訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第25期(平成26年11月1日-平成27年4月30日)

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2016/07/28 10:32
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以下には、本書の日付現在、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)及び本投資法人の発行する投資法人債への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資口及び投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産を主たる裏付けとする信託の受益権その他の資産についてもほぼ同様にあてはまります。
本投資法人は、対応可能な限りこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。これらの回避又は対応が不十分である場合、本投資口又は投資法人債の投資家(以下「各投資家」といいます。)は損失を被るおそれがあります。これらの各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで本投資口及び投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
(1) 一般的なリスク
① 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度の取扱いに関するリスク
② 投資口の市場での取引に関するリスク
③ 投資口・投資法人債の価格変動に関するリスク
④ 投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
⑤ 金銭の分配に関するリスク
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
① 投資口の商品性に関するリスク
② 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
③ ローン・トゥ・バリュー・レシオに関するリスク
④ 借入及び投資法人債に関するリスク
⑤ 投資法人の倒産リスク
⑥ 本投資法人の登録が取消されるリスク
⑦ 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
⑧ 役員の職務遂行に関するリスク
⑨ インサイダー取引に関するリスク
⑩ 本資産運用会社に関するリスク
⑪ プロパティ・マネジメント業務受託者に関するリスク
⑫ 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(3)信託の受益権特有のリスク
① 信託受益者として負うリスク
② 信託の受益権の流動性リスク
③ 信託受託者に関するリスク
④ 信託の受益権の共有等に関するリスク
(4)特定目的会社の優先出資証券特有のリスク
① 優先出資社員として負うリスク
② 優先出資証券の流動性リスク
③ 他の優先出資社員に関するリスク
(5)不動産に関するリスク
① 不動産の流動性、取引コスト、フォワード・コミットメント等に関するリスク
② 物件取得の競争に関するリスク
③ 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
④ 不動産に関する権利関係の複雑性及び不動産登記に公信力なきことに由来するリスク
⑤ 共有物件に関するリスク
⑥ 区分所有物件に関するリスク
⑦ 借地物件に関するリスク
⑧ 開発物件に関するリスク
⑨ 鑑定評価額及び建物状況評価に関するリスク
⑩ 賃料収入の減少に関するリスク
⑪ マスターリースに関するリスク
⑫ わが国における不動産の賃貸借契約に関するリスク
⑬ テナントの建物使用態様に関するリスク
⑭ 不動産の運用費用の増加に関するリスク
⑮ 偶然不測の事故・自然災害に関するリスク
⑯ 不動産の偏在に関するリスク
⑰ テナント集中に関するリスク
⑱ 不動産に関する所有者責任等に関するリスク
⑲ 法令の変更に関するリスク
⑳ 有害物質に関するリスク
(6)税制等に関するリスク
① 利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
② 過大な税負担の発生により90%超支払配当要件が満たされないリスク
③ 税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク及び90%超支払配当要件が満たされないリスク
④ 同族会社に該当するリスク
⑤ 不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
⑥ 税制変更に関するリスク
⑦ 投資口を保有する投資主について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
⑧ 減損会計の適用に関するリスク
⑨ 資金不足により利益の配当等が行われないことに関するリスク
⑩ 納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
(7)その他
① 取得予定資産を組入れることができないリスク
② 売主の倒産等の影響を受けるリスク
③ 重要事象等に関するリスク
(8)投資リスクに対する管理体制について
① 本資産運用会社の体制
② 本投資法人の体制
本項に記載されている各リスク項目の内容は以下のとおりです。
(1)一般的なリスク
① 投資法人の法律上、税制上、その他諸制度の取扱いに関するリスク
投資法人は、一般に、投信法に基づき不動産等資産を主たる投資対象としており、改正投信法が平成26年に施行されています。今後かかる投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、また、さらなる新たな法制度が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 投資口の市場での取引に関するリスク
本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少等その他東京証券取引所の上場規程、規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触する場合(一定期間継続して金銭の分配を行わない場合や本投資法人につき民事再生手続等の倒産手続が開始された場合を含みます。)には、本投資口の上場が廃止される可能性があります。上場廃止後は東京証券取引所における本投資口の売却は不可能となり、投資主の換価手段が大きく制限されます。
③ 投資口・投資法人債の価格変動に関するリスク
本投資口の市場価格は、東京証券取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢その他市場を取り巻く様々な要素の影響を受けます。投資法人債の価格も、投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、格付けの低下等、様々な要素の影響を受けることがあります。
本投資法人は、不動産及び不動産を主たる裏付けとする信託の受益権その他の有価証券等の資産を主な投資対象としていますが、不動産の価格は、不動産市況、社会情勢その他の要因を理由として変動します。さらに不動産の流動性は一般に低く、望ましい時期に不動産を売却することができない可能性、売却価格が下落する可能性もあります。これらの要因により本投資法人の資産の価値が下落する可能性があります。また、不動産投資信託証券市場の将来的な規模及び同市場における流動性の不確実性、法制や税制の変更等が本投資口の価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
以上のような諸要素に起因して本投資口の市場価格又は投資法人債の価格が下落した場合、それらの各投資家が損失を被る可能性があります。
④ 投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得、修繕等、本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として投資口を随時発行する予定です。投資口が発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の全投資口に対する割合は希薄化する可能性があります。さらに、投資口の発行の結果、本投資法人の1口当たりの純資産額や市場における需給バランスが影響を受けることがあります。
⑤ 金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (3)分配方針」に記載の分配方針にしたがって、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、いかなる場合においても保証されるものではありません。
(2)商品設計及び関係者に関するリスク
① 投資口の商品性に関するリスク
本投資法人の投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換価する手段としては、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し、清算される場合の残余財産分配請求権等を除き、原則として取引所金融商品市場(以下「取引市場」といいます。)を通じた売却によることとなります。本投資口の取引市場における売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資口を希望する時期及び条件で換価できない可能性があります。
また、本投資口は、元本の保証が行われる商品ではなく、換価時に投資金額以上の回収を図ることができる保証はありません。また、本投資口の譲渡価格や元本について、いかなる第三者の保証も付されていません。さらに、預金保険等の対象としての保護も受けていません。
なお、本投資口の取引価額は、取引市場の需給を反映して決まります。本投資法人の純資産価額とは一致するものではなく、また純資産価額の増減と必ずしも連動していません。
② 収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として保有不動産の賃料収入に依存しています。保有不動産に係る賃料収入は、保有不動産の稼働率の低下、賃料水準の低下、テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により、大きく減少する可能性があります。
保有不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料は、一般的に常に適正と認められる賃料水準であるとは限りません。特に、定期賃貸借契約が締結される場合、通常の賃貸借契約に比し、契約期間中の賃料収入の安定が期待できる反面、通常の賃貸借契約に比べて賃料が低く抑えられることがあります。
保有不動産に係るテナントによる賃料の支払いが遅延し、又は不履行となる場合、本投資法人は予定した収入を予定した時期に得られないことになります。
テナントが支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、賃貸人とテナントの合意により減額される可能性があります。また、テナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を行使した場合、賃貸人の同意なしに賃料が引き下げられる可能性があります。このような賃料減額の可能性は、賃料水準が一般的に低下した場合により増大するとともに、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約に基づいて支払われる賃料が従前の賃料に比して低額となり、賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
