臨時報告書(内国特定有価証券)
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- 2023/11/01 15:01
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提出理由
KDX不動産投資法人(2023年11月1日付で、商号をケネディクス・オフィス投資法人から変更しています。以下「本投資法人」といいます。)の運用に関する基本方針及び運用体制が以下のとおり変更されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項並びに特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第1項及び同条第2項第3号の規定に基づき本臨時報告書を提出するものであります。
ファンドの運用に関する基本方針又は運用体制等の重要な変更
(1)変更の理由
本投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(以下「KDR」といいます。)及びケネディクス商業リート投資法人(以下「KRR」といいます。)は、2023年11月1日を合併の効力発生日として、本投資法人を吸収合併存続法人、KDR及びKRRを吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を実施しました。本合併の効力発生に伴い、本投資法人が資産の運用を委託するケネディクス不動産投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)の組織変更が実施され、また、本投資法人の運用ガイドライン等の本資産運用会社の社内規程について、本合併に伴う修正や新たな投資方針の設定等に伴う投資方針及び投資対象の変更等が実施されました。
これらにより、本投資法人の運用に関する基本方針及び運用体制が以下のとおり変更されることになりました。
(2)変更の内容についての概要
2023年7月28日付で提出された有価証券報告書の「第一部 ファンド情報 1 ファンドの状況 1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構」及び「第一部 ファンド情報 1 ファンドの状況 2 投資方針」の一部が、2023年11月1日付で以下のように変更されます。
なお、特に断らない限り、2023年7月28日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
1 投資法人の概況
(4)投資法人の機構
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人の資産運用は、本資産運用会社に委託して行います。
本資産運用会社の組織及びそれぞれの業務の概略は、以下のとおりです。
(注)本資産運用会社は2023年11月1日付で、オフィス・リート本部を上場リート本部に変更し、その傘下に不動産等の用途毎に物件の運営等を行う部門を設置するとともに、上場リート本部で管理する不動産等の各種データを横断的に収集、集計、分析、検討し、ポートフォリオの長期運営計画・資産管理計画の策定等を行う組織としてポートフォリオマネジメント部を新設しました。また、プライベート・リート本部の名称を私募リート本部に変更しました。更に、本資産運用会社及び資産運用受託投資法人のサステナビリティ・ESG関連事項の推進を担当するサステナビリティ推進室をサステナビリティ推進部に変更しました。以下同じです。
本資産運用会社は、上記組織のもと、投資運用業務を行います。本資産運用会社の各種業務は、本投資法人を担当する上場リート本部、ケネディクス・プライベート投資法人(以下「KPI」ということがあります。)を担当する私募リート本部、各投資法人(以下、本投資法人を含む本資産運用会社が資産の運用業務を受託する投資法人を総称して「各投資法人」ということがあります。)に係る資産の取得・売却等及び企画機能をそれぞれ所管する投資部及び戦略企画部、並びに、本資産運用会社及び各投資法人の管理業務を実施する部門である業務管理部、財務経理部、エンジニアリング部、IT戦略部、経営管理部、サステナビリティ推進部、コンプライアンス部及び内部監査部の各部門に分掌され、上場リート本部及び私募リート本部については、担当の取締役兼本部長が統括します。
また、資産の運用に関する審議を行う機関として上場リート本部及び私募リート本部にそれぞれ上場リート本部運用委員会(以下「KDXR運用委員会」といいます。)及び私募リート本部運用委員会を、コンプライアンスに関する審議を行う機関として各本部共通のコンプライアンス委員会を、本資産運用会社及び各投資法人のサステナビリティ・ESG関連事項に関する諮問及びこれらの事項への取組みの推進に向けた助言を行う機関として、本資産運用会社の代表取締役社長を委員長とする、各本部共通のサステナビリティ推進委員会を設置しています。
また、本資産運用会社は資産の運用を行う複数の投資法人のうち投資対象の重複する投資法人の間における案件情報の適切な取扱いを確保し、各投資法人間における利益相反を防止するための会議体として、コンプライアンス・オフィサー、並びに各リート本部投資責任者及び各リート本部(以下、上場リート本部及び私募リート本部を「各リート本部」という場合があります。)(各投資法人)を担当する投資部責任者のうち、現に当該職位にある者により構成されるパイプライン会議を設置しています。更に、特定のリート本部長は、他のリート本部の本部長を兼任することができないものとしています。本部長以外の職員については、各本部の間の兼任は禁止されません。
(イ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
各組織の主な業務は、以下のとおりです。なお、本「② 投資法人の運用体制」に記載の各本部共通の組織・機関は、本投資法人の資産運用だけではなく、ケネディクス・プライベート投資法人の資産運用及びその他の業務にも関与していますが、以下では主に本投資法人の資産運用に関する事項を記載しています。
(ロ) 委員会の概要
KDXR運用委員会及びコンプライアンス委員会の概要は、以下のとおりです。
a. KDXR運用委員会
(注1)本書の日付現在、外部委員には、本資産運用会社、本資産運用会社の役職員又は本資産運用会社が資産運用を受託する投資法人との間に特別の利害関係を有していない不動産鑑定士1名が就任しています。
(注2)取締役会は、上場リート本部長が事故、病気又は休暇等により、一時的に又は長期間、不在となり、自らの業務を執行することができなくなった場合及び当該事情が生じる場合に備え、当該事情が解消するまでの間、上場リート本部長の権限の全てを代行すべき者(以下「上場リート本部長代行」といいます。)を、上場リート本部員の中から指名することができます。ただし、上場リート本部長代行による上場リート本部長の権限の代行の開始時期及び終了時期は、コンプライアンス・オフィサーが認める時期とします。
b. コンプライアンス委員会
(注)本書の日付現在、外部委員には、本資産運用会社、本資産運用会社の役職員、本資産運用会社が資産運用に係る業務を受託する投資法人との間に特別の利害関係を有していない弁護士1名が就任しています。
③ KDXR資産運用業務に係る投資運用の意思決定に関する事項
本資産運用会社は、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、本投資法人の資産運用に関連し、上場リート本部運用ガイドライン(以下「運用ガイドライン」といいます。)を作成し、投資方針、利害関係者との取引ルール、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めます。
また、本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関連し、運用ガイドラインに従い、資産管理計画書及び中期運用計画等(中期運用計画及び年度運用計画をいいます。以下同じです。)を作成し、運用ガイドラインに定める投資方針、利害関係者との取引ルールに従い、投資物件を選定し、その取得を決定します。
運用ガイドライン、資産管理計画書及び中期運用計画等の制定及び変更に係る意思決定フロー並びに資産の取得及び売却に係る意思決定フローは原則として、以下のとおりです。
<意思決定フロー>
(注1) 運用ガイドラインに基づきコンプライアンス委員会の審議事項から除かれるものを除きます。
(注2) 当該取引が所定の軽微な取引に該当する場合には、本投資法人の役員会の承認の決議及び当該決議に基づく本投資法人の執行役員の同意を要せず、KDXR運用委員会の承認の決議をもって、当該取引を実施します。
(注3) 上記2、3及び5の取引については、本投資法人役員会にも報告します。
(イ) 本投資法人の資産の運用に係る投資方針に関する意思決定
運用ガイドラインは、各所管部門において起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の決裁を経て、コンプライアンス委員会で審議され、決議された後、KDXR運用委員会で審議され、決議されることにより、変更されます。運用ガイドラインが変更された場合、上場リート本部長は、遅滞なく取締役会及び本投資法人役員会にその旨を報告します。
運用ガイドラインは、投資環境や本投資法人の投資方針等を踏まえて必要に応じて適時に改定します。
(ロ) 本投資法人の資産の運用に関する意思決定
a. 資産管理計画書等に関する事項
資産管理計画書は、各所管部門により起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の承認を得ることにより、策定又は変更されます。中期運用計画等は、各所管部門により起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の決裁を経て、その後KDXR運用委員会及び本投資法人役員会においてそれぞれ審議され、決議されることにより、策定又は変更されます。中期運用計画等が策定又は変更された場合、上場リート本部長は、遅滞なく取締役会にその旨を報告します。
資産管理計画書及び中期運用計画等は、所定の期間毎に策定又は見直しを行うこととします。資産管理計画書及び中期運用計画等について期間中に変更が生じた場合には、各所管部門は変更計画書を起案し、資産管理計画書及び中期運用計画等の策定と同様の手続で決定します。
b. 資産の取得及び売却に関する事項
資産の取得に際して、投資部は、各資産について、定められた手続に従い投資資産を選定します。
投資部は、投資資産の取得に関してコンプライアンス・オフィサーに議案を提出します。コンプライアンス・オフィサーが審査した後、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会に付議され、審議後決議されます。
ただし、コンプライアンス・オフィサーが必要と認める取引及び利害関係取引規程に定める利害関係取引、運用ガイドラインに定める方針、基準及び条件等を逸脱する又は運用ガイドラインにおいて定めのない取引(同ガイドラインに基づきコンプライアンス委員会の審議事項から除かれるものを除きます。)に該当する取引については、KDXR運用委員会における審議、決議の前に、コンプライアンス委員会で審議され、決議されます。
コンプライアンス委員会は、必要に応じて外部の専門家による意見書等を取得することができ、取得した意見書等は、判断の一助としてKDXR運用委員会に提出します。なお、外部の意見書等を取得することに代えて、弁護士、公認会計士又は不動産鑑定士の資格を有する者その他の当該分野における専門的知見、経験又は実績を有する者をコンプライアンス委員会に適宜同席させ、意見を聴取することもできます。
資産の売却に関しては、資産の取得と同様に、投資部で立案し、コンプライアンス・オフィサーに提出します。コンプライアンス・オフィサーが審査した後、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会で審議及び決議されますが、必要に応じて事前にコンプライアンス委員会で審議及び決議されます。
なお、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」に定める利害関係者との一定の取引については、一定の場合を除き本投資法人役員会の承認の決議及び当該決議に基づく本投資法人の執行役員の同意を得ることとされています。詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ハ) 各投資法人間における利益相反の防止(優先検討権の概要)
金融商品取引法上、資産運用会社が複数の投資法人等の資産運用を受託することは禁じられておらず、本資産運用会社は、本投資法人の他、ケネディクス・プライベート投資法人の資産の運用業務の受託も行っています。
本投資法人は、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設その他様々な用途の不動産を投資対象としているため、ケネディクス・プライベート投資法人と投資対象の一部が競合する関係にあります(注)。
(注) 本投資法人は、本投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人がそれぞれ取得検討対象とする物件タイプにつき競合する関係にあるものの、以下の「優先検討権」に関するルールに則り、東京23区に所在するオフィスビルについては一棟当たりの延床面積2,000㎡以上13,000㎡以下のオフィスビルが、東京23区以外に所在するオフィスビルについては一棟当たりの延床面積3,000㎡以上20,000㎡以下のオフィスビルが、原則として上場リート本部に優先検討権が付与されます。かかる延床面積の制限を鑑みれば、中規模オフィスビルのほとんどについては本投資法人に優先検討権が付与されることとなります。また、その他の投資対象についても、サービス施設及びホテルを除き、原則として上場リート本部に優先検討権が付与されることから、本投資法人が投資対象とする物件情報の取得について制約が生じる場合は限定的であると想定しています。
