訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2024/05/20 9:00
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【項目】
165項目
3.重要な会計方針
当社グループの重要な会計方針は次の通りであり、連結財務諸表が表示されている全ての期間について適用しております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれております。当社グループの連結財務諸表に含まれる子会社の決算日は、連結決算日と一致しております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であります。当社は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、関連会社を有しておりません。
③ 連結上消去される取引
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引については、取引日における直物為替レートにより機能通貨に換算しております。決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートを用いて機能通貨に換算し、外貨建非貨幣性項目は取得原価で測定しているものは取引日の為替レート、公正価値で測定しているものは、公正価値を算定した日の為替レートを用いて機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、発生した期間の純損益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益、費用及びキャッシュ・フローは、期中平均為替レートで、それぞれ日本円に換算しております。換算から発生した為替換算差額は連結包括利益計算書の「その他の包括利益」で認識し、為替換算差額の累積額は連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」に計上しております。在外営業活動体の処分時には、当該在外営業活動体に関連するその他の包括利益の累計額を純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① デリバティブを除く金融資産
(a) 当初認識及び測定
契約資産は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき履行義務を充足した時点で当初認識し、対価に対する無条件の権利を獲得した時点で営業債権に振り替えております。その他の金融資産は、当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(i) 償却原価で測定する金融資産
金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(ⅱ) 公正価値で測定する金融資産
・負債性金融資産
負債性金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
- 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・資本性金融資産
資本性金融資産のうち、売買目的で保有されるものを除いては、事後の公正価値の変動を純損益を通じて測定するか、その他の包括利益を通じて測定するかを当初認識時に指定し、当該指定を継続的に適用しております。売買目的で保有される資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しております。
(b) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次の通りに測定しております。
(i) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失、実効金利法を用いて算出した金利及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識を中止する場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識を中止する場合、又は公正価値が著しく下落した場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えております。
(ⅲ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(c) 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識することとしております。又、各決算日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、金融資産が当初認識以降に債務不履行となるリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行が発生するリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、期日経過情報のほか、取引先の業績等悪化による財政困難など、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定し、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、決算日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
金融資産が信用減損金融資産であるかどうかは、債務者による支払不履行又は支払期日の経過、当社グループが債務者に対してそのような状況でなければ実施しなかったであろう条件で行った債権の回収期限の延長、債務者又は発行企業が破産する兆候等により判断しております。なお、金融資産は、法的に請求権が消滅する等、契約上のキャッシュ・フローの全部又は一部を回収することが合理的に見込まれない場合には直接償却しております。
(d) 認識の中止
当社グループは、以下の場合に、金融資産の認識を中止しております。
・金融資産からのキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産からのキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡したか、又は「パス・スルー契約」に基づき、受領したキャッシュ・フローの全てを重大な遅滞なく第三者に対して引き渡す義務を負っており、かつ、以下のいずれかを満たす場合
(a)当社グループが当該資産のリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合
(b)当社グループは当該資産のリスクと経済価値のほとんど全てを移転も保持もしていないが、資産に対する支配を移転している場合
② デリバティブを除く金融負債
(a) 当初認識及び測定
全ての金融負債は、当該金融負債の契約当事者となった取引日時点で当初認識し、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。全ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(b) 事後測定
(i) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅱ)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(c) 認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消、又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、デリバティブ取引は為替変動リスク等をヘッジする目的でのみ行うこととしており、投機的なデリバティブ取引は行わない方針であります。
デリバティブは、契約が締結された日の公正価値で当初認識され、関連する取引費用を発生時に純損益として認識しております。当初認識後は、公正価値で再測定し、公正価値の変動額を純損益として認識しております。当社グループにおいては、ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引はありません。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期的な投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他の全ての原価を含めております。
