有価証券報告書-第1期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/17 11:44
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163項目
当社は、2025年10月1日に単独株式移転により株式会社ヤオコー(以下「ヤオコー」という。)の完全親会社として設立されました。連結の範囲に実質的な変更はありませんが、当連結会計年度は当社設立後最初のものとなるため、前連結会計年度との実績比較は行っておりません。
また、当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となったヤオコーの連結財務諸表を引き継いで作成しております。
なお、当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、427,822百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金、売掛金、商品及び製品、有形固定資産、差入保証金であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、221,857百万円となりました。主な内訳は、買掛金、借入金、資産除去債務、流動負債その他に含まれている未払費用であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、205,964百万円となりました。主な内訳は、利益剰余金であります。
ロ 経営成績
ディスカウント業態を中心に既存店売上高が大きく増加したことに伴い、当社グループの売上高は前期比で大きく上昇しました。結果として、利益面では、売上増加を主要因とする営業総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加を上回り、当連結会計年度における売上高は783,434百万円、営業利益は36,392百万円、経常利益は35,727百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は23,596百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、52,811百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は47,071百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上、法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は46,395百万円となりました。これは主に、新規出店・既存店改装に係る投資による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は3,637百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加、配当金の支払によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、スーパーマーケット事業の単一セグメントであるため、部門別に販売及び仕入の状況を記載しております。
(販売実績)
部門別当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
売上高(百万円)構成比(%)
生鮮食品263,88333.7
デリカ食品101,66613.0
加工食品217,63827.8
日配食品176,15422.5
住居関連24,0913.0
合計783,434100.0

(注) 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
(仕入実績)
部門別当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
仕入高(百万円)構成比(%)
生鮮食品200,18934.5
デリカ食品49,6198.6
加工食品175,89530.3
日配食品136,07623.4
住居関連18,8263.2
合計580,607100.0

