訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第25期(平成28年7月1日-平成28年12月31日)

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2019/08/15 15:05
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(1)リスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落又は分配金の額が減少し、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断又は仮定に基づく予測等によるものであり、実際の結果と異なる可能性があります。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)金銭の分配に関するリスク
(ハ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ニ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことについて
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ト)本投資法人債券の償還・利払等に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を商業施設に特化していることによるリスク
(ロ)少数のテナントに依存していることによるリスク
(ハ)シングル・テナント物件に関するリスク
(ニ)不動産の取得又は処分に関するリスク
(ホ)借入れ、投資法人債及び新投資口の発行による資金調達に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)三井不動産グループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の執行役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(ヘ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ)賃貸借契約に関するリスク
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ホ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ヘ)法令の制定・変更に関するリスク
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(チ)転貸に関するリスク
(リ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(ヌ)共有物件に関するリスク
(ル)区分所有建物に関するリスク
(ヲ)借地物件に関するリスク
(ワ)借家物件に関するリスク
(カ)使用許可を取得した底地を含む物件に関するリスク
(ヨ)開発物件に関するリスク
(タ)有害物質に関するリスク
(レ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ソ)先日付での売買契約の締結等に係るリスク
(ツ)複数の建物が一つの建築物として建築されている物件に関するリスク
(ネ)借地権の設定に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ)会計処理と税務処理との不一致により税負担が増大するリスク
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、第三者に対する売却に限定されます。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。
そのため、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ロ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。
(ハ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得・保有する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において裏付け不動産を含めて「不動産」といいます。)の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下、売上歩合賃料が採用されている場合のテナントの売上減等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約通りの増額改定を行えない可能性もあります(不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク (ロ)賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
なお、本投資法人の保有に係る不動産の過去の収支状況は、将来の収支を保証するものではなく、大幅に異なることとなる可能性があります。
(ニ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことについて
投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、投資法人の意思決定に参画できる他、投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。たとえば、金銭の分配に係る計算書を含む投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第14条第1項)。さらに、投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新投資口を随時発行する予定ですが、かかる新投資口の発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人が計算期間中に新投資口の発行を行った場合には、既存の投資主は、新投資口の発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、新投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(ヘ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券の上場は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損害を受ける可能性があります。
(ト)本投資法人債券の償還・利払等に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。また、本投資法人の財務状態、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他の要因により、本投資法人債券の市場価格が下落する可能性もあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を商業施設に特化していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、郊外型商業施設及び都心型商業店舗ビル等を主たる投資対象としています。
