有価証券報告書-第14期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 16:03
【資料】
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【項目】
144項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「Transforming Tomorrow thru Disruptive Technology!」を企業理念に掲げ、「グローバルの最先端テクノロジーを通じて、お客様と共に経営変革を実現し、社会課題を解決」することを目指し、Mission(データとグローバルの最先端テクノロジーを活用し、人と組織の変革を支援する)、Vision(誰もがデータとテクノロジーを使いこなし、未来に挑戦できる社会を創る)、Value(Beyond Borders, Beyond Limits(国境も限界も超えて挑戦する) | Enjoy the Challenge(変革・成長を前向きに楽しむ) | Co-create the Future(顧客・社会と未来を共創する))を軸に事業を展開しております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、売上高及び営業利益を重視しており、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。併せて、キャッシュ・フローの健全性も重要な管理指標として位置付けております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、以下の中長期的な経営戦略を立案しております。
① コンサルティングサービス領域の拡大と稼働率やプロジェクトの生産性向上
主力の「Salesforce」や「Anaplan」に加え、アオラナウ株式会社による「ServiceNow」領域、さらには「AWS」「Microsoft」「Databricks」などの主要クラウド及びデータプラットフォームも含めたマルチクラウド対応を強化しております。また、Copado社との戦略的提携により、SalesforceのDevOps基盤導入・内製化支援を新たなサービスとして加え、顧客企業の開発生産性向上とガバナンス強化を推進しております。
これにより、顧客の多様な課題に対応可能な提案力を一層高めるとともに、AI関連資格の取得推進やプロジェクト収支の可視化を通じて、稼働率の最大化と付加価値向上を図ってまいります。
② カスタマーサクセス領域の再構築とキャリアローテーションの推進
従来はお客様常駐型の派遣サービスを中心としていたカスタマーサクセス領域において、現在は「Remote Service」や「Hybrid Service」など、場所にとらわれない柔軟なサービス提供体制への転換を進めております。
これに伴い、社員の経験やスキルを活かした流動的なキャリアローテーション制度を整備・運用することで、属人性の排除と業務の標準化を推進し、安定的なサービス提供と収益性の両立を図ってまいります。
また、Copadoを活用したDevOps・テスト自動化支援により、開発・テスト・リリースプロセスの効率化と運用品質の向上を推進しており、AI・自動化の進展に伴いカスタマーサクセス人材の重要性が一層高まる中、運用・定着化支援の提供価値の拡大を図ってまいります。
③ AI・データ活用サービスの拡大と新規収益源の創出
当社グループは、AIエージェント、データ活用、ワークフロー自動化を組み合わせた次世代型サービスの拡大を重点戦略として推進しております。arcbricks株式会社との連携によるDatabricksを活用したデータ+AI分析基盤構築支援、Synthesy株式会社との連携による経営変革・AIガバナンス支援、さらにはSalesforce Agentforceを活用した自律型AIエージェント導入支援など、AI関連の新規収益源の創出に注力しております。
また、サークレイス・アオラナウ・Synthesyの三社共同で「AIプロジェクト伴走支援×AIガバナンス構築・認証サービス」の提供を開始しており、企業のAI活用を戦略から実装・ガバナンスまで包括的に支援してまいります。
④ 採用力とサービス単価の向上
採用力とサービス単価の向上を両輪で推進し、人的資本の質的強化と事業収益性の改善を図ってまいります。
具体的には、以下の3点に注力しております。
・中途・新卒採用の強化と教育体系の拡充
ダイレクトリクルーティングの活用による即戦力人材の獲得に加え、新卒採用の拡大と一貫した育成プログラムの整備により、長期的な人材基盤の強化を進めております。
・コンサルティングサービスの組織力強化
プロジェクト体制の標準化や知見の共有を通じて、提供価値の向上と案件単価の引き上げを図ってまいります。
・カスタマーサクセス領域におけるDX推進と教育強化
属人性の排除やリモート体制への対応を進める中で、業務効率化と対応力向上の両立を目指し、研修体制の高度化とツール活用を推進しております。
なお、グローバル展開を見据えたダイバーシティの推進として、2030年3月期に向けて女性リーダー職比率50%(現在30.1%)、外国籍比率30%(現在12.2%)、平均年齢34.0歳(現在37.8歳)を目標として掲げ、多様な人材が活躍できる組織づくりを推進しております。
⑤ SaaS製品「AGAVE」の事業基盤化
当社が開発・提供するクラウド型人事業務支援SaaS「AGAVE」については、安定的な成長と事業基盤化を図るべく、以下の4点に取り組んでおります。
・BPOパートナーとの連携を強化し、販路の拡大と業務受託ニーズの取り込みを推進
・海外給与対応機能の拡充を通じて、多拠点・グローバル企業の新規導入を促進
・既存顧客間のビジネス交流機会を創出し、ユーザー基盤の定着と追加導入の活性化を図る
・生成AIを活用したAIヘルプデスク機能(自然言語による即時回答・社内ナレッジ横断検索)の拡充により、顧客の業務効率化と製品価値の向上を推進する
⑥ 中長期的な成長投資の実行
当社グループは、2030年3月期に売上高100億円(2027〜2030年3月期CAGR 20.6%)、営業利益率20%を目標として掲げております。この実現に向け、2027年3月期から2030年3月期にかけて、M&A、新規事業、AI活用、社内DX推進を中心に総額100億円規模の成長投資を計画しております。財源は営業活動によるキャッシュ創出(50%)と外部調達(50%)を組み合わせて確保し、売上成長と収益性向上の両立を図ってまいります。
