有価証券報告書-第5期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 15:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い行動制限が緩和されたことや賃上げなどの実施により、国内景気は緩やかなペースで回復傾向に進んでいる一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等に加え、世界的なインフレに伴う金融引き締め、円安基調の継続、原材料・エネルギー価格の高止まり等から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、雑誌「ハルメク」で多くの新規読者を獲得できました。前年同期において、ハルメク編集長のテレビ出演が続いた効果と、新規読者の獲得が多い「強い特集」を秋口までに集中していたことにより、年度の前半より非常に大きく読者数が伸びていたことから、当期においては読者数の前年同期比減が続いておりました。しかしながら、「強い特集」を掲載した2024年3月号において多くの新規読者を獲得できた結果、2024年3月末時点で読者数は48万人(前年同期:46万人)と前年同期を上回って着地しております。
物販におきましては、「ものは少なく、暮らしは豊かに♪」という通販コアバリューを新たに定め、「ハルメク通販5つのお約束」に沿った商品をお客様にお届けしていることや、「ことせ」ブランドにおいても販促を強化しつつ、魅力的なアパレル商品でお客様の新規獲得を進めた結果、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行した後におきましても、売上を伸ばし続けております。
「通販コアバリュー(ハルメク通販5つのお約束)」ものは少なく、暮らしは豊かに♪
① たくさんの商品から選んで頂くのではなく、「最もいいものだけ」をご提案します。
② 50代からの女性が「これがほしかった」と思える唯一無二のものを作ります。
③ 「安心して長く使える」ように、ハルメク基準で厳しく品質管理します。
④ 売ったら終わりではなく、皆さまのお声で改良。「ずっとご愛用いただける」ように。
⑤ 「もったいない」の気持ちを大切に、使わなくなったものは社会と環境のために役立てます。
上記通販コアバリューに基づき生み出した商品は、雑誌「ハルメク」読者への販売のほか、新聞広告や自社ECサイトを通じて読者以外のお客様への販売を増やすことにも成功しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響の軽減により店舗へのご来店客も大きく増加しております。新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限の解除を受け再開したリアルイベントも順調に集客が進み、直接お客様にハルメクの世界観を体験頂ける機会が増加してきたことだけでなく、コロナ禍の行動制限下において培った充実したオンラインイベント、リアルイベントとオンラインイベントを組み合わせたハイブリッド型のイベントなども実施し、オンラインにおいては首都圏だけでなく、日本全国からご参加頂いております。
さらに前連結会計年度にリリースした、「観る・聴く・学ぶ・つながる」をテーマに、24時間・365日いつでもどこでも楽しめる月額定額制のサービスである「ハルメク365」においては、これまで雑誌で提供させていただいておりました「読んで役立つ」コンテンツに加え、ファッション・美容・料理レシピ・脳トレ・エクササイズなど、毎日が楽しくなる動画を大幅に追加しております。そのほか、雑誌「ハルメク」の人気講師陣によるリアル&オンライン講座も毎月開催するなど、文字通り365日飽きることなく楽しめるコンテンツ作りに取り組んでおります。
一方、新型コロナウイルス感染症の影響の軽減による当社ビジネスへのマイナス影響として、特に秋以降、当社顧客であるシニア女性の行動変容が顕著になってきております。例えば、以前であれば「家の中で使われる商品」をお買い上げいただくことが多かったのに対し、秋以降は「外出時に着ていく洋服」や「外出用のメイク商品」といったものへ需要がシフトしております。これらの影響と、暖冬により冬物商品の販売が不振だったことなどから、カタログ配布数に対する売上獲得率が低下し、収益性が悪化しました。その後、カタログ掲載商品の見直しなどを進めておりますが、1年で一番売上・利益が大きい第3四半期連結会計期間の収益性が上記理由から悪化しております。
その他、デジタル化と事業拡大に対応するため、システム戦略を見直した結果、使用見込みが無くなるソフトウエア等を除却し、570百万円の損失を計上しております。また、5月には、新規上場で得た資金により借入金の返済を行いました。この返済により、一時的な金融費用が130百万円発生しておりますが、この返済の結果、今後発生する金融費用は従前比で大きく改善し、2023年6月以降におきましては、金融費用が年換算で1億円以上改善する見込みであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、31,415百万円(前年同期比2,677百万円増、9.3%増)、営業利益は、857百万円(前年同期比1,172百万円減、57.7%減)、税引前利益は、681百万円(前年同期比1,182百万円減、63.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、476百万円(前年同期比772百万円減、61.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメント別の売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
a.ハルメク事業セグメント
