有価証券報告書-第44期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「高度な信頼性を求められる国内外の社会基盤(パブリック&フィナンシャル)サービスの領域において、専門性の高いIT技能集団による最新テクノロジーがお客様に新たな価値を提供し、未来を創造していく」を経営理念として掲げ、社会に貢献して参ります。
また、政府が推進する世界最先端の「デジタル国家」創造により、IT関連予算は1兆円超の規模で推移しており、デジタル社会形成に向けた法整備も進展しています。IT業界はデジタルトランスフォーメーションによる変革期にある一方、従来のシステムインテグレーション事業も安定した需要が見込まれます。当社は新領域への挑戦と既存事業の強化により、持続的な成長を実現して参ります。
今後3年間の経営ビジョン
① 公共分野におけるシステム開発事業での安定的成長
② 金融分野における市場動向に合わせた提案型営業の推進
③ 法人分野における事業領域拡大とプライムコンダクター化の推進による事業基盤強化
さらに、上記経営ビジョンのもと、以下の経営方針を推進して参ります。
①「公共システム開発事業」の展開
a.開発人材の流動化を推進し、事業領域の拡大を行うことにより安定経営を実現します。
b.大手システムインテグレーターとの連携を強化することにより新規開発領域の開拓を行います。
c.重点監視案件の管理体制を構築し、客観的指標により進捗と品質を管理し、収益最適化を図ります。
②「金融・法人系システム開発事業」の拡大
a.金融分野で依然として需要のあるレガシー・モダナイゼーション領域での提案営業を展開します。
b.パートナー企業との連携強化により、通信系事業者のDX支援領域を開拓します。
c.顧客満足度向上を通じた継続的な取引先拡大を目指します。
(2) 経営環境
当社の主たる事業は、創業以来、官公庁に向けシステム開発を行う「公共系事業」及び銀行、保険会社、証券会社に向けシステム開発を行う「金融・法人系事業」であります。業務形態としては、大手システムインテグレーターなどから発注される受託ソフトウェア開発業となります。そのため、「システムインテグレーション(SI)業」の市場動向と、「公共系システム」「金融系システム」「法人系システム」の投資動向に注視しながら、事業を展開しております。
経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」によれば、情報サービス業の2024年度の売上高は17兆9,202億円の前年度比5.5%増、システムインテグレーション(SI)業の売上高は7兆3,162億円の前年度比9.5%増となっております。いずれも直近においては、2018年度以降、情報サービス業、システムインテグレーション業のいずれにおいても、一段と市場規模が拡大し、維持しております。

出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」
(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/)に基づく
一方、公共系のシステムのIT投資動向をみると、公共システムに関するシステム投資は、2025年度の国の予算編成では、デジタル庁の概算要求が初めて6,000億円を超えるなど、4年連続で1兆円を超える規模で推移しております。特に昨今のサイバー攻撃の激化により、サイバーセキュリティへの需要が高まっており、ITへの投資が加速しています。
2017年以降、政府が世界最先端の「デジタル国家」の創造を推進し、2021年には、「デジタル社会形成基本法」が施行され、2023年には、「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律」も施行されております。これらの法律の中で、国の経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与するため、デジタル社会の形成に関しての基本理念や方針が定められています。
また、政府は、2023年6月9日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しました。この計画の中で、デジタル社会で目指す6つの姿が示されています。

(出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf)
また、同計画において、重点的な取り組みとして、10項目を挙げています。

(出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf)
