することが見込まれております。
その背景として、企業が昨今の労働力不足、人材不足を背景とした働き方改革やDX推進による自社内人的リソースの再構築を加速化させており、ノンコア業務をアウトソースする機運が高まっている点があげられ、また、改正労働契約法や改正労働者派遣法の2018年4月の適用開始に合わせて、自社雇用のパートや派遣スタッフからBPOに切り替えをする企業も増加していることで市場拡大が後押しされていると当社は考えております。
また、近年はAIやRPAなどのデジタル技術と人材によるオペレーションを組み合わせたサービスニーズが増加しており、当該市場へのプラス効果として働いております。特に、新型コロナウイルスの発生以降は、外出自粛に伴い企業のテレワークが急速に普及しており、各社で業務プロセス変革を余儀なくされていることが多いため、デジタル化やアウトソーシングニーズの増加につながっていると当社は考えております。合わせて、「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を追求する企業が増加しており、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターにおいては、「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあると考えております。そのため、専門業者の知見への期待から、アウトソーシングニーズの増加につながっております。
また、コンタクトセンターを自社運営している企業群は、上記の「広義のテレマーケティング市場規模」と別に1.3兆円超が存在すると見込んでおり、潜在市場として認識しております。(注2)
注1:㈱矢野総合研究所において、「テレマーケティング売上高及びその他関連サービスの合算」と定義。
注2:当社推定値。当社席数と「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2021年)」(㈱矢野総合研究所・2021年11月2日発表)における当社シェアにより、日本のコンタクトセンターアウトソーシング事業者席数を算出。コールセンターの運用形態(コールセンター白書2021 ㈱リックテレコム)より、自社運営コンタクトセンター席数を算出し、当社の1席あたり売上高を乗じて算出。
外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるSaaS型サービス市場規模及びソフトウェア市場規模は合計で1,533億円(「コールセンター市場総覧 2021」㈱矢野総合研究所・発刊日2021年10月)となっております。特にSaaS型サービス市場は2020年度において、前年度比11.6%の成長率となっております。
また、現在のところOmnia LINKはコンタクトセンター向けの専門システムとなっておりますが、今後の展開としてオフィス内でのビジネスコラボレーションツールとしての機能を2023年5月期以降に展開する予定です。その場合、ビジネスコラボレーション市場規模1,264億円(「テレワーク/ニューノーマルを支えるコラボレーション・モバイル管理ソフトの市場規模 2020年度版」デロイト トーマツ ミック経済研究所㈱ 発刊日2020年10月5日)、非対面接客市場(WEB会議システム市場)197億円(㈱アイ・ティー・アール ITR Market Viewコラボレーション市場2020)も見据えることができ、その合計の顕在市場は0.3兆円と見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の発生によって、当社を取り巻く環境は、官公庁案件の増加や、巣籠需要によるコンタクトセンターニーズの増加が見られ、需要が高まっている状況にあります。一方、コンタクトセンター・BPO事業は労働集約型ビジネスの性質も有しているため、就業中の従業員による感染拡大リスクの増加が懸念され、事業の継続と従業員の安全配慮の両軸での運営が求められております。そのような需要の拡大と従業員の安全性の確保の観点から、両課題を解消する手法として在宅コンタクトセンターが広まりつつあると考えており、当社においてもすでに全国1,000名以上(2021年11月現在)の在宅オペレーターが在籍しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。
① ビジネスの継続的価値向上(根元)
当社グループは売上の基盤を支えるコンタクトセンターBPOサービスの営業力強化に向けて、業界ごとに営業担当者を配置の上、業界動向に合わせた戦略策定を行なっております。顧客業界分析の上で、機会をとらえてリソースを集中させることで戦略的な営業活動を行ってまいります。また、売上高の成長とともに営業リソースの増強を図っておりますが、営業人材の育成が課題となっております。営業活動を可視化し、定型化することで営業組織全体の底上げを図るべく、取り組んでまいります。Omnia LINKの販売開始前の当社グループにおける営業アプローチは、顧客企業に対してコンタクトセンター・BPOの提案、提供のみに留まっておりました。Omnia LINKの販売開始後は、顧客企業に対してコンタクトセンター・BPOでのアプローチだけでなく、システム販売のアプローチも可能になったことで、複合的な営業アプローチを実現しております。サービスとシステムの双方を販売している当社だからこその特徴であると認識しており、 今後は更にクロスセルを強化していきたい考えです。

