有価証券届出書(新規公開時)
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
当社が主要ターゲットとする建設業界をはじめとするフィジカル産業においては、少子高齢化・人口減少に伴う慢性的な人手不足が進行しております。とりわけ建設業界では、担い手不足の中で施工管理の厳格化が求められており、建設DXへの投資意欲が高まっております。
一方で、実際の現場においては、現場と事務所の分断、紙帳票や口頭伝達に依存したアナログな情報管理、ITリテラシーの格差等により、デジタルツールの導入や生産性向上が進みにくい環境にあります。
かかる市場環境のもと、当社は主力事業である「施工記録領域」において、既存顧客のクラウドへの移行促進や、PLG(プロダクト・レッド・グロース)戦略による新規顧客の獲得を推進いたしました。特に当事業年度においては、企業単位で導入するエンタープライズプランの管理画面における機能拡充を行ったことにより、顧客企業内でのアカウント管理や統制が容易となり、同プランでのID獲得数が大幅に増加いたしました。
これらの施策の結果、当事業年度末における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は95,157ID(前事業年度末比51.2%増)に達し、累計契約社数は10,763社(前事業年度末比42.1%増)に拡大いたしました。ユーザーへパッケージソフトウエアからクラウドへの移行を積極的に促進した結果、ストック売上高は902,036千円(前年同期比63.9%増)と大幅に伸長し、全売上高に占めるストック売上比率は30.8%となり、収益構造の転換が着実に進んでおります。
(注) PLG(プロダクト・レッド・グロース)とは、全機能のフリートライアル提供など、プロダクトの利用体験自体を営業の起点として新規顧客の獲得を推進する戦略のことです。
※ストック売上高及びストック売上比率については、施工記録領域の実績を記載しております。
「成長記録領域」では、スクール写真販売サービス「みんなの写真屋さん」において、働き方改革関連法の改正もあり、現金集金や壁貼り展示といった従来のアナログ方式から、オンライン方式への効率化が進みました。また、サービス提供方法も写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型へ移行したことで、当事業年度の成長記録領域の売上高は903,760千円(前年同期比64.2%増)となり、安定的な売上基盤の形成に寄与いたしました。
その結果、当事業年度における売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)、営業利益は329,854千円(前年同期比322.0%増)、経常利益は341,743千円(前年同期比341.6%増)、当期純利益は226,082千円(前年同期比356.7%増)となりました。
当社事業は、記録DXプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
建設・工事現場向けの施工記録領域では、買切り版のPCソフト「蔵衛門御用達」により長年にわたり構築してきた既存顧客基盤を対象に、ストック型の施工記録AIクラウド「蔵衛門プレミアム」への移行を継続して促進いたしました。当中間会計期間においては、前期に拡充したエンタープライズ向け機能が引き続き奏功し、既存の導入企業における利用部門・現場の拡大(全社展開)が順調に進捗いたしました。加えて、専用端末「蔵衛門Pad」やアプリ「蔵衛門カメラ」を新たな現場へ導入する際の起点として活用し、クラウドIDとのセット導入を促進することで、着実にID数の積み上げを図りました。
これらの施策の結果、施工記録領域は堅調に推移し、2026年3月末時点における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は111,733IDに達し、累計契約社数は11,850社に拡大しております。
また、同プラットフォームを他領域へ水平展開する保育・教育現場向けの成長記録領域では、スクール写真販売サービス「みんなの写真屋さん」において、写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型への移行がさらに進みました。
その結果、当中間会計期間の売上高は1,618,739千円、営業利益は295,263千円、経常利益は296,086千円、中間純利益は182,363千円となりました。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
建設・工事現場向けの施工記録領域では、当中間会計期間に引き続き、既存顧客基盤に対する「蔵衛門プレミアム」へのクラウド移行と、プロダクト・レッド・グロース(PLG)戦略に基づく新規顧客の獲得に取り組みました。特に当第3四半期累計期間においては、2026年5月に電子納品が求められる工事に対しても写真台帳の閲覧及び編集をクラウド上で行えるよう機能を拡大したことで、これまで対象外であった公共工事等の現場における新たな需要を喚起し、さらなるID獲得につながりました。加えて、カスタマーサクセスによる利用定着支援を通じて既存契約の継続利用を図るとともに、導入企業内での全社展開を一層促進し、ID数の拡大に努めました。
これらの施策の結果、施工記録領域は堅調に推移し、2026年6月末時点における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は122,380IDに達し、累計契約社数は12,264社に拡大しております。また、ストック売上高は945,843千円となり、全売上高に占めるストック売上比率は38.2%と収益構造の転換が進んでおります。
その結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,473,261千円、営業利益は495,483千円、経常利益は511,444千円、四半期純利益は316,258千円となりました。
② 財政状態の状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
(資産)
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ529,439千円増加し、1,490,474千円となりました。これは、現金及び預金が565,818千円増加し、売掛金が7,501千円増加、製品が98,023千円減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ107,952千円減少し、126,141千円となりました。これは、繰延税金資産が101,829千円減少、敷金及び保証金が2,638千円減少、建物附属設備が3,889千円減少、ソフトウエアが3,288千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ421,487千円増加し、1,616,615千円となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ256,604千円増加し、1,024,170千円となりました。これは主に、契約負債が212,386千円増加、未払消費税等が56,198千円増加、買掛金が4,354千円増加、未払費用が2,179千円増加、1年以内返済予定の長期借入金が33,350千円減少したことによるものです。
