有価証券報告書-第17期(2024/10/01-2025/09/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げております。
当社は、フレキシブルワークプレイス事業によって、主に都心部の築古ビルに対してリノベーションを行うことで付加価値を付与し、不動産価値の最大化を追求しながらも、テナントに対しては質の良いクリエイティブなオフィスを提供することで、自由な働き方に寄り添い、豊かな街づくりに貢献します。
(2) 経営戦略等
当社は、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで手がけるフレキシブルワークプレイス事業を行っております。また、事業展開のエリアを広げずに渋谷区、港区、目黒区を中心とした狭域エリア内で当社物件数を増やしていくというドミナント戦略を継続してまいります。
運営形態としては、今後もマスターリース契約におけるテナント賃料や、プロパティマネジメント契約における運営受託手数料を中心とした物件運営によって得られる安定的なストック型収入をメインとしながらも、マスターリース契約やプロパティマネジメント契約に付随して獲得する設計・施工請負から得られるフロー型収入を組み合わせることで事業規模拡大を狙っていきます。またサイバーエージェント社の子会社化及び株式上場を通じた与信力の向上による銀行融資を積極活用し、新規物件の取得を強化しております。
今後も優良物件の取得が重要となるため、強みである都心部中心のエリア展開というドミナント性は保ちつつ、ビルオーナーへの認知度・ブランド力の向上を通じて収益性の高い運営物件を増やしていくことが第一であると考えます。さらに、保有を含めた今後の事業規模拡大のためには、これまでの銀行借入による資金調達に加えて、株式市場を通じた資金調達等の調達手段を組み合わせることで、財務バランスを保ちながら、事業拡大に繋げていく方針です。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、翌期以降3年間における売上高及び営業利益を重要な経営指標とし、中長期的に企業価値の最大化を図ってまいります。また、売上高及び営業利益を向上させるために、物件稼働率、平均坪単価を経営上の重要な指標とし、その他、運営面積、累計プロジェクト数、獲得済プロジェクト数、運営中物件数等の指標を定点監視しております。
2024年9月期
2025年9月期
※月末時点での数値を記載
※平均坪単価及び物件稼働率は、竣工後1年以上経過したML・保有物件について算出
※平均坪単価及び物件稼働率の算出にあたり、終了予定物件については除外
※各期末時点での数値を記載
※運営面積は、運営中物件のうちML・保有・PM物件が対象であり、共有面積を含めた床面積の総和を指す
※累計プロジェクトは、終了物件も含んだ累計プロジェクトを指す
※獲得済プロジェクトは、竣工前物件も含めたプロジェクトを指す
※運営中物件は、竣工後のML・保有・PM物件等を指す
(4) 中長期的な経営環境
当社はフレキシブルワークプレイス事業に係る事業環境を以下のように認識しています。
<業界規模>潜在的なオフィス市場の存在
ニッセイ基礎研究所による調査比較によれば(※1)、2024年のわが国の不動産投資市場規模において収益不動産は約315.1兆円であり、オフィスはそのうちの35%を占めるといわれています。コロナ禍を経て、当社に対して、ホテルや商業施設、住居内にオフィスを組み合わせたいなどの依頼が増えており、ホテルや商業施設等のオフィス以外からの用途変更等を鑑みれば、さらに大きな潜在市場が存在すると考えております。
都心部オフィス市場と事業拡大可能性
東京都都市整備局によれば(※2)、2024年1月時点での東京23区のオフィス床面積は約9,670万㎡です。その中でも当社のエリアターゲットである渋谷区は約641万㎡、港区は約1,900万㎡であります。2025年9月末時点で、当社の運営面積は約10.4万㎡であり、オフィス市況そのものが巨大なマーケットであるため、当社の発展的な事業拡大の余地は十分にあると考えております。
その中でも東京都心部のオフィス賃料の単価優位性は高く、特に渋谷区の優位性は顕著となっております。三鬼商事によれば(※3)、平均賃料については2025年9月度における都心5区の平均賃料が21,092円/坪であることに対し、渋谷区は24,248円/坪、稼働率については2025年9月度における都心5区の稼働率は97.3%であることに対し、渋谷区は97.9%と高い結果となっております。
競合他社との差別化という観点においても、渋谷区を中心とした狭域にて事業展開を行うことで、エリアニーズや需要の変化をいち早く掴み、新企画に反映できることからも渋谷区を中心とした狭域での事業展開をしていくことが差別化に繫がると考えております。
