有価証券報告書-第15期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:47
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有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「お客様の飛躍的な労働生産性向上を目指す」をパーパス、「オペレーションからの解放と創造的業務への後押し」をミッションとして掲げ、勤怠管理を中心に給与計算の自動化など業務全体の効率化支援に取り組んでいます。企業にとって最も重要な経営資源は、「ヒト(人材)」と考えており、当該パーパスのもと、これら人事労務に関する業務を、日々の煩雑なオペレーション業務から、「ヒト」に紐づく様々なデータを利活用できる創造的業務へと転換することを目指しております
(2)経営環境
我が国経済は、緊迫化する世界情勢や資源・原材料価格上昇、円安進行や物価高騰、主要国の金融政策の動向や金利変動の影響など先行き不透明な状況が継続しました。
当社グループが提供するサービス領域においても、2024年4月に「働き方改革関連法」の適用猶予事業への上限規制の適用、同年10月には厚生年金保険法・健康保険法に基づく被用者保険の適用拡大が実施されるなど、法制度対応の重要性が増しています。さらに2025年4月より順次施行されている「改正育児・介護休業法」に基づき、看護休暇の対象拡大やテレワーク導入の努力義務化、育児休業取得状況の公表義務拡大への対応など、柔軟かつ緻密な労務管理体制の構築が求められています。
加えて、「人的資本」経営においては「健康・安全」に関する情報開示の充実が進んでおり、勤務実態の可視化やコンプライアンスの徹底、従業員一人ひとりの多様な働き方への対応が企業に強く求められています。勤怠データはこれらの取り組みを支える中核的な基盤となっており、当社サービスの導入価値と社会的意義はこれまで以上に高まっています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 組織体制の整備
当社の継続的な事業成長の実現に向けて、現在は既存人員のAI活用による生産性向上を重点施策として位置付けており、業務効率化により人員増を抑えながらサービス品質の向上を図ってまいります。また、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築やカルチャーの推進等を進めてまいります。採用については、厳選した人材の獲得に注力し、組織全体の質的向上を図ってまいります。加えて、当社独自のプロジェクト制の運営の継続的な改善により、さらなる成長を促進してまいります。
② 情報管理体制の強化
当社は、提供するサービスに関連して多くのユーザー企業の機密情報や個人情報を取り扱っており、これらの情報資産を保護することは事業の根幹を成す責務であります。専任の情報セキュリティチームのもと、情報セキュリティ基本方針に従い情報資産を適切に管理・保護しております。AI活用やパートナー企業との連携が拡大するなか、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃に対する防御基盤の強化、連携環境のセキュリティ水準の統一的な引き上げ、内部統制・監査基盤の整備を進め、お客様のデータを安全にお預かりし続ける体制を構築してまいります。
③ 課金方法の変更
当社グループは、「KING OF TIME」のSaaSサービスについて、従来の打刻ベース(サービスの利用に応じた課金)から登録ベース(契約に基づいた課金)への変更を進めてまいりました。2023年10月の直販新規顧客を皮切りに、2024年4月の販売店新規顧客、2025年4月の直販・販売店既存顧客への適用、およびOEM各社における既存・新規顧客への移行を経て、課金体系の移行は完了しております。
④ 成長戦略の推進
現在、当社グループの収益の大半が「KING OF TIME」のSaaSサービスから成り立っております。今後も継続的な事業成長の実現に向けて、既存サービスの伸長に加え、プレミアムサポート、KING OF TIME 電子契約、パートナーサービスの販売、給与計算BPaaS等の展開を積極的に行っていきます。またSMP構想の推進により、顧客基盤の拡大と顧客当たり売上高の向上を図ってまいります。
⑤ 戦略投資と中期収益目標
当社グループは、「KING OF TIME」の価値向上と安定的なサービス提供を目的として、AI関連投資およびセキュリティ関連投資を戦略的に実行しております。これらの投資を優先する判断により、営業利益率30%程度の達成時期を2030年3月期へと見直しております。投資の成果が顕在化するにつれ収益性は段階的に向上していく見通しであり、2030年3月期における目標達成を目指してまいります。
⑥ サステナビリティへの取組