その結果、当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ256,604千円増加し、1,024,170千円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ164,882千円増加し、592,444千円となりました。これは、当期純利益の計上により226,082千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
(資産)
当中間会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ181,176千円増加し、1,671,650千円となりました。これは、仕入により製品が203,977千円増加したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ3,072千円減少し、123,069千円となりました。これは主に、長期前払費用が、13,459千円増加、繰延税金資産が10,204千円減少、建物附属設備が1,945千円減少、ソフトウエアが1,614千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ178,105千円増加し、1,794,720千円となりました。
(負債)
当中間会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ56,942千円増加し、1,081,112千円となりました。これは主に、未払法人税等が88,586千円増加、契約負債が78,696千円増加、未払消費税等が69,359千円減少、未払費用が19,584千円減少、未払金が13,586千円減少したことによるものです。
その結果、当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ56,942千円増加し、1,081,112千円となりました。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は、前事業年度末と比べ121,164千円増加し、713,608千円となりました。これは、繰越利益剰余金が、中間純利益の計上により182,363千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ564,121千円増加し、2,054,595千円となりました。これは主に、現金及び預金が431,110千円増加、仕入により製品が111,605千円増加、売掛金が49,155千円増加、前渡金が12,751千円減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ9,491千円減少し、116,650千円となりました。これは主に、長期前払費用が、13,459千円増加、繰延税金資産が12,990千円減少、建物附属設備が2,917千円減少、工具、器具及び備品が2,645千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ554,631千円増加し、2,171,246千円となりました。
(負債)
当第3四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ299,573千円増加し、1,323,743千円となりました。これは主に、契約負債が247,150千円増加、未払法人税等が160,398千円増加、未払消費税等が49,499千円減少、未払費用が43,026千円減少したことによるものです。
その結果、当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ299,573千円増加し、1,323,743千円となりました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ255,058千円増加し、847,503千円となりました。これは、四半期純利益の計上により316,258千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に対して565,818千円増加し、1,108,585千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に対して521,779千円増加し、668,676千円となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上341,743千円、契約負債の増加額212,386千円、未払消費税等の増加額56,198千円、売上債権の増加額9,701千円、棚卸資産の減少額94,969千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前事業年度に対して2,834千円増加し、8,307千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,307千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前事業年度に対して38,865千円減少し、94,550千円となりました。これは、一年以内返済予定の長期借入金の返済による支出33,350千円、配当金の支払額61,200千円によるものです。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に対して42,797千円減少し、1,065,787千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は19,989千円となりました。これは主に、税引前中間純利益の計上296,086千円、棚卸資産の増加額202,452千円、契約負債の増加額78,696千円、売上債権の増加額43,438千円、未払消費税等の減少額69,359千円、未払費用の減少額19,584千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,587千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,587千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、61,200千円となりました。これは、配当金の支払額61,200千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社は、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