棚卸資産は当初認識後において取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しますが、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合にはその差額を評価減として費用認識しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
又、原価は次の方法により算定しております。
仕掛品…個別法
原材料及び貯蔵品…主に移動平均法
(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産の取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入費用を含めております。有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
土地及び建設仮勘定を除き、各資産の残存価額控除後の取得原価は、それぞれの見積耐用年数にわたり定額法で減価償却を行っております。
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は各連結会計年度末に見直し、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として見積りを変更した期間及び将来の期間において適用しております。
主要な資産の見積耐用年数は次の通りであります。
建物及び構築物2~15年
機械装置、工具器具及び備品2~6年

(8) のれん、無形資産(使用権資産を除く)及び研究開発費
① のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、取得対価、被取得企業の非支配持分及び取得企業が以前より保有していた被取得企業の持分の支配獲得日における公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味の金額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しております。発生した取得関連費用は純損益として認識しております。当初認識後ののれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループは、各連結会計年度の一定の時期、及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。なお、のれんの減損損失に関しては、減損を行った場合は純損益として認識されますが、その後における当該損失の戻入れは行っておりません。
② 無形資産(使用権資産を除く)及び研究開発費
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(a) 個別に取得した無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
(b) 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得した無形資産は、当該無形資産の取得原価を取得日現在の公正価値で測定しております。これには技術関連資産及び顧客関連資産が含まれます。
・技術関連資産
被取得企業の企業結合時点において既に開発済みの技術などから期待される将来の超過収益力を反映したものを技術関連資産として認識しております。
・顧客関連資産
被取得企業の企業結合時点において存在した顧客から期待される将来の超過収益力を反映したものを顧客関連資産として認識しております。
(c) 自己創設無形資産及び研究開発費
研究とは、新規の科学的又は技術的な知識及び理解を得る目的で実施される基礎的及び計画的調査をいい、開発とは、商業生産又は使用の開始以前における、新規の又は大幅に改良された材料、装置、製品、工程、システム又はサービスによる生産のための計画又は設計に対する研究成果又は他の知識の応用をいいます。当社グループでは、研究から生じた支出は発生時に純損益で認識しております。開発における支出は、次の全てを立証できる場合にのみ資産計上し、それ以外の場合は発生時に純損益で認識しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
なお、当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、自己創設無形資産を計上しておりません。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として見積りを変更した期間及び将来の期間において適用しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は次の通りであります。
技術関連資産1~16年
顧客関連資産2年

(9) リース
当社グループは、契約時点において当該契約がリース又はリースを含んだものであるかを判定しております。リース資産の使用期間全体を通じて、当社グループが、特定された資産の使用からの経済的便益のほとんど全てを得る権利と特定された資産の使用を指図する権利の両方を有している場合、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しております。
リース期間は、解約不能なリース期間に、リース契約を延長又は解約するオプションの対象期間を加えた期間としております。当該オプションの対象期間は、当社グループが延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合にのみ、解約不能期間に加えております。
当社グループは、リース開始日において、リース契約に係る使用権資産及びリース負債を認識しております。使用権資産は、リース負債の当初測定金額に、リース開始日以前に支払ったリース料を加え、受け取ったリース・インセンティブを控除し、発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されているリース資産の解体及び除去、リース資産の敷地の原状回復又はリース資産の原状回復の際に生じるコストの見積りを加算して算定しております。リース負債は、リース開始日における未払リース料の現在価値で測定しております。現在価値の測定にあたっては、通常、当社グループの追加借入利子率を使用しております。
使用権資産は、リース開始日から、使用権資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたって規則的に減価償却しております。
リース契約の更新などリース期間に変更があった場合、変更後のリース期間に基づいてリース負債を再測定し、当該再測定による変動額を使用権資産の修正として認識しております。
又、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しており、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
(10)非金融資産の減損
当社グループは、各決算日において非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合には、減損テストを実施しております。ただし、のれんについては、各連結会計年度の一定の時期及び減損の兆候を識別した時に減損テストを実施しております。
減損テストでは、回収可能価額を見積り、帳簿価額と回収可能価額の比較を行っております。資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額で算定しております。
減損テストの結果、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合には減損損失を認識しております。のれんを含む資金生成単位の減損損失の認識にあたっては、まず、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
