有価証券報告書-第7期(2024/10/01-2025/09/30)

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2026/01/05 16:00
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有報資料

当社グループは、当社、連結子会社10社(株式会社M&A総合研究所、株式会社資産運用コンサルティング、株式会社クオンツ・コンサルティング、M&A Research Institute Singapore Pte. Ltd.、株式会社総研リース、他5社)で構成されており、M&A仲介事業、コンサルティング事業の他、オペレーティング・リース事業を展開しております。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については、連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」をご参照ください。
区分概要
M&A仲介事業・テクノロジーを用いたM&A仲介サービスの提供
コンサルティング事業・戦略/IT/DX等の総合コンサルティング事業
その他・資産運用コンサルティング事業及びオペレーティング・リース事業

(M&A仲介事業)
(1)事業の特徴
当社グループのM&A仲介事業は、「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」を企業理念に掲げ、AIを中心としたテクノロジーとM&AアドバイザーのサポートによるハイブリッドなM&A仲介サービスを提供しております。
従来のM&A仲介サービスにテクノロジーを組み込み、効率化を推し進めることでマッチング相手を探索するスピードや成約までのスピードを短縮化し、1社でも多くの企業のM&Aの成約をサポートすることを目標としております。
M&A仲介サービスは、譲渡希望企業もしくは買手候補企業との間でアドバイザリー契約を締結し、マッチング相手探索や、マッチング後のディール進行過程における利害関係者との各種調整業務等のサポートを行い、両者が円満に成約できるよう取引をリードするものであります。M&A成約時に仲介手数料を収受することが主な収益となります。
M&A仲介事業では、AIの活用とDXの推進によりM&Aの効率化を図っており、それぞれ以下のように業務に組み込んでおります。
① AIの活用
M&Aを実施する際には無数に存在する企業の中から譲渡希望企業もしくは買手候補企業と親和性の高い企業を探す必要があり、従来はM&Aアドバイザーの属人的な知見によるところが大きかったため、候補先が自然と限定されてしまうおそれや抜け漏れの発生、マッチングに時間を要することがありました。このような問題を解消すべく、当社は候補先企業のリストアップにAIを導入し、提案スピード及び質の向上、また、ヒューマンエラーの防止に活かしております。
② DXの推進
M&Aをスピーディーに進めるため、自社内でシステム開発を行うことで徹底的に社内業務の効率化を進めております。自社開発環境を整えることにより、システムベンダーに外注する際とは異なり、日々タイムリーにマイナーバージョンアップを繰り返すことが可能となっており、効率化の速度を高めております。各業務における主なDX事例は以下のとおりとなります。
ⅰソーシング(案件探索)
ダイレクトメールや手紙を送付してアプローチする企業を選定する際に、これまでは各M&Aアドバイザーが手作業で選定していましたが、様々な切り口での検索を可能にしたソーシング機能を社内システムに組み込んでおります。これにより企業選定にかかる時間を短縮しております。
ⅱアドバイザリー契約受託・案件化
譲渡希望企業もしくは買手候補企業と秘密保持契約やアドバイザリー契約を締結する際には社内での稟議が必要となりますが、当社グループでは稟議決裁システムも自社開発しており、従来は各担当者が手入力して作成していた契約書ドラフトが即座に作成、ワークフローに添付される仕組みを構築しております。これにより日々生じる各種稟議申請にかかる時間を短縮することを実現しました。
ⅲその他
M&Aアドバイザー各個人のアポイント数、アドバイザリー契約締結数、営業経費金額等を社内システムで随時集計しており、全社員の営業活動が社内システムの画面上で把握できる状態となっております。これにより効率的な営業活動が行われているか、常にマネジメント可能にしております。
また、営業日報に記載される営業情報や入手した名刺情報等を社内システム内の企業データベースに自動で紐づけ、リアルタイムで企業情報をアップデートすることにより、効率的な営業活動のモニタリングが可能となっております。
