有価証券報告書(内国投資証券)-第40期(2023/01/01-2023/06/30)

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2023/09/26 15:00
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53項目
(1)リスク要因
以下には、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)を表示する証券(以下「本投資証券」といいます。)及び本投資法人の発行する投資法人債(短期投資法人債を含み、以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資証券又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産を主たる裏付けとする信託の受益権その他の資産についてもほぼ同様にあてはまります。
本投資法人は、対応可能な限りこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債の市場価格は下落すると考えられ、その結果、投資額に係る欠損又は損失が生じる可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下その他財務状況の悪化により、分配率の低下が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで本投資証券又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 一般的なリスク
(イ)投資法人の法律上、税制上、その他の諸制度の取扱いに関するリスク
(ロ)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
(ハ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
(ニ)本投資証券又は本投資法人債の市場性に関するリスク
(ホ)本投資証券又は本投資法人債の価格変動に関するリスク
(ヘ)投資口の希薄化に関するリスク
(ト)本投資法人債の償還・利払いに関するリスク
(チ)有利子負債比率に関するリスク
(リ)金銭の分配に関するリスク
(ヌ)本投資法人の登録が取消されるリスク
(ル)本投資法人の倒産リスク
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び支出、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(ロ)借入れ及び本投資法人債に関するリスク
(ハ)本投資法人の関係者への依存に関するリスク
(ニ)役員の職務遂行に係るリスク
(ホ)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(ヘ)インサイダー取引規制等に関するリスク
(ト)敷金・保証金の利用に関するリスク
(チ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
③ 不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性に関するリスク
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
(ハ)テナント獲得競争に関するリスク
(ニ)不動産の瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(ホ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ヘ)区分所有建物に関するリスク
(ト)共有物件に関するリスク
(チ)借地物件に関するリスク
(リ)不動産の鑑定評価等に関するリスク
(ヌ)不動産の賃貸借契約に関するリスク
(ル)賃料の減額に関するリスク
(ヲ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
(ワ)テナントの建物使用態様に関するリスク
(カ)建物の毀損、滅失及び劣化に関するリスク
(ヨ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
(タ)有害物質又は放射能汚染等に関するリスク
(レ)投資対象不動産の偏在に関するリスク
(ソ)テナントの集中に関するリスク
(ツ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ネ)開発物件に関するリスク
(ナ)オペレーターに関するリスク
(ラ)フォワード・コミットメント等にかかるリスク
(ム)固定資産の減損に係る会計基準の適用にかかるリスク
(ウ)ホテルに関するリスク
④ 信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
(ロ)信託受益権の流動性に係るリスク
(ハ)信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
(ニ)信託受託者の債務負担に伴うリスク
(ホ)信託受益権に関する法律上の瑕疵に係るリスク
(ヘ)信託内借入れに係るリスク
⑤ 海外不動産等への投資に関するリスク
(イ)海外不動産等の取得並びに管理及び運用等に関するリスク
(ロ)外国法人税の発生により分配金が減少するリスク
(ハ)外国為替についての会計処理等に関するリスク
(ニ)海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
(ホ)英領ケイマン諸島への投資に関するリスク
⑥ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑦ その他
(イ)投資法人の資金調達に関するリスク
(ロ)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
(ハ)特定目的会社の優先出資証券・特定出資への投資に係るリスク
(ニ)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
(ホ)投資主優待制度に関するリスク
(ヘ)新型コロナウイルス感染症に関するリスク
① 一般的なリスク
(イ)投資法人の法律上、税制上、その他の諸制度の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度上の取扱い及び解釈は、今後、大幅に変更され、又は新たな法令が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
投資口及び投資証券は、それぞれ株式会社における株式及び株券に類似する性質を持ち、投資資金の回収や利回りの如何は、経済状況や不動産及び証券市場等の動向、本投資法人の業務又は財産の状況に影響されるものであり、譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることができない場合があります。また、本投資法人にかかる通常の清算又は倒産手続の下における清算においては、本投資法人の債権者(一般債権者及び担保権者を含みます。)の債権の配当に劣後する最劣後の地位となり、投資額の全部又は一部の回収ができない可能性があります。投資証券は、投資額が保証される商品ではなく、預金保険等の対象にはなっていません。
(ハ)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
本投資証券は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資証券を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、本投資証券の売却(金融商品取引所を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資証券の売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資証券を希望する時期及び条件で換価できないことになります。
(ニ)本投資証券又は本投資法人債の市場性に関するリスク
本投資証券は、2006年8月1日に東京証券取引所に上場しましたが、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資法人の上場が廃止されます。本投資証券の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資証券の東京証券取引所における売却が困難若しくは不可能となった場合には、投資主は、本投資証券を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があります。
さらに、将来の不動産投資信託の市場規模や本投資証券がどの程度活発に取引されるかを予測することはできません。
また、投資法人債は一般に上場されないことから、流動性が低く、希望する時期や価格で売却することができず、その償還期限前に換金することが困難となる可能性があり、これにより本投資法人債の債権者(以下「本投資法人債権者」といいます。)が損害を被る可能性があります。
(ホ)本投資証券又は本投資法人債の価格変動に関するリスク
本投資証券の市場価格は、取引所における需給関係や、不動産関連資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、証券市場の状況、金利情勢、経済情勢等様々な要因の影響を受けます。また、地震等の天災その他の事象を契機として、不動産への投資とそれ以外の資産への投資との比較により、不動産投資信託全般の需給が崩れる可能性があります。新型コロナウイルス感染症については、2023年5月8日付で感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号、その後の改正を含みます。)上の分類が、新型インフルエンザ等感染症から季節性インフルエンザと同程度の五類感染症に引き下げられ、国内外の景況感は回復に向かいつつありますが、今後の状況によっては、再び経済活動の抑制が生じる可能性も否定はできず、その結果、金融商品市場や本投資証券の市場価格に更に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、本投資法人債についても、金利情勢や不動産市場その他の経済情勢、信用格付の変更等によりその価値が変動し、取得価格を下回るおそれがあります。
また、東京証券取引所の不動産投資信託証券市場の将来的な規模及び同市場における流動性の不確実性、法制や税制の変更等が本投資証券の価格形成や本投資法人債の価値に影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び本投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としており、かかる資金の手当てを目的として投資口を随時追加発行する予定です。投資口が追加発行された場合、その規模によっては、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口総数に対する割合が大幅に希薄化する可能性があります。また、営業期間中において追加発行された投資口に対して、その期の保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配が行われるため、既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額や市場における需給バランスが影響を受けることがあります。
(ト)本投資法人債の償還・利払いに関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるおそれがあります。
(チ)有利子負債比率に関するリスク
本投資法人の有利子負債比率は、本資産運用会社の運用ガイドラインにより60%を上限の目処としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。一般的に、有利子負債比率の値が高まるほど、分配可能金額が金利変動の影響を受けやすくなり、その結果投資主への分配額が減少する可能性があります。
(リ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、いかなる場合においても保証されるものではありません。
本投資法人は、ポートフォリオ収益の安定性及び成長性の向上並びに借入コストの一層の低減を図っていますが、今後の運用資産の異動、テナントの異動等に伴う賃料収入の変動又は予期せぬ修繕の発生を含む種々の要因により、利益及び分配金水準の維持・向上を実現できるとの保証はありません。他方、本投資法人は、中期的な観点で従来からの分配金水準維持の安定性を高めるため、当該水準を維持した上で当期純利益のうち一部を分配準備積立金等として留保することがあります。このような場合、分配金水準は安定的に維持される一方、1口当たり純利益の増加に拘わらず、1口当たり分配金は増加しないこととなり、利回りが低下することとなる結果、投資口の市場価格がかかる方針が採用されない場合に比べ低くなる可能性があります。
また、本投資法人は、前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載のとおり、一時的な利益超過分配を実施することがありますが、利益を超えた金銭の分配は、出資の払戻しに相当するため、利益を超えた金銭の分配が実施された場合、本投資法人の純資産は減少することになります。また、これにより手元資金が減少することとなるため、想定外の事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出を行う必要が生じた場合などに手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得にあたり資金面での制約となる可能性があります。さらに、本投資法人は、投資口の希薄化又は多額の費用計上等により、1口当たり分配金額が一時的に減少することが見込まれる場合に、当該資産の取得や資金調達等の効果が通期で寄与したものと仮定した場合の1口当たり分配金額を基準として分配金を平準化するために、利益を超えた金銭の分配を行うことができる旨の分配方針を採用していますが、かかる一時的な利益超過分配を実施する保証はなく、投資口の希薄化や多額の費用計上等により1口当たり分配金の額が減少する可能性があります。
(ヌ)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法のもとで投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合、登録を取消される可能性があります(投信法第216条)。その場合、本投資法人の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続に入ることになります。
(ル)本投資法人の倒産リスク
本投資法人は、一般の法人と同様に、その資産を超える負債を有する状態となる可能性があります。本投資法人は現行法上の倒産手続として破産法(平成16年法律第75号、その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)、民事再生法(平成11年法律第225号、その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)及び投信法上の特別清算手続に服します。本投資法人におけるこれらの法的倒産手続により、投資主又は本投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(イ)収入及び支出、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として投資対象不動産からの賃料収入及び運営委託による不動産運用収入に依存しています。投資対象不動産に係る投資対象不動産の稼働率の低下、賃料水準の低下、テナントによる賃料の支払債務の履行遅滞・不履行、ホテル事業の不振による運営委託による不動産運用収入の減少等により大きく減少する可能性があります。当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料や運営委託契約に基づく運営委託料が、一般的な賃料・運営委託料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