本資産運用会社は、各投資法人を運用する本部の本部長について、他のリート本部の本部長の兼任を禁止するとともに、かかる本資産運用会社の業務形態に照らし、その資産運用業務において各投資法人間で投資物件を取得する機会の競合が発生する可能性があるため、「パイプライン会議」を設置し、「優先検討権」に関するルールを採用することで、本資産運用会社が入手する不動産等売却情報(本資産運用会社が入手した各投資法人の投資対象となりうる不動産又は不動産を裏付けとする資産に関する購入希望者の探索に関する情報であり、かつ、各投資法人での投資の可否を検討可能な程度の情報をいいます。以下、本「(ハ) 各投資法人間における利益相反の防止(優先検討権の概要)」において同じです。)に関して、取得のための検討を優先して行う各投資法人を決定するルールを設け、かかるルールに則った運営を行うこととしています。本資産運用会社は、かかるルールを適切かつ円滑に運用することで、恣意的な不動産等売却情報の配分を防止し、もって各投資法人間における利益相反を防止し、各投資法人に対する業務の忠実性を確保することを目指しています。ここに、「優先検討権」とは、不動産等売却情報を入手した時点で、客観的かつ明確である建築基準法上の「用途」や登記簿上の「延床面積」等を基準とした優先検討機会の振り分けを実施するものです。
「パイプライン会議」及び「優先検討権」の詳細は、以下のとおりです。
a. パイプライン会議
(注)当該リート本部(投資法人)を担当する投資部責任者は、それぞれが指名する投資部担当者をもって、代理させることができるものとされています。
b. 優先検討権の順位
各本部の優先検討権の順位は、各物件の用途毎に以下のとおり定めています。
i.オフィスビル(注1)
ii.居住用施設(注2)
iii.商業施設
iv.ホテル(注5)
v.ヘルスケア施設(注6)
vi.物流施設(注7)
vii.保育施設(注8)
viii. 上記以外の用途施設(開発予定案件で開発の蓋然性が確認できない場合を含みます。)については、優先検討権は定めません。
ix.複数物件の優先検討権者を決定する場合、個別物件毎の検討が可能な場合には、各物件毎に、上記i.からviii.までに従って優先検討権を付与しますが、個別物件毎の検討が不可能な場合(バルクセールにおける一括売却の場合等を含みます。)には、以下に従って、優先検討権を付与します。
(i) 個別物件毎に、上記i.からviii.までに従って優先検討権を獲得できる物件数を算出し、当該物件数が最も多い各本部が優先して全ての物件について優先検討権を得ます。
(ii) 上記(i)に従い算出した優先検討権を獲得できる物件数が同数の場合には、優先検討権を獲得できる物件に係る延床面積の合計が最も大きい各本部が優先して全ての物件について優先検討権を得ます。
(注1)「オフィスビル」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、事務所用途の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注2)「居住用施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、住居用途の床面積が最大である賃貸住宅、サービスアパートメント、社宅、学生寮・学生マンション、短期滞在型マンション等の施設運営者付き住宅又はこれらを裏付けとする資産(ただし、下記(注8)に定めるヘルスケア施設に該当するものを除きます。)をいいます。
(注3)「商業施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち店舗用途の床面積が最大で、かつ、当該店舗用途のうち物品販売業を営む店舗(飲食店、コンビニエンスストア、アミューズメント施設及びテーマパーク等の複合的観光施設等を含みます。ただし、スポーツクラブ、結婚式場、学習塾、託児所(ただし、疑義を避けるため付言すると、下記(注10)に定める保育施設に該当するものを含みません。)、保険代理店、旅行代理店、マッサージ店、美容院・エステティックサロン及び公共テナントを除きます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注4)「サービス施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、店舗用途の床面積が最大で、かつ、当該店舗用途のうち、医療又は介護サービス以外のサービス業等を営む店舗(スポーツクラブ、結婚式場、学習塾、託児所、保険代理店、旅行代理店、マッサージ店、美容院・エステティックサロン、公共テナントをいいます。ただし、飲食店、コンビニエンスストア、アミューズメント施設及びテーマパーク等の複合的観光施設等を除きます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注5)「ホテル」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、ホテル用途の床面積が最大で、かつ、集客性の高い立地に位置する、主として洋風の構造及び設備を有する宿泊施設である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注6)「ヘルスケア施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち住居及び福祉施設並びに医療又は介護関連施設用途の床面積が最大で、かつ、当該用途のうち有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、シニア向けマンション、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能施設、デイサービス等のシニアリビング施設及び病院、診療所、介護老人保健施設等のメディカル施設として使用される部分の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注7)「物流施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち倉庫又は工場用途(食品等の製造・加工等を行うプロセスセンター用途、食品庫用途を含みます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注8)「保育施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所その他これに類する用途の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注9)底地に関し優先検討権を得る各本部及びその順位は、当該底地に建築され、かつ、当該借地権を利用している用途施設の種類(複数の用途施設が存在する場合には、各用途施設のうち、床面積が最大なものの種類)を基準に決定されます。
c. 優先検討権の概要
ⅰ. 優先検討権に基づく不動産等売却情報の優先検討期間は、原則として、次回のパイプライン会議開催予定日までとします。ただし、コンプライアンス・オフィサーは、不動産等売却情報の性質に照らし、適切と判断される場合には、優先検討権者の決定に際し、当該期限を短縮することができます。
ⅱ. 優先検討権者が決定した後、優先検討権者となった各本部は優先検討期間終了時までに取得検討を継続するか否かを意思表明しなければなりません。なお、優先検討権者となった各本部を統括する本部長は、取得検討を継続するか否かを意思表明するにあたっては、その理由等についても明らかにしなければなりません。かかる意思表明はその理由等とともに、パイプライン会議に報告され、審議されます。
ⅲ. 優先検討権者について、取得検討を継続しない旨の各本部の決定がパイプライン会議において報告された場合において、パイプライン会議における修正がなされなかったときは、当該優先検討権者について優先検討権は失効し、この場合、他の本部が優先検討権者となります。
ⅳ. 本資産運用会社は、優先検討権の行使により物件を取得するか否かの判断について、各本部を統括する本部長の責任を明確化するとともに、その理由等をコンプライアンス・オフィサーを含む会議体であるパイプライン会議により審議することで、恣意的な優先検討権の行使を防止し、これにより各投資法人間における利益相反を防止します(注)。
(注)かかる利益相反防止のルールの実効性を確保するため、本資産運用会社においては、各リート本部を統括する本部長について、他のリート本部の本部長兼任を禁止しています。
d. 優先検討権の適用除外
以下の条件に該当する不動産等売却情報は、優先検討権の適用除外とされています。
・ 物件の売主又は不動産ファンド等の投資家若しくは不動産ファンド等の関係者により、物件(当該売主等が取得を予定する物件又は運用を予定する物件を含みます。)の取得候補者を指定されている不動産等売却情報
・ サポートライン覚書に基づき特定の投資法人が物件の取得候補者として指定されている不動産等売却情報(かかるウェアハウジングについては、後記「2 投資方針 (1) 投資方針 ② 本投資法人の成長戦略 (イ) 投資物件の取得方法(外部成長) c. ウェアハウジング機能による機動的な投資物件取得」をご参照下さい。)
・ 契約上の優先交渉権又は将来の取得検討機会が付されており、物件の取得候補者を指定されている不動産等売却情報
④ 投資運用に関するリスク管理体制の整備状況
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、規約に沿って、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、運用ガイドラインを策定し、投資方針、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理方針、リスク管理部門及びリスク管理方法等を規定し、主要なリスクとして投資運用リスク、不動産管理リスク、財務リスク、法令遵守リスク、事故リスク、システムリスク及び事業継続リスクを定義し、各リスクを管理する部門を定めています。各リスクを管理する部門は、各リスクの項目・内容・対応方針等について、原則として2年に1度を目処として見直します。
(ロ) 組織体制
本資産運用会社は、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置づけており、取締役会、コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンス委員会により、コンプライアンスを推進する体制を整備しています。取締役会は、全社的なコンプライアンスの推進に関する基本的方針その他の基本的事項を決定し、また、コンプライアンスの推進状況について、コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンス委員会に適宜報告を求めることができます。また、取締役会は、コンプライアンス委員会外部委員、各リート本部の運用委員会外部委員及びコンプライアンス・オフィサーの任命を決議します。コンプライアンス・オフィサーは、本資産運用会社内のコンプライアンス体制を確立するとともに、法令やルールを遵守する企業風土を醸成することに努めます。また、コンプライアンス・オフィサーは、職務責任権限規程その他の本資産運用会社規程に基づきコンプライアンス上の重大な問題の有無等について審査を行います。更に、コンプライアンス委員会の委員長として、本資産運用会社内のコンプライアンスに関する事項を統括します。具体的には、コンプライアンス・マニュアル等の立案・整備及びコンプライアンス・プログラムに基づく、役職員等に対する定期的な指導・研修、法令等の遵守状況の検証等の業務を行います。コンプライアンス・マニュアルの策定及び変更は、コンプライアンス・オフィサーが立案し、コンプライアンス委員会で審議・決議された後、取締役会で決議されることにより行われます。コンプライアンス・プログラムの策定及び変更は、コンプライアンス・プログラムを統括するコンプライアンス・オフィサーにより立案され、コンプライアンス委員会の審議を経て取締役会の承認により行われます。ただし、取締役会で承認されたコンプライアンス・プログラムからの軽微な変更やプログラムの個別具体的内容、実施時期及び進め方等の決定及び変更は、コンプライアンス・オフィサーの承認により行われます。コンプライアンス・プログラムは、原則として事業年度毎に策定し、その進捗状況は、コンプライアンス・オフィサーからコンプライアンス委員会及び取締役会に定期的に報告されます。その他、コンプライアンスに関する重要な事項は、コンプライアンス委員会で審議・決議し、取締役会へ報告されます。コンプライアンス部は、コンプライアンス・オフィサーの補助者として、コンプライアンス・オフィサーの指揮に従い、コンプライアンス・オフィサーの業務の一切の補助を行うものとします。
内部監査部長は、内部監査担当者として、内部監査規程に基づき、内部監査を実施し、内部監査で発見・指摘した問題点等を正確に反映した内部監査報告書を作成します。内部監査担当者は、内部監査報告書を遅滞なく代表取締役社長及び取締役会に報告します。被監査部門は、内部監査報告書で指摘された問題点について、その重要度合いを勘案した上で、遅滞なく改善計画を策定し、改善に努めます。内部監査担当者は、被監査部門による問題点の改善状況を適切に管理し、その達成状況を確認し、その後の内部監査計画に反映させます。取締役会又は内部監査担当者は、本資産運用会社の業務運営の適切性を確認するためその他の理由により必要があると判断したときは、外部の専門家による外部監査を行います。
(ハ) 上場リート本部利害関係取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ニ) 内部者取引等管理規程
本資産運用会社では、内部者取引等管理規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引等の防止に努めています。なお、同規程によれば、本資産運用会社の役職員等が本投資法人の投資口を売買することは、原則として禁止されていますが、例外的にインサイダー取引として法令で禁止されない場合において、かつ(a)累積投資契約に基づき取得する場合又は(b)持投資口会を通じて取得する場合に限り、本資産運用会社の役職員等は本投資法人の投資口を取得することができます。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを策定し、当該リスクを管理しています。
2 投資方針
(1)投資方針
① 本投資法人の基本戦略
(中略)
ポートフォリオ構築に当たっては、ポートフォリオ構築方針に基づき、リスク/リターンのバランスがとれた投資物件を選別します。具体的には、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設、その他様々な用途の不動産を投資対象とし、これらに投資を行います。なお、個別の投資物件については、資産運用のための個別投資基準に定める厳格かつ明確な基準を踏まえた検証を行います。
(中略)
