有価証券報告書-第13期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/03/24 9:50
【資料】
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【項目】
125項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針・経営戦略等
当社グループは、「わたしたちは、MROを中心とする包括的な商品とサービスを提供することを通じ、サプライヤー、そしてパートナーとともに、お客様の価値の創造と間接コストの削減を実現し、日本の産業の変革と再活性化に貢献します」を基本理念として掲げております。
当社グループの対象市場は、多品種・少量かつ一件あたりが少額という特徴を持っており、当社グループの主要顧客である大企業グループにとって、①内部統制上の適切な購買管理と、②商品選定から、購買、支払までに至る購買プロセスコストや人手の削減、および③購買単価の低減は大きな課題となっています。一方、当社グループでは、MRO、FMの調達に特化したITシステムとサプライヤーの全国ネットワークを持ち、顧客グループからサプライヤーまでを含む多数当事者間のITシステムを相互接続するシステム運用能力を持つことから、多品種・少量・少額市場において、全ての取引当事者のDX(Digital Transformation)化を支援することができます。当社グループでは、このIT技術と事業の仕組みを用いて、多品種・少量・少額市場における「規模の経済」と「DX」を実現することを通じ、日本の産業界全体の効率化を実現するとともに、当社グループ自体の業績を向上させることを目指してまいります。
また、「私たちが大切にすること」という企業グループ共有の価値観については、
・新しい価値の創造に向けた強い情熱
・変革を実現するための機動性と柔軟性
・全ての業務における卓越性と誠実性のたゆまぬ追求
・仕事を通じた一人ひとりの成長と幸福の実現
の4点を掲げております。
当社グループの基本理念および私たちが大切にするものは、2006年に制定したものですが、現在もその経営の基本理念および企業グループとしての価値観に関する変更はありません。なお、英語版では以下の構成および文章となっています。
[Our Mission]
Revolutionize and revitalize Japan's industrial and commercial businesses through the creation of value and savings for customers with suppliers and partners as a comprehensive source of solutions for effectively managing MRO-related products and services.
[Our Values]
Passion for results that create value
Agility and execution that focuses on best outcomes
Excellence and honesty in all operations
Achievement of growth and fulfillment in both professional and personal lives
(2)経営環境
MROの物販市場における近年の大きな変化は、個人および中小事業者向けのBtoC(個人向け)型オンライン販売の急速な普及です。株式会社MonotaROや株式会社ミスミグループ本社および株式会社大塚商会などの電子商取引のプラットフォームベンダーが、従来、MRO商品販売の担い手であった機械卸商社などのシェアを奪い、売上を伸ばしています。これは、個人および中小事業者向け市場において、それまでオンラインでMRO商品を買える適切な仕組みがなかったためと考えられます。一方、日本の大企業グループでは、以前より企業グループ毎に独自のITシステムを活用しており、また、それぞれ異なる社内ルールでMRO商品の購買を行っております。
このような事業環境の下で、当社グループは、大企業グループの既存のITシステムと共存、あるいは一部機能を置き換えることが可能な電子購買プラットフォームを提供していることから、大企業グループ向けのMRO物販市場で、一定の地位を占めています。しかしながら、2021年の大企業向けMRO物販の市場規模は約1兆円(注)であると推計しているのに対して現状の当社グループのシェアは数%にとどまることから、需要開拓の余地は極めて大きいと考えております。特に、当社グループのお客様の中心である大企業グループの連結内部統制強化へのニーズは年々高まっており、多品種・少量・少額品に対する購買プロセスを子会社、関係会社を含む連結グループ会社全体でシステムの管理下に置くことができるという当社グループのITシステムと仕組みへの関心が自ずと高まると考えております。
FM事業の顧客である国内の商業施設市場は、新型コロナウイルス感染症の影響で大きな影響を受け、2020年から2021年前半までは、それまでインバウンド需要に支えられてきた宿泊施設や都市部の小型店舗を中心に、新規の投資案件が激減しました。しかしながら、2021年後半から、その事業環境を逆に生かすテイクアウト店舗の改装・開店や、売れ筋商品の変化に対応した郊外店舗の売り場改装案件が増加し、2022年においては多店舗展開のコンビニエンスストアやファストフード店舗の改装および新規開店が活況でした。この活況には、新型コロナウイルス感染症の影響により変化した消費者の行動パターンに対応した売り場への再構築や、テイクアウト需要の高まりに対応したドライブスルー型店舗の出店増等、一過性の需要増にとどまる可能性がある案件が含まれていますが、年後半からは、新型コロナウイルス感染症収束後の本格的な人の屋外活動増を期待したホテルの改装案件などの需要回復も始まりました。