また、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、多額の資本的支出、未稼働(又は低稼働)の投資対象不動産の取得等による支出の増加は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、投資主への分配金額又は投資法人債権者への償還若しくは利払いに悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、投資対象不動産の売却により収入が発生することがありますが、かかる収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針や不動産市場の環境等に左右されるものであって、安定的に得られる性格のものではありません。また投資対象不動産に関する費用としては、減価償却費、公租公課、保険料、管理組合費、水道光熱費、清掃委託費用、警備委託費用、設備管理委託費用、造作買取費用、修繕費等があります。かかる費用の額は、個々の投資対象不動産によって異なる上、投資対象不動産の状況のみならず市況その他の一般的な状況によっても増大する可能性があります。
このように、投資対象不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、投資対象不動産に関する費用が増大する可能性があり、これらの双方又は一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額又は投資法人債権者への償還若しくは利払い等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)借入れ及び本投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に適格機関投資家からの借入れ及び本投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。本投資法人は規約において、借入金及び本投資法人債発行の限度額をそれぞれ5,000億円を上限とし、かつ、その合計額が5,000億円を超えないものとしています。
借入れ及び本投資法人債の発行の可能性及び条件は、金利情勢、本投資法人債に係る信用格付その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件で借入れ及び本投資法人債の発行を行うことができるという保証はありません。また、借入れ及び本投資法人債の金利は、借入れ時及び本投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合、その後の市場動向にも左右されます。市場金利が上昇した場合、本投資法人の利払額が増加し、分配可能金額が減少する可能性があります。税法上の利益配当の損金算入要件のうち、投資法人による借入金の借入先を適格機関投資家に限定するという要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。追加の借入れを行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入れができなくなる可能性もあります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は本投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は本投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、規約の変更が制限される場合もあります。このような場合、本投資法人の運営に支障をもたらすほか、分配金額に重大な悪影響を及ぼす場合があります。また、金銭の借入れ又は本投資法人債の発行に関連して、既に担保が設定されている運用資産の場合、又は今後運用資産に担保を設定した場合(当初無担保であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が当該担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できないか又は希望する価格で売却できない可能性があります。
また、収益の悪化等により運用資産の評価額が借入先によって引き下げられた場合、又は他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに投資対象不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換え資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より運用資産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人が、本投資法人の資産の売却により借入資金の期限前返済を行う場合にも、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により投資主又は本投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、運用資産を処分しなければ借入れ及び本投資法人債の返済ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、運用資産の処分を余儀なくされる場合には、運用資産の処分による売却損により本投資法人の財務状況に悪影響を及ぼす可能性があるほか、必要な時期に運用資産を売却することができず、借入れの返済が困難となる可能性があります。
本投資法人の借入れには、貸付人の保全措置の一環として、他の債務のための担保提供の制限、本投資法人の収益状況や財務状況(有利子負債比率(LTV)及び元利金支払能力を判定する指標(DSCR)に係る財務制限条項を含みます。)が一定の条件を下回った場合における担保の提供及びキャッシュリザーブ積立額の付加、資産売却の制限、追加借入制限その他本投資法人の収益状況や財務状態及び業務に係る約束や制限が課されています。このような約束や制限が本投資法人の運営に支障をもたらし、又は投資主に対する金銭の分配額又は投資法人債権者への償還若しくは利払い等に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、これらに違反した場合、本投資法人は借入金について期限の利益を失うことがあります。
本投資法人が借入れ又は本投資法人債について債務不履行となった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の強制執行が行われることがあるとともに、破産等の倒産手続の申立が行われる可能性があります。
(ハ)本投資法人の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者にそれぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はありません。資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき、投信法上の投資法人からの受任者として、善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)及び法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っていますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者のそれぞれが、破産手続、再生手続又は更生手続その他の倒産手続等により業務遂行能力を喪失する可能性があるほか、本投資法人によるそれらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあります。さらに一定の場合には、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。このような場合に新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、速やかに選任できない場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、場合によっては、本投資証券が上場廃止になる可能性もあります。
前記「1 投資法人の概況(1)主要な経営指標等の推移 b.事業の状況 ① 当期の概況(イ)投資法人の主な推移」記載のとおり、本投資法人は、2011年12月期よりフォートレス・グループからのスポンサー支援を受けています。本投資法人は、本投資法人独自の各戦略・リサーチ・分析等に加え、フォートレス・グループのサポートも得ることにより本投資法人の投資主価値の向上を目指しますが、フォートレス・グループから必要なサポートを十分に受けられない場合その他の理由により、企図している成長戦略が実現できる保証はありません。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である信託受益権に関する信託受託者から委託を受けている業者として、プロパティ・マネジメント会社、建物管理会社等があります。本投資法人の収益性向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウによるところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも維持できるとの保証はありません。また、これらの者について業務の懈怠その他義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、プロパティ・マネジメント会社、建物管理会社等が、破産又はその他の法的倒産手続等により業務執行能力を喪失する場合においては、当該不動産の管理状況が悪化し、本投資法人が損失を被るおそれがあります。ホテルにおいては、不動産の保守管理、転借人の管理等の業務についてホテル賃借人、オペレーター、アセット・マネージャー又はホテル運営支援会社等に大きく依存することがあり、このような場合に、これらの関係者が何らかの理由により適切な管理を行えなくなった場合、本投資法人の収益や運用資産であるホテルの資産価値等に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、本資産運用会社は、2015年6月3日付で、フォートレス・グループの関係法人との間で、物件情報の提供、並びに人材確保に関する協力、各種アドバイザリー業務の提供及び不動産等の売買・賃貸マーケット等に関する情報交換等を内容とするスポンサー・サポート契約を締結しましたが、実際にいかなる物件情報が提供されるか及び本投資法人が情報提供を受けた資産を取得するかは、当該フォートレス・グループの裁量及び市場状況、情報提供後の交渉等によりますので、本投資法人が期待するサポートが得られる保証はありません。また、スポンサー・サポート契約による人材確保に関する協力、各種アドバイザリー業務の提供及び不動産等の売買・賃貸マーケット等に関する情報交換等により、本投資法人の資産運用につき一定の成果が上がるとの保証はありません。また、本海外ホテルへの投資に際し、本資産運用会社は、本海外ホテルを2014年及び2015年に取得しその後運用してきたフォートレス・グループの関係法人(Fortress Credit Advisors LLC)との間でアドバイザリー契約を締結し、本海外ホテルの運営に関連するマーケット情報の収集やこれを踏まえた本海外ホテルの運営に係る分析、ノウハウの提供等につき助言等のサポートを受けていますが、かかるサポートが本資産運用会社の意図する効果を十分に発揮する保証はありません。
また、本投資法人が保有するホテル物件のうちの多くの運営(本書の日付現在保有するホテル物件91物件(シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(優先出資証券)は除きます。)中79物件)は、MHM又はその子会社の運営に委ねられていますが、MHM又はその子会社が期待通りの運用成績を実現できる保証はなく、また、何らかの理由でホテル運営をMHM又はその子会社以外の第三者に委託する必要が生じた場合には、円滑にホテル運営の移管がなされる保証はなく、また、MHM又はその子会社と同等以上の運営を期待できる代替テナントを確保できる保証もないため、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2023年5月23日付で、ソフトバンクグループは、2024年第1四半期中に、その保有するFortress CIM Holdings L.P.の間接親会社に対する出資持分を、アラブ首長国連邦アブダビに本店を有する政府系投資家であるムバダラ・インベストメント・カンパニーの資産運用子会社であるムバダラ・キャピタル等に売却することに合意した旨を公表しています。当該取引の実行により、ソフトバンクグループは、本資産運用会社の特定関係法人(親会社)に該当しなくなります。当該取引の実行後、FIGは「フォートレス」ブランドのもと独立した投資運用会社として、投資プロセス及び投資判断、人員及び業務に関し完全な自治をもってその事業を継続し、また、Fortress CIM Holdings L.P.、フォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社及びその関係法人は、引き続きスポンサーとして、本投資法人及び本資産運用会社に対するサポートを継続しますが、今後、FIG及びフォートレス・グループによるサポートの内容や程度等に変更が生じた場合には、本投資法人の成長戦略の実現や本投資法人の資産運用に影響を及ぼす可能性があります。また、フォートレス・グループの関係法人による本投資法人の投資口保有比率は、2018年4月18日付で行われた本投資法人の投資口の一部の売却等の結果、本書の日付現在1.8%まで減少しています。本投資法人はフォートレス・グループから当該投資口売却後も本投資法人及び本資産運用会社に対するサポートを継続する旨、及び本資産運用会社に対する人的サポートにも何ら変更は生じない旨の通知を受けています。しかしながら、フォートレス・グループの関係法人による投資口保有比率の減少が、今後のフォートレス・グループとの関係又はスポンサー・サポートの継続やその内容に影響を及ぼす可能性は否定できません。
(ニ)役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表し、その業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、善管注意義務及び忠実義務を負っていますが、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務及び忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主又は本投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
(ホ)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
投信法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用にかかる業務を遂行することが義務付けられているほか、資産運用会社の利害関係人等の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことが明示的に禁止されています。
しかしながら、資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性を否定できません。