② 本投資法人の成長戦略
(中略)
(ロ)投資物件の運営管理方法(内部成長)
(中略)
c.プロパティ・マネジメント業務(以下「PM業務」ということがあります。)の一括委託による効率的な運営
本投資法人は、投資方針に則り、多数の取得資産のPM業務を迅速かつ効率的に行うため、投資物件の用途等に応じて適切な委託を行うものとします。用途別の委託方針は、以下のとおりです。
<中規模オフィスビル>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、中規模オフィスビルに関する運営管理実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能なプロパティ・マネジメント業者であるケネディクス・プロパティ・デザイン株式会社に対して、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づきプロパティ・マネジメント業務を委託します。
<商業施設>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づき本資産運用会社が受託します。
<物流施設>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、物流施設に関する運営管理実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能なプロパティ・マネジメント業務受託者であるケネディクス・プロパティ・デザイン株式会社に対して、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づきプロパティ・マネジメント業務を委託します。
<その他のアセットタイプ>投資物件の運営管理業務について十分な実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能な業者を選定します。
PM業務の一部を再委託する場合における再委託先の選定にあたっては、再委託先の不動産運営管理の経験や能力、関係業者とのネットワーク、本投資法人の視点に立った運営管理遂行の可否等を総合的に勘案した上で判断します。
(中略)
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略」に基づき、下記のポートフォリオの構築を目指します。
かかるポートフォリオ構築方針は、投資環境や本投資法人の投資方針等を踏まえて、本資産運用会社の判断により必要に応じて適時に改訂される場合があります。
(イ)用途
本投資法人は、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設、その他様々な用途の不動産を投資対象とし、これらに投資を行います。ゴルフ場は投資対象外とします。また、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)第2条第5項に定める性風俗関連特殊営業店は投資対象外とします。
(ロ)地域
投資対象地域については、物件の用途に応じて定めるものとし、その詳細は、後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定めるとおりとします。
(ハ)規模
投資物件の1投資物件当たりの最低投資規模及び最高投資規模の目標は、物件の用途に応じて定めるものとし、その詳細は、後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定めるとおりとします。
後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定める最低投資規模にかかわらず、以下に該当する場合は個別に当該投資物件の取得を行うことができます。
・ 複数の投資物件を一括で取得する際に、最低投資規模を下回る価格帯の投資物件が一部含まれる場合
・ 投資基準に合致する投資物件の取得条件交渉を行った結果、鑑定評価額は最低投資規模を上回るものの、取得価格が最低投資規模を下回る場合
・ 投資済物件の近接地にある施設又は投資済物件に関連性のある施設の場合
(ニ)用途別投資対象地域・投資規模
(ホ)運用期間
本投資法人は、原則として中長期的観点から投資物件を取得し、短期売買目的の投資物件の取得は行いません。ここで、短期とは1年未満の期間を、中期とは1年以上5年以下の期間を、長期とは5年を超える期間をいいます。
ただし、投資物件について以下の各号に該当する事象が発生した場合には、当該物件の短期売却を検討及び実施することがあります。
a.本投資法人のポートフォリオ構築上、売却を行うことが本投資法人の中長期的な戦略から見て適切であると判断される場合
b.平均的な実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望先が現れた場合等、売却を行うことが本投資法人の収益獲得に寄与する場合
c.経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損、劣化等により、当初想定した賃貸事業収支の確保が困難となり、追加的な措置によっても回復の見込みがないと判断される場合
④ 個別投資基準
(注1)「新耐震基準」とは、1981年に施行された建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法施行令」といいます。)の改正(昭和56年4月24日政令第144号)に基づき制定された耐震基準をいい、① RC柱の帯筋比の規定の新設(0.2%以上)、② 水平震度から層せん断力係数への見直し、③ 耐震計算に関する二次設計の規定の新設がなされた結果、耐震性能が大幅に向上することの契機となった耐震基準をいいます。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)値」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は、個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年= 一般的な建物の耐用年数)中での超過確率10%の損失額(=再現期間475年の損失額)の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。
投資物件の取得に当たっては、対象不動産の収益性調査、市場調査、法的調査、鑑定評価等の詳細な調査(デューデリジェンス)を実施します。各種調査及び鑑定評価については、専門性、客観性、透明性の観点から、利害関係を有しない独立した外部業者へ調査を委託します。
⑤ 匿名組合出資持分若しくは不動産対応証券又はLPS持分への投資
本投資法人は、不動産に関する匿名組合出資持分(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (イ)不動産同等物」に定義されます。以下同じです。)若しくは不動産対応証券又は又はLPS持分への投資を行う場合は、主として以下の内容を基準にします。
なお、本⑤による投資を行う場合については、前記「④ 個別投資基準」に定める個別投資基準に合致することを要しません。
(イ)不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資については、当該投資後において、不動産に関する匿名組合出資持分及び不動産対応証券に対する投資額の合計が、総資産額(注)の10%以内となること。
(ロ)LPS持分への投資については、当該投資後において、LPS持分に対する投資額の合計が、東京証券取引所が定める諸規則等を踏まえ、総資産額(注)の5%以内となること。
(ハ)LPS持分への投資については、そのキャッシュフローの主たる源泉が主として不動産等から生じるキャッシュフローであること。
(注)総資産額は、直近の決算期の貸借対照表における資産の部の金額とし、有形固定資産については鑑定評価額と期末帳簿価額との差額を当該有形固定資産の期末帳簿価額に加減して求めた金額とします。
⑥ 運営管理方針
(イ)運用計画の策定
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に「年度運用計画」を策定し、計画的な資産運用を行います。年度運用計画は、投資物件毎の収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画より構成され、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会の審議及び決議を経て、各営業期間開始後2か月以内に策定されます。上場リート本部長は、年度運用計画が策定された場合には、本投資法人の役員会に提出し、承認を得ます。
本資産運用会社は、各投資物件及びポートフォリオ全体について、収支実績を随時検証します。期中の収支予算と実績に著しい乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正運用計画を策定します。
投資物件の取得又は売却、市場環境の変化等、投資物件やポートフォリオの状況に大きな変化が生じた場合についても、適宜、年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)運営管理のモニタリング
本資産運用会社は、上記の「年度運用計画」を基に、投資物件の賃貸運営、建物管理、修繕・改修等の各方面から、プロパティ・マネジメント業務受託者の運営管理活動をモニタリングします。
また、本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント業務受託者との間で、以下の事項に関する確認及び対応策等についての業務報告会を定期的に開催し、計画に沿った運営管理を実行・維持するための協議を行います。
・ 収支実績及び予算との対比
・ 稼働率の状況及び予算との対比
・ 既存テナントの動向
(賃料等の回収・延滞状況、テナントからの要望・苦情等の有無とその対処状況、賃貸借契約の更新・解約等の動向等)
・ 周辺地域における賃貸市場の動向
・ 新規テナント募集活動の状況
(入居検討先、募集条件、空室期間等)
・ 建物管理の状況
(躯体や設備の維持管理状況、法定定期点検の実施状況等)
・ 修繕工事の実施状況及び予算との対比
・ 今後必要な修繕工事及び大規模改修工事の計画
・ 収益向上、経費削減に向けた方策の検討
・ その他、協議が必要と考える事項
ヘルスケア施設に関しては、運営管理方針・計画、運営状況及びオペレーターの信用状況等について、定期的なモニタリングを実施するとともに、モニタリング結果を踏まえ、必要な改善策を検討します。なお、宿泊施設及び保育施設についても、同様とします。
ヘルスケア施設について施設の運営に問題が発生した場合には、必要に応じて、オペレーターに対して建物・設備に関する修繕や改修の提案、運営方法・営業手法の提案等を行い協議することにより、オペレーターと協力して施設の運営の安定化に努めます。更に、それらの対応をしてもなお施設の運営の問題が改善されない場合や法令違反等運営の継続性に重大な支障が生じた場合には、オペレーターの交代を検討します。なお、宿泊施設及び保育施設についても、同様とします。
(ハ)ESGへの配慮
本資産運用会社は、不動産の投資運用における環境、社会、ガバナンス(ESG)配慮の重要性を認識し、企業の社会的責任として持続可能な社会の実現を目指したサステナビリティの向上のため、運用にあたっては対象物件における環境や社会への配慮についても考慮することとします。
(中略)
⑧ 修繕及び設備投資の方針
(イ)中長期的かつ安定的な収益を確保することを目的として、投資物件の競争力の維持・向上につながる効率的な修繕計画を投資物件毎に作成し、修繕及び設備投資を行います。
(ロ)修繕及び設備投資のうち、会計上資本的支出と分類されるものについては、原則として、ポートフォリオ全体での合計額がポートフォリオ全体の減価償却費合計額の範囲内となるように実施します。ただし、ポートフォリオの競争力を維持・向上させるために必要と判断される多額の支出や、緊急性を要する多額の支出が発生する場合は、財務政策上支障のない範囲で、ポートフォリオ全体の減価償却費合計額を超えて行うことがあります。
(ハ)共用部分の改修工事については、テナントに対する営業政策上の観点から早期に検討及び実施します。
(ニ)耐震補強が必要な建物については、テナントの営業状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに検討及び実施します。
(中略)
⑩ 財務方針
(中略)
(ニ)資金運用
a.本投資法人に帰属する余剰資金(本投資法人の固有勘定内及び不動産信託の信託勘定内)は、無利息型の普通口座(預金保険制度により全額保護の対象となる普通預金)又はムーディーズ・ジャパン株式会社の短期預金格付がP-2以上若しくはS&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社の自国通貨建て短期格付けがA-2以上である銀行の普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座(以下、普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座を総称して「預金口座」といいます。)に預け入れます。ただし、上記記載に該当しない普通口座又は預金口座を使用する場合には、適正な管理を行います。
b.余剰資金は、原則として、以下の項目に対して支出することができます。なお、規約上では安全性及び換金性を重視した上で有価証券及び金銭債権(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)d.」及び同「e.」に掲げる有価証券(ただし、LPS持分を除きます。)及び金銭債権をいいます。以下、本(ニ)において同じです。)への投資ができることとされていますが、当面は運用を目的とした有価証券又は金銭債権への投資は行わないこととします。
・投資物件の取得又は設備投資等
・本投資法人の運営資金
・分配金の支払
・債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)
c.デリバティブ取引に係る権利への投資は、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としてのみ行います。
d.投資物件の賃貸に際し調達した敷金又は保証金等の預り金の運用方法は、原則として上記a.に準じた取扱いを行います。ただし、ヒストリカルデータの蓄積やコミットメントラインの導入等、預り金返還の安全性が確保できると判断される場合は、資金効率の観点から上記b.に準じた運用を行うことができます。