(注)株式会社東京証券取引所による調査レポート「2022年3月期決算短信集計結果」において、市場第一部の売上高又は営業収益の合計額(ただし、売上高又は営業収益におけるMRO商品の購入高の占める割合が小さく、購入額を推計することが難しい卸売業、銀行業、証券、商品先物取引業、保険業、その他金融業を除く)である約507兆円の0.2%を当社グループの市場として推計しております。なお0.2%については、当社グループMRO事業の売上高上位10社(当社グループのシステムの利用率が低い顧客を除いた順位)における当連結会計年度の連結売上高(各社有価証券報告書より)と当社グループの当該顧客グループ向け売上高の割合より算出しております。なお、一定の前提及び外部資料に基づき推計しているため、実際の市場規模と異なる可能性があります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標は、当社グループが提供するITシステムと仕組みを通じて、日本の産業界全体の効率化とDXを進めることを通じて、当社グループ自体も収益を上げることであり、その目標達成状況を計る指標は、当社グループのサービスの普及度を測れる連結売上高と当社グループの連結営業利益額となります。なお、MRO事業においては大手企業グループとの新規契約の獲得が大切ですが、契約時から本格的な売上計上時までの間のITシステム開発や相互接続に要するリードタイムが1~2年に及ぶケースが多いため、単年度の経営管理指標としては新規契約数を用いておりません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の項目と認識しております。
当社グループにとって、日本の産業界全体に広がっているDX(Digital Transformation)への関心の高まりとDX市場の拡大は大きなビジネスチャンスになっています。一方、そのDX市場獲得に向けて様々なタイプのプラットフォーマーやサービス提供者が提案を行っており、DX市場においては、異業種対決型の競争が激化しています。
このような環境の下、当社グループにおきましては、以下の3項目を対処すべき課題と認識しております。
①株式上場を通じた知名度向上を生かした新規顧客の更なる開拓
従来、当社グループの新規顧客獲得の上での最大の障害は、当社グループの知名度の低さでした。その施策のひとつとして、当社は2022年12月に東京証券取引所スタンダード市場への株式上場を実現し、知名度向上に注力しています。株式上場による知名度の向上を生かし、さらに他のプロモーション施策との相乗効果を通じ、新規の大型企業グループの顧客開拓を進めることが、第一の課題です。
MRO事業においては、当社グループの中心的なお客様である大企業グループが、間接材購買のシステム更新を検討する機会は、お客様内で稼働中のITシステムの更新時期にほぼ限定されており、5~6年に一回となります。そのシステム更新時期にタイムリーに提案を行い、採用されることが当社グループの事業拡大の要件です。
一方、FM事業においては、既存のサービス提供者が何らかの理由によって顧客の信頼を失いつつある状態や、顧客が当該サービスを受けるための社内の仕組みを変更しようとしている時期が当社参入の機会であり、不定期での機会到来となります。その機会をタイムリーに捉えるために、継続的な顧客との接触による情報収集と、タイムリーかつ説得力のある提案が必須となります。多店舗商業店舗チェーンの改装・新規開店工事において「材工分離」(資材供給と施工を別の業者が行う形態)の手法による資材供給の一元化と調達コストの低減や、全国をカバーする修繕業者のネットワークの整備による均一なサービス提供と管理の一元化を訴求し、新たなビジネスチャンスを獲得していくことが、当社成長のために必要です。そのためには、当社グループがMRO事業で培ったITシステムへの深い理解と経験を活かし、FM事業においては、外部のクラウドアプリの活用等、IT技術の積極的な活用を進めていくことが必須となります。
②IT人材、およびコンサルティング人材の中途採用での獲得
当社グループの新規顧客開拓を加速するためには、顧客企業グループのニーズを的確に捉えた提案を行い、かつ、その提案を顧客グループのITシステムと当社グループの提供するITプラットフォームとの連携によって実現するITスキルのある人材を質と量の両面で増員することが必要です。当社グループのお客様が当社グループに期待する提案は、高難度なものとなることが多いため、その期待に適う人材の獲得は容易ではありません。新卒で採用した社員を高スキルのIT、コンサルティング人材に育成するためには長い時間を要するため、新規顧客の開拓を更に進めるには、優秀な人材の中途採用が必須となります。当社グループは中途採用については経験豊富ですが、優秀な人材獲得のためには当社グループ自体の魅力を更に高める必要があり、当社グループがコンプライアンスや財務基盤において不安がないことに加え、成長企業であることを、対外的に、幅広く示していくことが不可欠です。そのための有効な施策として、当社は株式の上場に踏み切りましたが、今後、その効果を実際に刈り取れるかどうかが、大きな課題となります。
③コンプライアンスの遵守、および適時適切な情報開示
当社は、会社設立後、初期の段階からコンプライアンス遵守の管理体制を構築してきたほか、適時適切な情報開示を行うため、上場企業の開示業務の経験者を採用しております。ただし、開示基準やコンプライアンスの遵守項目は環境に応じて随時変化しており、その変化に着実に追従して、正確な手続と開示を漏れなく行うことは高難度な業務です。当社グループでは、この点につき、今後、更に経験、知見を深めるとともに、専門家の的確なアドバイスを適宜取得することにより、迅速かつ誤謬のない適切な開示に努めてまいります。
当社グループはこれらの課題を解決し、従来以上に新規顧客の開拓に注力して、売上の拡大およびそれに伴う営業利益の拡大を目指してまいります。

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