また、利害関係人等は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、FIGを含む利害関係人等は、自ら不動産投資、運用業務を行っており又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行っており又は将来行う可能性があります。そのため、第一に、資産運用会社が、利害関係人等に有利な条件で、本投資法人に係る資産を取得させたり、当該取得した資産の管理を利害関係人等に不合理に有利な条件で委ねたりすることにより、利害関係人等の利益を図る可能性があり、第二に、本投資法人と利害関係人等が特定の資産の取得若しくは処分又は特定の資産の賃貸借若しくは管理委託に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、利害関係人等又はその顧客の利益を優先し、その結果本投資法人の利益を害することとなるおそれがあります。
なお、本資産運用会社は、アフォーダブル住宅(低廉で包括的な住宅)(注1)特化型の投資法人(以下「新投資法人」といいます。)の組成に向けた検討及び準備を行うため、2023年6月1日付で新投資法人準備室を設置しています。アフォーダブル住宅の賃料帯は、本投資法人が現在保有し又は今後投資することが想定される賃貸住宅の賃料帯と大きく異なることから、実質的に投資対象が競合するおそれは低いと考えられるものの、現時点で新投資法人の設立、組成及び投資方針の詳細等はいずれも未定であり、本投資法人の規約及び運用ガイドライン上の投資対象と一部競合が生じる可能性があります。
本資産運用会社においては、新投資法人の組成に向けた検討及び準備を進めるに際し、各投資法人の賃貸住宅に係る投資対象の明確化及び(必要に応じて)取得検討機会の恣意的な配分による利益相反回避のためのローテーション・ルールの設定等を検討する予定ですが、その具体的な内容は確定しておらず、投資対象の競合を完全に排除できるかは本書の日付現在必ずしも明らかではありません。本投資法人と新投資法人との間で投資対象の競合が生じた場合には、本投資法人による取得機会の減少等により本投資法人の利益が害されるおそれがあります。
(注1)一般に「アフォーダブル住宅」とは、中低所得者にとって手頃な価格であるとみなされる住宅です。本資産運用会社では、「アフォーダブル住宅」をより広く「低廉で包括的な住宅」と定義しています。「低廉」とは、家賃と初期費用が低廉であることを意味し、「包括的」とは、高齢者、外国人労働者、ひとり親家庭など、幅広い入居希望者に機会を提供することを意味します。
(ヘ)インサイダー取引規制等に関するリスク
投資法人の発行する投資口及び本投資法人債は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象となっています。当該規制においては、発行者である投資法人の役員だけでなく、資産運用会社及びその特定関係法人(資産運用会社の親会社及び投信法第201条第1項に規定する資産運用会社の利害関係人等のうち一定の基準を満たす取引を行い、又は行った法人)の役職員が会社関係者として上記規制の対象者に含まれるとともに、投資法人及び資産運用会社に関連する事実が重要事実として規定されており、本投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらすおそれがあります。
(ト)敷金・保証金の利用に関するリスク
本投資法人は、投資対象不動産の賃借人が賃貸人に対し無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を投資資金として利用する場合があります。しかし、そのような場合で賃貸借契約の中途解約により想定外の時期に敷金又は保証金の返還義務が生じた場合には、本投資法人は、敷金又は保証金の返還資金をそれらよりも調達コストの高い借入れ等により調達せざるを得なくなる場合もあります。また、敷金又は保証金の投資運用が失敗に終わり損失が生じる可能性もあります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を得ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
③ 不動産に関するリスク
(イ)不動産の流動性に関するリスク
不動産の構成要素として不可欠である土地は他の一般の諸財と異なり、地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等の特徴を有しています。これらの特徴のために、不動産は一般的に、市場性を有する有価証券等の金融資産等に比べ流動性が低い資産として認識されています。
また不動産の現実の取引価格等は、取引等の必要に応じて個別的に形成されるのが通常であり、しかも経済環境、不動産需給状態等のみならず個別的な事情等によっても左右されるものであるため、本投資法人が希望する時期・条件で不動産を取得又は売却できない可能性があり、借入金の返済のために保有資産の売却を余儀なくされる場合には、大幅な売却損が発生する可能性があるほか、保有資産の売却により借入金の返済資金を調達することも困難となる可能性があります。
さらに、対象不動産が共有の場合、区分所有建物の場合、又は土地と建物が別個の所有者に属する場合等権利関係の態様によっては、流動性等に関するリスクが増大することがあります。
これらの結果、本投資法人の投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行う方針ですが、不動産投資信託その他のファンド及び投資家等による不動産に対する投資が活発化した場合には、不動産の取得競争が激化し、物件取得ができない可能性又は投資採算の観点から希望した価格で取引を行えない可能性等があります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。
(ハ)テナント獲得競争に関するリスク
近隣地域又は同一需給圏内において、競合する不動産の新築、リニューアル等が行われることにより、テナント獲得競争が激化し、賃料引下げや稼働率の低下等を余儀なくされ、本投資法人の収益が悪化する可能性があります。
(ニ)不動産の瑕疵及び契約不適合に関するリスク
一般に不動産には、地質、地盤、建物の杭や梁等の構造、材質等に関して欠陥、瑕疵(免震装置や制震装置を含む建物の素材の強度・機能の不具合、基準への不適合を含みます。)等が存在している可能性や、種類、品質若しくは数量に関して契約の内容に適合しない状態(以下そのような状態を「契約不適合」といいます。)等が存在する可能性があります。そこで本投資法人が、不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等により思わぬ損害を被ることがないよう、本資産運用会社が不動産又は信託受益権の選定・取得の判断を行うにあたっては、当該物件について利害関係のない専門業者から建物状況調査報告書等を取得するなどの物件精査を行うとともに、原則として当該物件の売主から譲渡時点における一定の表明及び保証を取得し、状況に応じては、担保責任を負担させることとしています。
しかし、建物状況調査報告書等の作成に係る専門業者による調査においては、所有権移転時期との関係から調査可能な範囲が限定されたり、時間的制約や収集可能な資料等に一定の限界があり、完全な報告が行われているとは限りません。また、一般的に、建物の施工を請負った建築会社又はその下請け業者において、建物が適正に施工されない場合や施工報告書において施工データの転用・加筆がなされている場合もありえ、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、建築基準法等の求める安全性又は構造耐力等を有するとの保証はありませんし、不動産に想定し得ない隠れた欠陥・瑕疵又は契約不適合等が取得後に判明するおそれもあります。そして、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負うべき不動産の売主又は建物の建築請負人等が倒産した場合、事実上、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任の追及が困難になります。また、不動産又は信託受益権の売主の表明及び保証の内容が真実かつ正確であるとは限らず、瑕疵担保責任及び契約不適合による担保責任の期間及び責任額も一定範囲に限定されるのが通例です。加えて、当該不動産の売主との間で、契約上、瑕疵担保責任及び契約不適合による担保責任を制限する、又はこれを負担しない旨の特約がなされる場合もあります。
また、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)による民法改正(以下「民法改正」といい、民法改正前の民法を「旧民法」といいます。)の施行日である2020年4月1日より前に締結された不動産の売買においては、旧民法の規定が適用され(民法改正法附則第34条第1項等)、特約で排除されていない限り、その対象となる不動産に隠れた瑕疵があった場合には、売主は、旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負うことになります。買主は、瑕疵があることを知った日から1年以内に解除権又は損害賠償請求権の行使をすることができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、不動産に係る物理的、法的な瑕疵があり、それが隠れたものである場合には、上記に従い、本投資法人は売主に対して瑕疵担保責任を追及することができますが、かかる期間制限を超えて瑕疵担保責任を追及することはできません。また、本投資法人が売主となる場合、瑕疵担保責任を追及されるおそれがあります。
他方で、民法改正法の施行日である2020年4月1日以後に締結された不動産の売買においては、民法改正後の民法の規定が適用され、その対象となる不動産が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負うことになります。買主は、契約不適合を知った時から1年以内に、売主に対して契約不適合であることについて通知をした場合、責任を追及することができ、また、売主が不動産の引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときには、かかる期間制限なく、契約不適合による担保責任を追及することができます。買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものである場合を除き、責任の追及として、契約不適合が売主の責めに帰すべき事由によるものであるか否かを問わず、履行の追完請求権や代金減額請求権を行使することができます。また、買主は、不履行の程度が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときを除き、契約を解除することができます。さらに、買主は、契約不適合について売主の責めに帰すべき事由がある場合、履行利益も含み得る損害賠償責任を追及することができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、上記に従い、本投資法人は売主に対して契約不適合による担保責任を追及することができますが、上記一定の場合を除き期間制限を超えて責任を追及することはできません。
さらに、本投資法人が買主であるときに、売主がSPC(特別目的会社)である等売主の資力が十分でない場合や売主が清算又は倒産した場合等、実際には売主に対して瑕疵担保責任、契約不適合による担保責任又は売買契約等の違反による責任を追及することにより損害の回避又は回復を図ることができない場合があります。また、個別の事情により、売買契約上売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する期間又は補償金額を限定し、又はこれを全く負わない旨の特約をすることがあります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅建業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、旧民法上の瑕疵担保責任又は民法上の契約不適合の担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
さらに、不動産をめぐる権利義務関係の複雑性や、不動産登記には公信力が認められていないために、本投資法人が取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。また、不動産の売主又はその前所有者が、当該不動産売買契約を締結し、かつこれを履行するにあたり、会社法、会社法施行による改正前の商法(明治32年法律第48号、その後の改正を含みます。以下「商法」といいます。)又は会社法施行による廃止前の有限会社法(昭和13年法律第74号、その後の改正を含みます。以下「有限会社法」といいます。)により必要とされる社内の授権手続(当該不動産売買契約締結時に有効であった商法又は有限会社法による事後設立手続を含みます。)について適式に完了していないこと等が後になって判明する可能性があります。加えて、投資不動産を取得するまでの時間的制約等から隣接地権者との間で境界確認ができない、若しくは境界確定同意が得られない場合、又は隣地から当該土地に建物等の一部が越境している、若しくは当該建物等の一部が隣地に越境している場合も考えられ、状況によっては、係争に発展し、権利面積の減少、損害賠償責任の負担等を余儀なくされる可能性があります。
その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ホ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
不動産のうち建物は、建築基準法等の建築関係法令の規定に服しますが、物件取得後の建築基準法等の改正により変更後の規制のもとで投資対象不動産が不適格(いわゆる既存不適格建物)となる可能性、又は取得時において既存不適格建物である場合があります。この場合、建物の建替え等を行う場合には、現行の規定に合致するよう、追加的費用等の負担が必要となる恐れがあります。
その他、不動産に係る様々な行政法規や各地方公共団体の条例による規制が投資対象不動産に適用される可能性があります。条例による規制の例として、住宅付置義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務等が挙げられます。このような義務が課せられた場合、投資対象不動産を処分するときや建替え等を行うときに、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な負担が生じたりするおそれがあります。
さらに、投資対象不動産を含む地域が道路整備、公共施設設置等都市計画等の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し、将来不動産の建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
また、環境保護を目的とする法令等の規制により、投資対象不動産について、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。加えて、消防法その他不動産の建築・管理・運営に影響する関係法令や条例の改正等により、投資対象不動産の管理費用等が増加する可能性があります。
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事を実施したり、排出権などを取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。また、都市計画法、建築基準法等の不動産に関する行政法規の改正、新たな法令等の制定及びその改廃、又は、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。この場合、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