<市場動向>建築費・金利の上昇
近年、建築資材および人件費の高止まりにより建築費の高騰が続いておりますが、当社のような築古ビルの再生事業に与えるインパクトは新築開発と比べ、相対的に小さいと認識しております。新築は竣工まで2年~3年を要することも多く、その間の建築費高騰で当初の採算が損なわれるリスクがあります。一方で当社が主軸とする再生事業は竣工まで半年~1年と短いため、建築費の急激な変動によって事業全体の採算が大きく損なわれるリスクは限定的です。
また、金利上昇についても、新築開発は多額の建築費を含むため総事業費が大きく、金利変動が資金負担に直結しやすい構造となっております。一方で、当社の再生事業は総事業費が相対的に小さく、借入も抑制できることから、同じ金利上昇でも事業への影響は軽微です。さらに、再生事業は短期間で収益化できる点も金利リスクの低減に寄与しております。こうした建築費および金利の上昇局面では建替え判断が慎重化し、既存ストックを活用する再生ニーズが高まっており、当社にとっては追い風となる側面があると考えております。
環境配慮に対する意識向上
環境配慮への関心の高まりからも、新築建替えではなく、使えるものは長く使う不動産再生への需要が増加しております。当社においても2024年7月リノベーション竣工したAMBRE(渋谷区千駄ヶ谷)においてDBJ Green Building認証を取得しておりますが、ビルオーナーにおいても同様に環境配慮の観点からも不動産再生を選択する機会が増加するものと考えております。
競争力を失ったビルの増加と差別化の必要性
ザイマックス不動産総合研究所によると(※4)、2025年12月末時点で想定される東京都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで976万坪となっており、うち、中小規模ビルは438万坪、平均築年数は35.2年であり、大規模ビルの平均築年数26.1年に比べ築年経過が進んでいるとされております。中小規模ビル438万坪のうち、当社の得意とするコンパクトな築20年以上の築古ビルはバブル時代に過剰供給されたことを背景に350万坪と80%の延床面積を占めており、当社のリノベーションの対象となる物件が豊富に存在しております。
対して、築20年未満の中小規模の築古ビルは88万坪存在します。現時点で築浅であるこれらのオフィスビルも、いずれ古くなり競争力を失っていきます。また、大規模ビルも同様に、経年による競争力の低下は避けられないため、いずれ古くなり競争力を失っていきます。特に、現時点で築20年未満の築浅大規模ビルは233万坪の延床面積を占めており、供給ストックの過剰さから競争が激化していくと考えております。すなわち、中小規模ビル・大規模ビルを問わず経年により競争力が失われていくことと想定されるため、当社のフレキシブルワークプレイス事業の対象となる物件はさらに増えていくと考えております。

東京都心5区オフィスピラミッド2025(賃貸面積ベース)
<出典:ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」(※4)>※1 ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2024年)」https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=80603?site=nli
※2 東京都都市整備局「東京の土地2024」https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/about/chousa/shiryo2024
※3 三鬼商事「オフィスマーケット」 https://www.e-miki.com/rent/
※4 ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」 https://soken.xymax.co.jp/2025/01/15/2501-stock_pyramid_2025/
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 優良物件の仕入
当社の継続的な事業拡大のためには、価格や立地、規模等の観点で当社の仕入基準に合致する優良な新規物件にアプローチし、オーナーとの接点を増やすことで、新規物件を獲得していくことが必須となってきます。企画営業部員の仕入力を上げておくことが重要だと考えております。
② 財務体質の健全性向上