(中略)
(4) 投資制限
① 規約に基づく投資制限
本投資法人の規約に基づく投資制限は以下のとおりです。
(イ)投資制限(規約別紙1「資産運用の対象及び方針 投資方針及び投資制限」)
a.有価証券及び金銭債権に係る制限
本投資法人は、前記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)d.」及び同「e.」に定める有価証券(ただし、LPS持分を除きます。)及び金銭債権への投資を、安全性及び換金性を重視して行うものとし、積極的な運用益の取得のみを目指した投資を行わないものとします。
b.デリバティブ取引に係る制限
本投資法人は、前記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)g.」に定めるデリバティブ取引に係る権利への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としてのみ行うものとします。
c.本投資法人は、投資対象となる不動産(不動産を除く不動産等及び不動産対応証券の裏付けとなる不動産等を含みます。)を国内に所在する不動産に限定します。
d.本投資法人は、外貨建資産への投資は行わないものとします。
e.本投資法人は、その有する特定資産の価額合計額に占める特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の割合を100分の75以上となるようその資産を運用するものとします。
(ロ)組入資産の貸付(規約別紙1「資産運用の対象及び方針 組入資産の貸付の目的及び範囲」)
a.本投資法人は、中長期的な安定収益の確保を目的として、運用資産に属する不動産(本投資法人が取得する不動産等以外の不動産関連資産の裏付けとなる不動産を含みます。)を賃貸(駐車場、看板等の設置等を含みます。)することができます。
b.本投資法人は、不動産の賃貸に際し、敷金又は保証金等これらに類する金銭を収受することがあり、かかる収受した金銭を前記投資方針に従い運用することができます。
c.本投資法人は、運用資産に属する不動産(本投資法人が取得する不動産以外の不動産関連資産の裏付けとなる不動産を含みます。)以外の運用資産の貸付けを行うことがあります。
(ハ)借入れ及び投資法人債発行に係る制限(規約第33条)
a.借入れの目的
本投資法人は、安定した収益の確保及び運用資産を着実に成長させることを目的として、資金の借入れ又は投資法人債の発行を行うことができます。
借入れ及び投資法人債により調達した金銭の使途は、資産の取得、修繕、分配金の支払、本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金及び保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等とします。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。
b.借入金の限度額
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ2兆円とし、かつ、その合計額が2兆円を超えないものとします。
c.借入先
資金を借入れる場合は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
d.担保の提供
上記a.の規定に基づき借入れを行う場合又は投資法人債を発行する場合、本投資法人は、運用資産を担保として提供することができます。
② その他の投資制限
本投資法人は、有価証券の引受け及び信用取引は行いません。
(3)変更の年月日
2023年11月1日
本投資法人、ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人(以下「KDR」といいます。)及びケネディクス商業リート投資法人(以下「KRR」といいます。)は、2023年11月1日を合併の効力発生日として、本投資法人を吸収合併存続法人、KDR及びKRRを吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を実施しました。本合併の効力発生に伴い、本投資法人が資産の運用を委託するケネディクス不動産投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)の組織変更が実施され、また、本投資法人の運用ガイドライン等の本資産運用会社の社内規程について、本合併に伴う修正や新たな投資方針の設定等に伴う投資方針及び投資対象の変更等が実施されました。
これらにより、本投資法人の運用に関する基本方針及び運用体制が以下のとおり変更されることになりました。
(2)変更の内容についての概要
2023年7月28日付で提出された有価証券報告書の「第一部 ファンド情報 1 ファンドの状況 1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構」及び「第一部 ファンド情報 1 ファンドの状況 2 投資方針」の一部が、2023年11月1日付で以下のように変更されます。
なお、特に断らない限り、2023年7月28日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
1 投資法人の概況
(4)投資法人の機構
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人の資産運用は、本資産運用会社に委託して行います。
本資産運用会社の組織及びそれぞれの業務の概略は、以下のとおりです。
本資産運用会社組織図 |
(注)本資産運用会社は2023年11月1日付で、オフィス・リート本部を上場リート本部に変更し、その傘下に不動産等の用途毎に物件の運営等を行う部門を設置するとともに、上場リート本部で管理する不動産等の各種データを横断的に収集、集計、分析、検討し、ポートフォリオの長期運営計画・資産管理計画の策定等を行う組織としてポートフォリオマネジメント部を新設しました。また、プライベート・リート本部の名称を私募リート本部に変更しました。更に、本資産運用会社及び資産運用受託投資法人のサステナビリティ・ESG関連事項の推進を担当するサステナビリティ推進室をサステナビリティ推進部に変更しました。以下同じです。
本資産運用会社は、上記組織のもと、投資運用業務を行います。本資産運用会社の各種業務は、本投資法人を担当する上場リート本部、ケネディクス・プライベート投資法人(以下「KPI」ということがあります。)を担当する私募リート本部、各投資法人(以下、本投資法人を含む本資産運用会社が資産の運用業務を受託する投資法人を総称して「各投資法人」ということがあります。)に係る資産の取得・売却等及び企画機能をそれぞれ所管する投資部及び戦略企画部、並びに、本資産運用会社及び各投資法人の管理業務を実施する部門である業務管理部、財務経理部、エンジニアリング部、IT戦略部、経営管理部、サステナビリティ推進部、コンプライアンス部及び内部監査部の各部門に分掌され、上場リート本部及び私募リート本部については、担当の取締役兼本部長が統括します。
また、資産の運用に関する審議を行う機関として上場リート本部及び私募リート本部にそれぞれ上場リート本部運用委員会(以下「KDXR運用委員会」といいます。)及び私募リート本部運用委員会を、コンプライアンスに関する審議を行う機関として各本部共通のコンプライアンス委員会を、本資産運用会社及び各投資法人のサステナビリティ・ESG関連事項に関する諮問及びこれらの事項への取組みの推進に向けた助言を行う機関として、本資産運用会社の代表取締役社長を委員長とする、各本部共通のサステナビリティ推進委員会を設置しています。
また、本資産運用会社は資産の運用を行う複数の投資法人のうち投資対象の重複する投資法人の間における案件情報の適切な取扱いを確保し、各投資法人間における利益相反を防止するための会議体として、コンプライアンス・オフィサー、並びに各リート本部投資責任者及び各リート本部(以下、上場リート本部及び私募リート本部を「各リート本部」という場合があります。)(各投資法人)を担当する投資部責任者のうち、現に当該職位にある者により構成されるパイプライン会議を設置しています。更に、特定のリート本部長は、他のリート本部の本部長を兼任することができないものとしています。本部長以外の職員については、各本部の間の兼任は禁止されません。
(イ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
各組織の主な業務は、以下のとおりです。なお、本「② 投資法人の運用体制」に記載の各本部共通の組織・機関は、本投資法人の資産運用だけではなく、ケネディクス・プライベート投資法人の資産運用及びその他の業務にも関与していますが、以下では主に本投資法人の資産運用に関する事項を記載しています。
部門名 | 分掌業務 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上場リート本部 | 本投資法人の資産の運用に係る業務(以下「KDXR資産運用業務」といいます。)の統括 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
資産運用第一部(オフィス担当) 資産運用第二部(居住用施設、ヘルスケア施設担当) 資産運用第三部(商業施設、物流施設、宿泊施設、その他担当)
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コンプライアンス・オフィサー/コンプライアンス部 |
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内部監査部 |
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投資部 |
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戦略企画部 |
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業務管理部 |
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財務経理部 |
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エンジニアリング部 |
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IT戦略部 |
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経営管理部 |
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サステナビリティ 推進部 |
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(ロ) 委員会の概要
KDXR運用委員会及びコンプライアンス委員会の概要は、以下のとおりです。
a. KDXR運用委員会
委員 | 上場リート本部長(委員長)、代表取締役社長、上場リート本部投資責任者、上場リート本部戦略企画責任者、上場リート本部資産運用第一部長、上場リート本部資産運用第二部長、上場リート本部資産運用第三部長、上場リート本部ポートフォリオマネジメント部長、コンプライアンス・オフィサー、財務経理部長、サステナビリティ推進部長、投資部長、投資部において上場リート本部(KDXR)を担当する責任者、戦略企画部長、戦略企画部において上場リート本部(KDXR)を担当する責任者及び外部委員のうち、現に当該職位にある者(注1)(注2) | ||||||||||||||||
審議内容 |
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審議方法等 | ・委員の3分の2以上の出席を要するものとします。ただし、上場リート本部長、コンプライアンス・オフィサー及び外部委員(上記iv.からvi.までに規定する事項及びそれらに付随又は関連する事項を審議及び決議する場合には上場リート本部長及びコンプライアンス・オフィサー)は必ず出席を要するものとします。また、疑義を避けるため、該当する職位に着任している役職員が存在しない場合、当該委員は委員の数に算入されません。 ・外部委員及び上場リート本部長を含む出席委員の3分の2以上の賛成により決議します。なお、疑義を避けるため、1人の委員が複数の職位を兼任している場合においても、当該委員は1個の議決権のみを有するものとします。 ・決議について、特別の利害関係を有する委員(上場リート本部利害関係取引規程(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」に定義されます。)上の利害関係取引における利害関係者(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」に定義されます。以下同じです。)の役員兼任者を含みますが、これに限りません。)は、議決に加わることができません。この場合、当該委員は、委員の数及び出席委員の数に算入しません。 ・上場リート本部長、コンプライアンス・オフィサー又は外部委員が決議について特別の利害関係を有する委員に該当する場合、上記にかかわらず、当該委員が議決に参加することなくKDXR運用委員会は開催できるものとします。 ・上場リート本部長又は外部委員が決議について特別の利害関係を有する委員に該当する場合、上記にかかわらず、当該委員の賛成を得ることなく決議を行えます。 ・決議について、投資部長は、KDXR資産運用業務のうち、資産の取得及び処分に関する事項(資産の取得及び処分に係るリスク管理に関する事項並びにその他資産の取得及び処分に付随又は関連する事項を含みます。)に係る審議・決議事項のみについて、議決権を有するものとします。この場合、投資部長は、議決権を有しない議案に関して、委員の数及び出席者の数に算入しません。 ・決議について、戦略企画部長は、本投資法人の予算策定及び決算に関する事項、本投資法人の資金調達及びALM(Asset Liability Management)に関する事項並びに本投資法人のディスクロージャーに関する事項(これらの事項に係るリスク管理に関する事項及びその他これらの事項に付随又は関連する事項を含みます。)に係る審議・決議事項のみについて、議決権を有するものとします。この場合、戦略企画部長は、議決権を有しない議案に関して、委員の数及び出席者の数に算入しません。 ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス上重大な問題があると判断する場合、審議中においても議案を起案部門に差し戻すことができます。 |