また、上記収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金の返還、多額の資本的支出、未稼働の投資対象不動産の取得等はキャッシュ・フローを減ずる結果をもたらし、投資主への分配金額に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、本投資法人の保有不動産の中には、用途や利用可能テナントに限定を伴うものがあります。このような用途を限定された保有不動産については、代替テナントとなる者が必ずしも多くないことがあり、既存テナントが退去した場合に代替テナントが入居するまでの空室期間が生じ、その結果本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
さらに、保有不動産の売却に伴い収入が発生することがありますが、かかる収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針や不動産市場の環境に左右されるものであって、安定的に得られる性格のものではありません。
一方、保有不動産に関する費用としては、減価償却費、保有不動産に関して課せられる公租公課、保有不動産に関して付保される保険の保険料、水道光熱費、清掃委託費用、警備委託費用、設備管理委託費用、造作買取費用、修繕費用等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
このように、保有不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、費用は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が悪影響を受けることがあります。
③ ローン・トゥ・バリュー・レシオに関するリスク
本投資法人は、ローン・トゥ・バリュー・レシオの上限については、60%程度を目途としますが、資産の取得等に伴い、60%を超えることがあります。
ローン・トゥ・バリュー・レシオが高まった場合、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、急激な金利環境の変化が起こると投資主が受取る分配が低額又は(場合により)分配がなされなくなる可能性があります。
④ 借入及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ② 基本方針に基づくポートフォリオ運用基準 キ.財務方針 (ア)借入及び投資法人債」に記載の方針に従い、これまで金商法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法における「投資法人に係る課税の特例」に規定する機関投資家に限ります。)からの借入及び投資法人債の発行による資金調達を行っており、また今後も継続的に行う予定です。その上限は、借入については1兆円、投資法人債の発行については1兆円(但し、合計して1兆円を超えません。)とされています。
本投資法人が新たな金銭の借入や投資法人債の発行、又はこれら既存債務の借換を希望する場合、それらの実現に係る可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力や金利情勢その他金融環境の影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件で借入及び投資法人債の発行又はこれら既存債務の借換を行うことができる保証はありません。
特に、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、運用資産を処分しなければこれら既存債務の弁済ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益や金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人が借入又は投資法人債の発行を行う場合において、債権者より、債権保全措置として、一定の財務制限条項を設定され、又は担保設定制限や資産取得制限等を課されることがあり、あるいは、現金その他一定の資産の留保を求められ、本投資法人の業務その他に関して誓約を要請され、又は規約の変更が制限されるなどの可能性があります。
なお、本書の日付現在、本投資法人が借入先金融機関との間で締結するローン契約において負債比率及び元利金支払能力を判定する指標(DSCR)に係る財務制限条項及び担保設定制限が設けられています。
本書の日付現在において、当該財務制限条項への抵触はありませんが、将来において、不動産価格の下落や収益性の低下等に伴って財務制限条項に抵触した場合には、金融機関が満足する条件による担保の差し入れ又は借入金の返済等が必要とされます。このような制約により、希望しない条件・時期での運用資産の売却等を余儀なくされるなど、本投資法人の運営が支障を受けることがあり、ひいては本投資法人の収益又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資法人債(ここでは短期投資法人債を含みません。)の発行・金銭の借入の際に(又はその後において)保有不動産に担保を設定した場合には、本投資法人が当該担保の設定された保有不動産の売却を希望する際に、担保の解除手続等を要することが考えられ、希望どおりの時期又は価格で売却できない可能性があります。
なお、本投資法人がこれら既存債務の借換を行えない場合、本投資法人は債務不履行となり、既存債務の債権者より本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分や差押え等の強制執行が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産等の倒産手続の申立てが行われる可能性があります。また、本投資法人が資産の売却等を理由として借入金の期限前返済を行う場合には、期限前返済コスト(違約金等)がその時点における金利情勢によって決定される場合があるほか、予測しがたい経済情勢の変化が本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 投資法人の倒産リスク
本投資法人は一般の法人と同様に、その資産を超える負債を有するに至る可能性を否定することはできません。本投資法人は現行法上の倒産手続として破産法、民事再生法及び投信法上の特別清算手続に服します。本投資法人にはこれらの倒産手続を回避するための特別の制度や保証があるわけではありません。
本投資法人が支払不能や債務超過の状態になると、破産法上の破産手続が開始され得る状態になります。本投資法人に破産の原因である事実の生じるおそれのあるときは、民事再生手続開始の申立てができる状態になります。また、本投資法人が解散すると清算手続に入りますが、清算の執行に著しい支障を来す事情がある場合、又は債務超過の疑いがある場合には、債権者、清算執行人、投資主等が特別清算開始の申立てを行うことができます。また、清算執行人は、本投資法人に債務超過の疑いがある場合には特別清算の申立てをしなければなりません。
本投資法人につき、投資主総会での決議等に基づく通常の清算が開始され、又は倒産手続により清算される場合、投資法人債の債権者はその元利金の金額の償還を受けられないこととなるおそれがあり、また、投資主は本投資口の持つエクイティ証券としての性質より、全ての債権者への弁済又は投資法人債の償還後の残余財産をもってする分配によってのみ投資元本を回収することとなります。このため、投資主は、本投資法人の清算の場合、投資額のほとんどの回収を期待できない可能性があり、特に倒産手続に基づく清算の場合にはこの傾向が顕著となります。
⑥ 本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法に基づき投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合、投信法上の登録を取消される可能性があります。登録が取消されると、本投資口の上場が廃止され、解散し、清算されることになります。
⑦ 本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できる保証はありません。資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、かつ法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他の義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、一定の場合には、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関して第三者へ委託することが要求されている(投信法第117条、第198条、第208条)ため、各委託契約が解約された場合には、本投資法人が新たな受託者に委託する必要があります。
しかし、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する新たな受託者を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者が、破産、更生手続又は再生手続その他の倒産手続等に入った場合、業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人は、それらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、さらに資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との契約を解約されることがあります。これらにより、本投資法人の日常の業務遂行が悪影響を受ける可能性があります。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である信託受益権に関する信託受託者から委託を受けている業者として、プロパティ・マネジメント業務受託者、建物管理会社等もあります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 役員の職務遂行に関するリスク
投資法人において、執行役員は、投資法人の業務を執行し、投資法人を代表することとされ(投信法第109条第1項)、また、投資法人にすべての執行役員及び監督役員により構成される役員会を置くこと(投信法第112条)、執行役員は、投信法に定める事項その他の重要な職務を執行しようとするときは役員会の承認を受けなければならないこと(投信法第109条第2項)及び監督役員は執行役員の職務の執行を監督すること(投信法第111条第1項)が定められています。このように、執行役員及び監督役員は、投資法人の運営に当たり裁量が広いことから、善管注意義務及び忠実義務を負っています。しかし、職務遂行上、本投資法人の執行役員又は監督役員が善管注意義務や忠実義務に反する行為を行った場合、本投資法人の収益等に悪影響を受ける可能性があります。
⑨ インサイダー取引に関するリスク
金商法の改正により、投資法人に係るインサイダー取引規制が平成26年4月1日付けで導入されており、このような投資法人に係るインサイダー取引規制に十分な対応を図るための内部態勢の整備を念頭に置き、本資産運用会社は、インサイダー取引未然防止規程及びコンプライアンス・マニュアルを通じて、その役職員がその立場上知り得た重要事実の公表前に本投資法人の投資口及び投資法人債、並びに上場会社の株式等の売買を行うことを禁止しています。さらに、本投資法人においても、役員会にてインサイダー取引未然防止規程を採択し、執行役員及び監督役員がその立場上知り得た重要事実の公表前に本投資法人の投資口及び投資法人債、並びに上場会社の株式等の売買を行うことを禁止しています。こうした措置にもかかわらず、本資産運用会社の役職員並びに本投資法人の役員が金商法及び上記の内部規程で定めるインサイダー取引規制に違反する事態が生じた場合、取引市場における本投資口に対する投資家の信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらす可能性があります。