デジタル庁が示す本計画において、マイナンバーの普及により便利な生活をもたらすことや、地域の活性化などが示されています。当社の業務においては、すでにマイナンバーと連携している公共系システムの開発に携わっており、また、地方自治体のシステム構築も手掛けていることから、十分なノウハウを備えていると言え、今後も公共系分野での安定した業績が推移していくものと考えられます。
次に、金融システムに関するシステム投資は、IT専門調査会社IDC Japan株式会社が2025年1月に発表した、国内金融IT市場の2025年~2026年の市場予測によると、2025年の国内金融IT市場では、2024年からのメガバンク、地方銀行、損害保険、大手証券会社などで業務系システム刷新や、大手金融機関を中心にデジタルビジネス推進、データ基盤構築/統合を目的としたIT支出が拡大していることから、2025年においても国内金融IT市場の各業態でプラス成長を予測しています。
一方、IDCは、既存システム関連の案件が終息した後は、新たな成長戦略に向けたデジタル化、生成AI導入プロジェクトが始まるとしております。
2025年12月時点において、生成AI時代においてもシステム構築には一定の技術力が求められること、2025年4月に発覚したスタートアップ企業の粉飾決算により、スタートアップ企業におけるガバナンスの弱さが露呈したことから、生成AI時代においても、旧来からの技術を保持しつつガバナンスの整備された上場企業に追い風が吹いている状況です。
また当社においては、大手システムインテグレーターにおける技術的な実証実験を通して、AIへの対応力を備えた体制を構築しているため、十分に需要を満たすことが可能と考えます。
このように、大手金融機関などを中心に激変する経営環境の中で生き残りを図るためのDXの取り組みが継続しており、公共システム投資と同様に引き続き堅調に推移していくと予想されます。

(出典)IDC Japan株式会社 2025年1月16日「国内金融IT市場最新予測を発表 ~2025年はモダナイゼーションが市場を牽引。
なお、モダナイゼーション後の市場変化に注意を~」より引用
最後に、一般法人のIT投資においては、国の政策方針やIT業界の変革の流れを受け、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連での投資が顕著であります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表している「DX白書2025」において、2024年時点では、国内企業の77.8%が何かしらの形でDXに取り組んでいるという統計結果が示されており、もはや一過性のブームではなく、DXは企業活動の根幹を担う存在になりつつあります。

(出典)独立行政法人情報処理推進機構 2025年6月「DX白書2025」より
一方で、DXを通じて「成果が出ている」と捉えている企業は、未だに57.8%程度にとどまり、約半数の企業においては、DXにおける成果が出せていない状況にあります。また、中小企業におけるDXの取組状況は、あまり芳しい状況とは言えず、従業員規模が100人以下の企業においては約48%、300人以下の企業においても15.2%の中小企業では、DXに取り組めていないという調査結果も上っています。
つまり、一般法人におけるDXにおいて、推進しているが結果に結びついていない大企業や、未だ、DXに取り組めていない中小企業に対し、顧客の課題感をヒアリングしながら市場を戦略的に深耕し、当社が公共系事業を通じて培ってきたコンサルティング型のシステム開発により、顧客と一体感を醸成しながら課題解決を目指して参ります。
(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社は持続的な成長を遂げるためには、ITエンジニアの量と質が重要であると認識しております。そのため、エンジニア数(量)と資格取得者数(質)をKPI(重要業績評価指標)と定めております。
① エンジニア数
当社の全従業員数から、スタッフ(人事、総務、経理など)の数を差し引いて算出された人数を「エンジニア数」と定義いたします。
② 資格取得者数
当社が資格手当の支給対象として定めている国家資格・ベンダー系資格の保有者と、当社重点施策の関連資格を集計した数を示します。一定期間を経過し、資格手当の受給対象から外れている社員についても、資格を保有していると判断し、集計数に含むものといたします。また、数値は「延べ人数」となります。
(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内IT市場は、生成AI、クラウド及びデータ分析を軸に持続的な成長を遂げており、また、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は実証段階から本格導入へ移行し、基幹業務へのAI組み込みや業務自動化、データ利活用サービスの需要が拡大しており、より生産性の高い新たな事業モデルへシフトしていくことが急務となっております。