したがって、本投資法人の業績は、消費者の全体的な消費傾向、小売産業の全体的動向、本投資法人が保有する商業施設の商圏内の競争状況、人口動向等に大きく依存しているということができます。場合によっては、テナントが、賃料を約定通り支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退店したり、賃料の減額請求を行ったりする可能性があります。これらの要因により、本投資法人の収益は悪影響を受ける可能性があります。
なお、本書の日付現在、本投資法人は、一部テナントとの間で売上歩合賃料を採用しており、また、今後も売上歩合賃料の導入されている物件を取得していく予定ですが、賃料の一部が変動賃料となっていますので、テナントの売上が減少した場合、本投資法人の賃料収入に直接的な悪影響が生じる可能性があります。
(ロ)少数のテナントに依存していることによるリスク
本投資法人の保有する不動産のうち相当部分は、国内大手小売業であるイオンリテール株式会社及び本資産運用会社の親会社である三井不動産などの少数のテナントへ賃貸されており、本投資法人の収入は、かかるテナントに大きく依存しています。これらのテナントの営業状況、財務状況が悪化し、賃料支払が遅延したり、物件から退去した場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
(ハ)シングル・テナント物件に関するリスク
本投資法人の保有する不動産の多くは、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングル・テナント物件となっており、核となる大規模テナントが存在しています。
一般的に、商業施設において核となる大規模テナントは、賃貸借期間が長く賃貸借解約禁止期間が設定されている場合もあるので、退去する可能性は比較的低いものの、万一退去した場合、物件の稼働率は大きく減少することになり、また、代替テナントとなりうる者が限定されているために、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化し、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、その結果、賃料収入が大きな影響を受ける可能性があります。
(ニ)不動産の取得又は処分に関するリスク
本投資法人が取得を希望している資産が、不動産投資信託その他のファンド及び投資家等第三者との競合になる可能性もあることから、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産等及び不動産対応証券等を取得することができるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。さらに、本投資法人が不動産等及び不動産対応証券等を取得した後にこれらを処分する場合にも、テナントとの契約内容等によっては、投資採算の視点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えず、損失等が生じる可能性等もあります。
また、本投資法人が、第三者(三井不動産を含みますがこれに限られません。以下本(ニ)において同じです。)との間で不動産等及び不動産対応証券等の取得又は譲渡について優先交渉権の付与等を合意した場合でも、必ずしも当該第三者は本投資法人の希望する条件で取引を行う義務を負うものではなく、本投資法人は、本投資法人が希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等があります。
さらに、本投資法人が第三者との間で不動産等及び不動産対応証券等の取得又は譲渡について先日付での売買契約を締結した場合でも、契約締結後、決済・物件引渡しまでの間における市場環境の変化等により、予定通りに決済・物件引渡しが行われない可能性等があります。
これらの場合、本投資法人が収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない等本投資法人に不利益が生じる可能性があります。
(ホ)借入れ、投資法人債及び新投資口の発行による資金調達に関するリスク
金銭の借入れ、投資法人債の発行及び新投資口の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で金銭の借入れ、投資法人債の発行及び新投資口の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
次に、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、借入れ及び投資法人債の金利は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)三井不動産グループへの依存、利益相反に関するリスク
三井不動産は、本書の日付現在、本資産運用会社の発行済株式の全部を保有しており、本資産運用会社の役職員の主な出向元であり、本資産運用会社の取締役及び監査役の兼任先です。また、本投資法人は、平成20年2月18日付で、三井不動産との間で、SCマネジメント基本契約書(その後の変更を含みます。)(注)を、本資産運用会社は、平成20年2月18日付で、三井不動産との間で不動産等に関する調査業務委託契約書を、それぞれ締結しています。さらに、三井不動産は、本投資法人の保有する不動産の主要なテナントでもあります。
即ち、本投資法人及び本資産運用会社は、三井不動産グループと資本上、契約上、人的等多岐にわたる関係を有しています。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が三井不動産グループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
さらに、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、三井不動産グループ又は三井不動産グループが運用するファンドとの間で取引を行う場合、三井不動産グループ又は三井不動産グループが運用するファンドの利益を図るために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。また、三井不動産グループは、不動産投資及び運用業務を自ら行い、又は自ら組成する私募ファンド運用を受託する等、様々な形で不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社と三井不動産グループとが特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性は否定できず、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(注)三井不動産は、SCマネジメント業務の一部を、三井不動産グループの同業務専業の会社であるフロンティアリートSCマネジメント株式会社に再委託しています。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