当社グループは、お客様・株主・取引先・従業員などのステークホルダーとともに、企業活動や事業を通じた社会課題の解決やサステナブルな社会の構築に取り組むことが重要と考えております。サステナビリティに関する具体的な取り組みおよび指標については、本報告書「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
(4)今後の成長戦略
当社グループは、継続して成長し続けるために、「KING OF TIME」にて勤怠管理から給与計算までを1ユーザー300円の「ワンプライス戦略」により市場競争力のある価格にてシェア拡大を行ってまいります。
「KING OF TIME」の価格面の特徴は、「月額1人300円」のワンプライスで、全ての機能が利用できることです。勤怠管理以外にも人事管理やデータ分析、給与計算なども、全てワンプライスの中でご利用頂けます。ワンプライス300円は、リリース当時から守り続けており、お客様が求める機能・品質を安価な価格にて提供し続けることがお客様への価値提供に繋がると考えております。
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また、当社グループにおいては、事業拡大の根幹をなす“TOP3 コンセプト”を定めております。具体的には、①TOPコストパフォーマンス、②TOPセールスチャネル、③TOPパートナーシップであり、企業の生産性改善をもとにした「お客様の飛躍的な労働生産性向上」を目指しております。
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当社グループの成長戦略は、顧客当たり売上高の向上を図ることです。具体的な内容としては、以下のとおりであります。
① 顧客基盤の更なる拡大
当社では、有力パートナーとの関係構築により導入企業数の増加、網羅的なサービスの提供を継続し、顧客基盤を盤石なものとするための施策を行ってまいります。
a.新規顧客獲得
2026年3月度の労働力調査によれば日本の就業者数は6,773万人いるものの、勤怠管理SaaS(注1)の販売数量は1,365万IDに留まっており(注2)、また当社の課金ID数は当該就業者数の約5%程度に過ぎません。これはアナログな勤怠管理を行っている理由もあると考えられるため、市場の成長余地は依然として大きく見込まれます。
注1)SaaSとは「Software as a Service」の略称で、サービスとしてのソフトウェアをインターネットを経由して提供するクラウドサービスのことを指します。
注2)㈱富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」による推計値
b.KOTサービス営業強化施策
販売パートナー及びOEMパートナーの開拓と育成することに加え社会保険労務士や税理士などの士業ネットワークの構築を進めてまいります。
c.パートナーサービスの連携強化
パートナーサービス(当社サービスと親和性のある人事管理システムや給与システム等の他社SaaSサービス)との密連携による顧客への付加価値提供、及びPKG連携ツール(他社SaaSサービスを「KING OF TIME」に連携させるために必要となるデータ変換ツール)の充実を図ってまいります。
② 顧客体験の更なる向上
当社グループでは、導入企業の生産性向上に貢献するサービスとして優位性を確立してまいります。具体的には、勤怠管理だけではなく人事労務・給与計算など提供するサービスの範囲を広げていくこと、勤怠管理から給与計算までのプロセスを自動化すること、サービスで蓄積されたデータを利活用してのデータ分析等により、日々のオペレーションからの解放を通じて、創造的業務に時間を割けるよう支援する体制を整備してまいります。
③ 新しい付加価値の提供
顧客満足度を最大限に引き出すため、蓄積された勤怠管理データを活用し、顧客毎に最適な付加価値を提供していきます。各サービスの概要は、以下のとおりであります。
[給与計算BPaaS]
給与計算関連の集計作業をアウトソーサーとして受託。「KING OF TIME」シリーズでは集計機能の自動化・標準化が進んでいるため、従来のアウトソーサーよりもローコストでサービス提供可能
[パートナーサービス]
「KING OF TIME」シリーズとシナジーのある外部サービスを当社が販売代理店となりシームレスに提供。全従業員が毎日利用する勤怠管理システムの特性を活かし、「KING OF TIME」がポータルとなり、パートナーサービスと連携
[KING OF TIME 電子契約]
入社手続きに必要となる雇用契約書の電子化を提供する有償オプションサービス。全ての帳票にタイムスタンプが押し放題。契約書を紙での取り扱いから電子への取り扱いへ切り替えることを後押し
[プレミアムサポート]
「KING OF TIME」導入済の顧客に対して提供する有償サービス。個社ごとの複雑な要望や、継続的なコンサルティングニーズへ対応。同時に、上記パートナーサービス、給与計算BPOへの足掛かり
0102010_003.png④ グローバル基準のクラウドサービスを東南アジア圏へ展開