また、シニア物件に関しては、有料老人ホームの運営は各都道府県の監督下にあり、サービス付き高齢者向け住宅についての認定を維持するためには財団法人高齢者住宅財団の設定する基準を満たす必要があります。これらの監督機関におけるシニア物件の監督方針の変更や要求される基準の変更又はその解釈若しくは適用の変更によっては、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ヘ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物及びその敷地とは、建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号、その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)第2条第3項に規定する専有部分(居室等)並びに当該専有部分に係る同条第4項に規定する共用部分の共有持分(エントランス部分等)及び同条第6項に規定する敷地利用権をいいます。
不動産が区分所有建物である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められた管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更することができず(区分所有法第31条第1項)、また建替決議等をする場合には更なる多数決要件が加重されています。本投資法人が決議要件以上の議決権を有していない場合には、区分所有建物の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
また、区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができるため、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。この場合、新区分所有者の資力、属性、使用収益の状況等の如何によっては、投資対象不動産の価値や収益が減少する可能性があります。この点に関し、管理規約等において区分所有者が専有部分(共用部分の共有持分及び敷地利用権を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合には、本投資法人の知らない間に他の区分所有者が現れるリスクは減少しますが、本投資法人が専有部分を処分する場合に制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。
その結果、本投資法人の投資対象不動産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
さらに、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立を履行しない場合、本投資法人が影響を受ける場合があります。
なお、区分所有法は、原則として、専有部分と敷地利用権を分離して処分することを禁止し(区分所有法第22条)、不動産登記法(平成16年法律第123号、その後の改正を含みます。)には、「敷地権の登記」の制度が用意されています。したがって、敷地権の登記がされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権だけが分離されて処理されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません。その結果、専有部分のみ、又は敷地利用権のみを有する所有者が出現する可能性等があります。そのような場合には、区分所有者と敷地の権利関係が複雑になり、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(ト)共有物件に関するリスク
投資対象不動産が第三者との間で共有されている場合、単独で所有している場合に比べ、法的に様々な側面で制約を受けるとともに、種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有物の変更に当たる行為には原則として共有者全員の合意を要し(民法第251条第1項)、変更に当たらない管理は共有者の持分の過半数で決定するものとされています(民法第252条第1項)。したがって、特に本投資法人が持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条第1項)、他の共有者による権利行使によって、本投資法人の投資対象不動産の利用が妨げられる可能性があります。
共有者は、自己の共有持分を自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。この場合、新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、投資対象不動産の価値や収益に影響を与える可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、共有者が共有持分を処分する場合に他の共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人の知らない間に他の共有者が変動するリスクは減少しますが、本投資法人がその共有持分を処分する際に制約を受けることになります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は共有物を希望する時期及び条件で売却できないおそれがあります。
また、不動産を共有する場合、他の共有者から共有物の分割請求(民法第256条第1項)を受ける可能性があります。分割請求が権利の濫用等として排斥されない場合で、現物による分割等が不可能である場合又は著しくその価値を損なうおそれのある場合は、本投資法人の意向にかかわらず、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第3項)。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが、合意の有効期間は5年以内とされています(民法第256条第1項但書)。しかも、不動産に関する不分割特約は、その旨の登記をしなければ当該不動産の共有持分の譲受人等第三者に対抗できません。また、共有者が破産し、又は会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合は、特約があっても、管財人等は分割の請求をすることができます。但し、共有者は、破産手続、会社更生手続又は民事再生手続の対象となったほかの共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号、その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法第48条)。
共有不動産を賃貸に供する場合、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されています。したがって、本投資法人は、他の共有者の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押さえられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。
(チ)借地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権付建物に投資することがあります。ここで借地権とは、借地借家法(平成3年法律第90号、その後の改正を含みます。また、廃止前の借家法(大正10年法律第50号、その後の改正を含みます。)及び借地法(大正10年法律第49号、その後の改正を含みます。以下「借地法」といいます。)を含みます。以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)をいい、借地権付建物とは、借地権を権原とする建物が存する場合における当該建物及び借地権をいいます。借地権付建物は、土地建物ともに所有権を有する場合に比べて特有のリスクがあります。
借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)、又は期限到来時に借地権設定者が正当事由をもって更新を拒絶した場合(普通借地権)に消滅します。このほか借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により消滅する可能性もあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権(借地借家法第13条、借地法第4条第2項)が確保されている場合を除き、借地上に存する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。仮に建物買取請求権が認められても、本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が速やかに得られる保証はなく、仮に承諾を得られたとしても承諾料の支払を要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金・保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金・保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
(リ)不動産の鑑定評価等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまります。同じ物件について鑑定を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査方法若しくは時期によっては、鑑定評価額や調査価格が異なる可能性があります。また、かかる鑑定及び価格調査の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても当該鑑定評価額又は当該調査価格をもって売却されるとは限りません。
また、本投資法人が海外不動産に投資するに際しては、国土交通省の定める「海外不動産鑑定評価ガイドライン」(2008年1月25日策定)に沿って、現地鑑定補助方式(現地鑑定人に、鑑定評価を行うために必要となる基礎資料等の収集・提供その他の不動産鑑定士が行う鑑定評価の補助作業(現地鑑定補助作業)を依頼し、不動産鑑定士が現地鑑定補助作業に係る役務の提供を受けて鑑定評価を行う方式)又は現地鑑定検証方式(現地鑑定人に、鑑定評価の報告を依頼し、現地鑑定人が行った鑑定評価を不動産鑑定士が検証することにより鑑定評価を行う方式)による鑑定評価を取得しますが、かかる鑑定評価は、現地鑑定人との連携・共同作業や、不動産鑑定士による現地の不動産市場動向及び鑑定評価基準に対する十分な理解を前提とするものであり、これらが不十分であった場合には、適正な評価が得られない可能性があります。
(ヌ)不動産の賃貸借契約に関するリスク
日本におけるオフィスビル及び居住用不動産の賃貸借契約では、その契約期間は2年が一般的であり、契約期間満了後に契約が更新される保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、賃借人が一定期間前の通知を行うことにより契約を解約できることとされている場合も多く見られます。賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合、すぐに新たな賃借人が入居する保証はなく、賃料収入が減少する可能性があります。なお、賃貸借契約において契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金について規定することがありますが、かかる規定が場合によっては裁判所により無効とされ又は一部減額される可能性があります(定期賃貸借契約の場合も含みます。)。
これに対し、不動産の賃貸人からの賃貸借契約の解除及び更新拒絶は、正当事由が認められる等の特段の事情がある場合を除いて困難であることが多いのが実情です。
定期賃貸借契約においては、賃借人の賃料減額請求権を契約で排除することが可能です。また、定期賃貸借契約の有効期間中は、契約中に定められた賃料を賃借人に対して請求できるのが原則です。しかし、定期賃貸借契約において賃借人が早期解約した場合、残存期間全体についての賃借人に対する賃料請求が場合によっては認められない可能性があります。また、定期賃貸借契約において契約期間中の賃料改定を行わない旨の契約がなされた場合、一般的な賃料水準に対する当該定期賃貸借契約の賃料が相対的に低下する可能性があります。
(ル)賃料の減額に関するリスク
投資対象不動産の賃借人が支払うべき賃料は、賃貸借契約の更新時であるか、契約期間中であるかを問わず、その時々における賃料相場等を参考にして賃借人との協議により減額される可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の感染状況等によっては、賃借人からの賃料減額請求により賃料減額を余儀なくされる可能性もあります。さらに賃借人が賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を行使する可能性もあります。
また、本投資法人が賃貸している投資対象不動産を賃借人が転貸している場合には、転貸条件が賃貸条件と同一である保証はなく、何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約を有することとなったとき、低額の賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。
(ヲ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、水道光熱費等の高騰、不動産管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
(ワ)テナントの建物使用態様に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントが建物の変更工事、内装の変更等を行ったり、道路上に建物の造作を越境させたりすることにより、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となる場合があります。このような場合には、本来、テナントが違反状態を解消する義務を負いますが、事情によっては、本投資法人がその改善のための費用を負担する可能性があります。
また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、テナントによる転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の承諾なく行われる可能性があります。さらに、テナントにより風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号、その後の改正を含みます。)に定める風俗営業が開始されたり、反社会的勢力により不動産が占有される可能性があります。このような場合には、建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(カ)建物の毀損、滅失及び劣化に関するリスク
突発的な事故、火災、地震、津波、大雨、洪水、又は落雷等の天災地変によって、建物が毀損、滅失又は劣化し、その価値が消滅又は減少する可能性があります。このような場合には、毀損、滅失又は劣化した個所を修復するため一定期間建物が不稼働を余儀なくされることにより、賃料水準が低下し又は当該不動産の価値が下落する可能性があります。また、民法改正後の民法においては、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情がある場合、賃借人が修繕権を持つものとされています。かかる修繕権を、賃貸借契約上特約で排除していない場合、予期しない金額で賃借人が賃貸人のコントロールの及ばない修繕を行うおそれがあり、かかる費用の請求を受けるおそれがあります。