(注1)本書の日付現在、外部委員には、本資産運用会社、本資産運用会社の役職員又は本資産運用会社が資産運用を受託する投資法人との間に特別の利害関係を有していない不動産鑑定士1名が就任しています。
(注2)取締役会は、上場リート本部長が事故、病気又は休暇等により、一時的に又は長期間、不在となり、自らの業務を執行することができなくなった場合及び当該事情が生じる場合に備え、当該事情が解消するまでの間、上場リート本部長の権限の全てを代行すべき者(以下「上場リート本部長代行」といいます。)を、上場リート本部員の中から指名することができます。ただし、上場リート本部長代行による上場リート本部長の権限の代行の開始時期及び終了時期は、コンプライアンス・オフィサーが認める時期とします。
b. コンプライアンス委員会
委員 | 代表取締役社長、コンプライアンス・オフィサー(委員長)、コンプライアンス委員会において審議される議案を管掌する取締役(もしいれば)のうち、現に当該職位にある者及び外部委員(注) | ||||||||||
審議内容 | a. 本投資法人の資産運用に関する事項
| ||||||||||
b. その他の事項
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審議方法等 | ・委員の3分の2以上の出席を要します。ただし、コンプライアンス・オフィサー及び外部委員は必ず出席を要します。 ・決議は、出席した委員の全会一致によります。疑義を避けるため、1人の委員が複数の職位を兼任している場合においても、当該委員は1個の議決権のみを有するものとします。なお、全会一致とならず、決議されなかった場合には、コンプライアンス・オフィサーは、当該議案を起案部門に差し戻します。 |
(注)本書の日付現在、外部委員には、本資産運用会社、本資産運用会社の役職員、本資産運用会社が資産運用に係る業務を受託する投資法人との間に特別の利害関係を有していない弁護士1名が就任しています。
③ KDXR資産運用業務に係る投資運用の意思決定に関する事項
本資産運用会社は、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、本投資法人の資産運用に関連し、上場リート本部運用ガイドライン(以下「運用ガイドライン」といいます。)を作成し、投資方針、利害関係者との取引ルール、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めます。
また、本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関連し、運用ガイドラインに従い、資産管理計画書及び中期運用計画等(中期運用計画及び年度運用計画をいいます。以下同じです。)を作成し、運用ガイドラインに定める投資方針、利害関係者との取引ルールに従い、投資物件を選定し、その取得を決定します。
運用ガイドライン、資産管理計画書及び中期運用計画等の制定及び変更に係る意思決定フロー並びに資産の取得及び売却に係る意思決定フローは原則として、以下のとおりです。
<意思決定フロー>
(注1) 運用ガイドラインに基づきコンプライアンス委員会の審議事項から除かれるものを除きます。
(注2) 当該取引が所定の軽微な取引に該当する場合には、本投資法人の役員会の承認の決議及び当該決議に基づく本投資法人の執行役員の同意を要せず、KDXR運用委員会の承認の決議をもって、当該取引を実施します。
(注3) 上記2、3及び5の取引については、本投資法人役員会にも報告します。
(イ) 本投資法人の資産の運用に係る投資方針に関する意思決定
運用ガイドラインは、各所管部門において起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の決裁を経て、コンプライアンス委員会で審議され、決議された後、KDXR運用委員会で審議され、決議されることにより、変更されます。運用ガイドラインが変更された場合、上場リート本部長は、遅滞なく取締役会及び本投資法人役員会にその旨を報告します。
運用ガイドラインは、投資環境や本投資法人の投資方針等を踏まえて必要に応じて適時に改定します。
(ロ) 本投資法人の資産の運用に関する意思決定
a. 資産管理計画書等に関する事項
資産管理計画書は、各所管部門により起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の承認を得ることにより、策定又は変更されます。中期運用計画等は、各所管部門により起案され、コンプライアンス・オフィサーにより審査された後、上場リート本部長の決裁を経て、その後KDXR運用委員会及び本投資法人役員会においてそれぞれ審議され、決議されることにより、策定又は変更されます。中期運用計画等が策定又は変更された場合、上場リート本部長は、遅滞なく取締役会にその旨を報告します。
資産管理計画書及び中期運用計画等は、所定の期間毎に策定又は見直しを行うこととします。資産管理計画書及び中期運用計画等について期間中に変更が生じた場合には、各所管部門は変更計画書を起案し、資産管理計画書及び中期運用計画等の策定と同様の手続で決定します。
b. 資産の取得及び売却に関する事項
資産の取得に際して、投資部は、各資産について、定められた手続に従い投資資産を選定します。
投資部は、投資資産の取得に関してコンプライアンス・オフィサーに議案を提出します。コンプライアンス・オフィサーが審査した後、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会に付議され、審議後決議されます。
ただし、コンプライアンス・オフィサーが必要と認める取引及び利害関係取引規程に定める利害関係取引、運用ガイドラインに定める方針、基準及び条件等を逸脱する又は運用ガイドラインにおいて定めのない取引(同ガイドラインに基づきコンプライアンス委員会の審議事項から除かれるものを除きます。)に該当する取引については、KDXR運用委員会における審議、決議の前に、コンプライアンス委員会で審議され、決議されます。
コンプライアンス委員会は、必要に応じて外部の専門家による意見書等を取得することができ、取得した意見書等は、判断の一助としてKDXR運用委員会に提出します。なお、外部の意見書等を取得することに代えて、弁護士、公認会計士又は不動産鑑定士の資格を有する者その他の当該分野における専門的知見、経験又は実績を有する者をコンプライアンス委員会に適宜同席させ、意見を聴取することもできます。
資産の売却に関しては、資産の取得と同様に、投資部で立案し、コンプライアンス・オフィサーに提出します。コンプライアンス・オフィサーが審査した後、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会で審議及び決議されますが、必要に応じて事前にコンプライアンス委員会で審議及び決議されます。
なお、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」に定める利害関係者との一定の取引については、一定の場合を除き本投資法人役員会の承認の決議及び当該決議に基づく本投資法人の執行役員の同意を得ることとされています。詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ハ) 各投資法人間における利益相反の防止(優先検討権の概要)
金融商品取引法上、資産運用会社が複数の投資法人等の資産運用を受託することは禁じられておらず、本資産運用会社は、本投資法人の他、ケネディクス・プライベート投資法人の資産の運用業務の受託も行っています。
本投資法人は、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設その他様々な用途の不動産を投資対象としているため、ケネディクス・プライベート投資法人と投資対象の一部が競合する関係にあります(注)。
(注) 本投資法人は、本投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人がそれぞれ取得検討対象とする物件タイプにつき競合する関係にあるものの、以下の「優先検討権」に関するルールに則り、東京23区に所在するオフィスビルについては一棟当たりの延床面積2,000㎡以上13,000㎡以下のオフィスビルが、東京23区以外に所在するオフィスビルについては一棟当たりの延床面積3,000㎡以上20,000㎡以下のオフィスビルが、原則として上場リート本部に優先検討権が付与されます。かかる延床面積の制限を鑑みれば、中規模オフィスビルのほとんどについては本投資法人に優先検討権が付与されることとなります。また、その他の投資対象についても、サービス施設及びホテルを除き、原則として上場リート本部に優先検討権が付与されることから、本投資法人が投資対象とする物件情報の取得について制約が生じる場合は限定的であると想定しています。
本資産運用会社は、各投資法人を運用する本部の本部長について、他のリート本部の本部長の兼任を禁止するとともに、かかる本資産運用会社の業務形態に照らし、その資産運用業務において各投資法人間で投資物件を取得する機会の競合が発生する可能性があるため、「パイプライン会議」を設置し、「優先検討権」に関するルールを採用することで、本資産運用会社が入手する不動産等売却情報(本資産運用会社が入手した各投資法人の投資対象となりうる不動産又は不動産を裏付けとする資産に関する購入希望者の探索に関する情報であり、かつ、各投資法人での投資の可否を検討可能な程度の情報をいいます。以下、本「(ハ) 各投資法人間における利益相反の防止(優先検討権の概要)」において同じです。)に関して、取得のための検討を優先して行う各投資法人を決定するルールを設け、かかるルールに則った運営を行うこととしています。本資産運用会社は、かかるルールを適切かつ円滑に運用することで、恣意的な不動産等売却情報の配分を防止し、もって各投資法人間における利益相反を防止し、各投資法人に対する業務の忠実性を確保することを目指しています。ここに、「優先検討権」とは、不動産等売却情報を入手した時点で、客観的かつ明確である建築基準法上の「用途」や登記簿上の「延床面積」等を基準とした優先検討機会の振り分けを実施するものです。
「パイプライン会議」及び「優先検討権」の詳細は、以下のとおりです。
a. パイプライン会議
委員 | コンプライアンス・オフィサー(議長)並びに各リート本部投資責任者及び投資部において各リート本部(各投資法人)を担当する責任者のうち、現に当該職位にある者(注) | |
審議内容 | ・ | 不動産等売却情報に係る優先検討権を有することとなる各本部(以下「優先検討権者」といいます。)の決定のパイプライン会議規程その他の社内ルール適合性の検証 |
・ | 優先検討権者の優先検討の終了の決定のパイプライン会議規程その他の社内ルール適合性の検証 | |
・ | その他上記に付随又は関連する事項 | |
審議方法等 | ・ | 構成員の3分の2以上の出席を要します。ただし、コンプライアンス・オフィサー並びに各リート本部投資責任者及び投資部において各リート本部(各投資法人)を担当する責任者(ただし、自己の担当しない各用途施設に関する事項又はこれに付随若しくは関連する事項のみを審議及び決議する場合における、当該各リート本部投資責任者及び当該リート本部(投資法人)を担当する投資部責任者を除きます。)は必ず出席(代理による出席を含みます。)することを要します。また、疑義を避けるため、該当する職位に着任している役職員が存在しない場合、当該構成員は構成員の数に算入されません。 |
・ | 決議は、コンプライアンス・オフィサーを含む出席構成員の3分の2以上の賛成によります。ただし、上場リート本部については決議の対象となる各用途施設について担当する投資責任者及び当該リート本部(投資法人)を担当する投資部責任者のみが議決権を有します。なお、疑義を避けるため、1人の構成員が複数の職位を兼任している場合においても、当該構成員は1個の議決権のみを有するものとします。 |
(注)当該リート本部(投資法人)を担当する投資部責任者は、それぞれが指名する投資部担当者をもって、代理させることができるものとされています。
b. 優先検討権の順位
各本部の優先検討権の順位は、各物件の用途毎に以下のとおり定めています。
i.オフィスビル(注1)
東京23区 | ||
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
2,000未満 | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
2,000以上~13,000以下 | 上場リート本部 | 私募リート本部 |
13,000超 | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
東京23区以外 | ||
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
3,000未満 | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
3,000以上~20,000以下 | 上場リート本部 | 私募リート本部 |
20,000超 | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
ii.居住用施設(注2)
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
全て | 上場リート本部 | 私募リート本部 |
iii.商業施設
商業施設(注3) | ||
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
全て | 上場リート本部 | 私募リート本部 |
サービス施設(注4) | ||
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
全て | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
iv.ホテル(注5)
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
全て | 私募リート本部 | 上場リート本部 |
v.ヘルスケア施設(注6)
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 |
全て | 上場リート本部 |
