訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2025/12/10 15:30
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137項目

有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、下記の文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「健康を願う人と守る人の『不』を『希望』に」というパーパスを掲げ、患者やその家族が医療を選択しようとする際に感じる「不」、また医師をはじめとした医療に関わるすべての人が感じている「不」など、日本の医療現場に存在する様々な「不」(不安・不信・不便など)を取り除くことで、「信頼できる医師との出会い」と「信頼関係がもたらす最適な医療の提供」を実現し、新しい医療文化を創造(=「新・医療文化創造」)したいと考えております。
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当社事業は、患者・医師・医療機関それぞれが抱える様々な「不(不安・不信・不便)」に対して、安心感のあるクリニック選びと、その安心感に下支えされた適切な医療の提供を実現するマッチング領域と、その他業務領域のサービスで構成され、医療機関への包括的な支援を行っております。
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当社はこれまで、医療機関との取引の中で、医療機関が抱える様々な課題の解決を求められる存在になり、その課題解決に向けて新しいサービスを順次開発・提供してまいりました。これからも、医療機関と医師・医療従事者の皆様はもちろんのこと、ユーザーである患者の皆様、ステークホルダーの皆様と共に当社の事業を成長させ、日本の医療におけるパラダイムシフトを実現し、新しい医療文化を創ってまいります。
(2) 経営戦略等
当社は、医療業界に真摯に向き合い、医療業界の「不」の解消を通じて、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。医師の情報を網羅的に集積し、患者に最適な医師の選択を実現させるためのプラットフォーム「ドクターズ・ファイル」を中心とした医療特化型プラットフォーム事業を展開し、今後はさらに求められる新しいサービス提供を実現していくことで医療・健康インフラの実現を目指しております。
当社の経営戦略は、以下のとおりです。
① 医療機関の取引数拡大
「ドクターズ・ファイル」は集患ニーズを持つ限定的な医療機関だけでなく、全ての医療機関が持つニーズに対応するサービスであるため、対象は医療機関(一部の美容系診療科除く)と考えます。「ドクターズ・ファイル」の顧客数は2025年9月末時点7,502件(ARR(注1)は2,700百万円)であります。クリニックに限定した足元のマーケットシェアは2025年9月末時点4.4%であり、この大きな成長余地への取組みとして、営業チャネルが整備されているエリアに専念したドミナント戦略を徹底することで顧客獲得を促進し、顧客数を拡大してまいります。
また、ストック収入であることから、解約率(注2)は重要な指標であり2025年9月末時点0.74%であります。引き続き解約阻止に注力し安定した解約率を維持してまいります。
② クロスセル商材による取引額の拡大
獲得した顧客基盤を活用し、カスタマーサクセス部門を含めた複数の営業部が継続的に顧客へ接触し、クロスセル商材を提案しております。ドクターズ・ファイル受注後は、顧客との接触が定期的に設定されるため、顧客ニーズを発見しやすい構造となっていることから、包括的な支援を目的としてクロスセル商材のご提案を行います。クロスセル商材である「頼れるドクター」は、継続率が74.7%(2025年3月期末時点(注3))となっており、WEBのドクターズ・ファイルとセットでご利用いただき取引額の拡大を目指しております。
③ 生産性の向上で収益性を改善
「ドクターズ・ファイル」や「頼れるドクター」の取材やコンテンツ制作においては、医師の理念や診療方針はもちろん、クリニックを開業した想いを含めた医師の特徴や背景を多面的に表現しています。「頼れるドクター」の2025年3月期末時点で全国における発行エリア数は32版であります。これらの記事の全ては定められた基準を満たし品質を保持するため、制作における完成までの手順は様々な工程が必要となります。2025年4月、これらの工程を「ドクターズ・ファイル」専用AIを導入したことにより、従来では平均7日間を要した工程が必要日数平均2日間にまで改善され、平均5日間の短縮が可能となりました。今後もプロダクトの品質を保持した上で生産性向上に注力してまいります。
(注)1:ARRとは、Annual Recurring Revenue(アニュアル・リカーリング・レベニュー)の略で、年間
経常収益を意味し、「ドクターズ・ファイル」から得られるMRRに12ヶ月分を乗じて算出。
(注)2:解約率は、Net Revenue Churn Rate(ネット・レベニュー・チャーン・レート)を指標としてお
り「ドクターズ・ファイル」の解約及び契約変更に伴い増減した当月末MRRを前月末MRRで除した数値
(12カ月平均)
(注)3:継続率は、Revenue Repeat Rate(レベニュー・リピート・レート)を指標としており、
2024年3月期の「頼れるドクター」の取引顧客のうち、2025年3月期にも同顧客から「頼れるドク
ター」の取引があった顧客の収入ベースの割合を通期数値にて算出。