第31期事業年度及び第32期中間会計期間並びに第32期第3四半期累計期間の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.当社は記録DXプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、事業領域別の販売実績を記載しております。
2.第32期第3四半期累計期間のその他の領域には、整備記録領域に係る売上高が含まれております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 重要な会計方針・見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
(売上高)
当事業年度の売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)となりました。これは主に施工記録領域における売上高が2,011,113千円(前年同期比21.4%増)となり、成長記録領域における売上高が903,760千円(前年同期比64.2%増)となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当事業年度の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、2,590,258千円(前年同期比20.7%増)となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、329,854千円(前年同期比322.0%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度において、営業外収益が13,529千円、営業外費用が1,640千円発生しております。この結果、経常利益は、341,743千円(前年同期比341.6%増)となりました。
(特別損益、法人税等及び当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は115,660千円となりました。この結果、当期純利益は、226,082千円(前年同期比356.7%増)となりました。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
(売上高)
当中間会計期間の売上高は1,618,739千円となりました。これは主に施工記録領域における売上高が1,110,378千円となり、成長記録領域における売上高が501,352千円となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当中間会計期間の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、1,323,476千円となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、295,263千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当中間会計期間において、営業外収益が1,081千円、営業外費用が258千円発生しております。この結果、経常利益は、296,086千円となりました。
(特別損益、法人税等及び中間純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は113,723千円となりました。この結果、中間純利益は、182,363千円となりました。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は2,473,261千円となりました。これは主に施工記録領域における売上高が1,754,539千円となり、成長記録領域における売上高が710,155千円となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当第3四半期累計期間の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、1,977,778千円となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、495,483千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当第3四半期累計期間において、営業外収益が16,280千円発生しております。これは主にキャッシュバック収入に計上した、通信回線契約の獲得支援に係る販売奨励金15,120千円を計上したことによるものであります。また、営業外費用が318千円発生しております。この結果、経常利益は、511,444千円となりました。
(特別損益、法人税等及び四半期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は195,186千円となりました。この結果、四半期純利益は、316,258千円となりました。
③ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、外注費、人件費等の営業費用であります。運転資金に必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
なお、当事業年度末において、現金及び現金同等物は1,108,585千円であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
当社は、「『記録』で世界をアップデートする。」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。
当社がこのミッションの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。
⑦ 経営方針、経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上重視する指標」に記載のとおり、売上高、営業利益率、ARR及びストック売上比率を全社の指標とし、施工記録領域における有料利用者数、契約社数及び解約率、成長記録領域におけるYAU及びARPU並びに整備記録領域における月間処理台数を各領域の指標としております。当該指標に照らした第31期事業年度の経営成績等に関する経営者の認識及び分析は、以下のとおりであります。
(全社)
当事業年度の売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)、営業利益率は11.2%(前事業年度3.5%)となりました。売上高の増加率が営業費用の増加率(前年同期比20.7%増)を上回ったことにより、営業利益率が改善しております。継続収益の規模を示すARRは1,067,693千円(前事業年度714,114千円)、ストック売上比率は30.8%(同24.7%)となり、いずれも上昇しております。成長投資を継続しながら収益性を確保しつつ、蔵衛門プレミアムを中心とする継続収益の基盤が拡大しているものと分析しております。
