559A 梅乃宿酒造

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有価証券報告書-第76期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/24 10:33
【資料】
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【項目】
127項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ307百万円増加の6,368百万円となりました。これは主に瓶詰め作業の生産効率化・省力化を目的とした果汁液充填設備、生産現場の高温対策として空調設備の導入のほか、第二蔵の用地取得及び造成費用を中心とした有形固定資産の増加392百万円及び棚卸資産の増加93百万円等によるものです。
(負債)
負債につきましては、前事業年度末に比べ34百万円減少の2,833百万円となりました。これは、長期借入金の返済による減少236百万円があったものの、未払金の増加39百万円、未払法人税等の増加75百万円及び上場に伴う株主優待引当金の増加15百万円等があったことによるものです。
(純資産)
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ341百万円増加の3,534百万円となりました。これは主に、当期純利益322百万円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
② 経営成績の状況
わが国経済は、堅調な企業の設備投資や拡大基調にある賃金上昇等を背景に、緩やかな回復傾向にあります。物価高の長期化を受けて財消費など一部に弱い動きがみられるものの、所得環境の改善に支えられる形でサービス消費等の回復基調が続いており、好調な企業収益を起点に物価高を上回る賃上げや設備投資の拡大などの前向きな動きが広がることで今後も内需主導により緩やかな回復が続く見通しです。
一方で、年度後半にかけてアメリカ合衆国・イラン間の地政学リスクが急速に緊迫化したことで、原油価格や物流コストが再度高騰し、原材料費やエネルギー価格の上昇が企業収益を圧迫する要因となりました。また、アメリカ合衆国の通商政策の進展やそれに伴う影響の不透明感や為替相場の激しい変動など、わが国経済を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
このような経営環境の下、当社は、人口動態やライフスタイルの変化により多様化する酒類市場において、消費者への新たな価値軸を提案する高付加価値商品の提供を推進するために、経営資源の最適化を図り商品の安定供給に取り組んでまいりました。
また、当社は当事業年度である2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ株式上場を果たしました。上場企業としての社会的信用力の向上と経営基盤の強化を背景に、さらなるブランド力の強化や事業規模の拡大に向けた各種施策を推し進めてまいりました。
国内BtoB市場においては、昨年来の大型量販店との取引において商品ラインナップの強化等を推進するなど、販売拡大に向けた取り組みを継続的に推進してまいりました。特に、新たな取り組みとして、2026年6月にはプレミアム梅酒「AFULL 刻覚」を発売し、ハイブランドラインナップ展開を開始し、高付加価値商品による新たな顧客層の開拓に取り組んでおります。また、海外市場においては、中国経済の停滞、イラン情勢の不透明な状況が続く中、北米市場、中華圏市場の拡大のほか、新たな販路の拡大等に取り組んでおります。
BtoC市場では、EC事業においてCPA(Cost per Acquisition:広告における顧客獲得単価)抑制による事業収益確保に向けた各種施策を進めるなど、収益力の強化を図っております。
また、本年2月には、長引く原材料費・燃料費及び物流費の高騰に対応し、将来にわたる品質維持と安定供給体制を堅持するため、当社の主力商品である「あらごしシリーズ」の価格改定を実施いたしました。この改定にあたっては、長年培ってきたブランドへの信頼を背景に、お取引先様及び消費者の皆様から一定のご理解をいただくことができ、収益構造の健全化に向けた大きな進展となりました。
さらに、奈良からお酒の新しい楽しみ方を提供する活動の一環として「奈良エクスペリエン酒」と題し、奈良の銘店、観光地とのコラボレーションを進め、お酒で奈良を盛り上げる活動を推進し、新たな視点による「お客様へのワクワクの提供」とともに、新たなニーズの深耕を進めております。
また、加速度的に変化する社会に対応するため、優秀な人材の採用や製造ライン改良工事、新型ラベラー機の導入など、「人、モノ、新技術」への投資を積極的に行い、今後の持続的な成長につながる取り組みを推進しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,091百万円(前年同期比15.1%増)となりました。営業利益は465百万円(前年同期比46.8%増)、経常利益は444百万円(前年同期比45.1%増)、当期純利益は322百万円(前年同期比33.6%増)となりました。
なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べて191百万円減少し、1,324百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は686百万円(前事業年度は250百万円の収入)となりました。これは主として税引前当期純利益442百万円、減価償却費218百万円、株主優待引当金の増加15百万円、上場費用19百万円、売上債権の減少25百万円、仕入債務の増加23百万円、未払消費税等の増加38百万円などの資金増加要因と、棚卸資産の増加93百万円、法人税等の支払額58百万円などの資金減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、618百万円(前事業年度は246百万円の支出)となりました。これは主に、生産効率に資する機械及び装置、生産環境改善に資する空調設備のほか、第二蔵の用地取得及び造成費用を中心とした有形固定資産の取得による支出605百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、259百万円(前事業年度は242百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済236百万円等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度における生産実績は次のとおりであります。なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
酒類製造販売事業1,425,270116.0
合計1,425,270116.0