但し、本投資法人は、火災・水害等による損害を補償する火災保険又は賠償責任保険等を付保する方針であり、このような複数の保険を付保することによって、災害等が発生した場合にも、かかる保険による保険期間及び保険金の範囲内において、原状回復措置が期待できます。このような付保方針は、災害等の影響と保険料負担を比較衡量して決定します。また、本投資法人は、地震により生じる建物の損害や収益の大幅な減少に対応するため、地震PML値を基準に予想される損害と保険料等を比較衡量の上、地震保険の付保を検討するものとします。しかし、対象不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる保険金の限度額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅延する場合には、本投資法人は著しい悪影響を受ける可能性があります。
保険金が支払われた場合であっても、行政法規その他の理由により当該不動産を災害等の発生前の状態に回復させることができない場合があります。
また、東日本大震災のような大規模な地震や津波が発生した場合、投資不動産の所在地の周辺地域経済が大きな影響を受け、当該投資不動産の収益性が大幅に低下する可能性があります。
(ヨ)不動産に係る所有者責任に関するリスク
土地の工作物(建物を含みます。)の設置又は保存に瑕疵があり、そのために第三者に損害を与えた場合には、第一次的にはその占有者、そしてその占有者が損害の発生を防止するに必要な注意を行っていた場合には、その所有者が損害の賠償責任を負うとされ、この所有者の義務は無過失責任とされています(民法第717条)。したがって、本投資法人の投資不動産の設置又は保存に瑕疵があり、それを原因として、第三者に損害を与えた場合には、直接又は不動産信託受託者を通じて間接的に、本投資法人が損害賠償義務を負担するおそれがあります。
本投資法人は、投資不動産に関し、賠償責任保険その他の適切な保険を付保する方針ですが、保険契約に基づいて支払われる保険金の限度額を上回る損害が発生しないとの保証はなく、また、保険事故が発生した場合に常に十分な金額の保険金が適時に支払われるとの保証はありません。
(タ)有害物質又は放射能汚染等に関するリスク
投資不動産に係る土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている場合、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となり、予想外の費用や時間が必要になる可能性があります。また、投資不動産に係る建物にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されているか、若しくは使用されている可能性がある場合又はPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の交換や、保管・撤去費用等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、投資不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
また、原子力発電所の事故等により、投資不動産又はその所在地周辺が放射能汚染を受けた場合にはその価値が消滅又は大幅に減少する可能性や、長期間建物が不稼働を余儀なくされること等により、賃料収入が減少し又は当該不動産の価値が下落する可能性があります。
(レ)投資対象不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、投資不動産が、一定の用途又は地域に偏在しているため、当該地域における地震その他の災害、市況低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
一般に、資産総額に占める割合が大きい投資不動産に関して上記リスクが発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に顕著な影響を与えます。
(ソ)テナントの集中に関するリスク
不動産が一又は少数のテナントに賃貸される場合は、マスターリース、とりわけ固定賃料型の場合も含めて、特定のテナントの退去、支払能力の悪化、利用状況その他の事情により、当該不動産の収益が大きく影響を受ける可能性があります。さらに、かかるテナントが退去する場合には、敷金等の返還のために一度に多額の資金を要し、また大きな面積の空室が生じ当該不動産の収益が急激に悪化することがあるとともに、新テナントを誘致するのに時間を要し、かつ、場合によってはテナントに有利な条件での契約を求められ、本投資法人の収益が悪影響を受けるおそれがあります。
(ツ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般的に、不動産を売却した後にその売主が倒産手続に入った場合、当該不動産の売買が管財人により否認されることがあります。また、債務超過の状況にあるなど財務状態が健全でない売主が不動産を売却した場合に当該不動産の売買が当該売主の債権者により詐害行為として取消されることがあります(いわゆる否認及び詐害行為のリスク)。さらに、当該取引を担保取引であると法的に性格付けることにより、当該不動産は破産者である売主の破産財団を構成し、又は更生会社若しくは民事再生債務者である売主の財産に属するとみなされることがあります(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)。本投資法人は、取得する不動産について、売主等についての信用状況や諸般の事情等を慎重に調査し、可能な限りかかるリスクを回避するよう努める予定ですが、このリスクを完全に排除することは困難です。
(ネ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、開発中の不動産への投資を原則としては行いませんが、建物竣工後のテナントが確保されており、完工・引渡し及びテナント入居に関するリスクが軽微であると判断する場合、建物竣工後の取得を条件に取得のための契約を締結できるものとしています。この場合、予期せぬ事情により開発が遅延、変更又は中止され、売買契約通りの引渡しを受けられない可能性があり、その結果本投資法人の収益等が重大な悪影響を受ける可能性があります。
また、本投資法人は、本投資法人の保有資産のうち英領ケイマン諸島に所在するホテルについて、ホテルの建物や駐車場の増改築工事(以下「本増改築」といいます。)を検討しており、現地当局の許認可取得に向けて準備を進めていますが、本書の日付現在、工事の実施及びその開始時期については決定するに至っていません。今後、本増改築の工事が開始したとしても、本増改築は、不動産の開発にかかる各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク並びに大規模な自然災害発生リスク等)を伴い、需給その他の経済環境の変化、ケイマン諸島における建築関連法制等の改正、地中埋設物等の発見、土壌汚染の存在、近隣との紛争の発生、ハリケーンなどの自然災害その他様々な事由により、本増改築が遅延し、計画の変更や追加の費用負担を余儀なくされ、又は中止される可能性があります。本投資法人は適切な工事監理者、プロジェクトマネージャーその他の関係者を選定することや保険の活用等によりこれらのリスクを極小化する方針ですが、これらのリスクが顕在化した場合、本投資法人は、予定どおりに本増改築を実施・完了できない可能性があります。本増改築の実施期間中は、既存ホテルの客室等について一部稼働が中止となるため、ホテル営業収入の減少による運営委託収入の減少が見込まれています。また、本増改築により、中長期的には十分なホテル営業収入の向上を見込んでいるものの、本増改築後に得られるホテル営業収入は、需給の状況その他の経済環境の影響を受けることから、期待どおりの収益を得られない可能性もあります。また、本増改築工事は海外において行われるものであるため、為替変動リスクや現地における物価や賃金等の上昇に伴う費用増加等のリスクが存在します。これらについては、為替オプション契約などのヘッジ取引や請負代金に上限を設ける方式の導入等により対応することを想定していますが、リスクを完全に回避できる保証はありません。
(ナ)オペレーターに関するリスク
投資対象不動産の中には、ホテル物件やシニア物件をはじめとして、物件の特性上、その物件の運用に当たり利用者又はエンドテナントに対し、そのオペレーターが一定のサービスを提供することが必要とされる物件があります。このような物件については、当該物件の運営管理に適するオペレーターに対して賃貸し、かかるオペレーターによりその運営管理がなされますが、その運営管理が適切に行われなかった場合、本投資法人のレピュテーションを害し、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼすおそれがあります。加えて、かかるオペレーターに倒産事由その他の一定の事由が生じた場合には、本投資法人や受託者等がサービスの提供を行うことが業法規制上困難であり、あるいは、十分な経験及びノウハウを有していないことなどから、当該物件の運営管理が一時的に停止し、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼすおそれがあります。
(ラ)フォワード・コミットメント等にかかるリスク
本投資法人は、本書の日付においていわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を有していませんが、今後、不動産等を取得するにあたりフォワード・コミットメント等を行う可能性があります。その場合、不動産売買契約が、買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産等売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
(ム)固定資産の減損に係る会計基準の適用にかかるリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)によれば、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった不動産等については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理(減損処理)を行うこととされています。本投資法人の保有する不動産等の市場価格及び収益状況によっては減損処理を行う可能性があり、この結果本投資法人の財務状態や収益が悪化する可能性があります。
また、本投資法人は、海外の不動産に投資するに際して、海外不動産保有法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の過半数の取得を通じて行うことがありますが、当該株式又は出資は子会社株式又は関係会社株式並びにその他有価証券として取り扱われ、その評価及び会計処理については、金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号 企業会計審議会 平成11年1月22日)が適用されます。子会社株式又は関係会社株式並びにその他有価証券のうち市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、評価差額は当期の損失として処理(減損処理)しなければならないものとされており、減損処理された場合は、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)ホテルに関するリスク
(i)ホテル賃借人等が行うホテル営業に関するリスク
本投資法人がコアアセットとして主たる投資対象の一つとしているホテルについては、賃貸料収入をホテルの営業収益に依拠しており、賃貸料の支払いの安定性、特に変動賃料部分については、運用資産からのホテル営業収益に大きく左右されます。また、運営委託方式による運用の場合、ホテル収益に直接依拠します。
ホテル事業については、以下のようなリスクがあります。ホテル事業は、主として宿泊売上げに依存しており、不定期顧客との随意かつ一時契約による営業がその大部分を占めます。本投資法人が主たる投資対象の一つとする宿泊特化型ホテルについては、相対的に安定した収益を見込めると考えていますが、ホテル収益を正確に予測することは容易でなく、大きな変動の可能性もあります。特に、ホテル収益に関しては、上記の要因等により、過去における収益状況と将来の収益状況が異なる可能性が比較的高いといえます。さらに、本投資法人の収益及び運用不動産の価値等は、以下のようなホテル事業固有の要因により、大きく悪影響を受ける可能性があります。
一般的にホテル事業は労働集約的・資本集約的な事業であることから、固定費負担が重く損益分岐点が高いため、売上げ上昇時の収益性の向上が見込みやすい反面、売上減の場合の利益落ち込みリスクが比較的高いといえます。
海外旅行を含む、観光地間の競争や、同地域内におけるホテル間の競争は激しく、新規に開業するホテルとの競争を含め、ホテル業界は競争による影響を強く受けます。また、2018年6月の住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行以降も、住宅を活用して宿泊サービスを提供する住宅宿泊事業者との競争は継続しています。
ホテル業界は、全世界、各国、各地域の経済、景気、市場動向といった一般景気変動の影響を強く受けるほか、ビジネス顧客の動向、立地周辺の観光施設やイベントの状況等にも左右される観光客の動向の影響を強く受けます。また、消費者の消費性向を含むライフスタイルの変化や、消費者の嗜好性の変化による影響を受ける可能性があります。
戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスク、地震や風水害など不測の自然災害、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)、新型コロナウイルス感染症などの伝染病・疫病の国内外における流行及びこれに伴う各国の移動・渡航制限等の政策措置のほか、航空会社、空港施設、鉄道会社等のストライキといった交通機関のトラブルや運行停止、交通運賃の上昇、天候不順などの外的要因により、ホテル業界は長期間にわたり悪影響を受ける可能性があります。特に、本投資法人が保有する日本国内のホテル物件は、アジアを中心とした訪日外国人旅行客の宿泊需要を取り込むことに重点を置いて運用されているため、アジア諸国の社会情勢、経済状況、旅行客の嗜好の変化、伝染病等の流行や為替相場等に強い影響を受ける可能性があります。また、英領ケイマン諸島のホテル物件は、米国を中心とした外国人旅行客の宿泊需要を取り込むことに重点を置いて運用されているため、これらの外国の社会情勢、経済状況、旅行客の嗜好の変化、ジカ熱などの伝染病等の流行、ハリケーン等の自然災害等に強い影響を受ける可能性があります。
(ⅱ)テナントの集中に関するリスク
本投資法人はその保有するホテルの用に供される不動産を1棟全体として1つのホテル賃借人に賃貸することが多く、本書の日付現在において保有するホテル物件91物件(シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(優先出資証券)は除きます。)中67物件はいずれもMHMがシングルテナントとなっており、また、残りのホテルのうち20物件についてもシングルテナント物件となっています。さらに、当該ホテル20物件のうち、ホテルマイステイズプレミア堂島、アートホテル上越、アートホテル弘前シティ、アートホテル石垣島、アートホテル新潟駅前、アートホテル旭川、アートホテル盛岡、フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ、蓼科グランドホテル滝の湯及び天然温泉田沢湖レイクリゾートについては、1棟全体が1つのホテル賃借人に賃貸され、MHMにその運営が委託されており、また、ホテルエピナール那須については、MHMの子会社である株式会社ナクアホテル&リゾーツマネジメントがシングルテナントとなっています。また、マルチテナント物件においても、ホテル賃借人に賃貸する部分からの収益が不動産全体の収益において大きな割合を占めています。このため、本投資法人は特定のホテル賃借人の支払能力や特定のホテル運営受託者の運営能力、これらのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の退去その他の事情により大きな影響を受けます。