また、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)、投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)、利益相反状況にある場合に投資法人の利益を害してはならない義務その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本投資法人の執行役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の執行役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服します。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産による分配からしか投資金額を回収することができません。また、この場合、本投資法人債券の債権者は、清算手続に従ってのみ投資額を回収することになり、債権金額の償還を受けられるとの保証はありません。このため、投資主又は投資法人債権者は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(ヘ)敷金及び保証金に関するリスク
商業施設においては、賃借人が多額の敷金及び保証金を長期間にわたって無利息又は低利で賃貸人に預託することがあり、本投資法人は、これらの資金を今後も活用することを想定しています。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があります。この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなり、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関する法的リスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等の特定資産です。本投資法人は、本書の日付現在、不動産及び不動産を信託する信託の受益権を保有しています。不動産に関しては、以下に記載する法的リスクが存在します。また、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関する法的リスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(レ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工等に関して欠陥、瑕疵等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があります。本資産運用会社が不動産の選定・取得の判断を行うに当たっては、当該不動産について定評のある専門業者から建物状況評価報告書を取得するなどの物件精査を行うことにしていますが、建物状況評価報告書で指摘されなかった事項について、取得後に欠陥、瑕疵等が判明する可能性もあります。建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はありませんし、不動産に想定し得ない隠れた欠陥・瑕疵等が取得後に判明するおそれもあります。
本投資法人は、状況に応じては、売主等に対し一定の事項につき表明及び保証を取得し、瑕疵担保責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証を取得し、瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの表明及び保証の内容が真実かつ正確である保証はなく、また、瑕疵担保責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、売主等が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もありえます。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために必要となる当該欠陥、瑕疵等の補修、建物の建替えその他の対応に係る予定外の費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅建業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、我が国の法制度上、不動産登記にはいわゆる公信力がありません。したがって、不動産登記簿に記録された登記事項を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿に記載された不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上許容される限度で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
なお、保有する信託受益権の多くは、信託契約上、当初委託者が信託受託者に対して、信託財産である不動産についての瑕疵担保責任を負担していません。また、保有資産の売主の多くは、信託受益権譲渡契約上又は不動産売買契約上、本投資法人に対して保有資産についての瑕疵担保責任を負担していません。
(ロ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約リスク、更新がなされないリスク
賃貸借契約において期間中の解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約を終了することが可能であるため、賃借人から賃料が得られることは将来にわたって確定されているものではありません。また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。このような理由により、稼働率が低下した場合、不動産に係る賃料収入が減少することになります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項などを置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人が特に解約の意思を示さなくても、賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生手続若しくは会社更生手続その他の倒産手続(以下「倒産手続等」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況では投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
本投資法人の主たる投資対象である商業施設に関するテナントとの賃貸借契約の期間は、比較的長期間であることが一般的ですが、このような契約においては、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。また、本投資法人は、運営管理による賃貸収益の増加を図るため、各テナントとの賃貸借契約期間が比較的短い物件を取得することがあります。
賃貸借契約の更新の際又は賃料等の見直しの際には、その時々における賃料相場も参考にして、賃料が賃借人との協議に基づき改定されることがありますので、本投資法人が保有する不動産について、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定通りに賃料を増額できるとは限りません。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができ、これにより、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約は、定期建物賃貸借契約においてのみ設けられることとされていますが、定期建物賃貸借契約の効力が認められるには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があるため、かかる要件が充足されなかった場合(かかる要件の充足を証明できない場合を含みます。)には、定期建物賃貸借契約としての効力が認められず、その結果、賃料減額請求権を排除する特約の効力が認められず、投資主に損害を与える可能性があります。