しかしながら、既存システムの問題を解決し、時に業務自体の見直しも求められる中、いかにこれを実行するかが課題となって参ります。既存システムの維持・保守業務から、最先端のデジタル技術分野に資金をシフトさせ、デジタル技術を担う人材の確保をして参ります。また、ユーザーにおける開発サポートにおいては、プロフィットシェアできるパートナーの関係に安定的な事業収益を確保し、真に情報サービス産業の一翼を担うことができる企業規模及び収益性を具備する体制を構築することが最優先課題であると認識しており、以下の課題に対処して参ります。
① 営業力の強化
受託型での受注と共に、AI、アジャイル、マイクロサービス等の最先端技術を駆使したクラウドベースのアプリケーション提供型ビジネスにも適応することにより、事業規模の拡大を可能とするハイブリッドな受注体制を構築して参ります。営業機能を戦略的、人材的に充実させ、「知見を生かしたコンサルティング」と「クラウド環境とソリューション製品、Web-APIなどのインフラ構築」を通じてワンストップサービスの提供により「既存顧客の深耕」と「エンドユーザーの新規提案営業」を実施し、安定的な受注規模を確保しつつ業容の拡大と生産性の向上を図って参ります。
② 優秀人材の確保と育成
ビジネス・エコシステムの変化に対し、スピード感を持ち、かつ、柔軟に対応するためには、過去の価値基準に理解を示しながら、急速な環境変化を受容することのできる人材を社内に多数擁していかなければなりません。残業減少、有給休暇取得率向上について、IT業界が向いているとされるテレワークなど、多様な働き方に合わせて従業員満足度の向上を実施して参ります。採用力の強化については、デジタルネイティブ世代の活用促進を実施する上で、教育施策を充実させて参ります。また、プロフィットシェアできるパートナーとの関係維持に注力して参ります。
③ プロジェクト管理と品質・生産性向上
主契約者ごと、システム要求事項で異なり、また、プロジェクトマネージャーごとに方向性が変化してしまうプロジェクトマネジメントに対して、知識体系を理解しているだけでは到底無事に顧客要望を満たすことはできません。当社ではこのリスクを事前に評価し、リスクを軽減する仕組みが機能しています。当社のナレッジベースに蓄積された豊富なデータをもとに単なるエンジニアのキャリアと経験だけに依存するだけではなく、どのようなチーム体制、役割、作業品質、許容される事項などが整理され、マネジメントリスクをコントロールしながら開発作業に着手することになります。このようなプロセスを更に強固なものとするため、同業他社に対するコスト競争力を高め、継続的に不採算案件ゼロを維持していくことにより、売上総利益率を向上することが課題であります。
④ 技術革新への対応
経済界全体において情報革命が叫ばれる中、当業界における技術革新のスピードは速く、かつ、その変化は著しい状況にあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の到来に合わせ、高度なITリテラシーを保有するエンジニアが公共・金融インフラ市場においてもデジタル化ビジネスへの対応を適時に行うことが重要な課題と認識しております。これらの変化に対応するため、最新の技術動向や環境変化を常に把握し、新規技術の導入を迅速に実行に移せる意思決定の仕組みなどの体制構築に努めて参ります。
⑤ 財務基盤の安定
当社は本書提出日現在において、銀行借入により十分な手元現預金を有していることから、優先的に対処すべき課題はないと考えております。今後も財務上の課題が発生する可能性は低いと考えておりますが、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上で、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係の構築に努めて参ります。
⑥ 内部管理体制の強化
内部統制の整備、見える化、仕組化を更に推進し、継続的な企業成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、常に内部管理体制の強化に努めることが重要であると認識しております。形式的な要件ではなく、本質的にコンプライアンス体制、リスク管理体制並びに情報管理体制が機能することにより、株主価値、資本生産性を向上できる経営を目指しコーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んで参ります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、「高度な信頼性を求められる国内外の社会基盤(パブリック&フィナンシャル)サービスの領域において、専門性の高いIT技能集団による最新テクノロジーがお客様に新たな価値を提供し、未来を創造していく」を経営理念として掲げ、社会に貢献して参ります。