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りにより、雑誌「ハルメク」において、引き続き過去最高水準での読者数を維持したこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品販売が、通信販売だけでなく、店舗販売においても順調に推移したこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を堅調に伸ばすことができました。ただ、秋以降の当社顧客層における行動変容への対応が遅れたことと、前年同期においてはハルメク編集長のTV出演に伴う読者数押し上げ効果があったことから、広告効率が悪化し、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は24,029百万円(前年同期比1,972百万円増、8.9%増)、セグメント利益は1,116百万円(前年同期比331百万円減、22.9%減)となりました。
b.全国通販事業セグメント
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、新規顧客獲得が順調に進み、売上を大きく伸ばすことができました。一方、顧客数及び売上の増加を企図した積極的な広告投資のコスト増により、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は7,721百万円(前年同期比714百万円増、10.2%増)、セグメント利益は30百万円(前年同期比56百万円減、64.7%減)となりました。
また、財政状態については次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,982百万円減少し20,114百万円となりました。
流動資産は3,051百万円減少し、6,229百万円となりました。主な要因は、借入金の返済等による現金及び現金同等物の減少4,098百万円、営業債権の増加333百万円、棚卸資産の増加722百万円であります。
非流動資産は69百万円増加し、13,885百万円となりました。主な要因は有形固定資産の増加102百万円、使用権資産の増加656百万円、無形資産の減少649百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,054百万円減少し12,559百万円となりました。
流動負債は1,448百万円減少し、8,784百万円となりました。主な要因は、借入金の減少1,002百万円等であります。
非流動負債は2,606百万円減少し、3,774百万円となりました。主な要因は、借入金の減少2,866百万円等であります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,072百万円増加し7,555百万円となりました。主な要因は、有償第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行等により資本金が306百万円、資本剰余金が288百万円増加したこと、及び親会社の所有者に帰属する当期利益476百万円の計上によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,098百万円減少し、938百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は152百万円(前年同期は2,260百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前利益681百万円(前年同期比1,182百万円減)、減価償却費及び償却費915百万円(前年同期は673百万円)、有形固定資産及び無形資産除却損580百万円(前年同期の収入はありません)等であり、主な減少要因は営業債権の増加額340百万円(前年同期は141百万円)、棚卸資産の増加額722百万円(前年同期は499百万円)、法人所得税の支払額937百万円(前年同期は572百万円)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は414百万円(前年同期は464百万円の使用)となりました。主な内訳は、基幹システムの更新等に伴う無形資産の取得による支出278百万円(前年同期は376百万円)、有形固定資産の取得による支出104百万円(前年同期は32百万円)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は3,836百万円(前年同期は2,275百万円の獲得)となりました。支出の内訳は、長期借入金の返済による支出5,892百万円(前年同期は402百万円)、リース負債の返済による支出457百万円(前年同期は408百万円)であり、収入の内訳は、短期借入れによる収入1,900百万円(前年同期は400百万円)、株式の発行による収入612百万円(前年同期は3,516百万円)であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前期比(%)
ハルメク事業8,5338.2
全国通販事業3,60511.7
合計12,1399.2

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
ハルメク事業24,0298.9
全国通販事業7,72110.2
報告セグメント計31,7519.2
調整額△335
合計31,4159.3

(注) 1.総販売金額に対する割合が10%以上を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上収益)
売上収益は31,415百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。これは主に定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が48万人と前年同期を上回ったこと、更に通信販売も新聞広告や自社ECサイトを通じて顧客数を増やしたことによるものです。
(売上原価・売上総利益)