なお、上場投資口については、上場株式同様、大量保有報告書制度の対象となっています。
⑩ 本資産運用会社に関するリスク
本投資法人にとって適切な運用資産を確保するためには、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられます。本資産運用会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が常に維持されるとの保証はありません。また、本資産運用会社は、機動性、効率性、法令遵守体制の強化その他の理由により、社内体制を必要に応じ随時変更することがありますが、かかる変更によって本資産運用会社が意図したとおりの効果を収めるとの保証はなく、結果的に、本投資法人の資産運用に悪影響を与えないとの保証はありません。
さらに、本投資法人は、資産運用の基本方針を規約において定めており、かかる基本方針の下に資産運用を行うため、本資産運用会社は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ② 基本方針に基づくポートフォリオ運用基準」に記載の資産運用ガイドラインを社内規程として定めています。しかしながら、資産運用ガイドラインは、本資産運用会社がその時々の市場環境と経済情勢の下で本投資法人の資産運用の基本方針に最も適合すると判断して定めた社内規程です。そのため、本資産運用会社は、市場環境・経済情勢その他を考慮して、投資主総会の決議を経ることなく資産運用ガイドラインを随時変更することがあります。しかしながら、かかる変更の結果として本投資法人の資産運用又はその業績に悪影響を与えないとは限りません。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て本資産運用会社との資産運用委託契約を解除することができます。また、本資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に本資産運用会社との資産運用委託契約を解約することができるほか、本資産運用会社が金商法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には本資産運用会社との資産運用委託契約を解約しなければなりません。本資産運用会社との資産運用委託契約が解約された場合、本投資法人は、新たな金融商品取引業者に対して資産運用業務を委託しなければなりませんが、適切な金融商品取引業者との間で時機を得て新たな資産運用委託契約を締結できる保証はありません。新たな金融商品取引業者に業務が承継されない限り、本投資法人の収益等に悪影響が生じ、場合によっては本投資口が上場廃止となる可能性があります。また、本資産運用会社の変更は、本投資法人の借入金債務及び投資法人債の期限の利益の喪失事由となることがあります。
さらに、法令上、本資産運用会社は、他の投資法人等の資産運用会社となることを制限されていませんので、他の投資法人等に資産運用等を委託された場合には、投信法上の善管注意義務や忠実義務の存在にかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定が行われるおそれがあります。
本投資法人は、投信法に定める利害関係人等に該当する本資産運用会社の株主又はそれらの関連会社等並びに投信法に定める利害関係人等に該当しない本資産運用会社の株主(以下「本資産運用会社関係者」といいます。)から資産を取得する可能性があります。このような場合、本資産運用会社は、本資産運用会社関係者に有利な条件で、本投資法人に係る資産を取得させることにより、本資産運用会社関係者の利益を図ることが可能な立場にあります。
本資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を将来行う可能性があります。本投資法人と本資産運用会社関係者が特定の資産の取得又は処分に関して競合する場合、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、本資産運用会社関係者又はその顧客の利益を優先し、その結果本投資法人の利益を害することとなる可能性が存在します。
さらに、保有不動産の管理委託契約や保険の付保契約の相手方として、又は本投資法人に対する融資のレンダー等として、本資産運用会社関係者が本投資法人と取引を行う可能性があります。このような場合、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、その結果本投資法人の利益を害することとなる可能性が存在します。
しかし、金商法上、本資産運用会社は、本投資法人のために忠実に、かつ本投資法人に対し、善良なる管理者の注意をもって本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務付けられているほか(金商法第42条)、自己又は第三者の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことを内容とした運用を行うことが明示的に禁止されています(金商法第42条の2第7号、業府令第130条第1項第2号)。また、本資産運用会社は、第三者(本資産運用会社の親法人等及び子法人等を含みます。)の利益を図るため、その行う投資運用業に関して運用の方針、運用財産の額又は市場の状況に照らして不必要と認められる取引を行うことを内容とした運用を行うことが禁止されています(金商法第42条の2第7号及び業府令第130条第1項第3号並びに金商法第44条の3第1項第3号)。加えて、上記要件に該当するもの以外の取引で、必ずしも投資主の利益を害するとは限らない行為については、行為そのものを類型的に禁止せず、損害が生じた場合に本資産運用会社の責任を追及できるよう、本資産運用会社の帳簿等が公正な手続で作成され、証拠として蓄積されるような体制を充実させています(金商法第47条、第47条の3、金商法施行令第16条の17、業府令第181条及び第183条)。さらに、本資産運用会社に、特定資産の価格等の調査(投信法第201条)を行わせることで、価格の公正さを確保し、投資判断の決定プロセス等に客観性・公明性を持たせる体制をとっています。また、本資産運用会社は、社内規程である利害関係人等取引規程を通じて、利害関係人等及び本資産運用会社関係者との取引について一定の手続を経ることとしてリスク管理に努めます(注)。しかしながら、本投資法人に関する資産の運用において、本資産運用会社が、上記の行為準則に反したり、法定の措置を適正に取らない場合には、本投資法人に損害を与え、その収益等に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(注)上記のほか、平成26年12月1日施行の改正投信法と同施行規則により、本投資法人と本資産運用会社の投信法に定める利害関係人等との間で、不動産や有価証券の取得、譲渡又は貸借の取引を行う場合、原則として(軽微基準に該当する場合を除き)、本投資法人の同意(役員会の承認を要します。)を得る必要があるとされ(投信法第201条の2)、また、監督役員と資産運用会社とが一定の利害関係を有する場合の資産運用業務の委託の禁止の範囲が拡大されました(投信法施行規則第244条第3号及び第4号)。また、本資産運用会社は、当該改正投信法を踏まえて利害関係人等取引規程の改定を行い、原則として(軽微基準に該当する場合を除き)、本投資法人と利害関係人等取引規程に定める利害関係人等との間で不動産や有価証券の取得、譲渡又は貸借の取引を行う場合や、本投資法人が保有する信託受益権の受託者が当該信託の受託者としての立場でかかる利害関係人等との間で不動産の貸借の取引を行う場合、本投資法人又は受託者による契約締結前に、本投資法人の役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得ることとしました。しかしながら、一定の軽微基準が定められる等、改正投信法及び改定後の利害関係人等取引規程によっても、本資産運用会社がその関係者の利益を図りうる可能性があります。
⑪ プロパティ・マネジメント業務受託者に関するリスク
プロパティ・マネジメント業務受託者は、保有不動産につき、テナント募集活動その他不動産の管理及び運営に関する業務(プロパティ・マネジメント業務)を行います。
一般に、テナント募集業務を含め、不動産の管理及び運営業務の成否は、プロパティ・マネジメント業務受託者の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、プロパティ・マネジメント業務受託者においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。
また、プロパティ・マネジメント業務受託者にプロパティ・マネジメント契約に基づく義務違反がある場合その他一定の場合、本投資法人は、プロパティ・マネジメント契約を解除することができますが、その場合、適切な代替のプロパティ・マネジメント業務受託者を見つけることができない可能性があります。
加えて、前記プロパティ・マネジメント業務受託者による契約上の義務違反、業務の懈怠その他の場合、たとえ損害賠償請求が可能であるとしても、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。加えて、プロパティ・マネジメント業務受託者につき破産その他の倒産手続が開始されるなどし、業務遂行能力が大幅に減少・喪失した場合には、本投資法人の日常の業務遂行に支障が生じ、本投資法人の収益や金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、プロパティ・マネジメント業務受託者は、自ら若しくはその子会社等を通じて、又は第三者から賃借しテナントに転貸する形式で、多数の不動産の貸主となる可能性があります。
また、複数の不動産に関して、他の顧客から不動産の管理及び運営業務を受託し、他の不動産投資法人においても、本投資法人の保有不動産に係るプロパティ・マネジメント業務受託者と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、プロパティ・マネジメント業務受託者は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
⑫ 本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
本投資法人の一般事務受託者又は本資産運用会社の株主、本資産運用会社を含む企業グループに属する法人若しくは本資産運用会社の役職員の出向企業等、本投資法人に現在関与し又は将来関与する可能性がある法人は、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。
ア.エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社は、以下のそれぞれの立場において本投資法人に本書の日付現在関与し、又は将来において関与することがあります。
(ア)投資主
(イ)運用資産のテナント
(ウ)投資対象不動産の売買における売主又は買主
(エ)投資対象不動産の売買における仲介業者
(オ)新規テナント斡旋の仲介業者
(カ)本資産運用会社の親会社(本書の日付現在における出資割合53.1%)
(キ)本資産運用会社の役職員の出向元企業(本書の日付現在における常勤の出向役職員7名)
イ.ケネディクス株式会社は、以下のそれぞれの立場において本投資法人に本書の日付現在関与し、又は将来において関与することがあります。
(ア)投資対象不動産の売買における売主又は買主
(イ)投資対象不動産の売買における仲介業者