0202010_003.png単位:千円
2024年3月期2025年3月期2026年3月期
中間期
売上高3,223,3373,552,1651,877,414
ストック収入(注1)2,277,1482,506,8951,338,285
リピート収入(注2)671,741734,533380,304
その他収入(注3)274,447310,736158,824

(注)1:「ドクターズ・ファイル」のMRRの累計。MRRとは「Monthly Recurring Revenue(マンスリー・リカーリング・レベニュー)」の略で、月間経常収益を意味し、「ドクターズ・ファイル」一か月分の収入となります。
(注)2:「頼れるドクター」で得られる収入となります。
(注)3:ストック収入とリピート収入を除いた収入となります。

(3) 経営環境
① 市場規模について
当社の医療特化型プラットフォーム事業は、日本全国における医療機関約180,000件を主要なターゲットとしており、うち病院が8,122件、クリニック(一般診療所及び歯科診療所、以下同)が171,712件となります(注1)。病院は1986年の医療法改正によって病床数の総量規制が定められ、近年は規模縮小・廃止・統廃合が進み、病院数は緩やかに減少傾向にあります。病院の約7割は中小病院(200床未満)であり、今後も中小病院を中心に病院の集約化が進むと考えられます。一方で、当社が主力とするクリニックは増加傾向にあります。毎年約7,000件(注1)が開業し、首都圏や関西圏など人口が比較的多い都道府県を中心に増加しております。当社の「ドクターズ・ファイル」の2025年9月末時点における顧客数は7,502件であり、足元のシェアは4.4%です。これは今後シェアの拡大の可能性を有していると考えており、当社の掲げる注力エリア(注2)のクリニック数は113,716件(注1)でクリニック数全体の66.2%のマーケットとなります。我が国においては、国民皆保険制度のもと、あらゆる人が質の高い均質な医療サービスを受けることができます。医療は人々が健康に安心して暮らすために必要不可欠な社会基盤であるため、医療業界は景気の影響を受けにくい性質があります。したがって、当社の医療特化型プラットフォーム事業は、医療業界である医療機関をターゲットとして、商品・サービスを提供していることから、市況の影響を受けることなく安定的に増収を実現しております。
(注)1.「令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告」厚生労働省。当データは当社が対象としていない美容系医療機関も含まれます。
(注)2.注力エリアの詳細は、以下の通りです。
東京、神奈川、千葉、埼玉、岐阜、愛知、三重、大阪、京都、兵庫、奈良、鳥取、島根、広島、香川、愛媛、福岡、鹿児島
② 市場動向について
当社がターゲットにしている医療業界は、医療機関側の経営の効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の要請、また患者側のインターネットを主とした情報活用の姿勢を追い風に、当社のサービスのいずれもが広大なポテンシャルを持つと考えております。また、急激な少子高齢化、社会環境・価値の多様化といった環境の大きな変化の中で、2015年に厚生労働省が公表した「保健医療2035提言書」では、「キュア中心からケア中心へ」というパラダイムシフトが掲げられております。未病からの健康管理という意識が重要視され「ケア中心の世界」が一層加速化されていくと想定しております。「ケア中心の世界」とは、気軽な健康相談などを含めて国民が日常的に医療機関と情報を共有し合う世界であります。そういった環境の中、当社のクライアントである医療機関は相対的に国民にとっての重要性を増し、その情報を提供する当社のサービスは更に求められるものと考えております。当社は、シードフェーズのサービスをさらに拡充していくことで、患者とクリニックを結ぶ医療特化型プラットフォーム事業を成長させ、日本の医療課題を解決すべく「新・医療文化創造」を実現してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な企業価値の向上を目指し現時点においては事業成長において最も重要な指標である「売上高」及び「営業利益」を重要経営指標と位置付けております。これらの経営指標を達成するための重要業績評価指標としては、「ドクターズ・ファイル」においては、「ARR(注1)」「顧客数(注2)」「ARPA(注3)」「解約率(注4)」、「頼れるドクター」においては、「継続率(注5)」を設定しており、件数と単価及び継続性を重視し、事業KPIとしております。
2024年3月期2025年3月期2026年3月期
中間期
ARR(千円)(注1)2,360,2642,602,2742,700,962
顧客数(件)(注2)6,7437,2887,502
ARPA(千円/月)(注3)29.229.830.1
解約率(%)(注4)0.770.720.74

