有価証券報告書-第1期(2025/12/01-2026/05/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献する」というパーパス(存在意義)のもと、地球上では実現できないソリューションやビジネスを構築し、社会の持続的発展に寄与することを目指しております。
この理念を具現化するためのファーストステップとして、当社グループが開発・製造・運用する小型SAR衛星(以下「QPS-SAR」)による「準リアルタイム観測」の実現に向け、36機を超える規模のQPS-SARコンステレーションの構築を推進しております。本コンステレーションは、傾斜軌道を軸とした独自の衛星配置により、地球上のほぼすべての主要地域を平均10分間隔という高頻度で観測できる体制を構築し、世界の社会インフラとなることを目指すものです。
(2)経営戦略
当社グループでは上記の経営方針に基づき、莫大な世界需要を迅速に獲得するため、QPS-SARコンステレーションの構築および機能強化を強力に推進してまいります。
開発戦略
当年度におきましては、QPS-SAR6機の製造を計画しており、コンステレーションの早期拡大に向けて年間20機という計画的な量産体制の整備に向けて進めてまいります。併せて、静止軌道上の通信衛星を介した「衛星間通信機能」の実装・追加を進めてまいります。従来の地上局通過時に限られていたデータ送信から、衛星間通信への拡張を図ることで、撮像からデータ納品までのタイムラグを劇的に短縮し、真の「準リアルタイム観測」を実現いたします。さらに、衛星本体の長寿命化に向けた技術開発を推進することで、投資効率の最適化および中長期的な収益性の向上に取り組んでまいります。
打上げ・軌道投入計画
当社グループでは、人類の経済活動が集中する中緯度地域(北緯45度〜南緯45度)をカバーする傾斜軌道への優先投入を特徴としています。これにより、日本近傍および主要都市圏・経済圏の高頻度撮像を実現し、他社サービスとの明確な差別化を図っております。また、今後は市場のニーズに合わせた軌道選択を検討しており、より多くのユーザーへサービス提供ができるよう取り組んでまいります。
販売・事業開発戦略
① 国内官公庁領域
防衛省をはじめとする安全保障領域での需要の高まりに対し、データ提供能力の拡充、画質の高度化、および運用の安定化を追求してまいります。併せて、防災・減災や国土交通省等のインフラ監視分野における需要拡大を見据え、当社グループの観測データが社会インフラとして定着・活用されるよう、供給体制の更なる強化を図ります。
② 国内民間市場
インフラ管理、防災・減災、農業・森林監視、海洋監視等の多様な領域において、スカパーJSAT、三井住友海上火災保険、ミツウロコグループホールディングス、日本工営をはじめとするパートナー企業との共創を推進いたします。各社の強みと当社グループの高頻度SARデータを融合させ、実効性の高いユースケースの創出とソリューション開拓を加速させてまいります。
③ 海外市場
昨今の地政学リスクの高まりや気候変動を伴う世界的な災害対応需要を背景に、グローバルにおけるSARデータの需要は急速に拡大しております。海外販売代理店ネットワークの開拓・強化および主要な国際展示会への出展を通じて、北米・欧州・東南アジア市場を中心としたグローバル展開を本格化させてまいります。
(3)経営環境
国内市場においては、政府の宇宙開発戦略本部が掲げる「宇宙基本計画」に基づき、2030年代早期に国内宇宙市場(宇宙機器・ソリューション)を8兆円規模へ倍増させる政策方針が示されております。政府の宇宙関係予算も堅調に拡大・推移しており、当社グループを取り巻く外部環境は非常に良好な追い風となっています。
当社グループが取り扱うSAR衛星データは天候や昼夜を問わず取得可能であるため、従来の光学衛星では困難であった「定点・継続的モニタリング」を実現いたします。
・動体・変化の把握: 車両や船舶の動態分析に加え、インフラ構造物や地盤の微小な変位(ミリメートル単位の傾き・沈下等)の検知
・アーカイブデータの活用: 蓄積された過去データとAI・気象・経済データ等を掛け合わせることで、サプライチェーン予測やリスク管理等の高度なアナリティクス事業の展開
技術面においては、大型の送受信アンテナを小型・軽量化して宇宙空間で展開させる、独自開発の「展開型パラボラアンテナ技術」を有しております。これにより軽量かつ高性能な衛星を低コストで量産・運用できる本技術は、他社の追随を許さない強固な参入障壁となっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、QPS-SARコンステレーションによる「準リアルタイム観測」の実現を掲げ、地球観測衛星データ事業を推進しております。
本事業は、事業基盤となる小型SAR衛星の技術開発、量産製造及びロケット打上げに多額の先行投資を要する特性があり、こうした事業環境のもと、当社グループは持続的な成長と企業価値向上を実現するため、下記を優先課題として取り組んでまいります。
① 安定的な量産体制および供給能力の確立
自社工場の安定稼働と製造プロセスの標準化・効率化を推進し、年間10機以上の量産体制を確実に運用・拡大してまいります。