売上収益の増加により、売上原価は13,660百万円(前連結会計年度比8.4%増)となり、売上総利益は17,755百万円(前連結会計年度比10.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
広告宣伝費が973百万円増加したこと、従業員給付費用が79百万円増加したことなどから、販売費及び一般管理費は16,328百万円(前連結会計年度比15.8%増)となりました。その他の収益は36百万円(前連結会計年度比100.7%増)、使用見込みが無くなったソフトウエア等570百万円を除却したことにより、その他の費用は606百万円(前連結会計年度比1,995.9%増)となり、営業利益は857百万円(前連結会計年度比57.7%減)となりました。
(金融収益・金融費用・税引前利益)
金融収益は0百万円(前連結会計年度比38.7%増)、金融費用は176百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。
以上の結果、税引前利益は681百万円(前連結会計年度比63.4%減)となりました。
(法人所得税費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)
法人所得税費用は205百万円(前連結会計年度比66.6%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は476百万円(前連結会計年度比61.9%減)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
なお、セグメントごとの売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。
[ハルメク事業]
当連結会計年度においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りにより、雑誌「ハルメク」において、引き続き過去最高水準での読者数を維持したこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品販売が、通信販売だけでなく、店舗販売においても順調に推移したこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を堅調に伸ばすことができました。ただ、秋以降の当社顧客層における行動変容への対応が遅れたことと、前年同期においてはハルメク編集長のTV出演に伴う読者数押し上げ効果があったことから、広告効率が悪化し、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は24,029百万円(前年同期比1,972百万円増、8.9%増)、セグメント利益は1,116百万円(前年同期比331百万円減、22.9%減)となりました。
[全国通販事業]
当連結会計年度においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、新規顧客獲得が順調に進み、売上を大きく伸ばすことができました。一方、顧客数及び売上の増加を企図した積極的な広告投資のコスト増により、セグメント利益は前年同期比で減少しております。
以上の結果、売上収益は7,721百万円(前年同期比714百万円増、10.2%増)、セグメント利益は30百万円(前年同期比56百万円減、64.7%減)となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況及び経営成績の状況」に含めて記載しております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」及び「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品仕入れ代金、用紙等仕入れ代金、人件費等であります。資金の流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段の方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、読者数と顧客数を経営指標として重視しております。読者数を重視する理由は、雑誌「ハルメク」の読者は、ハルメクの世界観に共感して頂いている非常にロイヤリティが高いお客様であり、「物販」「コミュニティ」といった他事業とのクロスセル率が高い、もしくは、今後、そういったお客様になって頂ける可能性が高い、非常に重要なお客様であるためであります。顧客数を重視する理由は、当社の経営理念は「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」ですが、顧客数は「実際に当社が応援できている50代からの女性の人数」を表していると考えているからです。
各指標の実績等は以下のとおりであります。
経営指標2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期
実績
(万人)
前期比
(%)
実績
(万人)
前期比
(%)
実績
(万人)
前期比
(%)
実績
(万人)
前期比
(%)
実績
(万人)
前期比
(%)
読者数3112637121421124611148104
顧客数828689109109122121111135111
ハルメク事業4412058131741278611693108
全国通販事業37643083351143510141118

読者数は、顧客のインサイトに基づくコンテンツの絶え間ない磨き上げ及びマーケティング手法の開拓、PRの強化により堅調に推移していると認識しております。
顧客数についても、全国通販事業の2021年3月期からの構造改革によって回復傾向、ハルメク事業は読者数及び新聞単品外販の伸長により、堅調に推移していると認識しております。

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