決算日において、のれんを除く資産について、過去の期間に認識した減損損失の減少または消滅を示す兆候の有無を評価しており、減損損失の戻入れは、その兆候が存在し、回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っております。戻入金額は、戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としております。なお、のれんに係る減損損失の戻入れは行っておりません。
(11)引当金
当社グループは、過去の事象の結果として、当社グループが法的債務又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
受注損失引当金
当社グループが受注するプロジェクトのうち、見積総原価が見積総収益を超過する可能性が高いものについて、損失見込額を計上しております。
資産除去債務
使用する事務所の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務に対して、当該義務を履行する際に必要と見込まれる金額について、資産除去債務として計上しております。
(12)賦課金
政府が法令に従って企業に求める経済的便益のある資源の流出である賦課金については、法令により規定される賦課金の支払いの契機となる活動により債務発生事象が生じた時点で、支払見込額を債務認識しております。
(13)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付とは、従業員が関連する勤務を提供した期間の末日後12ヶ月以内に全てが決済されると予想される従業員給付をいい、ある会計期間中に従業員が企業に勤務を提供した時に、当社グループは当該勤務の見返りに支払うと見込まれる金額を認識しております。当社グループにおける短期従業員給付には、株式報酬費用及び有給休暇に係るものを含んでおります。
累積型の有給休暇に関する従業員給付の予想コストは、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時に認識しております。又、当社グループは、累積型有給休暇の予想コストを、決算日現在で累積されている未使用の権利の結果として当社グループが支払うと見込まれる追加金額として測定しております。
② 退職後給付
当社グループは所在地各国の公的年金制度に対して掛金を拠出しています。当該公的年金制度(確定拠出制度)への拠出は、発生時に費用処理され、従業員給付に含めて処理しています。
(14)株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員等に対するインセンティブ制度として、持分決済型の株式報酬制度を採用しております。
株式報酬(以下「ストック・オプション」)は、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮して算定しており、詳細は、注記「24.株式報酬制度」に記載しております。又、その後の情報により確定すると見込まれるストック・オプションの数が従前の見積りと異なることが示された場合には、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(15)収益認識
当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:別個の履行義務へ取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務の充足時又は充足するにつれて、収益を認識する。
当社グループは、デブリ除去等の軌道上サービスに関する技術の研究開発及び宇宙空間における実証を行っており、合意された研究開発あるいは実証に関する成果物の提供を履行義務として識別しております。当社グループが提供する軌道上サービスに関連するプロジェクトについては、契約開始時点において、一定の期間にわたり充足される履行義務かどうかを判断し、当該履行義務に該当しないと判断されるものについては、一時点で充足する履行義務としています。
一定期間にわたり充足される履行義務については、履行義務の完全な充足に向けた進捗度を合理的に測定できる場合には、進捗度の測定に基づいて収益を認識しております。進捗度の測定は、当社グループによる作業の実施に伴いコストが発生し、またプロジェクトが進捗していくことから、原則としてプロジェクトの見積総原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合で進捗度を測定する方法によっております。進捗度を合理的に測定できない場合には、履行義務の結果を合理的に測定できるようになるまで発生した原価のうち、回収可能性が高いと判断される部分と同額を収益として認識しております。
顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利がある場合には、契約資産として計上しております。又、財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものについては、契約負債として計上しております。
長期の前払い、後払い等、ある取引が実質的に重大な金融要素(資金提供の重大な便益が提供されている)を含む場合、売上収益は実効金利を用いて現在価値で測定しますが、契約開始時点で財又はサービスを顧客に移転する時点と、顧客が支払いを行う時点との間が1年以内であると見込まれる場合、重大な金融要素の影響について対価の調整は実施しておりません。
(16)金融収益及び金融費用
金融収益は、利息収入、為替差益等から構成されております。利息収入は、実効金利法により発生時に認識しております。
金融費用は、借入金及びリース負債に係る利息費用、為替差損等から構成されております。リースにおける最低リース料総額は、金融費用と負債残高の未返済部分に配分しており、金融費用は、未返済債務残高に対して一定の利子率となるようにリース期間にわたって配分しております。
(17)法人所得税
当期税金及び繰延税金は、企業結合に関連するもの、及びその他の包括利益又は直接資本の部で認識される項目を除き、連結損益計算書上で法人所得税費用として表示しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、その他の包括利益として認識しております。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる純損益を稼得する国において、決算日までに制定又は実質的に制定されたものであります。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異について、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている法定税率(及び税法)に基づいて、資産が実現される又は負債が決済される期に適用されると予想される税率(及び税法)によって測定しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ次のいずれかの場合に相殺しております。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、若しくは当期税金資産を実現させると同時に当期税金負債を決済することを意図している場合
繰延税金資産の帳簿価額は決算日において再検討しております。一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった場合、繰延税金資産の帳簿価額をその範囲で減額しております。又、当該評価減額は、十分な課税所得を稼得する可能性が高くなった範囲で戻し入れております。
(18)1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者(普通株主)に帰属する純損益を、各連結会計年度中の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、全ての希薄化性潜在的普通株式による影響について調整して計算しております。
(19)政府補助金
政府補助金は、その交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時点で公正価値で認識しています。発生した費用に対する補助金は、当該費用の発生と同じ期間に収益として認識しています。資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の見積耐用年数にわたり規則的に純損益として認識しています。