(4)経営環境
当連結会計年度における我が国の経済は、物価上昇の継続や人手不足の深刻化、為替の変動、海外情勢の不安定化といった要因により、依然として先行きの不透明な状況が続いております。一方で、企業活動は中長期的な成長に向けた構造改革の重要性が高まり、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)や業務の自動化、人材戦略の見直しなどを中心とした変革への取組が拡大しております。
当社グループが属するパブリッククラウドサービス市場においても、IT基盤のクラウド移行(クラウドマイグレーション)(注2)や、経営判断に資するデータ活用の高度化、生成AI・ノーコード開発の活用といった新たな潮流が広がっており、IT投資の重点は従来の「業務効率化」から「経営変革」へと移行しつつあります。
こうした中、企業によるクラウド導入の進展とともに、導入後の定着・活用を促進するための人材育成や組織改革のニーズも高まっており、クラウドをどのように経営成果に結びつけるかが、新たな経営課題として顕在化しています。
国内クラウド市場は、2029年までに年平均成長率(CAGR)約16.3%で拡大し、約8.8兆円規模に達するとIDC Japan(注3)は予測しています(2025年2月発表)。また、国内ビッグデータ/アナリティクス市場も2027年には約3.1兆円規模(CAGR約14.3%)に拡大が見込まれております。
さらに、日本における生成AI市場は2023年実績の約1,200億円から2030年には約1.8兆円(CAGR 47.2%)へと約15倍の成長が予測されており、当社グループが注力するAI関連サービス領域は中長期的に大きな市場機会を有しております。
クラウドサービスの中でも、当社の主力分野としている米国Salesforce.comは、2026年2月に2026年通期業績を発表しました。売上高は前年比10%増の415億ドル、GAAP営業利益率は20.1%、Non-GAAP営業利益率は34.1%、純利益は前年比20%増の75億ドルと、主要な指標で堅調な成長を記録しています。
このような成長市場を背景に、当社グループは、SalesforceやAnaplanを活用したコンサルティングサービス、自社SaaSプロダクト「AGAVE」による業務基盤支援に取り組んでおります。さらに、2024年8月には関西エリアでの事業拡大を見据え大阪オフィスを新設したほか、アオラナウ株式会社によるServiceNow領域への展開を新たな柱として加えるとともに、Databricksを活用したデータ+AI支援(arcbricks株式会社との連携)や、AI・経営変革支援(Synthesy株式会社との連携)など、事業成長と収益基盤の強化を図っております。
※用語解説
(注1)デジタルトランスフォーメーション(DX):企業がデータやデジタル技術を活用して、製品・サービス、業務プロセス、ビジネスモデル、企業文化や風土を変革し、競争上の優位性を確立する取組。
(注2)クラウドマイグレーション:サーバーなどのITシステムを、物理的な自社設備からパブリッククラウド(例:Amazon Web Services、Google Cloud Platformなど)へ移行すること。
(注3)IDC:IDC Japan株式会社。IT及び通信分野に関する調査・分析・アドバイザリーサービスを提供するグローバル企業。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記経営環境を踏まえ、当社グループが対処すべき課題は下記のとおりです。
① 優秀なIT人材の確保と育成
当社グループでは、コンサルティング事業の拡大とSaaSサービスの成長を支える人的資本の強化を最重要課題の一つと位置付けております。特に、SalesforceやServiceNowをはじめとする専門領域において、非IT人材も含めた採用と、短期間での実務配属を可能にする育成スキームを強化しております。さらに、AI関連資格の取得支援や社内トレーナー制度の導入により、高度人材の社内循環を促進しております。加えて、お客様企業に対するITリスキリング支援事業の展開も検討しており、人的資本の多層的な活用を推進してまいります。
また、社員の立案による能力向上のための各種研修が活発に行われており、「Salesforce」認定資格取得に係る研修費用・受験費用の会社負担や、人事評価制度の見直し・運用といった制度面からの支援も進めることで、社員の能力を最大限に引き出す環境づくりに全社を挙げて取り組んでいます。
② 事業ポートフォリオの進化と価値提供の高度化
当社グループは、従来のSalesforceやAnaplanによる業務支援領域に加え、事業領域の多様化と価値提供の高度化に取り組んでおります。具体的には、営業・マーケティング領域における「ConsulTech」サービスの展開、アオラナウ社を通じた「ServiceNow」分野への進出に加え、AWS、Microsoft、Databricksなどの主要クラウド・データプラットフォームを活用したWeb・データ・生成AI関連領域への拡張を進めております。また、arcbricks株式会社との連携によるDatabricksを活用したデータ+AI分析基盤支援、Synthesy株式会社との連携による経営変革・AIガバナンス支援を新たな事業の柱として加え、グループ全体での提供価値の拡大を推進しております。
また、SaaS製品「AGAVE」においては、BPO連携や海外給与対応機能の強化、ヘルプデスク機能の拡充を通じて、継続収益性の高い事業基盤の構築を進めております。今後は、AI×データ領域への注力を一層強化し、先進技術を活用した付加価値の高いサービス提供を通じて、企業の経営課題解決に貢献してまいります。
③ 顧客・地域基盤の拡大と社会的インパクトの創出
2024年8月に大阪オフィスを開設し、関西圏での顧客獲得と人材採用の基盤を整備いたしました。今後も、関東・九州・関西を中心に全国展開を強化し、地域企業へのクラウド導入支援、IT人材のリスキリング、行政・大学との連携を通じたAI・データ人材の育成支援を推進してまいります。
また、社会課題解決型の取組として、自治体や大手企業との連携による生成AIの社会実装を目的とした「AIハッカソン」などの共創型イベントも継続的に実施し、企業の枠を超えた価値創出に貢献してまいります。

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