vi.物流施設(注7)
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 | 第2順位 |
全て | 上場リート本部 | 私募リート本部 |
vii.保育施設(注8)
一棟当たりの延床面積 (㎡) | 第1順位 |
全て | 上場リート本部 |
viii. 上記以外の用途施設(開発予定案件で開発の蓋然性が確認できない場合を含みます。)については、優先検討権は定めません。
ix.複数物件の優先検討権者を決定する場合、個別物件毎の検討が可能な場合には、各物件毎に、上記i.からviii.までに従って優先検討権を付与しますが、個別物件毎の検討が不可能な場合(バルクセールにおける一括売却の場合等を含みます。)には、以下に従って、優先検討権を付与します。
(i) 個別物件毎に、上記i.からviii.までに従って優先検討権を獲得できる物件数を算出し、当該物件数が最も多い各本部が優先して全ての物件について優先検討権を得ます。
(ii) 上記(i)に従い算出した優先検討権を獲得できる物件数が同数の場合には、優先検討権を獲得できる物件に係る延床面積の合計が最も大きい各本部が優先して全ての物件について優先検討権を得ます。
(注1)「オフィスビル」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、事務所用途の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注2)「居住用施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、住居用途の床面積が最大である賃貸住宅、サービスアパートメント、社宅、学生寮・学生マンション、短期滞在型マンション等の施設運営者付き住宅又はこれらを裏付けとする資産(ただし、下記(注8)に定めるヘルスケア施設に該当するものを除きます。)をいいます。
(注3)「商業施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち店舗用途の床面積が最大で、かつ、当該店舗用途のうち物品販売業を営む店舗(飲食店、コンビニエンスストア、アミューズメント施設及びテーマパーク等の複合的観光施設等を含みます。ただし、スポーツクラブ、結婚式場、学習塾、託児所(ただし、疑義を避けるため付言すると、下記(注10)に定める保育施設に該当するものを含みません。)、保険代理店、旅行代理店、マッサージ店、美容院・エステティックサロン及び公共テナントを除きます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注4)「サービス施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、店舗用途の床面積が最大で、かつ、当該店舗用途のうち、医療又は介護サービス以外のサービス業等を営む店舗(スポーツクラブ、結婚式場、学習塾、託児所、保険代理店、旅行代理店、マッサージ店、美容院・エステティックサロン、公共テナントをいいます。ただし、飲食店、コンビニエンスストア、アミューズメント施設及びテーマパーク等の複合的観光施設等を除きます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注5)「ホテル」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち、ホテル用途の床面積が最大で、かつ、集客性の高い立地に位置する、主として洋風の構造及び設備を有する宿泊施設である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注6)「ヘルスケア施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち住居及び福祉施設並びに医療又は介護関連施設用途の床面積が最大で、かつ、当該用途のうち有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、シニア向けマンション、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能施設、デイサービス等のシニアリビング施設及び病院、診療所、介護老人保健施設等のメディカル施設として使用される部分の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注7)「物流施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち倉庫又は工場用途(食品等の製造・加工等を行うプロセスセンター用途、食品庫用途を含みます。)の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注8)「保育施設」とは、不動産を構成する建物の建築基準法上の各用途の床面積のうち幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所その他これに類する用途の床面積が最大である不動産又はこれらを裏付けとする資産をいいます。
(注9)底地に関し優先検討権を得る各本部及びその順位は、当該底地に建築され、かつ、当該借地権を利用している用途施設の種類(複数の用途施設が存在する場合には、各用途施設のうち、床面積が最大なものの種類)を基準に決定されます。
c. 優先検討権の概要
ⅰ. 優先検討権に基づく不動産等売却情報の優先検討期間は、原則として、次回のパイプライン会議開催予定日までとします。ただし、コンプライアンス・オフィサーは、不動産等売却情報の性質に照らし、適切と判断される場合には、優先検討権者の決定に際し、当該期限を短縮することができます。
ⅱ. 優先検討権者が決定した後、優先検討権者となった各本部は優先検討期間終了時までに取得検討を継続するか否かを意思表明しなければなりません。なお、優先検討権者となった各本部を統括する本部長は、取得検討を継続するか否かを意思表明するにあたっては、その理由等についても明らかにしなければなりません。かかる意思表明はその理由等とともに、パイプライン会議に報告され、審議されます。
ⅲ. 優先検討権者について、取得検討を継続しない旨の各本部の決定がパイプライン会議において報告された場合において、パイプライン会議における修正がなされなかったときは、当該優先検討権者について優先検討権は失効し、この場合、他の本部が優先検討権者となります。
ⅳ. 本資産運用会社は、優先検討権の行使により物件を取得するか否かの判断について、各本部を統括する本部長の責任を明確化するとともに、その理由等をコンプライアンス・オフィサーを含む会議体であるパイプライン会議により審議することで、恣意的な優先検討権の行使を防止し、これにより各投資法人間における利益相反を防止します(注)。
(注)かかる利益相反防止のルールの実効性を確保するため、本資産運用会社においては、各リート本部を統括する本部長について、他のリート本部の本部長兼任を禁止しています。
d. 優先検討権の適用除外
以下の条件に該当する不動産等売却情報は、優先検討権の適用除外とされています。
・ 物件の売主又は不動産ファンド等の投資家若しくは不動産ファンド等の関係者により、物件(当該売主等が取得を予定する物件又は運用を予定する物件を含みます。)の取得候補者を指定されている不動産等売却情報
・ サポートライン覚書に基づき特定の投資法人が物件の取得候補者として指定されている不動産等売却情報(かかるウェアハウジングについては、後記「2 投資方針 (1) 投資方針 ② 本投資法人の成長戦略 (イ) 投資物件の取得方法(外部成長) c. ウェアハウジング機能による機動的な投資物件取得」をご参照下さい。)
・ 契約上の優先交渉権又は将来の取得検討機会が付されており、物件の取得候補者を指定されている不動産等売却情報
④ 投資運用に関するリスク管理体制の整備状況
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、規約に沿って、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、運用ガイドラインを策定し、投資方針、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めています。本資産運用会社は、運用ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理方針、リスク管理部門及びリスク管理方法等を規定し、主要なリスクとして投資運用リスク、不動産管理リスク、財務リスク、法令遵守リスク、事故リスク、システムリスク及び事業継続リスクを定義し、各リスクを管理する部門を定めています。各リスクを管理する部門は、各リスクの項目・内容・対応方針等について、原則として2年に1度を目処として見直します。
(ロ) 組織体制
本資産運用会社は、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置づけており、取締役会、コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンス委員会により、コンプライアンスを推進する体制を整備しています。取締役会は、全社的なコンプライアンスの推進に関する基本的方針その他の基本的事項を決定し、また、コンプライアンスの推進状況について、コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンス委員会に適宜報告を求めることができます。また、取締役会は、コンプライアンス委員会外部委員、各リート本部の運用委員会外部委員及びコンプライアンス・オフィサーの任命を決議します。コンプライアンス・オフィサーは、本資産運用会社内のコンプライアンス体制を確立するとともに、法令やルールを遵守する企業風土を醸成することに努めます。また、コンプライアンス・オフィサーは、職務責任権限規程その他の本資産運用会社規程に基づきコンプライアンス上の重大な問題の有無等について審査を行います。更に、コンプライアンス委員会の委員長として、本資産運用会社内のコンプライアンスに関する事項を統括します。具体的には、コンプライアンス・マニュアル等の立案・整備及びコンプライアンス・プログラムに基づく、役職員等に対する定期的な指導・研修、法令等の遵守状況の検証等の業務を行います。コンプライアンス・マニュアルの策定及び変更は、コンプライアンス・オフィサーが立案し、コンプライアンス委員会で審議・決議された後、取締役会で決議されることにより行われます。コンプライアンス・プログラムの策定及び変更は、コンプライアンス・プログラムを統括するコンプライアンス・オフィサーにより立案され、コンプライアンス委員会の審議を経て取締役会の承認により行われます。ただし、取締役会で承認されたコンプライアンス・プログラムからの軽微な変更やプログラムの個別具体的内容、実施時期及び進め方等の決定及び変更は、コンプライアンス・オフィサーの承認により行われます。コンプライアンス・プログラムは、原則として事業年度毎に策定し、その進捗状況は、コンプライアンス・オフィサーからコンプライアンス委員会及び取締役会に定期的に報告されます。その他、コンプライアンスに関する重要な事項は、コンプライアンス委員会で審議・決議し、取締役会へ報告されます。コンプライアンス部は、コンプライアンス・オフィサーの補助者として、コンプライアンス・オフィサーの指揮に従い、コンプライアンス・オフィサーの業務の一切の補助を行うものとします。
内部監査部長は、内部監査担当者として、内部監査規程に基づき、内部監査を実施し、内部監査で発見・指摘した問題点等を正確に反映した内部監査報告書を作成します。内部監査担当者は、内部監査報告書を遅滞なく代表取締役社長及び取締役会に報告します。被監査部門は、内部監査報告書で指摘された問題点について、その重要度合いを勘案した上で、遅滞なく改善計画を策定し、改善に努めます。内部監査担当者は、被監査部門による問題点の改善状況を適切に管理し、その達成状況を確認し、その後の内部監査計画に反映させます。取締役会又は内部監査担当者は、本資産運用会社の業務運営の適切性を確認するためその他の理由により必要があると判断したときは、外部の専門家による外部監査を行います。
(ハ) 上場リート本部利害関係取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 上場リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ニ) 内部者取引等管理規程
本資産運用会社では、内部者取引等管理規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引等の防止に努めています。なお、同規程によれば、本資産運用会社の役職員等が本投資法人の投資口を売買することは、原則として禁止されていますが、例外的にインサイダー取引として法令で禁止されない場合において、かつ(a)累積投資契約に基づき取得する場合又は(b)持投資口会を通じて取得する場合に限り、本資産運用会社の役職員等は本投資法人の投資口を取得することができます。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、物件の取得額及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを策定し、当該リスクを管理しています。
2 投資方針
(1)投資方針
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、主として不動産等の特定資産に投資し、収益の安定的な獲得と投資資産の持続的な成長を図ることにより、投資主利益の極大化を目指します。 本投資法人は、かかる目的を達成するため、「トレンド(Trend)」を捉え「タイミング(Timing)」を逃さない柔軟かつ機動的な投資を行い、ポートフォリオを構築していきます。 本投資法人は、ケネディクス株式会社の理念と人材を受け継ぐ本資産運用会社にその資産運用を委託することにより、この目的を実現していきます。 |
(中略)
ポートフォリオ構築に当たっては、ポートフォリオ構築方針に基づき、リスク/リターンのバランスがとれた投資物件を選別します。具体的には、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設、その他様々な用途の不動産を投資対象とし、これらに投資を行います。なお、個別の投資物件については、資産運用のための個別投資基準に定める厳格かつ明確な基準を踏まえた検証を行います。
(中略)
② 本投資法人の成長戦略