e.優先交渉権又は先買権その他の合意が存在することによるリスク
単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングル・テナント物件や少数の大規模テナントが存在する核テナント物件の賃貸借契約においては、賃借人との間で物件売却時に、優先的に購入できる機会等が与えられる旨の約定(優先交渉権)や排他的に購入できる機会等が与えられる旨の約定(先買権)、処分禁止に関する合意等をすることにより、賃貸人等が物件の所有権又はこれらを信託財産とする信託の受益権を第三者に売却しようとする場合に、賃貸人による物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
本投資法人が保有する物件においてもかかる合意が存在しますが、かかる合意がなされている場合、売却その他の処分により多くの時間を要したり、価格の減価要因となる可能性があります。
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法(明治29年法律第89号。その後の改正を含みます。)(以下「民法」といいます。)上無過失責任を負うこととされています。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約でカバーされない事故が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
(ホ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)(以下「文化財保護法」といいます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。さらに、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ヘ)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。さらに、本投資法人が主たる投資対象とする郊外型商業施設及び都心型商業店舗ビル等は、建築基準法、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)、大規模小売店舗立地法(平成10年法律第91号。その後の改正を含みます。)及び中心市街地の活性化に関する法律(平成10年法律第92号。その後の改正を含みます。)に基づく規制を受けますが、これらの法律の改正がなされることにより、また、新たに立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等がなされることにより、不動産に関する権利が制限され、また、新規の物件取得が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人は、債務超過の状況にあるなど財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得する場合には、管財人等により否認されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により否認されるリスクを回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
万一債務超過の状況にあるなど財務状態が実質的危機時期にある状況を認識できずに本投資法人が不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、投資法人が不動産を取得した後、その売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(チ)転貸に関するリスク
賃借人に、不動産の一部又は全部を転貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人から賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、この場合において、賃借人の財務状態が悪化したときは、賃借人の債権者が賃借人の転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、賃借人から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
本投資法人は、テナントの属性や資力に留意しつつ賃貸借契約を締結し、その利用状況を管理していますが、個々のテナントの利用状況をつぶさに監督できるとの保証はなく、テナントの利用状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。
例えば、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、入居者による建物への変更工事、内装の変更、その他利用状況等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。また、賃貸借契約における規定の如何にかかわらず、入居者による転貸や賃借権の譲渡が本投資法人の承諾なしに行われる可能性があります。その他、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(ヌ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
また、共有の場合、単独所有の場合と異なり、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性があります(民法第256条)。分割請求が権利濫用として排斥されない場合には、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性もあります(民法第258条第2項)。このように、共有不動産については、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、不動産共有物全体に対する不分割特約は、その旨の登記をしなければ、対象となる共有持分を新たに取得した譲受人に対抗することができません。仮に、特約があった場合でも、特約をした者について倒産手続等の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続等の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されたときには、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。即ち、他の共有者の債権者により当該共有者の持分を超えて賃料収入全部が差押えの対象となる場合や、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行できない際に当該共有者が敷金全部の返還債務を負う場合などです。ある共有者が他の共有者の債権者から自己の持分に対する賃料を差し押さえられたり、他の共有者が負担すべき敷金返還債務を負担した場合には、自己の持分に対する賃料相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務の償還を他の共有者に請求することができますが、他の共有者の資力がない場合には償還を受けることができません。また、共有者間において、他の共有者に共有物の賃貸権限を付与し、当該他の共有者からその対価を受領する旨の合意をする場合があります。この場合、共有者の収入は賃貸人である他の共有者の信用リスクに晒されます。これを回避するために、テナントからの賃料を、賃貸人ではない共有者の口座に払い込むように取決めをすることがありますが、かかる取決めによっても、賃貸人である他の共有者の債権者により当該他の共有者の各テナントに対する賃料債権が差し押さえられるということ等もありえますので、他の共有者の信用リスクは完全には排除されません。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、既に述べた流動性のリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