② ビジネスの次世代化(新芽)
当社グループでは以下の図のようにDX戦略を3つのフェーズに分けて考えております。

「Bewith1.0」:これまで取り組んできたコンタクトセンター・BPOサービス
「Bewith2.0」:働き方改革を背景にしたコンタクトセンター・BPOサービスの一部プロセスをデジタルに置き換えることで人の生産性を高めたプロセスのDX
「Bewith3.0」:コンタクトセンター・BPOサービスの延長線上にない、顧客企業の市場変化への対応や経営課題を解決する価値創造型のDX (注:これまでの当社のコンタクトセンター・BPOサービスでは解決できないような、顧客ごとの市場環境に合わせた経営課題を、デジタルテクノロジーを用いて解消する新たなサービス開発の取り組み)
「Bewith2.0」では、「デジタル&オペレーションサービス」の販売強化を促進してまいります。特にRPAやAI-OCR、Omnia LINKを活用したコンタクトセンター・BPOサービスを強化し、各オペレーション組織においてはデジタル化による効率化時間を目標値として設定し、確実な実行を進めてまいります。
Omnia LINK外販サービスにおいては、音声認識ソリューションの強化を行ないます。既存顧客への音声認識ソリューションのアップセルの実施や、音声認識を活用したセンター機能の高度化を提案し、市場シェアを獲得していく方針です。また滋賀大学との共同研究による電話音声の印象の自動評価や、「オフィス版のOmnia LINK(スマートフォンで対応ができるOmnia LINK)」の拡販などを通じ、段階的にシステムプロダクトによる増益幅を拡張させていきたい考えです。
「Bewith3.0」においては、サービスリリース済みプロダクトの拡販に引き続き、検討中プロジェクトのリリース準備を進めてまいります。リリース済みプロダクトの拡販については、タスクフォースを組成し、SaaS型プロダクトに適したマーケティング・営業手法の確立に向けて取り組んでおります。
③ 事業基盤の整備
事業のデジタル化を推進する中で、デジタル開発等の対応が可能なデジタル人材の確保が課題となっております。従来の人事制度では、市場におけるデジタル人材が求める水準と合致しない部分があったため、新たに「DX人事制度」の策定を進める方針です。デジタル人材をターゲットにした柔軟な人事制度を構築することで、採用力を強化し優秀なデジタル人材の確保につなげていきます。また、高年齢者雇用安定法の改正に向けて、定年制度の延長を検討いたします。定年延長の検討と合わせ、個人の働き方に合わせた報酬制度の検討を進めてまいります。拠点については、「Bewith Digital Work Place(在宅コンタクトセンターソリューション)」を活用し、在宅オペレーター採用要件や、在宅教育制度、在宅オペレーター向けの規程整備等の仕組みを整えることで、拠点増設規模を抑えながら、効率的なオペレーションリソースの拡大を進め、将来的には在宅オペレーター10,000名体制を目指してまいります。
④ ダイバーシティ&インクルージョン
当社はダイバーシティ&インクルージョンを(1)ジェンダーフリー(女性活躍)、(2)マルチカルチャー(多様な国籍の人材の活躍)、(3)ディスアビリティ(障がい者の活躍)、(4)ジェネレーションフリー(すべての年代の活躍)、の4つの視点でとらえております。働き方や教育面、やりがいの醸成などの環境の整備を進めていくことで、性別や年齢・国籍・文化・価値観など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を活用し、多様なニーズに対応することで新たな価値を創造、提供できるよう努めてまいります。
⑤ ESG経営の推進
当社は、社会の一員として、地域や環境との共生に貢献する取組みも進めてまいります。
具体的にはSDGsの達成に向けて、「SDGs推進委員会」を設置しており、活動をさらに加速させていきます。合わせて、ガバナンスの強化、コンプライアンス強化については、これまでに定めた運用ルールの更なる定着と確実な実行に向けて取り組んでまいります。
⑥ 流動性の確保及び企業価値の拡大
本書提出日現在の当社の株主構成は㈱パソナグループ1社となっておりますが、当社が上場に伴い実施する公募及び売出しによって当社の流通株式比率は取引所が定める形式要件を充足する見込みであります。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、今後においても取引所が定める形式要件を充足し続けるために、当面の間、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携の上、流動性確保に努める方針としております。なお、今後決定される発行価格及び売出価格の水準に関わらず当社は東京証券取引所市場第一部へ上場する予定ですが、2022年2月10日現在において想定する、当社の上場時の流通株式時価総額は取引所が定める市場第一部の新規上場の形式要件を満たしておりません。当社は、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高ならびに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大にも努める方針としております。

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