一般的に、シングルテナントは、賃貸借期間が長く賃貸借解約禁止期間が設定されている場合もありますので、退去する可能性は比較的低いものの、万一退去した場合、賃貸スペースの広さと個別のホテル賃借人向けの特別仕様の物件が多いことや、代替となるホテル賃借人となりうる者が限定されていることから、代替となるホテル賃借人が入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少すること、あるいは代替となるホテル賃借人確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に大きな影響を受ける可能性があります。
特に、本書の日付現在保有する国内ホテル物件については、上記のとおりその大部分がMHM又はその子会社に賃貸されており、MHM又はその子会社の支払能力やホテル運営能力に依存することとなります。したがって、MHM又はその子会社の支払能力や同社グループのホテル運営に重大な悪影響を及ぼす事由が生じた場合や、同社グループとの間の契約が何らかの理由で解約されることとなった場合には、本投資法人の財務状態や収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向にはあるものの、足元ではホテルの利用客数は日本全国において依然としてコロナ禍前の状況には回復しておらず、MHM及びその子会社をはじめとするホテルオペレーターの収益もコロナ禍前の状況に回復するには至っていません。本投資法人は、2020年5月にMHM及びその子会社との間で、MHMグループが運営する本投資法人保有国内ホテルに係る各定期建物賃貸借兼管理業務委託契約(以下「本MLPM契約」といいます。)の変更覚書(以下「2020年5月覚書」といいます。)を締結し、本投資法人が信託受益権の形態で保有する国内ホテル83物件のうち、MHM又はその子会社が運営する73物件に関して、2020年6月末までの暫定的な措置として、①本MLPM契約における賃料の支払条件を一部変更して固定賃料の支払いを免除するとともに、変動賃料の計算方法を変更し、②グループが従来負担していた対象物件に係る物件管理費(なお、MHMグループの人件費や営業費等の一般管理費はこれに含まれません。)の負担緩和を図り、本投資法人の負担とするとともに、③グループに対して支払う管理業務受託手数料の金額をホテル営業を継続するために必要な金額として別途合意する金額に引き上げることを合意しました。
また、2020年5月以降も、市況には一定の改善は見られるものの、依然として出張利用や旅行客の回復には至っておらず、MHMグループをはじめとするホテルオペレーターの収益もコロナ禍前の状況には回復していないことから、本投資法人は、本投資法人の財務状況に配慮するとともに、本投資法人の利益を最大限考慮した上で、対象物件の運営継続のためのさらなる暫定的な措置として、MHM及びその子会社との間で、本MLPM契約の変更覚書を締結し、2020年7月1日から2022年12月末日までの期間につき、3か月又は6か月ごとの暫定的な措置として、①本MLPM契約における賃料の支払条件を一部変更して固定賃料額を引き下げ、②変動賃料の計算方法を変更し、③賃料の支払い方法を変更すること等に合意しました。
もっとも、本投資法人は、MHMとの間での検討及び協議を経て、新型コロナウイルス感染症の感染収束傾向及びそれに伴うホテル市況の回復を受け、2023年1月以降は上記の暫定的措置を行わないこととしました。これに伴い、2023年1月以降は本MLPM契約における従来の条件が適用されています。
なお、本MLPM契約は、固定賃料及び変動賃料によって、ホテル営業粗利益のほぼ全てを本投資法人に支払うことを想定した賃貸条件となっており、MHMグループにおいてコロナ禍のようにその運営するホテルの宿泊需要が大幅に減少するような事態が生じた場合に固定賃料の支払を継続できるような内部留保を可能とするものとはなっていないことから、新型コロナウイルス感染症やそれに類する感染症の流行の影響が継続する状況下においては、今後も同様の条件変更を行うことが必要となり、本投資法人が受領する賃料の減額を余儀なくされる可能性があります。
(ⅲ)季節的要因により本投資法人の収益等が変動するリスク
宿泊特化型ホテルの場合、周辺のイベント(カンファレンス等)の有無や夏期・冬期休暇シーズンなど、季節によりホテル収益が変動します。観光地に位置するホテルのホテル収益は、一般的に夏休みや年末年始といった観光、休暇シーズンに大きくなります。このような季節的要因により、本投資法人の収益等は大きく変動する可能性があります。本投資法人の営業期間は1月1日から6月30日までの6か月間と、7月1日から12月31日までの6か月間であるため、ホテル収益の季節性により、営業期間ごとの収益に大幅な変動が生じる可能性があります。本投資法人は、国内ホテル物件とは需要が高まる時期が異なる海外ホテル物件にも投資することにより、かかる季節的要因による収益の変動リスクを一定程度緩和することが可能であると考えていますが、各国・地域のホテルの季節別の収益は、政治・経済情勢や自然災害などを含む様々な要因に影響を受けるため、ホテル収益の季節的な変動につき期待された緩和が実現できる保証はありません。
(ⅳ)施設及び設備等の維持に関するリスク
ホテルでは、固定資産に区分される建物、付属設備等だけでなく、FF&Eと呼ばれる家具、什器、備品、装飾品及び厨房機器等の償却資産についても、その定期的な更新投資がホテルの競争力維持のために不可欠となります。また、ホテルにはトータルのグレードとイメージがあり、これを維持するために相応の資本的支出が求められる場合があります。
施設及び設備の運営維持費、並びにその更新投資の負担がホテルの売上等に比べ過大な場合、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、施設及び設備の更新投資がホテルの売上若しくはホテル収益の増加につながらず、期待どおりの効果が得られない場合があります。また、ホテル賃借人及びホテル運営支援会社が運営維持費や更新投資を負担する場合であっても、当該ホテルのホテル賃借人及びホテル運営支援会社がグレード等維持のために必要な施設維持運営費を負担しない場合、ホテルの価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ⅴ)マーケットレポートへの依存に関するリスク
ホテルに関する市場評価その他の各種比較資料において入手可能な資料や情報は概して公表例が少ないといえます。存在した場合にも、第三者によるホテル関連のマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、実際の供給・需要等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法、収集した情報・資料等の範囲若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
(ⅵ)フランチャイズやブランドライセンシング契約に関するリスク
ホテル賃借人やオペレーターはホテル事業に関するフランチャイズ契約やブランドライセンシング契約を締結することがありますが、これらの契約においては、一定のオペレーティングスタンダードや他の基準・条件の遵守が要求されることが一般的であり、これらの基準・条件が満たされない場合には、当該契約を解除され、ホテルの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ライセンスの条件として、ホテルの譲渡やホテルへの担保権の設定にライセンサーの同意が要求されるなど、物件の処分権が制限される可能性があります。また、使用しているブランドのイメージが一般的に低下するようなことが起こった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの理由により、こういった契約が終了し、ブランド名の使用が不可能となった場合、当該ホテルのブランド価値が低下することにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ⅶ) 周辺施設への依存に関するリスク
近隣に大きい集客能力を有する施設が存在するホテルの場合、ホテルの集客力も当該施設の集客力に大きく依存している場合が多く、当該施設の移転、閉鎖や営業停止あるいは集客力の低下によりホテル営業収入が減少し、その結果変動賃料部分若しくは運営委託による不動産運用収入が減少し、又は物件価値が減少する可能性があり、本投資法人に影響を与える可能性があります。
(ⅷ)ホテル賃借人等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、ホテル賃借人等による建物への変更工事、内装の変更、賃借人等による設備(看板等)の設置、その他のホテル賃借人等による建物の使用方法により、建物の状況が建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となる可能性があります。この場合、マスコミ等により、当該建物がかかる状態にあることが公表され、風評リスクにさらされる可能性もあります。本投資法人は、かかる事態が生じないようホテル賃借人等に要請、指示等をしていく所存ですが、ホテル賃借人等が所有する資産が関連する場合、本投資法人は当該資産についての管理処分権限を持たないため、上記要請、指示等が必ず遵守されるとの保証はありません。また、本投資法人が建物の所有者であるが故に違反を是正するための費用や事故により発生した損害の負担を余儀なくされる可能性も否定できません。
さらに、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のホテル賃借人等の属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(ⅸ)ホテル賃借人又はオペレーターへの投資に関するリスク
ホテル物件に投資するに際しては、当該ホテル物件の取得後の運営等に関連して、マスターリース会社又はオペレーターの株式又は出資持分の全部又は一部を取得することがあり、本投資法人は、本書の日付現在、「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」を収益の源泉たる裏付不動産とする特定目的会社の優先出資証券の保有に伴い「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」のマスターリース会社の出資持分をその持株会社である合同会社の出資持分の取得を通じて間接的に保有しています。
かかる株式又は出資持分の保有については、当該マスターリース会社等の業績によりその価値が下落する可能性があるほか、契約上の義務を負っていない場合であっても、当該ホテル物件の運営上の必要性等から、当該マスターリース会社等に対する追加の出資その他の資金拠出を余儀なくされる可能性があります。マスターリース会社がオペレーターに対してホテルの運営委託をしている場合、オペレーターによって本投資法人の意図しないホテル運営がなされることがあり、また、ホテル運営が運営委託契約に規定された制約及び負担に服するほか、運営委託契約の契約期間が長期間であること等によってオペレーターの変更が制限されることがあります。運営委託契約が解除、期間満了その他の事由により終了する場合、マスターリース会社はホテルブランドの変更を余儀なくされるほか、後継のオペレーターに運営委託できない場合、ホテルの運営に支障を来すことがあります。また、当該ホテル物件の譲渡に際しては、当該マスターリース会社等の株式又は出資持分を併せて譲渡する必要が生じる場合があり、この場合、当該ホテル物件の円滑な売却に支障が生じる可能性があります。
マスターリース会社に関して、本投資法人以外に共同投資家が存在する場合には、本投資法人の保有割合によっては、当該マスターリース会社の各種意思決定について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
(ⅹ)ホテルの運営委託に関するリスク
本投資法人は、その保有するホテルをオペレーターに運営委託し、又は運営委託方式が採用されているホテルに匿名組合出資などを通じて間接投資する場合があります。本投資法人が保有する「ウェスティン・グランドケイマン・セブンマイルビーチ・リゾート&スパ」及び「サンシャイン・スイーツ・リゾート」については、運営委託方式を採用しています。ホテルの運営委託契約に関しては、以下のようなリスクがあります。
運営委託方式の場合、原則として、ホテル収益が本投資法人の収入に直接反映されるため、ホテル収益の上昇局面においては収益向上の成果を直接本投資法人に取り込むこととなる一方、ホテル収益の下降局面においては本投資法人の収益が大幅に減少する可能性があります。したがって、ホテル事業が不振となった場合、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテルの運営委託契約の場合、運営委託契約の解除又は終了により、ホテル運営を行うオペレーターが不在となると、ホテルの運営ができなくなるだけでなく、当該ホテルからの収益が全く得られなくなります。運営委託契約が終了する場合、新たなオペレーターを選定する必要がありますが、優れたホテル運営能力を有する新たなオペレーターを選定できる保証はなく、これができない場合、ホテル運営に重大な支障を来し、本投資法人の収益に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
本投資法人は、オペレーターのホテル事業から生じるホテル収益の成果を、運営委託による不動産運用収入又は本投資法人が実施する間接投資に係る配当として受け取ることになります。したがって、オペレーターの業績悪化その他の要因によりオペレーターの信用状況が悪化した場合又は倒産手続の対象になった場合、不動産運用収入が本投資法人に支払われない可能性があり、これにより投資主に損害を与える可能性があります。また、運営委託契約において利益保証を得る場合がありますが、オペレーターにそれを履行するための十分な資力がない場合も想定され、利益保証により想定されていた収益が確保される保証はありません。
運営委託料については、定期的に見直しが行われる場合があり、実際に、2020年5月には新型コロナウイルス感染症の影響のため、2020年5月覚書の締結により、2020年6月までの暫定的な措置としてMHMグループに支払う管理業務受託手数料を引き上げました(もっとも、2020年7月以後は従前の条件に戻っています。)。したがって、当初の運営委託料が、それ以後維持される保証はなく、運営委託料が増額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
④ 信託受益権特有のリスク
(イ)信託受益者として負うリスク