(ル)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物における各専有部分が区分所有権の対象となるためには、構造上の独立性(区分性)と利用上の独立性が必要とされ、いずれが欠けても独立の区分所有権の客体とはなることができないものとされます。区分所有建物における専有部分が事後的にかかる構造上の独立性(区分性)を失って他の専有部分と一体となった場合には、従前の各専有部分上の区分所有権は消滅し、各専有部分が異なる所有者に属していたときは、民法の付合の規定が類推され、当該所有者が一体部分全体を共有することになると一般に考えられています。このように一体となった結果共有となった場合において、不動産の登記が共有となった状態を反映していない場合には、実際の権利関係と公示されている権利関係の内容に不一致が生じるため、予定した権利の取得や第三者への対抗力が認められない可能性が否定できず、その場合には、本投資法人が不測の不利益を受ける可能性があります。
また、区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされるなど(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
さらに、区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
加えて、区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権などを敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、既に述べた不動産に係る流動性のリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヲ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自己が所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人又は信託受託者が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人又は信託受益者は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、既に述べた不動産の流動性、取引コスト等に関するリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
(ワ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該信託受託者とテナントとの間の転貸借契約も終了するとされていますので、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(カ)使用許可を取得した底地を含む物件に関するリスク
本投資法人は、地方公共団体から底地について使用許可を取得した上で、当該底地上の建物を取得することがあります。かかる使用許可を受けてする底地の使用については、借地借家法の適用はありません(地方自治法(昭和22年法律第67号。その後の改正を含みます。)(以下「地方自治法」といいます。)第238条の4第8項)。使用許可の期間が終了した後、使用許可の期間が更新される保証はなく、また、使用許可には、一定の場合には一方的に使用許可の取消しができるなどの本投資法人に不利益となる条件が付される可能性もあります。さらに、地方公共団体が公用若しくは公共用に供するため必要を生じたとき、又は許可の条件に違反する行為があると認めるときには使用許可を一方的に取り消される可能性があります。
このように、使用許可を取得した底地を含む物件については、通常の借地物件とは異なった固有のリスク要因が存在し、これらの要因により、本投資法人が当該物件の使用収益を継続できなくなったり、収益性が低下する可能性があります。
なお、三井ショッピングパークららぽーと磐田の底地の一部は、磐田市の所有地であり、磐田市から使用許可を取得しています。
(ヨ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1)投資方針 ② 投資態度」に記載のとおり、竣工前の未稼働不動産の取得は原則として行わない予定ですが、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することがあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約通りの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(タ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物、放射性物質等の有害物質が埋蔵又は存在しいる可能性があり、かかる有害物質が埋蔵又は存在している場合には当該土地の価格の下落により、本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄、除染措置が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となり、本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。更に、これらの有害物質が存在することにより不動産の価値が下落する可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があり、かかる義務を負う場合には本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。本投資法人がこれらの調査・報告又は措置を命ぜられた場合には、本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やポリ塩化ビフェニル(PCB)が保管されている場合等には、当該建物の価格の下落により、本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となり、本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があり、かかる義務が生じた場合には本投資法人ひいては投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