② 小型SAR衛星の技術革新とデータ提供インフラ構築の推進
継続的な収益拡大のためにQPS-SARコンステレーションの早期構築に邁進してまいります。また、同衛星の撮像能力向上に加え、取得した観測データをエンドユーザーに迅速かつ簡便に提供するデータ提供プラットフォームおよび技術開発を推進いたします。
③ 販売体制の強化
収益モデルの確立に向け、安全保障用途のみならず、国内外の民需領域におけるユースケース開拓を進めるため、マーケティングおよび営業体制の大幅な強化を図ってまいります。
④ 最適な財務戦略(資金調達)の実施
衛星の連続的な製造・打上げおよび先進技術開発には継続的な資金投入が必要です。事業進捗や市場環境に応じ、自己資本の拡充や公的助成金・融資等を組み合わせた最適な財務戦略を機動的に実行してまいります。
(5)中期経営戦略
当社グループは、中期経営戦略としてQPS-SARコンステレーションをグローバル社会インフラとして定着させることを目指し、2031年5月期までに下記の取り組みを進めてまいります。
① 次世代QPS-SARの開発
衛星間通信・軌道上データ処理・高分解能化・観測幅拡大などの先進技術を搭載した次世代QPS-SARの開発・製造を推進いたします。
② 衛星ラインナップの拡充
上記の次世代機の開発に加え、特定の顧客ニーズに合わせて現行のQPS-SARの一部機能をカスタマイズした機体の製造や、柔軟な投入軌道の選択により拡大・多角化する市場需要を獲得してまいります。
③ 量産体制および供給能力の飛躍的向上
年間製造能力を最大20機へと引き上げ、コンステレーション構築の更なる前倒しと、拡大する市場需要への即応体制を整備いたします。このため、自社工場の機能拡充、サプライチェーンとの連携強化、外部委託の有効活用など、多角的な観点から生産能力のさらなる向上に向けて取り組みます。
(6)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループのビジネスモデルにおきましては、衛星の運用機数の増加に伴い減価償却費が先行して増加する特性を有しております。このため、当社グループでは会計上の利益に加え、事業のキャッシュ創出力を示す「EBITDA」を重要な経営指標として位置づけております。
当社グループが取得、提供する地球観測衛星データ及び画像の価値は、SAR衛星の軌道投入・運用機数の増加に直接連動いたします。そのため売上高の持続的かつ累積的な増加を実現するため、当社グループは運用機数を重要指標とし、2028年5月期中に24機、2030年中に36機以上の小型SAR衛星によるコンステレーション構築を目指し、事業展開を加速させてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「宇宙の可能性を広げ、人類の発展に貢献する」というパーパス(存在意義)のもと、地球上では実現できないソリューションやビジネスを構築し、社会の持続的発展に寄与することを目指しております。
この理念を具現化するためのファーストステップとして、当社グループが開発・製造・運用する小型SAR衛星(以下「QPS-SAR」)による「準リアルタイム観測」の実現に向け、36機を超える規模のQPS-SARコンステレーションの構築を推進しております。本コンステレーションは、傾斜軌道を軸とした独自の衛星配置により、地球上のほぼすべての主要地域を平均10分間隔という高頻度で観測できる体制を構築し、世界の社会インフラとなることを目指すものです。
(2)経営戦略
当社グループでは上記の経営方針に基づき、莫大な世界需要を迅速に獲得するため、QPS-SARコンステレーションの構築および機能強化を強力に推進してまいります。
開発戦略
当年度におきましては、QPS-SAR6機の製造を計画しており、コンステレーションの早期拡大に向けて年間20機という計画的な量産体制の整備に向けて進めてまいります。併せて、静止軌道上の通信衛星を介した「衛星間通信機能」の実装・追加を進めてまいります。従来の地上局通過時に限られていたデータ送信から、衛星間通信への拡張を図ることで、撮像からデータ納品までのタイムラグを劇的に短縮し、真の「準リアルタイム観測」を実現いたします。さらに、衛星本体の長寿命化に向けた技術開発を推進することで、投資効率の最適化および中長期的な収益性の向上に取り組んでまいります。
打上げ・軌道投入計画
当社グループでは、人類の経済活動が集中する中緯度地域(北緯45度〜南緯45度)をカバーする傾斜軌道への優先投入を特徴としています。これにより、日本近傍および主要都市圏・経済圏の高頻度撮像を実現し、他社サービスとの明確な差別化を図っております。また、今後は市場のニーズに合わせた軌道選択を検討しており、より多くのユーザーへサービス提供ができるよう取り組んでまいります。
販売・事業開発戦略
① 国内官公庁領域
防衛省をはじめとする安全保障領域での需要の高まりに対し、データ提供能力の拡充、画質の高度化、および運用の安定化を追求してまいります。併せて、防災・減災や国土交通省等のインフラ監視分野における需要拡大を見据え、当社グループの観測データが社会インフラとして定着・活用されるよう、供給体制の更なる強化を図ります。
② 国内民間市場