(注) 上記の金額は、実際仕入額によっております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績の分析
当連結会計年度のわが国経済は、インフレ基調が続き、金融政策は正常化に進む一方で、主要国による通商政策の影響や地政学的リスクの高まりなどにより、世界経済の不確実性が大きく高まってきております。
食品スーパーマーケット業界においても、消費者の節約志向は強まる一方で、人件費や建築資材などの高騰が続き、業界再編も含め、業態を越えた企業間競争が加速するなど大変厳しい経営環境となっております。
当社は「グループでより強くなる」を経営戦略に掲げ、事業子会社の各社が独自の強みの磨き込みを行いました。特にディスカウント業態の2社(株式会社エイヴイ、株式会社フーコット)の既存店の売上高が大きく伸長しました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は783,434百万円、営業利益は36,392百万円、経常利益は35,727百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は23,596百万円となりました。
2026年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で276店舗(ヤオコー202店舗、エイヴイ14店舗、せんどう25店舗、デライトホールディングス12店舗、フーコット5店舗、文化堂18店舗)となっております。
事業子会社の各社の取組み内容は以下の通りです。
株式会社ヤオコー
「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を基本方針とし、第11次中期経営計画のメインテーマとして「シン・ヤオコー:昭和モデルから令和モデルへの構造転換」を掲げております。当期におきましては、創業135周年の記念企画を実施するほか、「すべてのお客様に美味しさで感動を」をテーマとして、以下の重点施策に取り組んでまいりました。
[商品・販売戦略]
商品面につきましては、ヤオコーの独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力しております。また、バリューチェーン全体で競争優位を実現するため、製造小売業へ踏み込み、SPA型の商品開発の拡大を図っております。さらに、プライベートブランド商品の品質・価格面での更なる磨き込みを行っております。
販売面につきましては、二極化対応を継続し、価格コンシャスを強化してまいりました。EDLP(常時低価格施策)や「厳選100品」に加え、生鮮の頻度品などの価格政策に取り組むとともに、集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品揃えする「産地フェア」や「豊洲祭り」などを実施いたしました。また、顧客別対応の更なる進化のため、販促・品揃えを中心に「南北政策」を推進しております。
[運営戦略]
生産性向上のために、自動化による業務改善やデジタルを活用したカイゼンに取り組んでおります。グロッサリー商品を対象としたAIによる需要予測に基づく自動発注システムの活用は順調に推移し、生産性向上に寄与しています。また、レジ部門においてはフルセルフレジの導入を進めております。さらに、電子棚札や業務支援アプリを順次導入するなどペーパーレス化を推進し、社員の働きやすい環境を整備しております。
また、循環型社会に向けて廃棄削減、節電、リサイクル推進の取組みを強化しています。
[育成戦略]
積極的な時給改定により、パートナー社員(パートタイマー)を中心に人員の採用が進んでおります。
自ら考えチームで成果を出せる自立した人材育成を目的に、目標課題設定の在り方ほか人事考課制度を変更し、全社で定着化に向けた取組みを進めております。
また、女性やシニア活躍のための働きやすさ改善を図っていくと同時に健康経営にも取り組んでまいります。
[出店・成長戦略]
当連結会計年度は、6月に杉並桃井店(東京都杉並区)、松戸古ケ崎店(千葉県松戸市)、9月にまるひろ上尾SC店(埼玉県上尾市)、10月に岩槻本丸店(埼玉県さいたま市)、11月に板橋四葉店(東京都板橋区)、1月に福生牛浜店(東京都福生市)、3月に東戸塚店(神奈川県横浜市)を開設いたしました。なお、杉並桃井店については東京都23区での初出店、板橋四葉店は200店舗目となります。
また、当期は合計で9店舗の改装を実施し、新浦安店におきましては、南エリアの旗艦店として新しいスーパーマーケットのフォーマットを確立すべく、3月にリニューアルオープンしました。
株式会社エイヴイ
神奈川県を中心にドミナントエリアを形成し、「圧倒的な低価格」と「徹底したローコスト運営」を基本方針とし、その具現化を図る施策や取組みを鋭意進めており、3月に茅ヶ崎店(神奈川県茅ヶ崎市)の大規模改装を実施いたしました。
株式会社せんどう
千葉県市原市を中心にドミナントエリアを形成し、生鮮食品に圧倒的な強みを持つ食品スーパーマーケットを運営しており、12月に青柳北店(千葉県市原市)を開設いたしました。
株式会社フーコット
「美味しいもの、圧倒的な品揃え、低価格とそれらを支えるローコストオペレーションの徹底追求」を経営方針とし、埼玉県を中心に5店舗を運営しております。
デライトホールディングス株式会社
東三河から浜松エリアを中心に12店舗を展開し、生鮮とデリカに高い支持があるローカルスーパー「クックマート」を展開するクックマート株式会社(以下「クックマート」という。)の全株式を保有する持株会社です。クックマートは、「DELIGHT!(楽しむ、楽しませる!)」の経営理念のもと、「リアル×ローカル×ヒューマン=地域の活気が集まる場所」をコンセプトに、21年連続増収を達成するなど、独自の組織文化づくりをベースとしたリアル店舗の磨き上げを強みとしています。
株式会社文化堂
東京都に13店舗、神奈川県に5店舗を展開する食品スーパーマーケットで、1953年に東京都荏原中延に創業した菓子店から、その後スーパーマーケットへ業態変更した企業です。文化堂は「100年企業」を目指し、安定した経営を続け、経営スローガンである「笑顔と感動のあるお店」を目指して独立独歩の地域密着型経営で地域のお客さまに長く愛され成長してきました。
(注)「ミールソリューション」とは、お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。
「価格コンシャス」とは、お客さまが買いやすい値段、値頃(ねごろ)を常に意識して価格設定を行うこと。
ロ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析
当社グループの目標とする経営指標につきましては、「売上高経常利益率4%以上」の継続的な確保を目指しております。
上記「イ 経営成績の分析」に記載しております戦略課題に取り組んだ結果、新規出店及び既存店売上高が増加したことにより、当連結会計年度における売上高は783,434百万円となりました。利益面につきましては、売上高の増加を主因とした売上総利益及び営業収入の増加が、人件費や地代家賃などの増加による経費増を上回った結果、営業利益は36,392百万円となりました。
結果として、当連結会計年度における売上高経常利益率は4.6%となり、当社グループが目標とする経営指標を達成することができました。
ハ 経営成績に重要な影響を与える要因
当連結会計年度においては、物価上昇が続き、消費の二極化が進む中で、当社グループ全体で価格対応を進めました。ヤオコーにおいては、節約志向に対応した価格強化や企画を通じた販売力の強化などにより、一品単価の上昇に加え、客数の増加により、既存店売上高の昨年比は104.2%と好調に推移しました。
なお、物価上昇や所得格差拡大の影響により、中長期的には更なる消費の二極化が想定されます。また、人手不足の深刻化、建築費や金利の上昇に伴う新店や改装投資の負担増加、業態の垣根を越えた競争の激化など、引き続き当社を取り巻く経営環境は不透明な状況が見込まれます。
ニ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入及び社債の発行により必要資金を調達しており、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び店舗運営費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要に対応しております。
当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出できた結果、十分な流動性を確保しているものと考えております。当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と厳しい競争環境を勝ち抜くための成長投資を継続していく計画であります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績、現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
イ 固定資産の減損
当社グループは、店舗に係る有形固定資産をはじめとする多額の固定資産を保有しており、店舗の収益性が低下するなど、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に減損処理を行っております。回収可能価額の評価にあたっては、資産グループの時価や割引後将来キャッシュ・フロー等様々な仮定を用いて合理的に見積りを行っておりますが、今後、地価等の大幅な下落や店舗を取り巻く競争環境の激化等、想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
ロ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の計上にあたっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後、課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
ハ 退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び債務は、割引率、死亡率、退職率等の数理計算上の前提条件に基づき算出しております。今後、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
ニ 資産除去債務の計上
当社グループは、主に店舗用に賃借した土地建物において、不動産賃借契約に基づき返還時に必要とされる原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しているため、今後、過去の実績と実際の原状回復費用が異なる場合や見積りに影響する新たな事実等が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。

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