また、政府が推進する世界最先端の「デジタル国家」創造により、IT関連予算は1兆円超の規模で推移しており、デジタル社会形成に向けた法整備も進展しています。IT業界はデジタルトランスフォーメーションによる変革期にある一方、従来のシステムインテグレーション事業も安定した需要が見込まれます。当社は新領域への挑戦と既存事業の強化により、持続的な成長を実現して参ります。
今後3年間の経営ビジョン
① 公共分野におけるシステム開発事業での安定的成長
② 金融分野における市場動向に合わせた提案型営業の推進
③ 法人分野における事業領域拡大とプライムコンダクター化の推進による事業基盤強化
さらに、上記経営ビジョンのもと、以下の経営方針を推進して参ります。
①「公共システム開発事業」の展開
a.開発人材の流動化を推進し、事業領域の拡大を行うことにより安定経営を実現します。
b.大手システムインテグレーターとの連携を強化することにより新規開発領域の開拓を行います。
c.重点監視案件の管理体制を構築し、客観的指標により進捗と品質を管理し、収益最適化を図ります。
②「金融・法人系システム開発事業」の拡大
a.金融分野で依然として需要のあるレガシー・モダナイゼーション領域での提案営業を展開します。
b.パートナー企業との連携強化により、通信系事業者のDX支援領域を開拓します。
c.顧客満足度向上を通じた継続的な取引先拡大を目指します。
(2) 経営環境
当社の主たる事業は、創業以来、官公庁に向けシステム開発を行う「公共系事業」及び銀行、保険会社、証券会社に向けシステム開発を行う「金融・法人系事業」であります。業務形態としては、大手システムインテグレーターなどから発注される受託ソフトウェア開発業となります。そのため、「システムインテグレーション(SI)業」の市場動向と、「公共系システム」「金融系システム」「法人系システム」の投資動向に注視しながら、事業を展開しております。
経済産業省が発表した「特定サービス産業動態統計調査」によれば、情報サービス業の2024年度の売上高は17兆9,202億円の前年度比5.5%増、システムインテグレーション(SI)業の売上高は7兆3,162億円の前年度比9.5%増となっております。いずれも直近においては、2018年度以降、情報サービス業、システムインテグレーション業のいずれにおいても、一段と市場規模が拡大し、維持しております。

出典:経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」
(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/)に基づく
一方、公共系のシステムのIT投資動向をみると、公共システムに関するシステム投資は、2025年度の国の予算編成では、デジタル庁の概算要求が初めて6,000億円を超えるなど、4年連続で1兆円を超える規模で推移しております。特に昨今のサイバー攻撃の激化により、サイバーセキュリティへの需要が高まっており、ITへの投資が加速しています。
2017年以降、政府が世界最先端の「デジタル国家」の創造を推進し、2021年には、「デジタル社会形成基本法」が施行され、2023年には、「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律」も施行されております。これらの法律の中で、国の経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与するため、デジタル社会の形成に関しての基本理念や方針が定められています。
また、政府は、2023年6月9日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しました。この計画の中で、デジタル社会で目指す6つの姿が示されています。

(出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」
(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf)
また、同計画において、重点的な取り組みとして、10項目を挙げています。

(出典)デジタル庁 2023年6月9日 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5ecac8cc-50f1-4168-b989-2bcaabffe870/c0444537/20230609_policies_priority_outline_22.pdf)