当社の事業は、不動産取得及び設備投資を行うための設備投資資金を必要とするビジネスモデルであります。手元資金の他、銀行借入により物件購入資金及び設備投資資金を調達しております。今後も物件購入を継続していく経営方針であるため、市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うために財務基盤の強化が必要となります。そのため、定期的に金融機関への業績説明を行うことや、物件内覧等を通じて相互理解を深めることで取引がより強固となり、資金調達が円滑に行われるように意識しております。株式上場の実現により、自己資本を増強することで財務体質の健全性の向上を図るとともに、信用力向上による調達金利の抑制も見込まれるため、金利上昇局面においても金利負担軽減を図ることができると考えております。
③ 組織・ガバナンス体制の強化
当社は、宅地建物取引業免許、一級建築士事務所登録、特定建設業許可といった許認可に基づいた事業を行っており、業法違反等による事業活動の停止や資格はく奪、建設業による事故や損害賠償の発生などが生じた場合は事業に多大な影響を及ぼします。それに対処するために、規定上必要とされる人数を超えた有資格者の設置、コンプライアンス研修等の社員教育の実施、社外役員から牽制体制等を通じたガバナンス体制を強化することで、リスクを限りなく低減することが重要であると認識しています。
④ 社員研修・教育制度の充実化と人材確保
事業の発展のためには、継続的に優秀な人材を確保し、これを育成することが重要であると認識しております。社内教育制度の拡充や、独自のビジネスモデルやノウハウの浸透を図ることにより、社員一人一人のレベルアップを図るとともに、管理職層の育成を強化して事業拡大に伴う組織体制の整備を進めていく方針です。
(1) 経営方針
当社は「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げております。
当社は、フレキシブルワークプレイス事業によって、主に都心部の築古ビルに対してリノベーションを行うことで付加価値を付与し、不動産価値の最大化を追求しながらも、テナントに対しては質の良いクリエイティブなオフィスを提供することで、自由な働き方に寄り添い、豊かな街づくりに貢献します。
(2) 経営戦略等
当社は、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで手がけるフレキシブルワークプレイス事業を行っております。また、事業展開のエリアを広げずに渋谷区、港区、目黒区を中心とした狭域エリア内で当社物件数を増やしていくというドミナント戦略を継続してまいります。
運営形態としては、今後もマスターリース契約におけるテナント賃料や、プロパティマネジメント契約における運営受託手数料を中心とした物件運営によって得られる安定的なストック型収入をメインとしながらも、マスターリース契約やプロパティマネジメント契約に付随して獲得する設計・施工請負から得られるフロー型収入を組み合わせることで事業規模拡大を狙っていきます。またサイバーエージェント社の子会社化及び株式上場を通じた与信力の向上による銀行融資を積極活用し、新規物件の取得を強化しております。
今後も優良物件の取得が重要となるため、強みである都心部中心のエリア展開というドミナント性は保ちつつ、ビルオーナーへの認知度・ブランド力の向上を通じて収益性の高い運営物件を増やしていくことが第一であると考えます。さらに、保有を含めた今後の事業規模拡大のためには、これまでの銀行借入による資金調達に加えて、株式市場を通じた資金調達等の調達手段を組み合わせることで、財務バランスを保ちながら、事業拡大に繋げていく方針です。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、翌期以降3年間における売上高及び営業利益を重要な経営指標とし、中長期的に企業価値の最大化を図ってまいります。また、売上高及び営業利益を向上させるために、物件稼働率、平均坪単価を経営上の重要な指標とし、その他、運営面積、累計プロジェクト数、獲得済プロジェクト数、運営中物件数等の指標を定点監視しております。
2024年9月期
| 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
| 平均坪単価(円/坪) | 25,523 | 25,516 | 25,611 | 25,623 | 25,738 | 25,833 | 25,876 | 25,800 | 25,586 | 25,820 | 26,142 | 26,189 |
| 物件稼働率 | 98.6% | 97.9% | 98.3% | 98.4% | 98.6% | 98.7% | 98.8% | 98.0% | 97.9% | 98.5% | 98.1% | 99.0% |
2025年9月期
| 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |
| 平均坪単価(円/坪) | 26,373 | 26,420 | 26,260 | 25,885 | 26,280 | 26,422 | 26,187 | 26,412 | 26,589 | 25,568 | 26,465 | 26,729 |
| 物件稼働率 | 99.5% | 99.3% | 98.6% | 98.5% | 99.1% | 98.0% | 98.3% | 98.8% | 98.7% | 98.3% | 98.2% | 98.1% |
※月末時点での数値を記載
※平均坪単価及び物件稼働率は、竣工後1年以上経過したML・保有物件について算出
※平均坪単価及び物件稼働率の算出にあたり、終了予定物件については除外
| 2021年 9月期 | 2022年 9月期 | 2023年 9月期 | 2024年 9月期 | 2025年 9月期 | |
| 運営面積(㎡) | 65,497 | 84,565 | 85,436 | 98,923 | 104,253 |
| 累計プロジェクト数 | 76 | 84 | 95 | 100 | 107 |
| 獲得済プロジェクト数 | 61 | 65 | 69 | 71 | 75 |
| 運営中物件数 | 51 | 58 | 58 | 62 | 65 |
※各期末時点での数値を記載
※運営面積は、運営中物件のうちML・保有・PM物件が対象であり、共有面積を含めた床面積の総和を指す
※累計プロジェクトは、終了物件も含んだ累計プロジェクトを指す
※獲得済プロジェクトは、竣工前物件も含めたプロジェクトを指す
※運営中物件は、竣工後のML・保有・PM物件等を指す
(4) 中長期的な経営環境
当社はフレキシブルワークプレイス事業に係る事業環境を以下のように認識しています。
<業界規模>潜在的なオフィス市場の存在
ニッセイ基礎研究所による調査比較によれば(※1)、2024年のわが国の不動産投資市場規模において収益不動産は約315.1兆円であり、オフィスはそのうちの35%を占めるといわれています。コロナ禍を経て、当社に対して、ホテルや商業施設、住居内にオフィスを組み合わせたいなどの依頼が増えており、ホテルや商業施設等のオフィス以外からの用途変更等を鑑みれば、さらに大きな潜在市場が存在すると考えております。
都心部オフィス市場と事業拡大可能性
東京都都市整備局によれば(※2)、2024年1月時点での東京23区のオフィス床面積は約9,670万㎡です。その中でも当社のエリアターゲットである渋谷区は約641万㎡、港区は約1,900万㎡であります。2025年9月末時点で、当社の運営面積は約10.4万㎡であり、オフィス市況そのものが巨大なマーケットであるため、当社の発展的な事業拡大の余地は十分にあると考えております。
その中でも東京都心部のオフィス賃料の単価優位性は高く、特に渋谷区の優位性は顕著となっております。三鬼商事によれば(※3)、平均賃料については2025年9月度における都心5区の平均賃料が21,092円/坪であることに対し、渋谷区は24,248円/坪、稼働率については2025年9月度における都心5区の稼働率は97.3%であることに対し、渋谷区は97.9%と高い結果となっております。
競合他社との差別化という観点においても、渋谷区を中心とした狭域にて事業展開を行うことで、エリアニーズや需要の変化をいち早く掴み、新企画に反映できることからも渋谷区を中心とした狭域での事業展開をしていくことが差別化に繫がると考えております。
<市場動向>建築費・金利の上昇
近年、建築資材および人件費の高止まりにより建築費の高騰が続いておりますが、当社のような築古ビルの再生事業に与えるインパクトは新築開発と比べ、相対的に小さいと認識しております。新築は竣工まで2年~3年を要することも多く、その間の建築費高騰で当初の採算が損なわれるリスクがあります。一方で当社が主軸とする再生事業は竣工まで半年~1年と短いため、建築費の急激な変動によって事業全体の採算が大きく損なわれるリスクは限定的です。
また、金利上昇についても、新築開発は多額の建築費を含むため総事業費が大きく、金利変動が資金負担に直結しやすい構造となっております。一方で、当社の再生事業は総事業費が相対的に小さく、借入も抑制できることから、同じ金利上昇でも事業への影響は軽微です。さらに、再生事業は短期間で収益化できる点も金利リスクの低減に寄与しております。こうした建築費および金利の上昇局面では建替え判断が慎重化し、既存ストックを活用する再生ニーズが高まっており、当社にとっては追い風となる側面があると考えております。
環境配慮に対する意識向上
環境配慮への関心の高まりからも、新築建替えではなく、使えるものは長く使う不動産再生への需要が増加しております。当社においても2024年7月リノベーション竣工したAMBRE(渋谷区千駄ヶ谷)においてDBJ Green Building認証を取得しておりますが、ビルオーナーにおいても同様に環境配慮の観点からも不動産再生を選択する機会が増加するものと考えております。