(施工記録領域)
有料利用者数は95,157ID(前事業年度末62,923ID、51.2%増)、契約社数は10,763社(同7,574社、42.1%増)となりました。有料利用者数の増加率が契約社数の増加率を上回っており、新規の導入企業の増加に加え、既存の導入企業においても利用部門及び現場が広がっているものと分析しております。解約率は0.16%(同0.12%)となり、前事業年度から0.04ポイント上昇したものの、引き続き低い水準で推移しており、サービスが顧客の施工記録業務に定着しているものと認識しております。これらの結果、当領域の売上高は2,011,113千円(前年同期比21.4%増)となり、うちストック売上高は同63.9%増と拡大しております。
(成長記録領域)
YAUは218,481ID(前事業年度末210,029ID、4.0%増)、ARPUは4,136円(同2,620円、57.9%増)となりました。少子化により対象となる子どもの数が減少するなかで、YAUは前事業年度の水準を維持しております。ARPUの上昇は、主として写真販売のオンライン化の進展に加え、サービス提供方法も写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型へ移行したことで、当社が売上高として計上する範囲が拡大したことによるものであります。なお、「うちの子」等の継続課金型サービスは2026年7月に有料での提供を開始したものであるため、当事業年度のARPUには含まれておりません。この結果、当領域の売上高は903,760千円(前年同期比64.2%増)となりました。当領域について、利用者基盤を維持しながら利用者1人当たりの収益を高めるという方針に沿って推移しているものと分析しております。
(整備記録領域)
当領域の指標である月間処理台数につきましては、修理・整備AIクラウド「AITURBO」の提供を2026年6月に開始したため、当事業年度における実績はありません。次期以降、導入社数及び月間処理台数の推移により、新領域の立ち上がりの状況を確認していく方針であります。
(総括)
以上により、第31期事業年度において、収益構造のストック化及び収益性の向上が進捗しているものと分析しております。一方、施工記録領域の売上高は依然としてフロー収益が過半を占めており、ストック売上比率の一層の向上が引き続きの課題であると認識しております。
なお、当該指標等の推移については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上重視する指標」に記載のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
当社が主要ターゲットとする建設業界をはじめとするフィジカル産業においては、少子高齢化・人口減少に伴う慢性的な人手不足が進行しております。とりわけ建設業界では、担い手不足の中で施工管理の厳格化が求められており、建設DXへの投資意欲が高まっております。
一方で、実際の現場においては、現場と事務所の分断、紙帳票や口頭伝達に依存したアナログな情報管理、ITリテラシーの格差等により、デジタルツールの導入や生産性向上が進みにくい環境にあります。
かかる市場環境のもと、当社は主力事業である「施工記録領域」において、既存顧客のクラウドへの移行促進や、PLG(プロダクト・レッド・グロース)戦略による新規顧客の獲得を推進いたしました。特に当事業年度においては、企業単位で導入するエンタープライズプランの管理画面における機能拡充を行ったことにより、顧客企業内でのアカウント管理や統制が容易となり、同プランでのID獲得数が大幅に増加いたしました。
これらの施策の結果、当事業年度末における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は95,157ID(前事業年度末比51.2%増)に達し、累計契約社数は10,763社(前事業年度末比42.1%増)に拡大いたしました。ユーザーへパッケージソフトウエアからクラウドへの移行を積極的に促進した結果、ストック売上高は902,036千円(前年同期比63.9%増)と大幅に伸長し、全売上高に占めるストック売上比率は30.8%となり、収益構造の転換が着実に進んでおります。
(注) PLG(プロダクト・レッド・グロース)とは、全機能のフリートライアル提供など、プロダクトの利用体験自体を営業の起点として新規顧客の獲得を推進する戦略のことです。
| 第30期事業年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 第31期事業年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | 第32期中間会計期間 (自 2025年10月1日 至 2026年3月31日) | 第32期第3四半期累計期間 (自 2025年10月1日 至 2026年6月30日) | |
| 全体売上高 (千円) | 2,224,188 | 2,920,113 | 1,618,739 | 2,473,261 |
| ストック売上高 (千円) | 550,034 | 902,036 | 592,203 | 945,843 |
| ストック売上比率 (%) | 24.7 | 30.8 | 36.5 | 38.2 |
※ストック売上高及びストック売上比率については、施工記録領域の実績を記載しております。
「成長記録領域」では、スクール写真販売サービス「みんなの写真屋さん」において、働き方改革関連法の改正もあり、現金集金や壁貼り展示といった従来のアナログ方式から、オンライン方式への効率化が進みました。また、サービス提供方法も写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型へ移行したことで、当事業年度の成長記録領域の売上高は903,760千円(前年同期比64.2%増)となり、安定的な売上基盤の形成に寄与いたしました。
その結果、当事業年度における売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)、営業利益は329,854千円(前年同期比322.0%増)、経常利益は341,743千円(前年同期比341.6%増)、当期純利益は226,082千円(前年同期比356.7%増)となりました。
当社事業は、記録DXプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
建設・工事現場向けの施工記録領域では、買切り版のPCソフト「蔵衛門御用達」により長年にわたり構築してきた既存顧客基盤を対象に、ストック型の施工記録AIクラウド「蔵衛門プレミアム」への移行を継続して促進いたしました。当中間会計期間においては、前期に拡充したエンタープライズ向け機能が引き続き奏功し、既存の導入企業における利用部門・現場の拡大(全社展開)が順調に進捗いたしました。加えて、専用端末「蔵衛門Pad」やアプリ「蔵衛門カメラ」を新たな現場へ導入する際の起点として活用し、クラウドIDとのセット導入を促進することで、着実にID数の積み上げを図りました。