(レ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、資産を信託の受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上、信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。さらに、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権については、受益証券発行信託で受益証券が発行されている場合を除き、私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、私法上の有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産手続等の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託財産である不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ソ)先日付での売買契約の締結等に係るリスク
本投資法人は、不動産を取得するにあたり、先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約の締結等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。かかる先日付の売買契約の締結等を行った場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)複数の建物が一つの建築物として建築されている物件に関するリスク
本投資法人は、不動産登記法上は複数の建物とされているにもかかわらず、建築基準法上は一つの建築物として建築されている建物を取得することがあります。かかる建物の場合、不動産登記法上は複数の建物となるため、各建物を別々の所有者が単独で所有することができますが、建築基準法上は一つの建築物であるため、建築基準法が複数の建物に対して一体的に適用され、相互に影響を受けることになります。このため、例えば、一部の建物所有者がその所有する建物の建替え等を行った場合、他の建物所有者は何らの建替え行為を行っていないにもかかわらず、建築基準法上は既存不適格の建物の建替えとして取り扱われ、かかる一つの建築物に該当する建物全体について、現行の規定に合致するよう手直しをする必要が生じ、追加的な費用負担が必要となる可能性があります。また、一部の建物所有者が法定の容積率を超える増築行為を行った場合等、一部の建物が建築基準法に違反した場合に、かかる一つの建物全体について、建築基準法に違反したものとして取り扱われ、追加的な費用負担や不測の損害が生じる可能性があります。さらに、当該建物の増改築を行うにあたり、単独で実施することができず、結果として希望する増改築を実施できず、又は追加的な費用負担や不測の損害が生じる可能性があります。そのため、かかる建物については、その処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、追加的な費用負担が生じる可能性があります。
このように、複数の建物が一つの建築物として建築されている物件については、通常の物件とは異なった固有のリスク要因が存在し、これらの要因により、本投資法人が当該物件の使用収益を継続できなくなったり、収益性が低下する可能性があります。
(ネ)借地権の設定に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがありますが、底地物件には特有のリスクがあります。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。借地権者より時価での建物買取を請求される場合、買取価格が本投資法人の希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
更に、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定、又は、借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、本投資法人は、運用資産の賃貸に当たり、借地借家法第22条に定める一般定期借地権又は同法第23条に定める事業用定期借地権の設定に係る契約(以下、本(ネ)において「定期借地権設定契約」と総称します。)を利用することがあります。しかしながら、定期借地権設定契約の効力が認められるためには、借地借家法第22条(一般定期借地権の場合)又は同法第23条(事業用定期借地権の場合)所定の要件を充足する必要があるため、かかる要件が充足されなかった場合又はかかる要件の充足を証明できない場合には、定期借地権設定契約としての効力が認められず、当該契約がいわゆる普通借地契約として取り扱われる可能性があります。その結果、本投資法人が予定する時期に借地契約が終了しない可能性があるほか、建物買取請求権を排除する特約の効力が認められず、契約終了時に本投資法人が借地上の建物を時価で取得することを強制され、多額の費用負担が生じる等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。また、一般的に建物所有目的の普通借地契約に基づく普通借地権は、それ自体に高い財産的価値があるとされ、普通借地権が設定された場合、普通借地権の価値に応じて土地(底地)の価値が下落することが多く、かかる場合には、一般定期借地権又は事業用定期借地権が設定される場合に比べて本投資法人が保有する資産(底地)の価値が下落し、これにより本投資法人が損失を被る可能性があります。更に、かかる借地権の性質の変更が、本投資法人の税務又は会計上の取扱いに影響を与え、本投資法人が課税処分その他の不利益を受ける可能性もあります。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
投資法人の主な導管性要件
支払配当要件配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること
(利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること)
国内50%超募集要件投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること
借入先要件機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。後記「所有先要件」において同じです。)以外の者から借入れを行っていないこと
所有先要件事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること
非同族会社要件事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口の総口数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと
会社支配禁止要件他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(一定の海外子会社を除きます。)

本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、更正処分等による多額の過年度法人税等の発生、本投資法人の投資主の異動、分配金支払原資の制限・不足、資金の調達先、借入金等の定義の不明確性、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産の価額の合計額の割合を75%以上とすること(規約第29条)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