(ウ)本資産運用会社の株主(本書の日付現在における出資割合30.0%)
(エ)本資産運用会社の役職員の出向元企業(本書の日付現在における常勤の出向役職員-名)
ウ.総合地所株式会社は、以下のそれぞれの立場において本投資法人に本書の日付現在関与し、又は将来において関与することがあります。
(ア)投資対象不動産の売買における売主又は買主
(イ)投資対象不動産の売買における仲介業者
(ウ)新規テナント斡旋の仲介業者
(エ)運用資産のマスターリース受託者及びプロパティ・マネジメント業者
(オ)運用資産の建物保守管理業者
(カ)運用資産の修繕工事業者
(キ)資産運用会社の株主(本書の日付現在における出資割合10.0%)
(ク)資産運用会社の役職員の出向元企業(本書の日付現在における常勤の出向役職員-名)
エ.三井住友信託銀行株式会社は、以下のそれぞれの立場において本投資法人に本書の日付現在関与し、又は将来において関与することがあります。
(ア)一般事務受託者、投資主名簿等管理人、特別口座の口座管理機関及び資産保管会社
(イ)投資対象不動産の売買における仲介業者
(ウ)新規テナント斡旋の仲介業者
(エ)本資産運用会社の株主(本書の日付現在における出資割合4.9%)
(オ)本資産運用会社の役職員の出向元企業(本書の日付現在における常勤の出向役職員-名)
(カ)本投資法人が保有する運用資産に係る信託の信託受託者
(キ)貸付人
以上の各社は、以上の立場以外の別の立場においても本投資法人に関与する可能性があり、そのそれぞれの立場において、自己又は第三者の利益を図ることが可能です。また、以上の各社以外の会社も、本投資法人に将来関与する可能性があり、その立場において、自己又は第三者の利益を図ることが可能です。
しかし、投信法上、一般事務受託者や資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し、善良な管理者の注意をもって事務乃至業務を遂行することが義務付けられています。
また、本投資法人は、それらとの間の契約において、可能な限り、本投資法人に対する忠実義務及び善管注意義務を課すこととしています。
(3)信託の受益権特有のリスク
本投資法人は原則として、不動産信託受益権を取得しますので、後記「(5)不動産に関するリスク」に記載する不動産特有のリスクに加え、以下のような信託の受益権特有のリスクを負います。なお、以下、平成19年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号)を「新信託法」といい、新信託法施行と同時に改正された信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号。以下「信託法整備法」といいます。)による改正を含みません。)を「旧信託法」といい、信託契約に別段の定めがない限り、平成19年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法整備法第2条)。
① 信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受するものですが、他方で、旧信託法の下では信託受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に信託受益者が負担することになっています(旧信託法第36条及び第37条)。即ち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて信託受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人が不動産信託受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・デリジェンス(詳細調査等)を実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要がありますし、一旦不動産信託受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになります。
また、信託受託者は、信託事務の遂行に関して被った損害につき、信託財産から支弁を受け又は受益者にその賠償を請求することができます。このため、信託財産からの支弁又は受益者に対する請求がなされた場合、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。新信託法の下では、原則として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と不動産信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をした場合には、当該合意に従い信託受益者に対し不動産信託受託者から信託費用等の請求がなされることがあり(新信託法第48条第5項、第54条第4項)、その場合には同様に本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
② 信託の受益権の流動性リスク
本投資法人が信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分する場合には、後述する不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常です。さらに、不動産信託受益権については金商法の施行により有価証券とみなされ、信託受益権の販売に関する業務は第二種金融商品取引業として規定されることになります。
このことにより信託の受益権に係る流動性が従来よりも高まる可能性があるものの、有価証券と比較すると相対的に流動性が低いというリスクが低減される保証はありません。
また、信託受託者は、事実上、原則として瑕疵担保責任を負って信託不動産の売却を行わない傾向があるため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却が困難である可能性があります。
③ 信託受託者に関するリスク
ア.信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
信託法上、信託受託者が破産手続又は会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合における信託財産の取扱いに関しては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産が信託受託者の破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に帰属するリスクは極めて低いと判断されていました。信託受託者が破産した場合、旧信託法第42条第1項に基づき受託者の任務は終了し、旧信託法第50条に基づき信託財産の名義人でもなくなることから、信託財産は破産財団に属さないと説明する向きもありました(破産法第34条第1項)。また、旧信託法第16条によれば、信託財産に対する信託受託者自身の債権者による差押えは禁止されており、信託財産は信託受託者の債権者との関係では信託受託者自身の債務の引当財産にならないと考えられており、信託財産は破産管財人・更生管財人等による取戻リスクにさらされないものと考えられていました。但し、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託設定登記がなされるものに限り本投資法人は取得してきました。
新信託法においては、同法の適用される信託契約に係る信託財産に関しては、信託受託者が破産手続又は会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合でも、信託財産は破産財団又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属しないことが規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。
イ.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、あるいは信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産信託受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めていますが(旧信託法第31条、新信託法第27条)、常にかかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
信託受益権を取得するに際しては、十分なデュー・デリジェンス(詳細調査等)を実施し、(ⅰ)信託契約上、当該信託の目的が受益者の利益のためにのみ行われていることが明確にされていること、(ⅱ)信託財産の処分や信託財産に属する金銭の運用等についても、厳しい制約を課されていることが満たされている信託の受益権のみを投資対象とすることで、信託財産が勝手に処分されたり、信託財産を引当てとする新たな債務が負担されたりすることにより本投資法人が不利益を被る可能性を回避する方針ですが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
④ 信託の受益権の共有等に関するリスク
本投資法人が保有する信託の受益権が準共有される場合又は分割された受益権を他の者とそれぞれ保有する場合には、共有者間の規約又は信託契約により、信託の受益者としての本投資法人が有する指図権の行使が制約され、その結果、本投資法人の資産運用が影響を受ける場合があります。
(4)特定目的会社の優先出資証券特有のリスク
本投資法人は原則として、不動産信託受益権の取得を通じて不動産投資を行いますが、資産流動化法上の特定目的会社(資産の2分の1を越える額を不動産等に投資することを目的とするもの)が発行する優先出資証券へ投資を行う場合がありえます。
かかる投資を行う場合にも、本投資法人は税法上の導管性要件に抵触することなく投資を行う意向ですが、その場合、後記「(5)不動産に関するリスク」に記載する不動産特有のリスク及び前記「(3)信託の受益権特有のリスク」に記載する信託の受益権特有のリスクに加え、以下のような優先出資証券特有のリスクを負うこととなります。
① 優先出資社員として負うリスク
特定目的会社への優先出資証券に投資する優先出資社員は、当該特定目的会社からの配当金又は残余財産の分配を享受する地位にあることから、本投資法人が優先出資証券を取得した場合、本投資法人は、導管体である当該特定目的会社を介して、その優先出資社員として損害を被るおそれがあります(例えば、特定目的会社の投資する不動産等の収益悪化、当該不動産等の価値の下落、又は当該保有財産に関する想定外の課税や保有財産の瑕疵に起因する第三者の損害への賠償等の諸費用の発生により、配当金又は分配される残余財産が減少すること等)。
② 優先出資証券の流動性リスク
特定目的会社が保有財産としての不動産等を処分する場合には、不動産(又は信託受益権)の流動性リスクが存在します。また本投資法人は運用資産の中長期的な保有を基本方針とし、当該運用資産の取得から短期間での売却は原則として行わない予定ですが、経済合理性があると判断した場合等には優先出資証券を売却する場合があります。その場合、優先出資証券については確立された流通市場が存在しないため、一般的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低く、売却を意図してもその売却が困難な場合があり、又は予定より低い価額での売却を余儀なくされる可能性があります。
③ 他の優先出資社員に関するリスク
本投資法人が保有する優先出資証券に関して、本投資法人以外に優先出資社員が存在する場合には、本投資法人の保有割合によっては、当該特定目的会社の社員総会において、優先出資社員が議決権を有する事項について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があり、また優先出資社員間の契約等において、優先出資証券の譲渡に際し、他の優先出資社員の承諾の取得、先買権又は優先交渉権の付与といった譲渡処分に関する一定の制約が課される場合があります。