グローバル基準の勤怠管理を中心としたHRクラウドサービスを、現地においても高コストパフォーマンスで提供することにより、東南アジア圏のHR市場へ展開してまいります。なお、2022年8月においてタイに現地法人を立ち上げ、日系企業への導入を足がかりにKOTサービスを順次展開しております。新市場の開拓となるため投資が先行しますが、長期的には日本と同等、もしくは同等以上のビジネスになることを目標としております。
上記を前提として、当社グループでは「KING OF TIME」を企業の人時生産性向上を実現するマルチソリューションベンダーへと進化させてまいります。
KOTサービスは、
・全従業員が
・毎日使うサービスであり、
・SaaS利用、DX化(注3)の入口として適しているサービスです。
この優位性を活かし、顧客とパートナーをつなぐプラットフォームになりたいと考えます。
このプラットフォームを広めることにより、HR領域全般にまたがる、マルチソリューションベンダーになります。
このプラットフォームを「サブスクリプションマネジメントプラットフォーム」、通称SMPと名付け、「KING OF TIME」を入口として顧客に必要なサービスを販売・サポートしていきます。
顧客が利用中のサービスからも、厚みを増したデータを収集・分析し、人時生産性向上に繋がる気付きも提供していきます。
注3)DXとは、「Digital Transformation」の略称で、デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、新たなデジタル時代にも十分に勝ち残れるように自社の競争力を高めていくことを指します。
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(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、基幹サービスであるKING OF TIMEの経営成績を把握することを目的として、単体ベースの売上高、KOT SaaS売上(「KING OF TIME」による月額利用料)、営業利益、人件費、外注費、販売促進費を重要な客観的な指標と捉えております。
また、2026年3月期の当社連結売上高の89.5%が単体のKOT SaaS売上であるため、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、ARR、月次換算解約率、課金社数、課金ID数を重要な経営指標と捉えております。これらの指標につきましては今後も継続的に増加させるよう努めてまいります。
(単体の年度ベース)
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
売上高(百万円)3,4984,1605,0166,0317,476
KOT SaaS売上(百万円)3,1113,6844,4115,3466,695
営業利益(百万円)5723625769471,394
人件費(百万円)1,3241,6151,8822,1452,447
外注費(百万円)6079659151,0721,444
販売促進費(百万円)128173310374438

(単体の四半期ベース)
2025年3月期2026年3月期
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
KOTSaaS売上高(百万円)1,2561,3071,3661,4151,5911,6541,7021,746

(単体のKPI)
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
ARR(百万円)3,3433,9504,7925,7497,132
月次換算解約率(%)0.220.250.270.300.27
課金社数28,12834,03742,38249,60761,073
課金ID数(千個)1,7092,0242,4402,8973,586

※1 2026年3月期 第1四半期に課金体系の変更が完了したことを受け、売上高との関連性がより高い指標へ整理する目的で、「課金社数」を経営指標に追加するとともに、「利用ID数」および「利用社数」を除外しております。
※2 ARR(Annual Recurring Revenue):毎年安定的に得ることができる1年分の収益額
(対象決算期の期末月のKOTSaaS売上高を12倍することにより算出)
※3 月次換算解約率:年次解約率の月次換算値。年次解約率は、調査対象月の1年前に請求があり、調査対象月に請求のない企業を調査対象月までの1年間に解約した企業とみなし、“解約企業の調査対象月の1年前の請求ID数”÷“調査対象月の1年前の全企業の請求ID数”により算出
※4 課金社数:調査対象月において請求対象となる登録のある社数
※5 課金ID数:調査対象月において請求対象となる登録のあるID数

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