競争力を失ったビルの増加と差別化の必要性
ザイマックス不動産総合研究所によると(※4)、2025年12月末時点で想定される東京都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで976万坪となっており、うち、中小規模ビルは438万坪、平均築年数は35.2年であり、大規模ビルの平均築年数26.1年に比べ築年経過が進んでいるとされております。中小規模ビル438万坪のうち、当社の得意とするコンパクトな築20年以上の築古ビルはバブル時代に過剰供給されたことを背景に350万坪と80%の延床面積を占めており、当社のリノベーションの対象となる物件が豊富に存在しております。
対して、築20年未満の中小規模の築古ビルは88万坪存在します。現時点で築浅であるこれらのオフィスビルも、いずれ古くなり競争力を失っていきます。また、大規模ビルも同様に、経年による競争力の低下は避けられないため、いずれ古くなり競争力を失っていきます。特に、現時点で築20年未満の築浅大規模ビルは233万坪の延床面積を占めており、供給ストックの過剰さから競争が激化していくと考えております。すなわち、中小規模ビル・大規模ビルを問わず経年により競争力が失われていくことと想定されるため、当社のフレキシブルワークプレイス事業の対象となる物件はさらに増えていくと考えております。

東京都心5区オフィスピラミッド2025(賃貸面積ベース)
<出典:ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」(※4)>※1 ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2024年)」https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=80603?site=nli
※2 東京都都市整備局「東京の土地2024」https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/about/chousa/shiryo2024
※3 三鬼商事「オフィスマーケット」 https://www.e-miki.com/rent/
※4 ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」 https://soken.xymax.co.jp/2025/01/15/2501-stock_pyramid_2025/
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 優良物件の仕入
当社の継続的な事業拡大のためには、価格や立地、規模等の観点で当社の仕入基準に合致する優良な新規物件にアプローチし、オーナーとの接点を増やすことで、新規物件を獲得していくことが必須となってきます。企画営業部員の仕入力を上げておくことが重要だと考えております。
② 財務体質の健全性向上
当社の事業は、不動産取得及び設備投資を行うための設備投資資金を必要とするビジネスモデルであります。手元資金の他、銀行借入により物件購入資金及び設備投資資金を調達しております。今後も物件購入を継続していく経営方針であるため、市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うために財務基盤の強化が必要となります。そのため、定期的に金融機関への業績説明を行うことや、物件内覧等を通じて相互理解を深めることで取引がより強固となり、資金調達が円滑に行われるように意識しております。株式上場の実現により、自己資本を増強することで財務体質の健全性の向上を図るとともに、信用力向上による調達金利の抑制も見込まれるため、金利上昇局面においても金利負担軽減を図ることができると考えております。
③ 組織・ガバナンス体制の強化
当社は、宅地建物取引業免許、一級建築士事務所登録、特定建設業許可といった許認可に基づいた事業を行っており、業法違反等による事業活動の停止や資格はく奪、建設業による事故や損害賠償の発生などが生じた場合は事業に多大な影響を及ぼします。それに対処するために、規定上必要とされる人数を超えた有資格者の設置、コンプライアンス研修等の社員教育の実施、社外役員から牽制体制等を通じたガバナンス体制を強化することで、リスクを限りなく低減することが重要であると認識しています。
④ 社員研修・教育制度の充実化と人材確保
事業の発展のためには、継続的に優秀な人材を確保し、これを育成することが重要であると認識しております。社内教育制度の拡充や、独自のビジネスモデルやノウハウの浸透を図ることにより、社員一人一人のレベルアップを図るとともに、管理職層の育成を強化して事業拡大に伴う組織体制の整備を進めていく方針です。