(中略)
(ロ)投資物件の運営管理方法(内部成長)
(中略)
c.プロパティ・マネジメント業務(以下「PM業務」ということがあります。)の一括委託による効率的な運営
本投資法人は、投資方針に則り、多数の取得資産のPM業務を迅速かつ効率的に行うため、投資物件の用途等に応じて適切な委託を行うものとします。用途別の委託方針は、以下のとおりです。
<中規模オフィスビル>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、中規模オフィスビルに関する運営管理実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能なプロパティ・マネジメント業者であるケネディクス・プロパティ・デザイン株式会社に対して、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づきプロパティ・マネジメント業務を委託します。
<商業施設>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づき本資産運用会社が受託します。
<物流施設>多数の投資物件の運営管理業務を迅速かつ統一的に行うことにより効果的かつ効率的な運用業務を遂行するため、原則として、物流施設に関する運営管理実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能なプロパティ・マネジメント業務受託者であるケネディクス・プロパティ・デザイン株式会社に対して、投資物件毎に締結されたプロパティ・マネジメント契約に基づきプロパティ・マネジメント業務を委託します。
<その他のアセットタイプ>投資物件の運営管理業務について十分な実績があり、関係業者とのネットワークを有し、本投資法人の視点にたった運営遂行が可能な業者を選定します。
PM業務の一部を再委託する場合における再委託先の選定にあたっては、再委託先の不動産運営管理の経験や能力、関係業者とのネットワーク、本投資法人の視点に立った運営管理遂行の可否等を総合的に勘案した上で判断します。
(中略)
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略」に基づき、下記のポートフォリオの構築を目指します。
かかるポートフォリオ構築方針は、投資環境や本投資法人の投資方針等を踏まえて、本資産運用会社の判断により必要に応じて適時に改訂される場合があります。
(イ)用途
本投資法人は、不動産の用途を限定することなく、オフィス、居住用施設、商業施設、ヘルスケア施設、物流施設、宿泊施設、その他様々な用途の不動産を投資対象とし、これらに投資を行います。ゴルフ場は投資対象外とします。また、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)第2条第5項に定める性風俗関連特殊営業店は投資対象外とします。
(ロ)地域
投資対象地域については、物件の用途に応じて定めるものとし、その詳細は、後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定めるとおりとします。
(ハ)規模
投資物件の1投資物件当たりの最低投資規模及び最高投資規模の目標は、物件の用途に応じて定めるものとし、その詳細は、後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定めるとおりとします。
後記「(ニ)用途別投資対象地域・投資規模」に定める最低投資規模にかかわらず、以下に該当する場合は個別に当該投資物件の取得を行うことができます。
・ 複数の投資物件を一括で取得する際に、最低投資規模を下回る価格帯の投資物件が一部含まれる場合
・ 投資基準に合致する投資物件の取得条件交渉を行った結果、鑑定評価額は最低投資規模を上回るものの、取得価格が最低投資規模を下回る場合
・ 投資済物件の近接地にある施設又は投資済物件に関連性のある施設の場合
(ニ)用途別投資対象地域・投資規模
目標ポートフォリオ | ||||
A ・ 用 途 | オフィスビル | 中規模オフィスビル | オフィスビルのうち、建築基準法上の主たる用途が事務所である建物の全部事項証明書に記載された一棟全体の床面積の合計(以下、本(ニ)において「延床面積」といいます。)が以下に定める基準を満たす賃貸用オフィスビル ・東京23区 延床面積13,000㎡以下 ・東京23区以外 延床面積20,000㎡以下 | |
その他オフィスビル | オフィスビルのうち、中規模オフィスビルに該当しないもの | |||
居住用施設 | 賃貸住宅 | 賃貸住宅 | ||
施設運営者付き住宅 | サービスアパートメント、社宅、学生寮・学生マンション、短期滞在型マンション等 | |||
ヘルスケア施設 | シニアリビング施設 | 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、シニア向けマンション、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能施設、デイサービス施設等 | ||
メディカル施設 | 病院、診療所、医療モール、介護老人保健施設等 | |||
商業施設 | 生活密着型商業施設 | 日常生活に必要な商品・サービスを提供し、住宅地、又はロードサイド等、日常生活圏に立地している生活密着型商業施設 | ||
その他商業施設 | 生活密着型商業施設以外の商業施設 | |||
物流施設 | 物流施設 | |||
宿泊施設 | 宿泊施設 | |||
その他用途 | 上記に定める用途以外の施設 | |||
B ・ 地 域 | オフィスビル | 東京経済圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の主要都市、地方経済圏(政令指定都市をはじめとする地方中核都市) | ||
物流施設 | 主要一般道路や高速道路の利用利便性を有し、東京経済圏・地方経済圏へのアクセスが容易な地域 | |||
上記以外の用途 | 東京経済圏、地方経済圏。ただし、テナント又は利用者からの底堅い需要が見込まれる場合、上記以外の地域も対象とします。 | |||
C ・ 価 格 規 模 | 最低投資規模 | オフィスビル、宿泊施設 | 1投資物件あたり10億円以上 | |
居住用施設、ヘルスケア施設、商業施設、物流施設、その他 | 1投資物件あたり5億円以上 | |||
最高投資規模 | 当該投資物件取得後の取得価格総額に対する当該物件の取得価格の比率について、20%を上限とします。 |
(ホ)運用期間
本投資法人は、原則として中長期的観点から投資物件を取得し、短期売買目的の投資物件の取得は行いません。ここで、短期とは1年未満の期間を、中期とは1年以上5年以下の期間を、長期とは5年を超える期間をいいます。
ただし、投資物件について以下の各号に該当する事象が発生した場合には、当該物件の短期売却を検討及び実施することがあります。
a.本投資法人のポートフォリオ構築上、売却を行うことが本投資法人の中長期的な戦略から見て適切であると判断される場合
b.平均的な実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望先が現れた場合等、売却を行うことが本投資法人の収益獲得に寄与する場合
c.経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損、劣化等により、当初想定した賃貸事業収支の確保が困難となり、追加的な措置によっても回復の見込みがないと判断される場合
④ 個別投資基準
立地 | 用途、地域、規模毎の特性に応じた地域分析や個別分析を行い、これらを総合的に勘案して投資判断を行います。 |
設備・仕様 | 地域又はそれぞれの用途若しくは物件特性に応じた標準的水準以上の仕様と判断される物件又は標準的水準以上の仕様に変更可能な物件とします。 |
遵法性 | 都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)、建築基準法等、関連する諸法令を遵守している物件(既存不適格物件を含みます。)とします。ただし、関連法令を遵守できていない物件のうち、取得後、是正可能な物件に関しては、投資対象とすることがあります。 借地権が設定された土地(底地)を取得する場合の、当該土地上の建物については、これら投資対象の基準を満たすことを要しません。 |
構造 | 主たる建物が鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨造の物件を原則的な対象とします。 上記にかかわらず、主たる建物が木造の場合についても投資対象として検討することができるものとします。なお、主たる建物が木造の建物である場合の投資の検討に際しては、耐火性その他当該建物を含む物件の状況に応じ、木造建物のリスクに関する要素について調査の上検討するものとします。 |
耐震性 | 新耐震基準(注1)に基づく建築物に相当する耐震性を有し、個別のPML値(注2)が20%未満であり、かつ、当該物件の取得後におけるポートフォリオ全体のPML値が10%未満を維持できる物件とします。 ただし、次に該当する物件については、投資対象として個別に検討することができます。 (1) 地震保険を付保しても、なお投資経済性が維持できる物件 (2) 取得後に耐震補強工事が実施可能であり、当該工事により上記の基準を満たすことが可能と判断される物件 借地権が設定された土地(底地)を取得する場合の、当該土地上の建物については、これら投資対象の基準を満たすことを要しません。 |
環境・地質 ・ESGへの配慮 | 専門業者が作成したエンジニアリングレポート、地歴調査報告書等において、有害物質等が内在する可能性が低く、又は内在しているが当該有害物質に関連するすべての法令に基づき適法に保管あるいは処理等がなされている旨の記載がなされ、かつ、本資産運用会社の調査により運用上の障害の可能性が低いと判断された物件とします。 不動産の投資運用における環境、社会、ガバナンス(ESG)への配慮の重要性を認識し、企業の社会的責任として持続可能な社会の実現を目指したサステナビリティの向上のため、投資にあたっては、適宜、対象物件における環境や社会への配慮についても考慮することとし、また、ポジティブ・インパクト不動産投資についても検討を行うものとします。 |
テナント (エンドテナント)及びオペレーター | (1) 属性、信用力、業種、使用目的、賃貸借契約の条件、テナント入替えの可能性、施設運営者付き住宅及び宿泊施設の場合は、施設運営能力等を総合的に勘案した上で、投資判断を行います。 (2) 特定の同一テナントからの賃料収入(共益費・駐車場使用料・倉庫使用料等を含み、複数物件に入居している場合はその総額とします。)がポートフォリオ全体の賃料収入に占める比率(4月末及び10月末の契約賃料ベースとします。)は、原則として15%を上限とします。 ただし、上記の上限値を超えるものの、テナントの信用力やテナント入替えの可能性等を総合的に勘案した結果、ポートフォリオの安定運営上、好影響を及ぼすと判断される場合は、個別に取得を検討することができます。 (3) ヘルスケア施設のオペレーターを選定するに当たっては、関連法令及び諸規則を遵守し、オペレーターの信用力及びオペレーションに関する内容を総合的に勘案します。なお、保育施設についても同様します。 |
権利関係 | 土地及び建物を取得する場合には、原則として、敷地も含めた一棟の建物全体に係る独立した所有権が取得できる物件とします。ただし、下記(1)から(6)の形態の物件についても、各々に定める検証を行った上で投資対象とすることがあります。 |
(1) 共有物件 | |
・ 管理運営(賃貸・改良行為等)の自由度を確保するため、共有持分割合が50%超であることを原則としますが、他の共有者の属性や信用力、物件の特性等を総合的に考慮し、個別に投資判断を行います。 ・ 処分の自由度を確保するため、共有者間協定等による共有者間の優先買取権や譲渡制限等の有無、内容等を確認します。 ・ 収益の安定性を確保するため、他の共有者の属性や信用力等を十分確認の上、仕組み上の手当て(共有物不分割特約の締結、登記の具備や敷地の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限りません。)を講じます。 | |
(2) 区分所有建物及びその敷地 | |
・ 管理運営の自由度を確保するため、区分所有議決権が50%超であることを原則としますが、他の区分所有者の属性や信用力、物件の特性等を総合的に考慮し、個別に投資判断を行います。なお、区分所有建物の一部が当該建物の他の用途と異なる用途に供される物件については、当該区分所有建物に係る管理規約等において、投資を検討する用途部分の所有者等において一定の裁量が確保できていることを条件に、区分所有議決権が50%未満の区分所有案件であっても投資対象とすることができます。 ・ その他、処分の自由度を確保するため、管理規約等による区分所有者間での優先買取権や譲渡制限等の有無や内容を確認します。 ・ 収益の安定性を確保するため、管理組合の運営状況(積立金、負債比率、付保状況等)を確認し、必要に応じて独自の手当て(本投資法人内の積立額増額、管理組合とは別途の共用部付保や敷地権の登記の具備を含みますが、これらに限りません。)を講じます。 | |
(3) 借地権付建物 | |
・ 原則として、旧借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権を対象とします。 ・ 底地権者の属性を慎重に検討し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替え時の承諾料又は売却の際の承諾料等が収益性に与える影響を考慮の上、投資判断を行います。 | |
(4) 借地権が設定された土地(底地) | |
・ 借地権者の属性や賃料負担能力の有無等を慎重に検討し、当該借地契約期間満了後の収益確保の見通しも踏まえて総合的に投資判断を行います。 |
(5) 境界 | |
・ 隣接地との境界確認が未了の物件については、隣接地の所有者や属性、経緯、現地の状況等を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 | |
(6) 用益権や越境物等 | |
・ 第三者による地上権・地役権等の用益権が設定されている不動産については、その内容や相手方を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 ・ 隣接地からの越境物が存在する物件、又は隣接地への越境物が存在する物件については、越境物の内容や所有者、経緯、覚書締結の有無等を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 | |