土壌汚染リスク評価報告書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見であり、評価方法、調査の方法等によってリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、かかる報告書は、専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、マーケットレポート等により提示されるマーケットに関する第三者機関による分析又は統計情報は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
建物エンジニアリング・レポート及び構造計算書に関する調査機関による調査報告書についても、建物の状況及び構造に関して専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、不動産に欠陥、瑕疵が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値は、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)会計処理と税務処理との不一致により税負担が増大するリスク
会計上減損損失が発生した場合又は本投資法人の資産若しくは本投資法人に関する会計基準(かかる会計基準に関する解釈・運用・取扱いを含みます。)の変更その他の理由により会計処理と税務処理との不一致が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上、その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、平成27年度税制改正で一時差異等調整引当額の制度が新設され、会計処理と税務処理との不一致を原因とする追加の税負担を回避することが可能となっていますが、本投資法人がこの制度を常に活用できるとは限らず、追加的な税負担の回避が約束されているものではありません。
(2)投資リスクに対する管理体制
① 本投資法人の体制
本投資法人は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるよう以下のリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
(イ)利益相反への対応
本投資法人は、透明性の高い運営を行い、同時にリスク管理に努めています。また、利害関係人との間の利益相反に配慮しつつ、投資方針を実現させることができるように体制を整備しています。利益相反を回避するために以下の法令上の規定並びに本投資法人及び本資産運用会社による施策が存在します。
(法令上の規定)
・本投資法人の執行役員は投信法上、本投資法人に対し、善管注意義務及び忠実義務を負っており、執行役員が故意又は過失によりその義務に違反して本投資法人に損害を与えた場合には、本投資法人に対して損害賠償責任を負うこととなります。
・投信法上、利害関係人等との取引については、一定の制限が存在します(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (1)法令に基づく制限」をご参照ください。)。
・投信法上、役員会の決議において、投資法人の執行役員及び監督役員が特別の利害関係を有する場合、決議に参加できないものとされています。
(本投資法人及び本資産運用会社による施策)
・本資産運用会社内部規則として利害関係人等取引規程を定め、当該利害関係人等取引規程において利害関係者との間で不動産等の取得及び譲渡を行う場合には、本投資法人の役員会の事前承認を必要としています(利害関係者との間の取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)本投資法人に関する利益相反対策ルール」をご参照ください。)。
(ロ)牽制体制
本投資法人は、業務執行の意思決定及び執行役員に対する監督機関としての役員会が十分に機能し、執行役員が本投資法人のために忠実にその職務を遂行するよう努めています。役員会においては、本投資法人が委託する本資産運用会社での資産運用に係る重要な事項は、本資産運用会社からの報告事項とし、さらに、利害関係者との間の一定の取引に関しては、本投資法人の役員会の承認事項とするなど、本資産運用会社への一定の牽制体制を構築しています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は管理対象とするリスクの種類、リスク管理に関する基本的考え方及び社内のリスク管理体制等に関するリスク管理規程を定め、当該規程に基づいて管理体制を整備し各種リスクに対する適切な管理を実施しています。加えて利益相反リスクに対しては利害関係人等取引規程を定め厳格な利益相反対策ルールを設定しています。
リスク管理の基本事項を定めたリスク管理規程の制定・改廃は、経営会議の審議を経て取締役会で決定します。また、具体的なリスク管理の実施方法としては、本投資法人の事業計画に合わせて各種リスクの重点管理課題と対策を設定したリスク管理計画を策定し、経営会議の決定を経て管理を実施し、その結果は経営会議及び取締役会へ報告されます。
また、社内のリスク管理体制の仕組みとして、社内の各部門長を当該部門のリスク管理担当として配置するとともに、全体のリスクを統括する部署としてコンプライアンス部を配置し、リスクを統合して管理できる体制を整備しています。コンプライアンス部は社内各部門から独立した組織として配置され、相互牽制機能を十分発揮できる体制が採用されています。
なお、上述したように利害関係人等との一定の取引については、利益相反リスクへの対策として本資産運用会社の取締役会決定の前に本投資法人の役員会の承認が必要であることに加え、コンプライアンス委員会での社外専門委員2名を含めた全委員の賛成を必要とし、金融商品取引法及び投信法に定める利害関係人等に関連した行為準則の水準を超える厳格な利益相反防止体制を整え、本投資法人本位のリスク管理体制を徹底しています。
本資産運用会社は、以上のような実効性のあるリスク管理システムを整備することによって、リスクを極小化するように努め、最大限の効果の発揮に努めます。
また、本資産運用会社はリスクに最大限対応できるよう以下のリスク管理体制を整備しています。
(イ)反社会的勢力対応の体制
本資産運用会社は、内部規則として反社会的勢力対応マニュアルを定め、反社会的勢力に対する全社的な排除体制を整備することとしています。かかる排除体制の一環として、本資産運用会社の全役職員は、反社会的勢力との関係、取引、利用を一切しないために取引の開始にあたり、所定の取引先審査基準に従い、取引先及び株主の属性判断等を行うほか、本人確認を徹底することとされています。
(ロ)危機管理の体制
本資産運用会社は、内部規則として危機管理マニュアルを定め、災害・情報漏洩・風評被害等の危機発生時に迅速かつ的確に対処し、被害を最小限にとどめるための体制を構築しています。
③ 本投資証券の取引に関する規制
金融商品取引法で禁じられているインサイダー取引が行われることを未然に防止するため、本資産運用会社は、内部者取引等管理規程を通じて、役職員による本投資法人の投資口等の売買を禁止しています。また、本投資法人においても、役員会にて内部者取引等管理規則を採択し、執行役員及び監督役員による本投資法人の投資口等の売買を禁止しています。さらに、本資産運用会社の株主である三井不動産においても、社内規則を通じて、役職員による本投資法人に係る重要な未公開情報を利用した本投資法人の投資口の売買等を禁止しています。

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