これらの施策の結果、施工記録領域は堅調に推移し、2026年3月末時点における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は111,733IDに達し、累計契約社数は11,850社に拡大しております。
また、同プラットフォームを他領域へ水平展開する保育・教育現場向けの成長記録領域では、スクール写真販売サービス「みんなの写真屋さん」において、写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型への移行がさらに進みました。
その結果、当中間会計期間の売上高は1,618,739千円、営業利益は295,263千円、経常利益は296,086千円、中間純利益は182,363千円となりました。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
建設・工事現場向けの施工記録領域では、当中間会計期間に引き続き、既存顧客基盤に対する「蔵衛門プレミアム」へのクラウド移行と、プロダクト・レッド・グロース(PLG)戦略に基づく新規顧客の獲得に取り組みました。特に当第3四半期累計期間においては、2026年5月に電子納品が求められる工事に対しても写真台帳の閲覧及び編集をクラウド上で行えるよう機能を拡大したことで、これまで対象外であった公共工事等の現場における新たな需要を喚起し、さらなるID獲得につながりました。加えて、カスタマーサクセスによる利用定着支援を通じて既存契約の継続利用を図るとともに、導入企業内での全社展開を一層促進し、ID数の拡大に努めました。
これらの施策の結果、施工記録領域は堅調に推移し、2026年6月末時点における「蔵衛門プレミアム」の累計ID数は122,380IDに達し、累計契約社数は12,264社に拡大しております。また、ストック売上高は945,843千円となり、全売上高に占めるストック売上比率は38.2%と収益構造の転換が進んでおります。
その結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,473,261千円、営業利益は495,483千円、経常利益は511,444千円、四半期純利益は316,258千円となりました。
② 財政状態の状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
(資産)
当事業年度末の流動資産は、前事業年度末に比べ529,439千円増加し、1,490,474千円となりました。これは、現金及び預金が565,818千円増加し、売掛金が7,501千円増加、製品が98,023千円減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ107,952千円減少し、126,141千円となりました。これは、繰延税金資産が101,829千円減少、敷金及び保証金が2,638千円減少、建物附属設備が3,889千円減少、ソフトウエアが3,288千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ421,487千円増加し、1,616,615千円となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は、前事業年度末に比べ256,604千円増加し、1,024,170千円となりました。これは主に、契約負債が212,386千円増加、未払消費税等が56,198千円増加、買掛金が4,354千円増加、未払費用が2,179千円増加、1年以内返済予定の長期借入金が33,350千円減少したことによるものです。
その結果、当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ256,604千円増加し、1,024,170千円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比べ164,882千円増加し、592,444千円となりました。これは、当期純利益の計上により226,082千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
(資産)
当中間会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ181,176千円増加し、1,671,650千円となりました。これは、仕入により製品が203,977千円増加したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ3,072千円減少し、123,069千円となりました。これは主に、長期前払費用が、13,459千円増加、繰延税金資産が10,204千円減少、建物附属設備が1,945千円減少、ソフトウエアが1,614千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ178,105千円増加し、1,794,720千円となりました。
(負債)
当中間会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ56,942千円増加し、1,081,112千円となりました。これは主に、未払法人税等が88,586千円増加、契約負債が78,696千円増加、未払消費税等が69,359千円減少、未払費用が19,584千円減少、未払金が13,586千円減少したことによるものです。
その結果、当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ56,942千円増加し、1,081,112千円となりました。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は、前事業年度末と比べ121,164千円増加し、713,608千円となりました。これは、繰越利益剰余金が、中間純利益の計上により182,363千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ564,121千円増加し、2,054,595千円となりました。これは主に、現金及び預金が431,110千円増加、仕入により製品が111,605千円増加、売掛金が49,155千円増加、前渡金が12,751千円減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ9,491千円減少し、116,650千円となりました。これは主に、長期前払費用が、13,459千円増加、繰延税金資産が12,990千円減少、建物附属設備が2,917千円減少、工具、器具及び備品が2,645千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ554,631千円増加し、2,171,246千円となりました。