インフラ管理、防災・減災、農業・森林監視、海洋監視等の多様な領域において、スカパーJSAT、三井住友海上火災保険、ミツウロコグループホールディングス、日本工営をはじめとするパートナー企業との共創を推進いたします。各社の強みと当社グループの高頻度SARデータを融合させ、実効性の高いユースケースの創出とソリューション開拓を加速させてまいります。
③ 海外市場
昨今の地政学リスクの高まりや気候変動を伴う世界的な災害対応需要を背景に、グローバルにおけるSARデータの需要は急速に拡大しております。海外販売代理店ネットワークの開拓・強化および主要な国際展示会への出展を通じて、北米・欧州・東南アジア市場を中心としたグローバル展開を本格化させてまいります。
(3)経営環境
国内市場においては、政府の宇宙開発戦略本部が掲げる「宇宙基本計画」に基づき、2030年代早期に国内宇宙市場(宇宙機器・ソリューション)を8兆円規模へ倍増させる政策方針が示されております。政府の宇宙関係予算も堅調に拡大・推移しており、当社グループを取り巻く外部環境は非常に良好な追い風となっています。
当社グループが取り扱うSAR衛星データは天候や昼夜を問わず取得可能であるため、従来の光学衛星では困難であった「定点・継続的モニタリング」を実現いたします。
・動体・変化の把握: 車両や船舶の動態分析に加え、インフラ構造物や地盤の微小な変位(ミリメートル単位の傾き・沈下等)の検知
・アーカイブデータの活用: 蓄積された過去データとAI・気象・経済データ等を掛け合わせることで、サプライチェーン予測やリスク管理等の高度なアナリティクス事業の展開
技術面においては、大型の送受信アンテナを小型・軽量化して宇宙空間で展開させる、独自開発の「展開型パラボラアンテナ技術」を有しております。これにより軽量かつ高性能な衛星を低コストで量産・運用できる本技術は、他社の追随を許さない強固な参入障壁となっています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、QPS-SARコンステレーションによる「準リアルタイム観測」の実現を掲げ、地球観測衛星データ事業を推進しております。
本事業は、事業基盤となる小型SAR衛星の技術開発、量産製造及びロケット打上げに多額の先行投資を要する特性があり、こうした事業環境のもと、当社グループは持続的な成長と企業価値向上を実現するため、下記を優先課題として取り組んでまいります。
① 安定的な量産体制および供給能力の確立
自社工場の安定稼働と製造プロセスの標準化・効率化を推進し、年間10機以上の量産体制を確実に運用・拡大してまいります。
② 小型SAR衛星の技術革新とデータ提供インフラ構築の推進
継続的な収益拡大のためにQPS-SARコンステレーションの早期構築に邁進してまいります。また、同衛星の撮像能力向上に加え、取得した観測データをエンドユーザーに迅速かつ簡便に提供するデータ提供プラットフォームおよび技術開発を推進いたします。
③ 販売体制の強化
収益モデルの確立に向け、安全保障用途のみならず、国内外の民需領域におけるユースケース開拓を進めるため、マーケティングおよび営業体制の大幅な強化を図ってまいります。
④ 最適な財務戦略(資金調達)の実施
衛星の連続的な製造・打上げおよび先進技術開発には継続的な資金投入が必要です。事業進捗や市場環境に応じ、自己資本の拡充や公的助成金・融資等を組み合わせた最適な財務戦略を機動的に実行してまいります。
(5)中期経営戦略
当社グループは、中期経営戦略としてQPS-SARコンステレーションをグローバル社会インフラとして定着させることを目指し、2031年5月期までに下記の取り組みを進めてまいります。
① 次世代QPS-SARの開発
衛星間通信・軌道上データ処理・高分解能化・観測幅拡大などの先進技術を搭載した次世代QPS-SARの開発・製造を推進いたします。
② 衛星ラインナップの拡充
上記の次世代機の開発に加え、特定の顧客ニーズに合わせて現行のQPS-SARの一部機能をカスタマイズした機体の製造や、柔軟な投入軌道の選択により拡大・多角化する市場需要を獲得してまいります。
③ 量産体制および供給能力の飛躍的向上
年間製造能力を最大20機へと引き上げ、コンステレーション構築の更なる前倒しと、拡大する市場需要への即応体制を整備いたします。このため、自社工場の機能拡充、サプライチェーンとの連携強化、外部委託の有効活用など、多角的な観点から生産能力のさらなる向上に向けて取り組みます。
(6)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループのビジネスモデルにおきましては、衛星の運用機数の増加に伴い減価償却費が先行して増加する特性を有しております。このため、当社グループでは会計上の利益に加え、事業のキャッシュ創出力を示す「EBITDA」を重要な経営指標として位置づけております。
当社グループが取得、提供する地球観測衛星データ及び画像の価値は、SAR衛星の軌道投入・運用機数の増加に直接連動いたします。そのため売上高の持続的かつ累積的な増加を実現するため、当社グループは運用機数を重要指標とし、2028年5月期中に24機、2030年中に36機以上の小型SAR衛星によるコンステレーション構築を目指し、事業展開を加速させてまいります。