(注)1:各期末月のMRRに12ヶ月分を乗じて算出。
(注)2:各期末時点の「ドクターズ・ファイル」の顧客数。
(注)3:各期末時点のストック収入売上高を、同期末時点の「ドクターズ・ファイル」の顧客数で除し
て算出。
(注)4:解約率(Net Revenue Churn Rate)
各期末の「ドクターズ・ファイル」の解約及び契約変更に伴い増減した当月末MRRを前月末MRRで除した数値(12カ月平均)
2024年3月期2025年3月期
継続率(%)(注5)77.774.7

(注)5:継続率(Revenue Repeat Rate)
前事業年度の「頼れるドクター」の顧客のうち、当事業年度にも同顧客から「頼れるドクター」の
取引のあった顧客の収入ベースの割合を通期数値にて算出。
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(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記を踏まえ、当社の経営戦略を達成するために対処すべき課題として以下のような課題を認識し、これに対処してまいります。
① 事業成長に向けた先行投資
当社は、医療特化型プラットフォーム事業の価値を高め、患者及び医療機関の両者に新たな価値を提供することを事業戦略の中心に据えております。事業を拡大していく上では、常に新しいサービスの開発を行い、開発されたサービスを迅速に展開していく必要があると考えております。そのためには、プラットフォーム機能の拡張やプロダクト拡充に留まらず、「ドクターズ・ファイル」の認知度向上のためのブランディングやマーケティングへの先行投資を行う必要があると考えております。引き続き、開発投資やマーケティング等の先行投資を進めつつ、中長期的な事業成長を推進してまいります。
② 優秀な人材の獲得
当社の中長期的な成長を実現するにあたって、優秀な人材を継続的に確保することが重要な課題であると認識しております。特にプロダクトの企画・開発人材の拡充は、事業の拡大と業務の効率化に大きな影響を与えるため、新卒・中途採用共に、積極的な採用活動を通じて優秀人材の獲得を推進してまいります。
③ 生産性の中長期的な向上
当社の更なる事業拡大には、中長期的な生産性向上が必要だと考えております。そのために、業務プロセスの継続的な見直しや広告宣伝費の有効活用による受注率の向上、AIやシステム活用等による継続的な業務の効率化を図り、生産性向上を実現してまいります。
④ 情報管理体制の構築
当社の事業は、医療機関システムの開発や運用等の遂行過程において、顧客の機密情報や個人情報等を取り扱う可能性があります。当社では、情報管理の強化が重要であると考え、情報セキュリティに関する情報セキュリティ管理規程を制定し、従業員への教育を実施しておりますが、今後も社内での研修強化、情報管理体制強化のためのシステム整備等を継続して実施してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社は、持続的な企業価値向上を実現するためには、コーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題であると認識しております。当社では、業務執行に対する監督体制を強化することにより透明性の高い経営を目指すとともに、内部統制機能の強化及びコンプライアンス遵守を推進し、企業価値の持続的向上を実現する体制の構築に努めております。具体的には、社外役員の活用や監査役会、会計監査人、内部監査の連携を図り、取締役会の経営戦略策定機能・監督機能を十分に発揮できる体制を整えております。今後におきましても、内部統制の実効性を高めコーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部管理体制の強化を図り、リスク管理の徹底とともに強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。
⑥ 財務基盤の強化
当社の運転資金及び設備投資資金は、主として営業活動により得た資金に加え、必要に応じて金融機関から借入実施により調達した資金で賄うことを基本方針としております。上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処する等、財務基盤の強化に努めてまいります。
⑦ プラットフォームの信頼性維持・向上
「ドクターズ・ファイル」に掲載する医療機関の記事は、当社が医師に対して直接取材を行い作成しておりますが、患者目線を重視し、社内ガイドラインを厳格に用いて客観的に医療機関についての記事を作成・公表しております。「ドクターズ・ファイル」は医療機関の集患を目的としておらず、また、誘因を目的とするレコメンドをしていないため、「ドクターズ・ファイル」は広告メディアとは一線を画していると言えます。こうした中立性を確保することが「ドクターズ・ファイル」のプラットフォームとしての信頼性の維持に不可欠であると認識しております。引き続き、記事作成時の社内ガイドライン運用の厳格化や患者目線を重視したプロダクトの提供を行い、プラットフォームとしての信頼性の維持・向上に努めてまいります。

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