以上の結果、本投資法人の業績が悪影響を受ける可能性があります。
(5)不動産に関するリスク
以下に記載するリスクは、主として本投資法人が不動産を直接に取得する場合を念頭においていますが、本投資法人が不動産を主たる裏付けとする信託の受益権及びその他の資産を取得する場合であってもほぼ同様にあてはまります。
① 不動産の流動性、取引コスト、フォワード・コミットメント等に関するリスク
一般的に、不動産は代替性がないうえ、流動性が低く、またそれぞれの物件の個性が強いため、類似の物件が類似の価格で売買されるとは限らず、不動産をめぐる権利関係の調査、賃貸借契約に関する調査、修繕履歴の調査、不動産鑑定士による鑑定や関係者との交渉等、売却及び取得に多くの時間と費用を要します。本投資法人は保有不動産からの収益獲得を主な目的としていますが、かかる不動産の売買に予想よりも多くの時間と費用が費やされた場合又は不動産が取得又は売却できなかった場合には、本投資法人の収益等につき悪影響が生じる可能性があります。特に、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合、土地と建物が別人の所有に属する場合等権利関係の態様によっては、取得又は売却により多くの時間と費用を要することがあり、場合によっては取得又は売却ができない可能性があります。また、経済環境や不動産需給関係の影響により、本投資法人が取得を希望する投資対象不動産を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は本投資法人が売却を希望する保有不動産を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性があり、その結果、本投資法人の投資方針に従った運用ができず、収益等が悪影響を受ける可能性があります。
また、本投資法人は、不動産を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(契約締結から一定期間経過した後に売買代金の決済・物件引渡しを行う約定形態)による売買契約を締結する場合があります。一般的に不動産に係る売買契約においては、買主は、その都合により不動産の売買契約を解約し、又は履行しない場合には、売主に対し違約金や債務不履行による損害相当額の支払義務を負担します。この点は、契約後速やかに決済される約定形態の売買契約についても同様ですが、フォワード・コミットメントの場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があることから、その間に市場環境等が変化し、決済・物件引渡しの時点において、当初の想定と異なる事情が生ずる可能性があります。したがって、フォワード・コミットメントによる売買契約締結後に、金融市場に予想できない変動があり、不動産の取得資金を調達できなくなる等の事由によって、売買契約を解約せざるを得なくなった場合、売買代金の支払は免れるものの、本投資法人の投資方針に従った運用ができないこととなるほか、当該売買契約に違約金条項が規定されている場合には違約金の支払いを余儀なくされ、本投資法人の財務状況等が重大な悪影響を受ける可能性があります。
本投資法人は、フォワード・コミットメントによる売買契約を締結し不動産を取得しようとする場合には、売買契約締結から決済・物件引渡しまでの期間や資金調達方法等に充分留意した上で投資を決定しますが、これによりあらゆる経済情勢の変動に対応できる保証はなく、前記リスクを完全に防ぐことはできません。
② 物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、不動産及び不動産を裏付けとする信託の受益権その他の有価証券等の資産に投資を行い、中長期的な観点から、運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行うことを投資方針としています。しかしながら不動産投資信託その他のファンド及び投資家等による不動産に対する投資が過度に活発化した場合、不動産の取得競争が激化し、取得ができない可能性があります。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格で取引を行えない可能性等があります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。
③ 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があります。
不動産の欠陥、瑕疵等により本投資法人が思わぬ損害を被ることのないよう、本資産運用会社は、投資対象不動産の選定・取得の判断を行うに当たって、対象となる投資対象不動産について専門業者から建物状況報告書を取得するなどの調査を行います。しかし、建物状況報告書で指摘されなかった事項や売主が表明及び保証した事項であっても、取得後に欠陥、瑕疵等が判明する可能性があります。取得後に欠陥、瑕疵等が判明した場合において、特約で排除されない限り、売主は、原則として民法第570条に定める瑕疵担保責任を負担することから、本投資法人は、かかる責任を追及することが可能です。加えて、本資産運用会社は、不動産の売買に当たり、原則として投資対象不動産の売主から譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得することとし、瑕疵担保責任を拡張して負担させるよう働きかけることとしています。しかし、これらの表明及び保証の内容が真実かつ正確である保証はなく、また、その期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例です。
また、売主に対して表明及び保証した事実が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や売主が負担する瑕疵担保責任を追及しようとしても、売主の損害賠償責任又は瑕疵担保責任の負担期間が限定されていたり、売主の資力が不十分であったり、売主が解散等により存在しなくなっているなどの事情により、実効性がない可能性があります。さらに、投資対象不動産の売主が表明及び保証を行わない場合又は瑕疵担保責任を負担しない場合であっても、本投資法人が当該投資対象不動産を取得する可能性があります。例えば、本投資法人は、競売されている投資対象不動産を取得することがありますが、かかる不動産に瑕疵等があった場合には瑕疵担保責任を追及することができません。
また、投資対象不動産に関し、建物建築当時において行政機関により、その敷地の一部を道路や公開空地として負担するよう指導を受け、本投資法人がかかる義務を承継することがあります。
他方、本投資法人又は信託受託者が保有不動産を売却する場合には、本投資法人又は信託受託者たる宅地建物取引業法上の登録をした信託銀行は、宅地建物取引業法上、みなし宅地建物取引業者であるため、不動産の売却の相手方が宅地建物取引業者でない場合、不動産の売主として民法上負う瑕疵担保責任を原則として排除できません。したがって、本投資法人又は信託受託者が不動産の売主となる場合には一定限度の瑕疵担保責任を負うことになる場合があります。
④ 不動産に関する権利関係の複雑性及び不動産登記に公信力なきことに由来するリスク
不動産をめぐる権利義務関係の複雑性ゆえに、本投資法人が取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。本投資法人は投資対象不動産の取得に際し、不動産登記簿を確認したり、登記済権利証書の存在を確認することにより当該不動産に関する売主の所有権を確認しますが、不動産登記には公信力がなく、登記簿上所有者として記載されているものが真実所有権を有するとは限らず、権利を確実に知る方法がありません。
その他にも、投資対象不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地所有者からの境界確定合意が取得できないまま、当該投資対象不動産を取得する可能性もあります。
⑤ 共有物件に関するリスク
不動産が第三者との間で共有されている場合には、以下に掲げるとおり、本投資法人による利用・管理・処分に制限があるほか、共有物件の分割がなされるリスクその他のリスク等があります。
まず、利用及び管理に関し、不動産の共有者は、その持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
他方で、共有物の管理は、共有者間で別段の定めがある場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
また、譲渡に関し、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。
このような処分に際して、共有持分は単独所有の場合と比して不利でない価格で処分できるとは限りません。しかし、共有物件全体を一括処分する際には、他の共有者全員の合意が必要となります。したがって、不動産が共有物である場合、本投資法人の認識しないところで他の共有者が変更されることがある反面、本投資法人が当該不動産への投資額を回収しようとする場合にも、希望する時期及び条件で売却できないおそれがあります。一部の共有者の変更の場合、新たな共有者の属性等によっては、当該不動産の管理や価値に悪影響が出ることもあり、本投資法人が損害を被ることがあります。もっとも、共有持分を譲渡する場合における他の共有者の先買権又は優先交渉権、譲渡における一定の手続の履践等、共有者間で締結される協定書乃至規約等による一定の制限に服する場合があり、かかる場合には、本投資法人が共有者の変更をある程度コントロールできますが、翻って、本投資法人が共有持分の譲渡を希望する際に、一定の手続の履践等を行う必要があることとなり、本投資法人の希望する時期に売却を行えない可能性があります。
さらに、共有者は共有物の分割請求権を有するため(民法第256条)、共有者の請求により当該不動産が分割される可能性があります(分割の方法は現物分割とは限りません。)。共有者間で不分割の合意(民法第256条)がある場合であっても、合意の有効期間が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、共有者間で不分割の合意がある場合であっても、共有者について破産手続、会社更生手続又は民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
また、共有者と共同して不動産を第三者に賃貸している場合、賃貸借契約に基づく各共有者の権利が不可分債権とみなされ、当該賃貸借契約に基づく権利の全体が当該共有者の債権者等による差押え等の対象となる可能性があります。
賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその共有持分等に応じて履行できない際に当該共有者以外の共有者が敷金全部の返還債務を負う可能性もあります。
さらに、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が影響を受ける場合があります。
これらのほかにも、共有物件に特有の法律上又は事実上のリスクがありえます。
⑥ 区分所有物件に関するリスク
区分所有建物とは、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。
不動産が区分所有物件である場合には、以下に掲げるとおり、本投資法人による利用・管理・処分に制限があり、またその他のリスク等があります。
まず、利用に関して、他の区分所有者は、本投資法人の意向に関わりなくその専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができ、他の区分所有者による使用収益の状況によって本投資法人が影響を受ける可能性があります。また、区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができるため、他の区分所有者の意向に関わりなく区分所有者が変更される可能性があります。