(負債)
当第3四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ299,573千円増加し、1,323,743千円となりました。これは主に、契約負債が247,150千円増加、未払法人税等が160,398千円増加、未払消費税等が49,499千円減少、未払費用が43,026千円減少したことによるものです。
その結果、当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ299,573千円増加し、1,323,743千円となりました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ255,058千円増加し、847,503千円となりました。これは、四半期純利益の計上により316,258千円増加、配当金の支払いにより61,200千円減少したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に対して565,818千円増加し、1,108,585千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に対して521,779千円増加し、668,676千円となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上341,743千円、契約負債の増加額212,386千円、未払消費税等の増加額56,198千円、売上債権の増加額9,701千円、棚卸資産の減少額94,969千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前事業年度に対して2,834千円増加し、8,307千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,307千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前事業年度に対して38,865千円減少し、94,550千円となりました。これは、一年以内返済予定の長期借入金の返済による支出33,350千円、配当金の支払額61,200千円によるものです。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に対して42,797千円減少し、1,065,787千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は19,989千円となりました。これは主に、税引前中間純利益の計上296,086千円、棚卸資産の増加額202,452千円、契約負債の増加額78,696千円、売上債権の増加額43,438千円、未払消費税等の減少額69,359千円、未払費用の減少額19,584千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,587千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,587千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、61,200千円となりました。これは、配当金の支払額61,200千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
当社は、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
第31期事業年度及び第32期中間会計期間並びに第32期第3四半期累計期間の販売実績は、次のとおりであります。
| 事業領域の名称 | 第31期事業年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | 前年同期比 (%) | 第32期中間会計期間 (自 2025年10月1日 至 2026年3月31日) | 第32期 第3四半期累計期間 (自 2025年10月1日 至 2026年6月30日) |
| 施工記録領域(千円) | 2,011,113 | 21.4 | 1,110,378 | 1,754,539 |
| 成長記録領域(千円) | 903,760 | 64.2 | 501,352 | 710,155 |
| その他の領域(千円) | 5,239 | △70.0 | 7,009 | 8,566 |
| 合計(千円) | 2,920,113 | 31.2 | 1,618,739 | 2,473,261 |
(注) 1.当社は記録DXプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、事業領域別の販売実績を記載しております。
2.第32期第3四半期累計期間のその他の領域には、整備記録領域に係る売上高が含まれております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 重要な会計方針・見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第31期事業年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
(売上高)
当事業年度の売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)となりました。これは主に施工記録領域における売上高が2,011,113千円(前年同期比21.4%増)となり、成長記録領域における売上高が903,760千円(前年同期比64.2%増)となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当事業年度の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、2,590,258千円(前年同期比20.7%増)となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、329,854千円(前年同期比322.0%増)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度において、営業外収益が13,529千円、営業外費用が1,640千円発生しております。この結果、経常利益は、341,743千円(前年同期比341.6%増)となりました。
(特別損益、法人税等及び当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は115,660千円となりました。この結果、当期純利益は、226,082千円(前年同期比356.7%増)となりました。
第32期中間会計期間(自 2025年10月1日 至 2026年3月31日)
(売上高)