(2)事業フロー
①ソーシング(譲渡希望企業の探索からアドバイザリー契約締結まで)
当社グループではアウトバウンド、インバウンドという2種類のソーシングルートから案件を獲得しております。
ⅰアウトバウンド
企業に対し当社グループからダイレクトメールや手紙を送付し、反応があった企業について、M&Aアドバイザーが面談を行いM&Aに対するニーズや財務状況等をヒアリングします。当社グループではダイレクトメールや手紙の文面や封筒のデザイン等についても徹底して改良を続けており、開封率や返信率を向上させるべく種々のテストを繰り返し実施しております。
ⅱインバウンド
当社グループWEBサイトからお問合せを頂く、もしくは直接お電話にてお問合せを頂いた企業に対し、M&Aアドバイザーが面談を行いM&Aに対するニーズや財務状況等をヒアリングします。当社グループはWEBサイトからの集客に強みをもっており、当社グループが運営するM&A情報サイトのオーガニック検索数は国内M&A仲介事業者の中でも高水準であります。WEBサイトへの流入がそのまま問い合わせに繋がるケースも多く、インバウンドでの案件獲得に寄与しております。
譲渡希望企業と秘密保持契約を締結し、譲渡希望企業の事業内容や財務内容、M&Aを希望する経緯等を確認し、企業価値評価を行ったうえで譲渡可能性等を検討します。譲渡可能性が高い場合には当該企業とのアドバイザリー契約受託の可否について社内で審査を行います。
当社グループは譲渡希望企業とのアドバイザリー契約の締結時に着手金を収受しておらず、ディールの進行時にも中間報酬を収受しない完全成功報酬制を採っております。競合他社ではこれらの報酬を収受するケースが一般的であり、当社グループは料金体系において競合優位性を築いております。
②マッチング(案件化から買手候補企業と譲渡希望企業がトップ面談を行うところまで)
譲渡希望企業とアドバイザリー契約を締結した後、買手候補企業に対する提案書となる企業概要書を作成します。この業務は「案件化」といわれます。譲渡希望企業の事業内容や財務内容、事業エリア等、複数の情報をAⅠマッチングアルゴリズムに登録することにより、親和性の高い買手候補企業をAⅠが自動で抽出し、ロングリストを作成します。
AIマッチングアルゴリズムは当社グループのAI事業部にて開発し、主に以下の項目を用いて企業間の親和性を推定し、ランク付けを行っています。
(a) 過去の買収実績
(b) 商流や販路の拡大可能性、商材
(c) 所在地
(d) 売上規模
なお、精度向上のため、買収実績のアップデートや商流や商材に関する情報の精緻化を続けております。
M&Aアドバイザーは自動作成されたロングリストに加え、社内に蓄積されたM&A情報等を鑑みアプローチ先を100件程度に絞り込み、メール、電話、訪問等による営業活動を実施しております。買手候補企業が興味を示し、譲渡希望企業と正式にM&Aに関する話を進めることになった場合、当社グループと買手候補企業の間でアドバイザリー契約を締結します。当社グループではAIマッチングアルゴリズムを利用することにより、マッチング業務の効率化、品質の底上げに取り組んでおります。
従来のM&A仲介業務におけるマッチングは属人性が高く、担当者の経験に基づいて買手候補企業をピックアップしていました。この場合、適切なマッチングが行われないおそれや、ヒューマンエラーによりピックアップ時に漏れが生じるおそれがありますが、全員が同じAIマッチングアルゴリズムを利用しシステマチックに買手候補企業を抽出し、アプローチすることにより、それらの課題を改善しました。M&A仲介の経験者と未経験者の間に生じる提案品質の差を埋めることも可能となっております。
買手候補企業と当社グループの間でアドバイザリー契約を締結した後は買手候補企業と譲渡希望企業との間でトップ面談や条件交渉が行われます。
③エグゼキューション(意向表明の提出から成約まで)
買手候補企業から譲渡希望企業に対し買収の意向表明書が提出された時点、もしくは基本合意の締結、買収監査の実施時点で、買手候補企業から中間報酬を収受します。中間報酬額は、原則として買手候補企業が当社グループに支払う仲介手数料想定額の10%になります。この際においても譲渡希望企業からは中間報酬は収受いたしません。
買手候補企業と譲渡希望企業の間で株式譲渡契約が締結され、クロージング条項等が全て満たされた時点で仲介手数料が発生し、双方から収受します。これらを表で示すと以下のようになります。
アドバイザリー契約締結以下のいずれかの時点
・意向表明書の提出
・基本合意の締結
・買収監査の実施
クロージング
譲渡希望企業--成功報酬
買手候補企業-中間報酬成功報酬