(注)生産実績を示す金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
酒類製造販売事業3,091,141115.1
合計3,091,141115.1

(注)主要な販売先の記載については、総販売実績に対する販売先別の販売実績割合が100分の10未満であるため記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,091百万円となり、前事業年度に比べ406百万円増加(前事業年度比115.1%)となりました。これは主に、国内BtoBが中・大手酒販店との取引により増収となったほか、海外において北米・台湾をはじめとする売上の増加、インバウンド需要継続により空港免税店における売上が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,356百万円(前事業年度比114.1%)となりました。これは主に、設備の導入による人件費の改善、水道光熱費の削減等を進めたものの、材料の値上がりの影響を受けたものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,734百万円(前事業年度比116.0%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,268百万円(前事業年度比107.7%)となりました。これは主に、効率の良い広告運用に努めることで広告宣伝費を抑制した一方で、事業拡大に向けた人材確保のため、人件費が増加したことによるものです。
以上の結果、当事業年度の営業利益は465百万円(前事業年度比146.8%)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は6百万円、営業外費用は28百万円となりました。これは主に、受取利息、受取配当金、支払利息を計上したことによるものであります。この結果、当事業年度における経常利益は、444百万円(前事業年度比145.1%)となりました。
(特別損益・当期純利益)
当事業年度において特別利益は2百万円、特別損失は3百万円となりました。これは主に補助金収入、製品開発契約解約損、固定資産除却損を計上したことによるものであります。法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を119百万円計上した結果、当事業年度における当期純利益は、322百万円(前事業年度比133.6%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを運転資金の主たる財源とし、これに金融機関からの調達資金を加えて、設備投資資金を賄い、資金の流動性を確保しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては業績に大きく影響を与える以下の4つをKPIとして、設定しております。
経営指標(KPI)指標の内容2024年6月期
実績値
2025年6月期
実績値
2026年6月期
実績値
当該指標を重視する理由
EBITDA税引前利益に、特別損益、支払利息、減価償却費を加えて算出される利益622百万円531百万円671百万円新工場を移転した際の設備投資の影響を除いた、本業の収益力の指標として重視しております。
BtoC売上EC販売等の売上高448百万円411百万円443百万円成長ドライバーであるBtoC販路の売上を規模の拡大指標として重視しております。
海外売上海外販路の売上高709百万円482百万円770百万円成長ドライバーである海外販路の売上を規模の拡大指標として重視しております。
ROE(自己資本利益率)当期純利益を期中平均自己資本で除した比率10.1%7.9%9.6%経営の効率性を示す指標として重視しており、資金調達の選択肢を増やすため、10%超を維持することを目安と考えております。

当事業年度におきましては、前事業年度と比較して、各指標はいずれも上昇しております。その主な要因は以下のとおりです。
当事業年度のEBITDAは、前事業年度を140百万円上回る671百万円(前事業年度比126.3%)となりました。これは「② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおり、主に当事業年度の営業利益が前事業年度の営業利益を148百万円上回ったことによるものです。
BtoC売上は、前事業年度を32百万円上回り443百万円(前事業年度比107.8%)となりました。これは、自社EC及びAmazon等のモールでの販売が好調に推移したことに加え、直営店におきましても観光需要等の取り込みが好調につながったことによるものです。
海外売上は、前事業年度を289百万円上回り770百万円(前事業年度比159.6%)となりました。これは、北米の前事業年度において現地における当該商品の消化が進まず新たな大口の出荷がかなわなかったものが、当事業年度においてはこの在庫滞留が解消されたことにより順調な受注につながったこと、台湾において現地での導入が進んだことにより受注の増加につながったことなどの要因が大きかったことによるものです。
ROEにつきましては、前事業年度を1.7ポイント上回る9.6%となりました。これは、「② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおり、当期純利益が前事業年度を上回ったことが主な要因です。

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