(7) その他 | |
・ 借家権については、前各号に該当する物件を取得する際に付随するものの他は、原則として投資対象としません。 ・ 抵当権等の担保権が設定されている物件については、原則として投資対象としません。投資物件の検証に当たっては、担保権の有無や購入時の担保権抹消の可能性等を確認します。 | |
開発案件 | ・ 原則として、安定的な賃貸事業収入又はこれに類する収入が現に生じている若しくは生じる見込みがある物件を投資対象とします。 ・ 建築前又は建築中である土地建物について、建物の許認可リスクや完工リスクが低減され、賃貸マーケットの状況や賃貸借予約契約の存在等により竣工後のテナントの確保が十分可能であり、ポートフォリオ全体に過大な影響を与えない場合には、当該建物の竣工前においても投資対象とすることができます。この場合、本投資法人が建物の建築に係る請負契約の注文者になることもできます。 ・ 本投資法人が、宅地の造成又は建物の建築に係る工事を自ら実行する(上記の規定に基づき請負契約の注文者になることを除きます。)こととなる取引は行いません。 |
現物不動産と信託受益権の選択 | 投資物件の取得に当たり、現物不動産の形態で取得するか、信託設定を行った上で信託受益権の形態で取得するかは、現所有者の意向、取得時の流通コスト、取得後の管理コスト等を総合的に勘案して判断します。 |
(注1)「新耐震基準」とは、1981年に施行された建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法施行令」といいます。)の改正(昭和56年4月24日政令第144号)に基づき制定された耐震基準をいい、① RC柱の帯筋比の規定の新設(0.2%以上)、② 水平震度から層せん断力係数への見直し、③ 耐震計算に関する二次設計の規定の新設がなされた結果、耐震性能が大幅に向上することの契機となった耐震基準をいいます。
(注2)「PML(Probable Maximum Loss)値」とは、地震による予想最大損失率を意味します。PML値は、個別建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものに分けられます。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年= 一般的な建物の耐用年数)中での超過確率10%の損失額(=再現期間475年の損失額)の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。
投資物件の取得に当たっては、対象不動産の収益性調査、市場調査、法的調査、鑑定評価等の詳細な調査(デューデリジェンス)を実施します。各種調査及び鑑定評価については、専門性、客観性、透明性の観点から、利害関係を有しない独立した外部業者へ調査を委託します。
⑤ 匿名組合出資持分若しくは不動産対応証券又はLPS持分への投資
本投資法人は、不動産に関する匿名組合出資持分(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (イ)不動産同等物」に定義されます。以下同じです。)若しくは不動産対応証券又は又はLPS持分への投資を行う場合は、主として以下の内容を基準にします。
なお、本⑤による投資を行う場合については、前記「④ 個別投資基準」に定める個別投資基準に合致することを要しません。
(イ)不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資については、当該投資後において、不動産に関する匿名組合出資持分及び不動産対応証券に対する投資額の合計が、総資産額(注)の10%以内となること。
(ロ)LPS持分への投資については、当該投資後において、LPS持分に対する投資額の合計が、東京証券取引所が定める諸規則等を踏まえ、総資産額(注)の5%以内となること。
(ハ)LPS持分への投資については、そのキャッシュフローの主たる源泉が主として不動産等から生じるキャッシュフローであること。
(注)総資産額は、直近の決算期の貸借対照表における資産の部の金額とし、有形固定資産については鑑定評価額と期末帳簿価額との差額を当該有形固定資産の期末帳簿価額に加減して求めた金額とします。
⑥ 運営管理方針
(イ)運用計画の策定
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間毎に「年度運用計画」を策定し、計画的な資産運用を行います。年度運用計画は、投資物件毎の収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画より構成され、上場リート本部長の決裁を経て、KDXR運用委員会の審議及び決議を経て、各営業期間開始後2か月以内に策定されます。上場リート本部長は、年度運用計画が策定された場合には、本投資法人の役員会に提出し、承認を得ます。
本資産運用会社は、各投資物件及びポートフォリオ全体について、収支実績を随時検証します。期中の収支予算と実績に著しい乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正運用計画を策定します。
投資物件の取得又は売却、市場環境の変化等、投資物件やポートフォリオの状況に大きな変化が生じた場合についても、適宜、年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)運営管理のモニタリング
本資産運用会社は、上記の「年度運用計画」を基に、投資物件の賃貸運営、建物管理、修繕・改修等の各方面から、プロパティ・マネジメント業務受託者の運営管理活動をモニタリングします。
また、本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント業務受託者との間で、以下の事項に関する確認及び対応策等についての業務報告会を定期的に開催し、計画に沿った運営管理を実行・維持するための協議を行います。
・ 収支実績及び予算との対比
・ 稼働率の状況及び予算との対比
・ 既存テナントの動向
(賃料等の回収・延滞状況、テナントからの要望・苦情等の有無とその対処状況、賃貸借契約の更新・解約等の動向等)
・ 周辺地域における賃貸市場の動向
・ 新規テナント募集活動の状況
(入居検討先、募集条件、空室期間等)
・ 建物管理の状況
(躯体や設備の維持管理状況、法定定期点検の実施状況等)
・ 修繕工事の実施状況及び予算との対比
・ 今後必要な修繕工事及び大規模改修工事の計画
・ 収益向上、経費削減に向けた方策の検討
・ その他、協議が必要と考える事項
ヘルスケア施設に関しては、運営管理方針・計画、運営状況及びオペレーターの信用状況等について、定期的なモニタリングを実施するとともに、モニタリング結果を踏まえ、必要な改善策を検討します。なお、宿泊施設及び保育施設についても、同様とします。
ヘルスケア施設について施設の運営に問題が発生した場合には、必要に応じて、オペレーターに対して建物・設備に関する修繕や改修の提案、運営方法・営業手法の提案等を行い協議することにより、オペレーターと協力して施設の運営の安定化に努めます。更に、それらの対応をしてもなお施設の運営の問題が改善されない場合や法令違反等運営の継続性に重大な支障が生じた場合には、オペレーターの交代を検討します。なお、宿泊施設及び保育施設についても、同様とします。
(ハ)ESGへの配慮
本資産運用会社は、不動産の投資運用における環境、社会、ガバナンス(ESG)配慮の重要性を認識し、企業の社会的責任として持続可能な社会の実現を目指したサステナビリティの向上のため、運用にあたっては対象物件における環境や社会への配慮についても考慮することとします。
(中略)
⑧ 修繕及び設備投資の方針
(イ)中長期的かつ安定的な収益を確保することを目的として、投資物件の競争力の維持・向上につながる効率的な修繕計画を投資物件毎に作成し、修繕及び設備投資を行います。
(ロ)修繕及び設備投資のうち、会計上資本的支出と分類されるものについては、原則として、ポートフォリオ全体での合計額がポートフォリオ全体の減価償却費合計額の範囲内となるように実施します。ただし、ポートフォリオの競争力を維持・向上させるために必要と判断される多額の支出や、緊急性を要する多額の支出が発生する場合は、財務政策上支障のない範囲で、ポートフォリオ全体の減価償却費合計額を超えて行うことがあります。
(ハ)共用部分の改修工事については、テナントに対する営業政策上の観点から早期に検討及び実施します。
(ニ)耐震補強が必要な建物については、テナントの営業状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに検討及び実施します。
(中略)
⑩ 財務方針
(中略)
(ニ)資金運用
a.本投資法人に帰属する余剰資金(本投資法人の固有勘定内及び不動産信託の信託勘定内)は、無利息型の普通口座(預金保険制度により全額保護の対象となる普通預金)又はムーディーズ・ジャパン株式会社の短期預金格付がP-2以上若しくはS&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社の自国通貨建て短期格付けがA-2以上である銀行の普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座(以下、普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座を総称して「預金口座」といいます。)に預け入れます。ただし、上記記載に該当しない普通口座又は預金口座を使用する場合には、適正な管理を行います。
b.余剰資金は、原則として、以下の項目に対して支出することができます。なお、規約上では安全性及び換金性を重視した上で有価証券及び金銭債権(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)d.」及び同「e.」に掲げる有価証券(ただし、LPS持分を除きます。)及び金銭債権をいいます。以下、本(ニ)において同じです。)への投資ができることとされていますが、当面は運用を目的とした有価証券又は金銭債権への投資は行わないこととします。
・投資物件の取得又は設備投資等
・本投資法人の運営資金
・分配金の支払
・債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)
c.デリバティブ取引に係る権利への投資は、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としてのみ行います。
d.投資物件の賃貸に際し調達した敷金又は保証金等の預り金の運用方法は、原則として上記a.に準じた取扱いを行います。ただし、ヒストリカルデータの蓄積やコミットメントラインの導入等、預り金返還の安全性が確保できると判断される場合は、資金効率の観点から上記b.に準じた運用を行うことができます。
(中略)
(4) 投資制限
① 規約に基づく投資制限
本投資法人の規約に基づく投資制限は以下のとおりです。
(イ)投資制限(規約別紙1「資産運用の対象及び方針 投資方針及び投資制限」)
a.有価証券及び金銭債権に係る制限
本投資法人は、前記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)d.」及び同「e.」に定める有価証券(ただし、LPS持分を除きます。)及び金銭債権への投資を、安全性及び換金性を重視して行うものとし、積極的な運用益の取得のみを目指した投資を行わないものとします。
b.デリバティブ取引に係る制限
本投資法人は、前記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ)g.」に定めるデリバティブ取引に係る権利への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としてのみ行うものとします。
c.本投資法人は、投資対象となる不動産(不動産を除く不動産等及び不動産対応証券の裏付けとなる不動産等を含みます。)を国内に所在する不動産に限定します。
d.本投資法人は、外貨建資産への投資は行わないものとします。
e.本投資法人は、その有する特定資産の価額合計額に占める特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の割合を100分の75以上となるようその資産を運用するものとします。
(ロ)組入資産の貸付(規約別紙1「資産運用の対象及び方針 組入資産の貸付の目的及び範囲」)
a.本投資法人は、中長期的な安定収益の確保を目的として、運用資産に属する不動産(本投資法人が取得する不動産等以外の不動産関連資産の裏付けとなる不動産を含みます。)を賃貸(駐車場、看板等の設置等を含みます。)することができます。
b.本投資法人は、不動産の賃貸に際し、敷金又は保証金等これらに類する金銭を収受することがあり、かかる収受した金銭を前記投資方針に従い運用することができます。
c.本投資法人は、運用資産に属する不動産(本投資法人が取得する不動産以外の不動産関連資産の裏付けとなる不動産を含みます。)以外の運用資産の貸付けを行うことがあります。
(ハ)借入れ及び投資法人債発行に係る制限(規約第33条)
a.借入れの目的
本投資法人は、安定した収益の確保及び運用資産を着実に成長させることを目的として、資金の借入れ又は投資法人債の発行を行うことができます。
借入れ及び投資法人債により調達した金銭の使途は、資産の取得、修繕、分配金の支払、本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金及び保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等とします。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。
b.借入金の限度額
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ2兆円とし、かつ、その合計額が2兆円を超えないものとします。
c.借入先
資金を借入れる場合は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
d.担保の提供
上記a.の規定に基づき借入れを行う場合又は投資法人債を発行する場合、本投資法人は、運用資産を担保として提供することができます。
② その他の投資制限
本投資法人は、有価証券の引受け及び信用取引は行いません。
(3)変更の年月日
2023年11月1日