デジタル庁が示す本計画において、マイナンバーの普及により便利な生活をもたらすことや、地域の活性化などが示されています。当社の業務においては、すでにマイナンバーと連携している公共系システムの開発に携わっており、また、地方自治体のシステム構築も手掛けていることから、十分なノウハウを備えていると言え、今後も公共系分野での安定した業績が推移していくものと考えられます。
次に、金融システムに関するシステム投資は、IT専門調査会社IDC Japan株式会社が2025年1月に発表した、国内金融IT市場の2025年~2026年の市場予測によると、2025年の国内金融IT市場では、2024年からのメガバンク、地方銀行、損害保険、大手証券会社などで業務系システム刷新や、大手金融機関を中心にデジタルビジネス推進、データ基盤構築/統合を目的としたIT支出が拡大していることから、2025年においても国内金融IT市場の各業態でプラス成長を予測しています。
一方、IDCは、既存システム関連の案件が終息した後は、新たな成長戦略に向けたデジタル化、生成AI導入プロジェクトが始まるとしております。
2025年12月時点において、生成AI時代においてもシステム構築には一定の技術力が求められること、2025年4月に発覚したスタートアップ企業の粉飾決算により、スタートアップ企業におけるガバナンスの弱さが露呈したことから、生成AI時代においても、旧来からの技術を保持しつつガバナンスの整備された上場企業に追い風が吹いている状況です。
また当社においては、大手システムインテグレーターにおける技術的な実証実験を通して、AIへの対応力を備えた体制を構築しているため、十分に需要を満たすことが可能と考えます。
このように、大手金融機関などを中心に激変する経営環境の中で生き残りを図るためのDXの取り組みが継続しており、公共システム投資と同様に引き続き堅調に推移していくと予想されます。

(出典)IDC Japan株式会社 2025年1月16日「国内金融IT市場最新予測を発表 ~2025年はモダナイゼーションが市場を牽引。
なお、モダナイゼーション後の市場変化に注意を~」より引用
最後に、一般法人のIT投資においては、国の政策方針やIT業界の変革の流れを受け、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連での投資が顕著であります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表している「DX白書2025」において、2024年時点では、国内企業の77.8%が何かしらの形でDXに取り組んでいるという統計結果が示されており、もはや一過性のブームではなく、DXは企業活動の根幹を担う存在になりつつあります。

(出典)独立行政法人情報処理推進機構 2025年6月「DX白書2025」より
一方で、DXを通じて「成果が出ている」と捉えている企業は、未だに57.8%程度にとどまり、約半数の企業においては、DXにおける成果が出せていない状況にあります。また、中小企業におけるDXの取組状況は、あまり芳しい状況とは言えず、従業員規模が100人以下の企業においては約48%、300人以下の企業においても15.2%の中小企業では、DXに取り組めていないという調査結果も上っています。
つまり、一般法人におけるDXにおいて、推進しているが結果に結びついていない大企業や、未だ、DXに取り組めていない中小企業に対し、顧客の課題感をヒアリングしながら市場を戦略的に深耕し、当社が公共系事業を通じて培ってきたコンサルティング型のシステム開発により、顧客と一体感を醸成しながら課題解決を目指して参ります。
(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社は持続的な成長を遂げるためには、ITエンジニアの量と質が重要であると認識しております。そのため、エンジニア数(量)と資格取得者数(質)をKPI(重要業績評価指標)と定めております。
① エンジニア数
当社の全従業員数から、スタッフ(人事、総務、経理など)の数を差し引いて算出された人数を「エンジニア数」と定義いたします。
② 資格取得者数
当社が資格手当の支給対象として定めている国家資格・ベンダー系資格の保有者と、当社重点施策の関連資格を集計した数を示します。一定期間を経過し、資格手当の受給対象から外れている社員についても、資格を保有していると判断し、集計数に含むものといたします。また、数値は「延べ人数」となります。
| 2025年度実績値 | 2026年度目標値 | 2027年度目標値 | 2028年度目標値 | |
| エンジニア数(人) | 221 | 235 | 249 | 268 |
| 資格取得者数(人) | 242 | 262 | 292 | 332 |