当中間会計期間の売上高は1,618,739千円となりました。これは主に施工記録領域における売上高が1,110,378千円となり、成長記録領域における売上高が501,352千円となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当中間会計期間の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、1,323,476千円となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、295,263千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当中間会計期間において、営業外収益が1,081千円、営業外費用が258千円発生しております。この結果、経常利益は、296,086千円となりました。
(特別損益、法人税等及び中間純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は113,723千円となりました。この結果、中間純利益は、182,363千円となりました。
第32期第3四半期累計期間(自 2025年10月1日 至 2026年6月30日)
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は2,473,261千円となりました。これは主に施工記録領域における売上高が1,754,539千円となり、成長記録領域における売上高が710,155千円となったことによるものです。
(営業費用及び営業利益)
当第3四半期累計期間の売上原価及び販売費及び一般管理費を合算した営業費用は、1,977,778千円となりました。これは主に売上原価外注費の増加によるものであります。この結果、営業利益は、495,483千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当第3四半期累計期間において、営業外収益が16,280千円発生しております。これは主にキャッシュバック収入に計上した、通信回線契約の獲得支援に係る販売奨励金15,120千円を計上したことによるものであります。また、営業外費用が318千円発生しております。この結果、経常利益は、511,444千円となりました。
(特別損益、法人税等及び四半期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は195,186千円となりました。この結果、四半期純利益は、316,258千円となりました。
③ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、外注費、人件費等の営業費用であります。運転資金に必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
なお、当事業年度末において、現金及び現金同等物は1,108,585千円であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
当社は、「『記録』で世界をアップデートする。」をミッションに掲げ、事業を拡大してまいりました。
当社がこのミッションの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していくことが必要であると認識しております。
⑦ 経営方針、経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上重視する指標」に記載のとおり、売上高、営業利益率、ARR及びストック売上比率を全社の指標とし、施工記録領域における有料利用者数、契約社数及び解約率、成長記録領域におけるYAU及びARPU並びに整備記録領域における月間処理台数を各領域の指標としております。当該指標に照らした第31期事業年度の経営成績等に関する経営者の認識及び分析は、以下のとおりであります。
(全社)
当事業年度の売上高は2,920,113千円(前年同期比31.2%増)、営業利益率は11.2%(前事業年度3.5%)となりました。売上高の増加率が営業費用の増加率(前年同期比20.7%増)を上回ったことにより、営業利益率が改善しております。継続収益の規模を示すARRは1,067,693千円(前事業年度714,114千円)、ストック売上比率は30.8%(同24.7%)となり、いずれも上昇しております。成長投資を継続しながら収益性を確保しつつ、蔵衛門プレミアムを中心とする継続収益の基盤が拡大しているものと分析しております。
(施工記録領域)
有料利用者数は95,157ID(前事業年度末62,923ID、51.2%増)、契約社数は10,763社(同7,574社、42.1%増)となりました。有料利用者数の増加率が契約社数の増加率を上回っており、新規の導入企業の増加に加え、既存の導入企業においても利用部門及び現場が広がっているものと分析しております。解約率は0.16%(同0.12%)となり、前事業年度から0.04ポイント上昇したものの、引き続き低い水準で推移しており、サービスが顧客の施工記録業務に定着しているものと認識しております。これらの結果、当領域の売上高は2,011,113千円(前年同期比21.4%増)となり、うちストック売上高は同63.9%増と拡大しております。
(成長記録領域)
YAUは218,481ID(前事業年度末210,029ID、4.0%増)、ARPUは4,136円(同2,620円、57.9%増)となりました。少子化により対象となる子どもの数が減少するなかで、YAUは前事業年度の水準を維持しております。ARPUの上昇は、主として写真販売のオンライン化の進展に加え、サービス提供方法も写真店を販売主体とするASP型から当社が販売主体となるプラットフォーム型へ移行したことで、当社が売上高として計上する範囲が拡大したことによるものであります。なお、「うちの子」等の継続課金型サービスは2026年7月に有料での提供を開始したものであるため、当事業年度のARPUには含まれておりません。この結果、当領域の売上高は903,760千円(前年同期比64.2%増)となりました。当領域について、利用者基盤を維持しながら利用者1人当たりの収益を高めるという方針に沿って推移しているものと分析しております。
(整備記録領域)
当領域の指標である月間処理台数につきましては、修理・整備AIクラウド「AITURBO」の提供を2026年6月に開始したため、当事業年度における実績はありません。次期以降、導入社数及び月間処理台数の推移により、新領域の立ち上がりの状況を確認していく方針であります。
(総括)
以上により、第31期事業年度において、収益構造のストック化及び収益性の向上が進捗しているものと分析しております。一方、施工記録領域の売上高は依然としてフロー収益が過半を占めており、ストック売上比率の一層の向上が引き続きの課題であると認識しております。
なお、当該指標等の推移については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上重視する指標」に記載のとおりであります。