(3)各種指標の推移
当社グループにおけるM&A仲介での2020年10月以降の成約件数、1件あたりの平均成約手数料、及び合計成約手数料の推移は以下のとおりであります。
年月成約件数
(件)
1件あたり
平均成約手数料
(百万円)
合計成約手数料
(百万円)
2021年9月期第1四半期543218
第2四半期364192
第3四半期740280
第4四半期1051515
通期25481,207
2022年9月期第1四半期1758992
第2四半期978702
第3四半期17591,004
第4四半期18581,050
通期61613,749
2023年9月期第1四半期33611,958
第2四半期29621,674
第3四半期43532,295
第4四半期31682,120
通期136608,048
2024年9月期第1四半期66※ 744,892
第2四半期57633,590
第3四半期64654,189
第4四半期55663,629
通期2426716,301
2025年9月期第1四半期65613,956
第2四半期49643,139
第3四半期61593,629
第4四半期59754,422
通期2346515,146

※ 同業他社との比較を可能にするために、2024年9月期第1四半期から成約単価の計算方法を変更し、M&A仲介事業売上高÷成約件数で算定しております。
(用語の解説)
本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で使用する用語の解説を以下に記載しております。
M&Aアドバイザー顧客の相談に乗って適切なM&Aの相手を探し、提携条件等に関する必要なアドバイスや契約書類の起案を行うことを通して、顧客のM&Aを支援するアドバイザー。
アドバイザリー契約M&A仲介会社と譲渡先企業(買収先企業)との間でM&Aに関するアドバイスや手続きの支援を実施することを目的として締結する契約。一般的には専任契約であり、アドバイザリー契約書において、業務範囲、秘密保持、仲介手数料、免責等に関する事項が記載される。
秘密保持契約(NDA)公開情報ではない情報を入手した場合に、当該秘密情報の守秘義務を遵守することを約する契約。
M&A仲介上、譲渡希望企業及び買収先企業の経営戦略等に関する機密情報が第三者に漏洩することを防止する目的で秘密保持契約を締結する。
Non Disclosure Agreementの頭文字からNDAと表記することが多い。
企業概要書譲渡希望企業の事業内容、財務内容、非財務内容や希望する譲渡条件等を要約した資料。
ロングリスト譲渡希望企業に対するM&Aを検討している買手候補企業を列挙したリスト。
トップ面談譲渡先企業と買収先企業双方の経営者(トップ)が面談を実施すること。経営者の価値観や経営理念等、書類では確認できない部分に関して、相互理解を深める目的で実施される。
基本合意書買収監査前のタイミングで提携条件の大枠を譲渡先企業と買収先企業が相互に確認するために締結する契約書。一般的には取引金額、役員の処遇等の基本的な条件、M&A実行までのスケジュール、独占交渉権、守秘義務などの条項が盛り込まれる。
買収監査(デューデリジェンス)買収先企業が公認会計士や弁護士に依頼し、譲渡先企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査。
成功報酬M&Aが実現した際に、アドバイザリー契約に基づきM&A仲介会社へ支払う報酬。

(事業系統図)


(コンサルティング事業)
(1)事業の特徴
株式会社クオンツ・コンサルティングは、戦略/IT/DX等の総合コンサルティング事業を行っております。「テクノロジーにより、未来の日本を創造する」をスローガンに、徹底した現場・現物・現実主義で、日本企業の歴史と旧き良き組織風土を重んじながらも、クライアントが自ら変革を断続的に起こせるように、実益を伴う施策の提案・実行力をもって徹底的に伴走支援を行います。テクノロジーの力を最大限に活用し、柔軟かつ適切に多様に変革を続け、不確実・リスクの時代を生き抜く経営の実現に寄与しています。
①テクノロジーコンサルティング
DX/IT戦略、AI等の最先端技術活用、PMOやリスク・ITガバナンス変革、サイバーセキュリティ対策等のサービスを提供しています。
②経営戦略コンサルティング
M&A戦略~PMI、全社/事業戦略策定、事業ポートフォリオ見直し、全社BPRやESG、知財/無形資産ガバナンス等のサービスを提供しています。
(2)組織・育成体制の特徴
①ワンプール制による多様な成長機会の創出
特に若手のコンサルタントの多様なキャリア形成や、案件特性およびスキルに応じて柔軟にプロジェクトにアサインできるよう、部門や業界ごとに固定せず、全社的に一元管理された人材プールを設けています。
②多種多様な研修プログラムによる人材育成
コンサルタントのランクに応じた階層型研修に加え、メンター制度、360度評価、金融知見を活かして本質的に企業価値向上に資する仕組みや経営効率の向上を志向する勉強会や各種研修を定期的に実施しています。
③自社開発システムによる効率化
稼働率・案件・ナレッジを一元的に管理し、全社員が再現性ある形で効率的に成果創出に集中できる環境を実現しています。
(その他)
その他の事業として、株式会社総研リースがオぺレーティング・リース事業を行っております。
当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。

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