(注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内IT市場は、生成AI、クラウド及びデータ分析を軸に持続的な成長を遂げており、また、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は実証段階から本格導入へ移行し、基幹業務へのAI組み込みや業務自動化、データ利活用サービスの需要が拡大しており、より生産性の高い新たな事業モデルへシフトしていくことが急務となっております。
しかしながら、既存システムの問題を解決し、時に業務自体の見直しも求められる中、いかにこれを実行するかが課題となって参ります。既存システムの維持・保守業務から、最先端のデジタル技術分野に資金をシフトさせ、デジタル技術を担う人材の確保をして参ります。また、ユーザーにおける開発サポートにおいては、プロフィットシェアできるパートナーの関係に安定的な事業収益を確保し、真に情報サービス産業の一翼を担うことができる企業規模及び収益性を具備する体制を構築することが最優先課題であると認識しており、以下の課題に対処して参ります。
① 営業力の強化
受託型での受注と共に、AI、アジャイル、マイクロサービス等の最先端技術を駆使したクラウドベースのアプリケーション提供型ビジネスにも適応することにより、事業規模の拡大を可能とするハイブリッドな受注体制を構築して参ります。営業機能を戦略的、人材的に充実させ、「知見を生かしたコンサルティング」と「クラウド環境とソリューション製品、Web-APIなどのインフラ構築」を通じてワンストップサービスの提供により「既存顧客の深耕」と「エンドユーザーの新規提案営業」を実施し、安定的な受注規模を確保しつつ業容の拡大と生産性の向上を図って参ります。
② 優秀人材の確保と育成
ビジネス・エコシステムの変化に対し、スピード感を持ち、かつ、柔軟に対応するためには、過去の価値基準に理解を示しながら、急速な環境変化を受容することのできる人材を社内に多数擁していかなければなりません。残業減少、有給休暇取得率向上について、IT業界が向いているとされるテレワークなど、多様な働き方に合わせて従業員満足度の向上を実施して参ります。採用力の強化については、デジタルネイティブ世代の活用促進を実施する上で、教育施策を充実させて参ります。また、プロフィットシェアできるパートナーとの関係維持に注力して参ります。
③ プロジェクト管理と品質・生産性向上
主契約者ごと、システム要求事項で異なり、また、プロジェクトマネージャーごとに方向性が変化してしまうプロジェクトマネジメントに対して、知識体系を理解しているだけでは到底無事に顧客要望を満たすことはできません。当社ではこのリスクを事前に評価し、リスクを軽減する仕組みが機能しています。当社のナレッジベースに蓄積された豊富なデータをもとに単なるエンジニアのキャリアと経験だけに依存するだけではなく、どのようなチーム体制、役割、作業品質、許容される事項などが整理され、マネジメントリスクをコントロールしながら開発作業に着手することになります。このようなプロセスを更に強固なものとするため、同業他社に対するコスト競争力を高め、継続的に不採算案件ゼロを維持していくことにより、売上総利益率を向上することが課題であります。
④ 技術革新への対応
経済界全体において情報革命が叫ばれる中、当業界における技術革新のスピードは速く、かつ、その変化は著しい状況にあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の到来に合わせ、高度なITリテラシーを保有するエンジニアが公共・金融インフラ市場においてもデジタル化ビジネスへの対応を適時に行うことが重要な課題と認識しております。これらの変化に対応するため、最新の技術動向や環境変化を常に把握し、新規技術の導入を迅速に実行に移せる意思決定の仕組みなどの体制構築に努めて参ります。
⑤ 財務基盤の安定
当社は本書提出日現在において、銀行借入により十分な手元現預金を有していることから、優先的に対処すべき課題はないと考えております。今後も財務上の課題が発生する可能性は低いと考えておりますが、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上で、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係の構築に努めて参ります。
⑥ 内部管理体制の強化
内部統制の整備、見える化、仕組化を更に推進し、継続的な企業成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、常に内部管理体制の強化に努めることが重要であると認識しております。形式的な要件ではなく、本質的にコンプライアンス体制、リスク管理体制並びに情報管理体制が機能することにより、株主価値、資本生産性を向上できる経営を目指しコーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んで参ります。