本投資法人が不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、以下のような信託受益権特有のリスクがあります。なお、2007年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号、その後の改正を含みます。)を以下「信託法」といい、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号。以下「信託法整備法」といいます。)による改正前の信託法(大正11年法律第62号、その後の改正を含みます。)を以下「旧信託法」といいます。信託契約に別段の定めのない限り、2007年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法整備法第2条)。信託受益者とは、信託の利益を享受する者ですが(旧信託法第7条)、他方で受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています(旧信託法第36条、第37条)。即ち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。信託法の下においても、信託受託者と受益者との間で信託費用等に関し別途の合意をした場合には、当該合意に従い、信託受託者から受益者に対し、信託費用等の請求がなされることがあります(信託法第48条第5項、第54条第4項)。したがって、本投資法人が不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要があります。また、一旦、不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになり、その結果、投資主又は本投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ロ)信託受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が信託の受益権を保有運用資産とする場合で、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分する場合には、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常です。さらに、不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権については、金融商品取引法上の有価証券とみなされますが、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり(信託法第93条、第94条)、株券や社債券のような有価証券ほどの流動性があるわけではありません。また、信託の受益権の流通市場が存在するわけではありません。このように信託の受益権も、株券や社債券のような有価証券を比較すると相対的に流動性が低いというリスクが存在します。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任又は契約不適合の担保責任を負った上での信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ハ)信託受託者の破産・会社更生等に係るリスク
旧信託法上、信託受託者につき破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続が開始された場合に、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属するか否かに関しては明文の規定はないものの、旧信託法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産である不動産その他の資産が信託受託者の破産財団、再生債権者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に帰属すると解釈される可能性は低いものと考えられます。信託法においては、信託受託者について破産手続、民事再生手続又は会社更生手続が開始された場合に、信託財産が信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。但し、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記(信託法第14条)をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、本投資法人は、この信託設定登記がなされるものに限り取得する予定ですが、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
(ニ)信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託受託者が、信託契約又は信託受益者の意思に反して信託財産である不動産を処分すること、又は信託財産である不動産を引当てとして何らかの債務を負うこと等により、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めており(旧信託法第31条)、信託法も同様に信託受託者が信託財産のためにした行為がその権限に属しない場合において取消権を受益者に認めています(信託法第27条)。しかるに、常にかかる権利の行使により損害を回避できるとは限りません。
(ホ)信託受益権に関する法律上の瑕疵に係るリスク
本投資法人が取得した信託受益権について、当該信託受益権の売主又はその前所有者が本投資法人に当該信託受益権を譲渡する以前にこれを第三者に二重譲渡をしていたことが後に判明する等、本投資法人が取得した信託受益権が第三者の権利により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。また、当該信託受益権の売主又はその前所有者が、当該信託受益権売買契約を締結し、かつこれを履行するにあたり、会社法、商法又は会社法施行による廃止前の有限会社法により必要とされる社内の授権手続(当該不動産売買契約締結時に有効であった商法又は有限会社法による事後設立手続を含みます。)について適式に完了していないこと等が後になって判明する可能性があります。
(ヘ)信託内借入れに係るリスク
本投資法人は、本投資法人が受益者である不動産を信託財産とする信託の一部において、信託内借入れの方法で資金を調達する場合がありますが、信託内借入れについては、信託の受益権に対する配当及び元本交付に優先して信託内借入れの元利金の支払い等が行われるため、信託財産である不動産の価格が下落し又は賃料等の収益が減少した場合には、当該不動産の売却代金や賃料等の収益が信託内借入れの元利金の返済に充当された結果、信託の受益権に対する配当及び元本交付が信託内借入れが無い場合に比して減少し、さらに、信託内借入れの借入額や信託財産である不動産の価格の下落及び収益の減少等により、信託配当及び信託元本の交付が受けられなくなる可能性もあります。また、信託内借入れの引き当てとなる財産は、信託財産に限定されるため、信託内借入れにおいては、信託財産である不動産からのキャッシュ・フロー等を勘案して信託内借入れの返済余力を示す一定の財務指標を基準とした財務制限条項が付されることが一般的です。この場合、信託財産である不動産の価格の下落及び収益の減少等により、上記財務制限条項に抵触した場合には、信託配当の支払いが停止されること等によって、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
⑤ 海外不動産等への投資に関するリスク
(イ)海外不動産等の取得並びに管理及び運用等に関するリスク
本投資法人は、英領ケイマン諸島に所在するホテルを保有しています。また、将来的に、海外不動産等(海外不動産保有法人や匿名組合出資を通じた投資を含みます。)を追加で取得する可能性があります。
本資産運用会社は、海外における不動産等の取得並びに管理及び運用の経験が浅く、その結果、本投資法人は、日本国内における一般的な取扱いとの相違等により、本投資法人が保有し、又は将来投資する海外不動産等を取得し又は管理若しくは運用する上で予期せぬ問題に直面し、取得を実行できない、あるいは取得した海外不動産等の管理上の問題を抱える又は想定外の損害(損害賠償義務の負担を含みます。)を被る可能性があります。また、時差や言語の問題により、国内不動産投資と比較して、海外不動産等に関する情報収集により多くの時間や費用を要する可能性があります。
本投資法人が現時点において保有する本海外ホテルについては、ホテルのオペレーターはホテル運営会社に委託していますが、同社の運営状況の監督は、当該ホテルの運営を受託するSPCのアセット・マネージャーであるフォートレス・グループに負うところが大きく、本資産運用会社が十分な管理を行うことができないおそれがあり、また、オペレーターの運営に問題がある場合においても海外での代替オペレーターとの独自のリレーションを有しないことから、オペレーターの変更が必要な場合であってもこれを実行できないおそれがあり、また、フォートレス・グループによるサポートが期待された成果を上げられない可能性があります。
不動産法制(外国投資規制を含みます。)は、現地国の政府が、現地における経済的な側面において様々な形で実質的な管理をしているのが通例です。このため、海外における本投資法人の資産の運用及び管理は、現地国における政治、法制度(政策の変更に起因する税法を含む各種の法令等の改正又はその解釈の変更を含みます。)、経済成長及びこれらに関連する要素により重大な影響を受ける可能性があります。海外の政府当局や行政機関が、規制、政策その他許認可の付与に関し、新たな手続や負担を課し又は既存の規制の解釈変更を行う可能性があり、これにより、本投資法人がかかる規制等を確実に遵守するために、更なる支出及び対策を余儀なくされる可能性があります。また、許認可、登記、登録の取得が遅延する可能性もあり、この結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすおそれがあります。さらに、将来行われる海外政府の政策が、現地国の経済状況に著しい影響を及ぼす可能性があり、地域や地方により経済政策の実施が多様化することで、保有する海外不動産等又はその裏付け資産が所在する地域の経済状況に著しい影響が及ぶ可能性があります。
本投資法人は、海外不動産等への投資に対する当該海外不動産等が所在する外国政府の統制、外国投資規制、収益を日本国内に送金することができないリスク、経済情勢の悪化、地方の政治姿勢の変化、為替レートの変動(一定の通貨との間の固定相場制からの変動相場制への移行を含みます。)、複数の管轄権で課税されるリスク、現地インフラの故障や悪化並びに交通の遅延及び遮断等のリスクや現地特有の自然災害等にさらされ、かかる国際的要因に伴う一般的なリスクが顕在化した場合、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、本投資法人は、日本との文化的相違等から、海外における旅行者その他のホテル利用者の行動パターンの変化に適切に対応できない可能性があります。
さらに、日本と海外不動産等の所在する国又は周辺国との関係が悪化した場合には、本投資法人の当該国での投資が制限又は禁止される可能性があります。本投資法人がこれらのリスクを適切に管理できない場合、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、海外不動産等が所在する国において、紛争等が生じ、現地の不動産等の価値が減損し、又は金融市場や経済環境が悪化するおそれがあります。
(ロ)外国法人税の発生により分配金が減少するリスク
本投資法人が海外不動産等へ投資を行う場合、現地の法令に基づき、不動産の賃貸収益や売却益に対して法人税等が課税されることがあり、また、海外子会社等のビークルへ出資する場合、そのビークルから受け取る利益の配当等に対して源泉税が徴収されることがあります。これらの現地で発生した税金(以下「外国法人税」と総称します。)については、原則として、投資法人が投資主へ支払う利益の分配に係る源泉所得税の額から控除(以下「外国法人税の源泉控除」といいます。)することが認められており、控除される外国法人税の額はその源泉所得税の額が限度となります。したがって、外国法人税の源泉控除の適用によりその源泉所得税の額から控除することができない外国法人税の額が生じた場合には、投資主への分配金額がその分減少する可能性があります。 詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (5)課税上の取扱い ③ 外国法人税の源泉控除」をご参照ください。 なお、本海外ホテルに関しては、英領ケイマン諸島の税制上、不動産の賃貸収益や売却益に対する法人税課税はなく、また、利益の配当に対する源泉税の徴収もありません。
(ハ)外国為替についての会計処理等に関するリスク
本投資法人は、海外不動産等への投資に関して外貨建ての取引を行う場合があります。本投資法人は通貨プットオプションやスワップその他の適切と考える方法により為替変動リスクを低減させる方針ですが、為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、外国為替相場の変動が本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。外国通貨に対して円高が進んだ場合、海外不動産等への投資に関して発生する外貨建て収益の円換算額が減少し、本投資法人の当期純利益に対してマイナスの影響を与える可能性があります。本投資法人が保有する本海外ホテルからの収益に関し、本投資法人は、原則として6ヶ月又は随時決定する期間における円と米ドルの為替レートを固定するための為替ヘッジ取引を行うことを予定していますが、かかるヘッジ取引により完全に為替変動リスクを回避できる保証はなく、また、当該ヘッジ期間終了後に新たなヘッジ取引を行う際の為替レートが本投資法人にとって不利となる場合もあり得ます。
また、海外不動産等への投資に関して外貨建て資産及び負債が発生する場合には、それらの一部の項目は、財務諸表作成のために決算時の外国為替相場により円換算されます。これらの項目は、為替変動により本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
海外不動産等への投資についても、国内不動産と同様、固定資産の減損会計及び有価証券の減損会計の適用を受けます。減損会計の適用に関するリスクについては前記「③ 不動産に関するリスク (ム)固定資産の減損に係る会計基準の適用にかかるリスク」に記載のとおりです。なお、外国為替相場の変動が減損会計の適用により生ずる可能性のある減損損失に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)英領ケイマン諸島への投資に関するリスク
英領ケイマン諸島はカリブ海に位置し、ハリケーンによる自然災害のリスクが高い地域です。大型のハリケーンが襲来した場合、旅行客の減少が生じるだけでなく、本投資法人が保有する海外不動産等や裏付不動産に対して大規模な損害が生じ、ホテルの運営自体が不可能又は困難となる結果、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。本投資法人は、現地国の委託先のホテルのオペレーターを通じて、適切な保険の活用によりかかるリスクの低減に努めていますが、保険により全損害がカバーされる保証はありません。
また、本投資法人は、英領ケイマン諸島の政治的・経済的安定性や、税制優遇制度、米ドルとの固定相場制の導入による為替相場の安定性等を勘案して、本海外ホテルへの投資を行っていますが、これらの制度に重大な変更があった場合、本海外ホテルへの投資から本投資法人が得られる収益等に重大な悪影響が生じる可能性があります。
⑥ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
投資法人の主な導管性要件
支払配当要件配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること
(利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること)
国内50%超募集要件投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること
借入先要件機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいう。次の所有先要件において同じ。)以外の者から借入れを行っていないこと
所有先要件事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること
非同族会社要件事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口総数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと
会社支配禁止要件他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(匿名組合出資を含み、一定の海外子会社の株式又は出資を除く)

本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになりましたが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b. 資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産の価額の合計額の割合を75%以上とすること(規約第10条第1項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑦ その他