区分所有物件の管理及び運営は、法定の管理方法及び区分所有者間で定められる管理規約に服することとなります。管理規約は、原則として区分所有者及びその議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合。以下同じ)の各4分の3以上の多数決によって変更できるため(区分所有法第31条)、本投資法人が議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数の建替決議が必要とされるなど(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と比較して管理方法に制限があります。
加えて、管理規約において、専有部分を譲渡する場合における他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、譲渡における一定の手続の履践等、管理規約による一定の制限が課されている場合があります。かかる場合には、本投資法人が専有部分の譲渡を希望する際に、一定の手続の履践等といった義務を負うこととなり、本投資法人の希望する時期に売却を行えない可能性があります。
さらに、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が影響を受ける場合があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
第一は、専有部分と敷地利用権の分離処分のリスクです。区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、管理規約で別段の定めがない限り、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されており、また通常、管理規約で分離処分することは認められていません。敷地権(敷地権とは、敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権だけが分離されて処分されても、善意の第三者を含めて当該分離処分は無効となります。これに対し、敷地権の登記がされていない場合には、善意の第三者に対する分離処分は有効になりますので、敷地利用権を有しない専有部分の所有者が出現する可能性があります。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、既に述べた売却時の不動産流動性のリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
第二は、区分所有建物とその敷地の関係について、使用貸借権やそれに類似した利用権が設定されている場合に、それらの利用権を設定した者から当該敷地を譲り受けた第三者が区分所有者に対して利用権を否認するリスクです。使用貸借権やそれに類似した利用権設定関係の合意は、区分所有法上、新たな区分所有建物の買受人等の特定承継人(当該敷地のみを譲り受けた第三者も含みます。)に対して効力を生じる(区分所有法第54条)合意とは解されない債権的合意であるため、理論上、特定承継人が合意の存在を無視して、敷地の一部の所有権(又は共有権)に基づき、その敷地を無償で利用している他の区分所有者に対して区分所有建物の明渡しを請求できないとはいいきれません。このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、既に述べた不動産に係る流動性のリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
これらのほかにも、区分所有物件に特有の法律上又は事実上のリスクがありえます。
⑦ 借地物件に関するリスク
本投資法人が建物の敷地の所有権を有しないことがあります。この場合、敷地利用権について民法、建物保護法又は借地借家法等の適用のある法令に従い対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、敷地利用権を敷地の新所有者に対して対抗できず、敷地の明渡義務を負う可能性があります。また、敷地利用権が、期限の到来による消滅(定期借地権の場合)、解除その他の理由により消滅した場合等、本投資法人は、敷地の明渡義務を負う可能性があります。さらに、建物の処分に付随する敷地利用権の処分に関して、敷地の所有者の同意等が要求されることがあります。このため、本投資法人が建物を処分できなかったり、本投資法人が希望する価格、時期その他の条件で建物を処分することができない可能性があります。また、敷地の所有者の資力の悪化や倒産等により、本投資法人が差し入れる敷金・保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。敷地の所有者に対する敷金・保証金等の返還請求権については、担保設定や保証はなされないのが通例です。
⑧ 開発物件に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ② 基本方針に基づくポートフォリオ運用基準 エ.開発案件への投資方針」に記載のとおり、本投資法人自ら土地を取得して宅地の造成又は建物の建築を自ら行うことは予定していません。但し、第三者が建築中の物件については、既に完成した物件を取得する場合に比べて、以下に例示するような固有のリスクが加わりますが、本投資法人が宅地の造成又は建物の建築を自ら行うことなく、かつ、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断でき、完工・引渡しリスクが極小化されている場合においては当該建物の竣工前であっても、以下に記載の開発物件固有のリスクをできる限り回避するための停止条件等を付した譲渡契約を締結したうえで、投資することがあります。
ア.開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見されることがあり、これらが開発の遅延、変更又は中止の原因となる可能性。
イ.工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性。
ウ.開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性。
エ.天変地異により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
オ.行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性。
カ.開発過程において事故が生じる可能性。
キ.その他予期せぬ事情により開発の遅延、変更又は中止が必要となる可能性。
これらの結果、開発物件からの収益等が予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が被る可能性があります。このため本投資法人の収益等が重大な悪影響を受ける可能性があります。
⑨ 鑑定評価額及び建物状況評価に関するリスク
不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士の分析に基づく、分析の時点における評価を示したものにとどまります。同じ物件について鑑定を行った場合でも、不動産鑑定士、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額が異なる可能性があります。また、かかる鑑定の結果が、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても鑑定評価額をもって売却されるとは限りません。また、対象となる建物が未竣工の時点で、竣工予定の建物が予定どおり竣工したと想定して求める調査価額は、対象となる建物が竣工した後の鑑定評価額を保証するものではありません。
建物状況評価(地震リスク調査を含みます。)についても、個々の調査委託業者の分析に基づく、分析の時点における評価を示したものにとどまります。同じ物件について評価を行った場合でも、調査委託業者、評価方法又は調査の方法によって評価内容が異なる可能性があり、調査委託業者は建物状況評価の内容の確実性について保証するものではありません。
⑩ 賃料収入の減少に関するリスク
本投資法人の収益の源泉は、主として本投資法人の保有不動産の賃料収入に依存します。保有不動産に係る賃料収入は、当該保有不動産に係る稼働率の低下、賃料水準の低下、テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により減少する可能性があります。
かかる支払賃料の不履行・遅延といった回収リスクの軽減のため賃料保証会社による賃料保証制度を導入することがありますが、賃料保証会社につき破産その他の倒産手続が開始された場合、結果的に賃料保証会社からの立替払いを受けられない可能性があります。
また、前述のとおり、テナントが支払うべき賃料は、減額される可能性があります。
⑪ マスターリースに関するリスク
本投資法人は、賃貸する不動産をマスターリース会社に賃貸し、マスターリース会社が転貸人としてテナントに転貸する場合があります。本投資法人がマスターリース契約を締結する場合、テナント(マスターリースの場合、「テナント」とは実際の利用者(転借人)を指します。以下同じとします。)はマスターリース会社の口座に賃料を入金することがあり、このような場合、マスターリース会社の財務状態が悪化した結果、マスターリース会社がテナントから受領した賃料を、本投資法人(賃貸人)へ支払うことが滞る可能性があります。
また、マスターリース契約上、マスターリース会社の倒産や契約期間満了等によりマスターリース契約が終了した場合、本投資法人が所有者として新たなマスターリース会社と新たなマスターリース契約を締結し、テナントとの間の転貸借契約及び旧マスターリース会社のテナントに対する権利及び義務等を承継することが必要となる場合があります。このような場合、本投資法人がテナントに対して、賃貸人たる地位を承継した旨を通知する前に、テナントが旧マスターリース会社に賃料等を支払った場合、本投資法人はテナントに対して賃料請求ができないおそれがあり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
⑫ わが国における不動産の賃貸借契約に関するリスク
日本におけるオフィスビル及びレジデンスでは、テナントとの賃貸借契約の期間は2年が一般的であり、賃貸借期間経過後に契約が更新される保証はありません。また、テナントが一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合も多く見受けられます。また、賃貸借契約において期間内に賃借人が解約した場合の違約金について規定する場合がありますが、かかる規定が場合によっては裁判所により無効とされ又は一部減額される可能性があります。賃貸借契約の更新がなされず、又は賃貸借期間中に解約された場合、すぐに新たなテナントが入居する保証はなく、その結果、賃料収入が減少し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。これに対し、不動産の賃貸人からの賃貸借契約の解約及び更新拒絶は、正当事由が認められるなどの特段の事情がある場合を除いて原則として困難です。
定期賃貸借契約においては、テナントの賃料減額請求権を契約で排除することが可能です。また、定期賃貸借契約の有効期間中は契約中に定められた賃料をテナントに対して請求できるのが原則です。しかし、定期賃貸借契約においてテナントが早期解約した場合、残存期間全体についてのテナントに対する賃料請求が場合によっては認められない可能性があります。また、定期賃貸借契約において契約期間中は賃料改定を行わない約束がなされた場合、一般的な賃料水準が上昇することにより、一般的な賃料水準に対する当該定期賃貸借契約の賃料が相対的に低下する可能性があります。