(イ)投資法人の資金調達に関するリスク
本投資法人は、現在保有している資産の取得のための資金を本投資証券の発行によって調達したほか、資金の借入れを行うことで調達しており、また、投資法人債の発行によって資金を調達しています。今後借入金利が著しく変更される等、また資金の借入れに時間を要する等の場合、投資主又は本投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が資産を売却することにより借入資金の期限前返済を行う場合には、その時点における金利情勢によって決定される期限前返済手数料(違約金等)が発生する等、予測しがたい経済状況の変更により投資主又は本投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、世界的な金融市場の混乱等により、金融機関が新規貸出について慎重になり、金利、担保提供等の点において現状より不利な条件での借入れを余儀なくされる可能性があります。また、借り換えや新規借入れによる既存借入金の返済ができなくなる可能性は否定できません。
(ロ)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
本投資法人が貸借対照表の純資産の部に一時差異等調整引当額を計上している場合、一時差異等調整引当額の計上は、会計と税務における損益の認識のタイミングの調整のために行われるものであるため、当該引当額の計上に起因した税会不一致が解消したタイミングでその戻入れが求められます。当該戻入れは本投資法人の利益をもって行われることから、当期未処分利益が一時差異等調整引当額の戻入れに充当される結果、分配可能金額が減少する可能性があります。
なお、純資産控除項目(主に繰延ヘッジ損益のマイナス)に起因する一時差異等調整引当額に関しては、その戻入れの原資となる利益が過年度から繰り越されるため、当該戻入れによって当期の利益に対応する利益分配金が減少することはありません。
(ハ)特定目的会社の優先出資証券・特定出資への投資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社が不動産等を主たる投資対象とすることを目的とする場合、特定目的会社の発行する優先出資証券又は特定出資への投資を行うことがあり、本書の日付現在、「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」を収益の源泉たる裏付不動産とする特定目的会社の優先出資証券及び特定出資を保有しています。これら特定目的会社への投資については、契約上、その譲渡禁止又は譲渡制限が付されることや法令上の制限に従って譲渡先が限定される等の制限を受けることがあり、その他、転売しようとしても、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。また、これら特定目的会社への投資は、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的とする場合もありますが、優先交渉権を獲得できるとの保証も、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できるとの保証もありません。
特定目的会社が当該出資金をもって不動産等を取得するのに先立って、本投資法人が特定目的会社の発行する優先出資証券又は特定出資へ投資する場合、他の出資者からの出資がなされず又は特定目的会社が予定していた借入れが実行されない等の理由により特定目的会社において取得資金が不足する場合や、取得に係る契約に定められた一定の条件が成就しない場合等には、特定目的会社が投資対象とした不動産等を取得できない可能性があります。かかる場合、本投資法人が払い込んだ出資金につき払戻しを受けることとなりますが、かかる払戻しが受けられず又は遅延したときは、投資主に損害を与える可能性があり、また、払戻しを受けられた場合においても、優先出資証券等への投資により期待した収益と同等の収益が期待できる代替投資先を適時に確保することは容易ではなく、かかる収益に期待して投資した投資主の利益を害するおそれがあります。
また、特定目的会社が借入れ又は特定社債の発行を行って不動産等に投資する場合、特定目的会社が保有する資産又は本投資法人が保有する関連資産に担保を設定することを要求されることがあり、特定目的会社において借入債務又は特定社債の債務の債務不履行等の一定の事由が生じた場合、担保権の実行等により収益の源泉たる特定目的会社の投資不動産等が失われる結果として、特定目的会社に対する優先出資証券等の出資価値が毀損するだけでなく、本投資法人が保有する関連資産を担保実行により失うなど、本投資法人が損害を被る可能性があります。また、借入れ又は特定社債に係る契約に定める期限の利益喪失事由、財務制限事由等が生じた場合、借入金若しくは特定社債の弁済のため配当が停止され若しくは著しく減少し、又は投資不動産等に対する担保実行がなされ、本投資法人が多額の損害を被る可能性もあります。
特定目的会社の投資する不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、特定目的会社の保有する不動産等が想定していた価格で売却できない場合、又は一定の条件下で税務上の導管体である特定目的会社において導管性が失われ(借入れ又は特定社債に係る契約における配当停止事由により特定目的会社の税務上の導管性が失われる場合を含みます。)、意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券又は特定出資に投資した本投資法人が、当該優先出資証券又は特定出資より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。特に、特定目的会社が借入れ又は特定社債の発行を行って不動産等に投資する場合、当該不動産等の収益の増加や価値の上昇による利益は直接当該不動産に投資する場合に比べて増加しますが(いわゆるレバレッジ)、当該不動産等の収益の減少による影響はより大きくなり、また、当該不動産等の価値の下落が生じた場合には、優先出資証券又は特定出資の保有者は当該借入れに係る貸主及び特定社債権者に劣後するため、直接当該不動産に投資する場合に比べて、多額の損害を被る可能性があります。また、本投資法人が、特定目的会社の借入れ又は特定社債の発行に際して、貸主又は特定社債権者に対して一定の約束をすることがあり、本投資法人がこれに違反した場合には、損害賠償請求等を受けることがあります。
また、本投資法人が保有する優先出資証券に関して、本投資法人以外に優先出資社員が存在する場合には、本投資法人の保有割合によっては、当該特定目的会社の社員総会において、優先出資社員が議決権を有する事項について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があり、また優先出資社員間の契約等において、優先出資証券の譲渡に際し、他の優先出資社員の承諾の取得、先買権、優先交渉権又は共同売却請求権の付与といった譲渡処分に関する一定の制約が課される場合があります。共同投資家との間で不動産等の運営方針、投資方針等について合意できない場合、不動産等に対する適時適切な追加投資が行われないおそれがあり、また、かかる状態を解消するため、本投資法人は、その保有する優先出資証券を共同投資家に売却する、共同投資家の保有する優先出資証券を購入する等の対応を、余儀なくされる可能性があります。また、導管性要件を維持するための配当資金の供給その他の理由により特定目的会社に追加で出資する必要性が生じた場合において、本投資法人以外の優先出資社員と同水準の投資ができない場合には、出資比率の希薄化に伴う議決権割合の低下(追加出資を行わないことによる比例的な割合を超えた懲罰的な低下が生じる場合もあります。)や配当の減少等の不利益を被る可能性があります。
(ニ)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、不動産等に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合員は、法令及び匿名組合の法的性格上、営業者の業務を執行し、営業者を代表することができず、営業者の匿名組合事業についてのコントロール権を原則として有しません。したがって、本資産運用会社が匿名組合出資を通じた投資対象不動産の運用に十分に関与できず、結果として投資主又は本投資法人債権者に損害を及ぼす可能性があります。また、匿名組合性が維持される場合は、匿名組合員たる本投資法人は営業者の行為について、第三者に対して義務を負いませんが、本投資法人による営業者の匿名組合事業へのコントロール等の関与の仕方によっては、匿名組合性が否定され民法上の組合であるとして、民法上の組合員としての連帯責任を負うこととなる可能性があります。匿名組合出資持分については、契約上、その譲渡禁止又は譲渡制限が付されることや法令上の制限に従って譲渡先が限定される等の制限を受けることがあり、その他、転売しようとしても、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。また、匿名組合出資持分への投資は、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的とする場合もありますが、優先交渉権を獲得できるとの保証も、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できるとの保証もありません。
本投資法人が匿名組合に出資する場合、匿名組合の営業者が本投資法人による出資金額を不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、匿名組合財産に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合、又は意図されない課税が生じた場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により、本投資法人が営業者に対して出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。
(ホ)投資主優待制度に関するリスク
本投資法人は、現在の法令、税務の取扱い、優待の内容及び想定される利用状況に基づくMHM及び本投資法人が取得したホテル物件に係るオペレーターとの合意の上で、投資主優待制度を実施しています。これらの前提条件に変更がある場合、本投資法人が投資主優待制度を導入せず、又は導入する投資主優待制度の内容等が変更され、若しくは導入した制度が廃止される場合があります。
(ヘ)新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の拡大やその阻止のための政府や地方公共団体の施策により様々な影響が生じてきました。特に、ホテル物件に関しては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及びこれに伴う世界各国の渡航制限、政府による緊急事態宣言の発令や、世界的な移動制限等に伴い、利用客数が日本全国において大幅な減少となりました。本投資法人が保有する国内ホテルの客室稼働率の実績は、本書の日付現在、国内旅行客による需要は大幅に回復し、海外旅行客についても、2022年10月以降の本格的な受け入れ再開を受けて着実に回復していますが、現時点において新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である2019年レベルに回復するには至っていません。本投資法人が保有する海外ホテルについても、2020年3月以降のグランドケイマン島のオーウェン・ロバーツ国際空港の閉鎖に伴い休館していましたが、本書の日付現在においては通常営業しており、外国からの旅行者に対する入国時の検査等の規制は撤廃され、大手航空会社による米国との商業便も再開していることから、ホテル需要は回復し、2022年10月以降、RevPARは2019年並みの水準に回復していますが、今後も同水準の回復傾向を維持できるとの保証はありません。
このような影響により、本投資法人がホテルの売上げ又は利益に連動して受領する変動賃料は大幅に減少しており、また、前記「③ 不動産に関するリスク (ウ)ホテルに関するリスク」に記載のとおり、本投資法人が信託受益権の形態で保有する国内ホテルの大半を運営するMHM及びその子会社との間で、①2020年5月覚書を締結し、2020年6月までの固定賃料の支払い免除に加え、本投資法人が一定の費用を負担することに合意し、また、②その後も2022年12月までの3か月又は6か月ごとの期間につき固定賃料を引き下げることや、変動賃料の計算方法及び賃料の支払い方法を変更することに合意するなど、重大な影響を受けていました。2023年1月からは特段の覚書は締結せず、原契約条件を適用することとしたものの、今後の状況によっては、再度条件変更を余儀なくされる可能性も否定できず、また、テナントの営業停止・退去等の様々な事象の発生により、本投資法人の財務状態や収益に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、上記の様々なリスクに関し、以下のような体制により、可能な限り、本投資証券及び本投資法人債への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針です。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき3ヶ月に1回以上役員会を開催し、本資産運用会社から運用状況の報告を受けるほか、執行役員は適宜本資産運用会社の運用状況の聴取及び関係書類の閲覧・調査を実施し、本資産運用会社の管理・監督等を行います。本資産運用会社が、その利害関係人等との取引を行う場合には、本資産運用会社の内部規則である利害関係人等との取引規則に従ってなされ、当該取引の内容を記載した書面を本投資法人へ交付するものとされており、かかる事項が本投資法人の執行役員に定期的に報告されることによって、利益相反にかかるリスクの管理に努めています。
② 本資産運用会社の体制
(イ)本資産運用会社は、各種リスクを適切に管理するために、リスクの種類毎に管理部門を定めてリスクをモニタリングし、かつ管理を行います。
(ロ)本資産運用会社は、利害関係人等と本投資法人の間の物件の購入、売却、仲介、賃貸、管理等の取引について、自主ルールを定めており、当該自主ルール上、これらの取引については、コンプライアンス・オフィサーによる法令遵守の確認を経た上で、コンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会による審議及び決議を経た後、本投資法人の役員会による審議及び承認を要するものとしています。かかる自主ルールを遵守することにより利益相反にかかるリスク管理を行います。
(ハ)本資産運用会社は、内部者取引の未然防止についての社内規程を定め、役職員のインサイダー取引防止に努めています。
(ニ)本資産運用会社は、コンプライアンスを所管するコンプライアンス・オフィサーが委員長となるコンプライアンス委員会を設け、コンプライアンス委員会規則に定める重要な法令遵守に関する事項は投資委員会による審議の前にこれを開催し法令遵守の状況を監視します。
(ホ)本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、コンプライアンス上の問題の発生についての対応を講じています。また、コンプライアンス規程に法令遵守を実現させるための具体的な手引を定め、役職員による法令遵守の徹底を図るとともに、法令遵守を実現させるための具体的な実践計画であるコンプライアンス・プログラムを策定し、これに従って法令遵守の実践に努めます。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに関する管理体制を整備していますが、これらの体制が十分に機能する保証、及びこれらの機能が万全であるとの保証はありません。

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クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。