⑬ テナントの建物使用態様に関するリスク
保有不動産は、建築時においては行政法規及び保有不動産の所在地における条例に適合していますが、テナントが建物の変更工事、内装の変更等を行ったり、道路上へ建物の造作を越境させたりすることにより、建築基準法、消防法及び屋外広告等に関する条例等の規制に違反する状態となる場合があります。このような場合には、本来、テナントが違反状態を解消する義務を負いますが、事情によっては、本投資法人がその改善のための費用を負担する可能性があります。
また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、テナントによる転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の関与なしに行われる可能性があります。さらに、テナントによる風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に定める風俗営業の開始等が行われる可能性や、反社会的勢力により保有不動産が占有される可能性があります。このような場合には、建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
⑭ 不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済状況によっては、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、公租公課の増大その他の理由により、保有不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。また、保有不動産につき滅失、損壊又は劣化等が生じ、修繕が必要となる可能性があります。かかる修繕に多額の費用を要する場合、又はかかる修繕が困難若しくは不可能な場合には、保有不動産からの収入が減少し、その価値が下落する可能性があります。これらの可能性が現実化した場合においても、保有不動産からの収入がこれに対応して増加するという保証はなく、本投資法人の利益が減少する可能性があります。
⑮ 偶然不測の事故・自然災害に関するリスク
火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水害、地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火及び津波並びに電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故並びに戦争、暴動、騒乱、テロ等の災害により、保有不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。
本書の日付現在、本投資法人は保有不動産に関し、火災保険等の保険(第10期に取得したプレミアステージ大塚に限り地震保険を含みます。)を付保しており、今後本投資法人が取得する不動産に関しても、原則として適切な火災保険等の保険(必要に応じて地震保険も含みます。)を付保する予定です。
しかし、保有不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない事故若しくは災害等が発生した場合又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われない若しくは支払いが遅れる場合には、本投資法人は著しい悪影響を受ける可能性があります。また、保険金が支払われた場合であっても、行政規制その他の理由により保有不動産を事故若しくは災害等の発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
なお、地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火及び津波等の天災に起因して生じる損害に関しては、本投資法人は、災害発生時の影響と保険料負担を随時比較考慮して付保方針を決定することとしており、本書の日付現在、本投資法人の保有不動産については第10期に取得したプレミアステージ大塚に限り地震保険を付保しています。
また、天災が生じた場合には、テナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性があります。
⑯ 不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ① 基本方針」に記載のとおり、主として、東京経済圏に立地する不動産を取得するため、東京都心部及び東京周辺都市部における地震その他の災害、地域経済の悪化、稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
また、資産総額に占める個別の保有不動産の割合は、資産総額の規模が拡大する過程で一般に低下していくと考えられます。しかしながら、資産総額に占める割合が大きい保有不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人は著しい悪影響を受ける可能性があります。
⑰ テナント集中に関するリスク
本投資法人の保有不動産のテナント数が少なくなればなるほど、本投資法人は特定のテナントの支払能力、退去その他の事情による影響を受けやすくなります。特に、1テナントしか存在しない不動産においては、本投資法人の当該不動産からの収益等は、当該テナントの支払能力、当該不動産からの転出・退去その他の事情により大きく左右されます。また、賃貸面積の大きなテナントが退去したときに、空室率が高くなり、他のテナントを探しその空室率を回復させるのに時間を要することがあり、その期間が長期になればなるほど、本投資法人の収益等がより悪影響を受ける可能性があります。
⑱ 不動産に関する所有者責任等に関するリスク
本投資法人は、その保有不動産が原因となって、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うこととされています。
本書の日付現在、本投資法人は、その保有不動産に関し、施設賠償責任保険等の保険契約を締結しており、今後本投資法人が取得する不動産に関しても原則として適切な保険を付保する予定ですが、保有不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、受領した保険金をもってしても原状復旧ができない場合、原状復旧に時間を要する場合又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われない若しくは支払いが遅れる場合には、本投資法人は重大な悪影響を受ける可能性があります。
⑲ 法令の変更に関するリスク
本投資法人の保有不動産は、建築時においては行政法規及びその所在地における条例に適合していますが、建築基準法の改正の際によりこれらの規定に適合しなくなる場合があります。例えば、建築基準法及びその関連法令における耐震設計基準に関し、昭和56年に基準が改正されていますが、改正以前において建築された建物については現行法において必要とされる基準を満たしていないことがあります。このような場合に、建替え等を行うには、現行の規定に合致するよう、既存の部分の手直しをする必要があり、費用等追加的な負担が必要となる可能性があります。また、条例による規制の例として、住宅付置義務や、駐車場・駐輪場付置義務、福祉設備又は緑化施設等を設置する義務等が課せられることがあります。このような義務が課せられた場合、当該保有不動産を処分するときや建替え等を行うときに、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な負担が生じたりする可能性があります。
さらに、保有不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し、建替え等を将来行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
加えて、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定又は変更され、保有不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他オフィスビルの管理に影響する関係法令の改正により、オフィスビルの管理費用等が増加する可能性があります。
⑳ 有害物質に関するリスク
本投資法人の保有不動産が有害物質を含む可能性があります。例えば、土地に産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性や、建物の建材等にアスベスト、PCBその他の有害物質を含む建材が使用されている可能性があります。土地に関しては、土壌汚染対策法に定める土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれ等が生じる場合には、土壌汚染状況の調査報告、汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講ずることを命ぜられる場合があります。かかる場合には、本投資法人に予想外の費用負担が生じる可能性があります。また、建物に関してもかかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。さらに、有害物質を含むことにより、保有不動産の価値が悪影響を受ける可能性があります。なお、本投資法人が取得を予定する不動産のうちオフィスビルの多くには、ハロンを用いた消火剤を使用する消火装置又は消火設備が備え置かれています。これらについて現状は使用を規制されていませんが、今後、適切な処分を必要とされることがあります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、本投資法人は、当該不動産の所有者として損害を賠償する義務を負担する可能性があります。
(6)税制等に関するリスク
① 利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「利益配当等の損金算入要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の課税所得の計算上損金に算入することが認められています。本投資法人は、本書の提出日以降、かかる要件を満たすよう継続して努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の減少、分配金支払原資の不足、法律の改正その他の要因により利益配当等の損金算入要件のすべてを満たすことができない可能性があります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
② 過大な税負担の発生により90%超支払配当要件が満たされないリスク
平成21年4月1日以後終了した事業年度に係る利益配当等の損金算入要件のうち、租税特別措置法施行令に規定する配当可能額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「90%超支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として90%超支払配当要件の判定を行うこととされています。したがって、会計処理と税務上の取扱いの差異等により過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる場合があります。
なお、平成27年4月1日以後に開始する事業年度からは、交際費、寄付金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により、法人税等の発生を抑えることができることになるため、本リスクは軽減されます。
③ 税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク及び90%超支払配当要件が満たされない
リスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違等により過年度の課税所得計算について税務否認等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資家への分配金の予想額の修正が必要となる場合があります。また、平成21年4月1日前に終了した各事業年度については、税務上の所得を基礎として90%超支払配当要件の判定を行うこととされていたため、上記更正処分により会計処理と税務上の取扱いに差異が生じた場合には、当該事業年度における当該要件が事後的に認められなくなるリスクがあります。かかる場合、本投資法人が当該事業年度における支払配当の損金算入を税務否認され、投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 同族会社に該当するリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、事業年度終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令に定めるもの(投資法人の投資主の1人及びこれと特殊の関係にある者等が、その投資法人の発行済投資口の総数又は議決権の総数の100分の50を超える数を有する場合における当該投資法人をいいます。)に該当していないこととする要件については、投資口が市場で流通することにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果として満たされなくなるリスクがあります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
⑤ 不動産の取得に伴う軽減措置の適用が受けられないリスク
投資法人が直接に不動産を取得する場合において、本投資法人の規約に資産運用の方針として一定の内容の記載があり、その他の税務上の要件を満たす場合には、登録免許税及び不動産取得税の軽減措置の適用が認められています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更等された場合にはこの軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
⑥ 税制変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈が変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制が変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
⑦ 投資口を保有する投資主について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
税法上、投資法人の導管性要件として、事業年度終了の時において発行済投資口が50人以上の投資主によって所有されていること、又は、租税特別措置法に規定する機関投資家のみによって所有されていることが規定されています。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、投資口を所有する投資主が50人未満になる可能性があります。
⑧ 減損会計の適用に関するリスク
減損会計(注)の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、税務上のコストが増加する可能性があります。
但し、平成27年4月1日以後に開始する事業年度からは、一時差異等調整引当額の分配により、法人税等の発生を抑えることができるようになります。
(注)「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
⑨ 資金不足により利益の配当等が行われないことに関するリスク
本投資法人において、債権者との関係等により、利益が発生しているにもかかわらず利益の配当等ができない場合には、利益配当等の損金算入要件を満たすことができなくなることにより、本投資法人の税負担が増大する結果、投資家への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
⑩ 納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。この場合、遅延納付となった納税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した事業年度の投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(7)その他
① 取得予定資産を組入れることができないリスク
本投資法人は、取得を予定する不動産の所有者又は不動産信託受益権の保有者等との間で、一定の条件が成就されることを条件として取得するために停止条件付譲渡契約を締結することがあります。しかしながら、当該停止条件付譲渡契約に基づく資産取得までの間に、経済環境が著しく変化すること等により、かかる資産を取得することができない可能性があります。
なお、本投資法人は、本書の日付現在保有する運用資産及び取得を予定する資産のみを取得することを目的として組成されたものではありません。今後、本資産運用会社を通じての資産の運用において、かかる運用資産の売却又はかかる資産以外の特定資産の取得若しくは売却が行われることがあります。
② 売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般的に、不動産を売却した後に売主が倒産手続に入った場合、当該不動産の売買が管財人により否認されることがあります。また、財産状態が健全でない売主が不動産を売却した場合に当該不動産の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取消されることがあります(いわゆる否認及び詐害行為のリスク)。さらに、当該取引を担保取引であると法的に性格付けることにより、当該不動産は破産者である売主の破産財団を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされることがあります(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)。本投資法人が取得する資産については、売主やその前所有者及び前々所有者等について可能な限度で信用状況等を調査し、慎重に購入決定を行い、実務的に可能な限りかかるリスクを回避するよう努める予定ですが、このリスクを完全に排除することは困難です。
③ 重要事象等に関するリスク
本書の日付現在において本投資法人が将来にわたって営業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象、又は状況その他本投資法人の経営に重要な影響を及ぼす事象は存在しないと判断しています。
(8)投資リスクに対する管理体制について
上記の各々のリスクについて対応すべく、本投資法人及び本資産運用会社は、投信法及び金商法の規制を遵守し、様々な社内規則を設けてこれに対処するほか、最適と思われる以下のような管理体制と人材の配置・遵法精神の涵養を含めた教育を行う等の対応策をとっています。しかしながら、かかる管理体制が万全であるとの保証はなく、かかる管理体制の不備により本投資法人が損失を被るおそれがあります。
① 本資産運用会社の体制
ア.本資産運用会社は、資産運用ガイドラインにおいて主に以下の諸点に関する運用基準・方針を定め、これを遵守することにより、リスクの管理に努めています。
(ア)ポートフォリオ運用基準
A.用途・地域・資産規模・デュー・デリジェンス(詳細調査等)・投資額等の取得基準
B.運用資産の売却に関する方針
C.保有不動産の付保・財務に関する方針
(イ)保有不動産の管理運営に係る不動産管理方針
なお、資産運用ガイドラインの概要については、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ② 基本方針に基づくポートフォリオ運用基準」、同「③ 不動産管理方針」及び同「④ 開示方針」をご参照ください。
イ.本資産運用会社は、利害関係人等取引規程において利益相反のおそれのある当事者間での取引等に係る方針を定め、これを遵守することにより、利益相反に係るリスクの管理に努めています。利害関係人等取引規程については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。
ウ.金商法の改正により、投資法人に係るインサイダー取引規制が平成26年4月1日付けで導入されており、このような投資法人に係るインサイダー取引規制に十分な対応を図るための内部態勢の整備を念頭に置き、本資産運用会社は、インサイダー取引未然防止規程を定めてその役職員によるインサイダー規制の違反の防止に努めています。インサイダー取引規制違反の防止に係る社内規則については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第4 関係法人の状況 1 資産運用会社の概況 (2)運用体制 ④ インサイダー取引規制の違反防止に向けた内部態勢の整備」をご参照ください。
エ.本資産運用会社は、代表取締役社長が統括するポートフォリオ委員会を原則毎月1回開催し、運用基本方針、運用資産の取得・売却に係る基本方針、大規模修繕計画方針等を検討し、継続的なリスクの把握に努めています。
運用管理担当者は、代表取締役社長の要請により、随時、運用資産の管理状況等を代表取締役社長に報告します。また、3ヶ月に1回以上投資法人に対して運用実績を報告することとしています。本資産運用会社は、運用資産の取得・売却、運用及び管理等に関する種々の決定事項の重要性に応じ、ポートフォリオ委員会での審議や代表取締役社長の決裁を要求するなどの意思決定手続を明確化し、運用及び管理に係るリスクを管理しています。
本資産運用会社の組織及び体制並びに意思決定手続については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第4 関係法人の状況 1 資産運用会社の概況 (2)運用体制」をご参照ください。
オ.本資産運用会社は、法令遵守規程及び法令遵守管理規則において企業倫理としての基本方針及び役職員の行動指針としての遵守基準を定めているほか、かかる基本方針及び遵守基準の理解を深め浸透を図るべく、コンプライアンス・マニュアルを作成しています。また、社内に、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設け、法令・規則等遵守状況の報告及びリスク管理の報告審議等を行っています。
② 本投資法人の体制
本投資法人は、1ヶ月に1回以上役員会を開催し、執行役員は3ヶ月に1回以上、業務の執行状況を役員会に報告するほか、執行役員が必要に応じて本資産運用会社より運用状況についての意見聴取を行い、関係書類の閲覧・調査を行っています。これにより、本資産運用会社関係者等との取引について、利益相反取引のおそれがないか調査を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。また、本投資法人が利害関係人等取引規程に定める利害関係人等との間で不動産や有価証券の取得、譲渡又は貸借の取引を行う場合、又は本投資法人が保有する信託受益権の受託者が当該信託の受託者としての立場でかかる利害関係人等との間で不動産の貸借の取引を行う場合には、一定の軽微基準に該当する場合を除き、かかる取引の契約締結前に、本投資法人の役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得ることとされています。これにより、かかる利害関係人等との間の取引について、その契約締結前に役員会が利益相反取引のおそれがないかの確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。

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