有価証券報告書(内国投資証券)-第34期(2022/06/01-2022/11/30)
(1)リスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資証券及び本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している個別の不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③その他投資資産の主要なもの(イ)投資不動産物件の概要 d.個別不動産等の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落する可能性があり、その結果として、本投資証券又は本投資法人債券の投資家が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の提出日現在における本投資法人及び資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資証券の流動性に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を単一用途に限定していることによるリスク
(ロ)投資対象不動産が地域的に又は特定の物件に偏ることに関するリスク
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥、瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(ロ)土地の境界等に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ヌ)マスターリースに関するリスク
(ル)転貸に関するリスク
(ヲ)テナントの集中に関するリスク
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ)共有物件に関するリスク
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
(タ)借地物件に関するリスク
(レ)借家物件に関するリスク
(ソ)開発物件に関するリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)フォワード・コミットメントに係るリスク
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
(ロ)感染症の拡大等に関するリスク
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資証券は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、本投資証券の売却に限定されます。
本投資証券の市場価格は、金融商品取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、国内外の金利情勢、経済情勢、不動産市況、ウクライナ情勢を含む国際情勢や資源価格、電力料金その他の物価の状況、その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。特に、感染が世界的に拡大している新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動は停滞し、不動産投資信託証券の市場価格も影響を受けています。今後、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大やその長期化、政府による緊急事態宣言やこれに伴う地方自治体の措置や要請等により、更なる経済活動の抑制又はその長期化が生じ、金融商品市場や本投資口の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、本投資法人若しくは資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価額で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資証券の流動性に関するリスク
本投資証券は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。本投資証券の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資証券の東京証券取引所における売却が困難若しくは不可能となった場合には、投資主は、本投資証券を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、改修工事等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、水光熱費、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対しては、その期における投資口保有期間が異なるにもかかわらず、当該計算期間の期首から存在する投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、影響を受ける可能性があります。更に、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値が希薄化する可能性があります。
(ヘ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を単一用途に限定していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等をその投資対象としています。従って、本投資法人の運用成績は、景気の動向に左右されるオフィスビル需要に大きく影響を受けるといえ、かかる要因により、本投資法人の収益が左右される可能性があります。
(ロ)投資対象不動産が地域的に又は特定の物件に偏ることに関するリスク
本投資法人は、資産規模に対する比率として60%以上を東京主要5区に所在する主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等に投資することを投資方針としており、今後もその予定です。また、本書の提出日現在、東京主要5区に所在する主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産への投資比率は、ポートフォリオ全体の80.5%(取得価格ベース)となっています。このように、投資対象となる不動産が地域的に偏在していることから、首都圏における地域経済や不動産マーケットの変動、地震・台風等の災害、人口変動等の特有な事象の発生によって、本投資法人の収益に重大な影響が生じる可能性があります。
また、資産規模に占める割合が大きい個別の資産に関して、地震その他の災害による影響、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合、本投資法人の財務状況等に影響を与える可能性があります。
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、スポンサー・サポート契約を締結しており、同社から提供される物件等に関する情報に基づく物件取得の機会を活用することを検討しています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、資産運用会社に不動産に関する情報の提供を受ける権利を与えるものにすぎず、大和証券グループ本社は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで確保されているわけではありません。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、また、ポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上のため適切であると考える場合には、迅速な外部成長を達成するために、他の投資法人との合併による外部成長手段を用いることを排除するものではありません。
かかる合併が行われた場合、運用ガイドラインに定めるポートフォリオ構築方針とは異なる資産構成になることや本投資法人の財務状況に変動が生じる可能性があります。更に、合併により本投資法人が企図するシナジー効果又は費用削減の効果等のメリットが得られず、また、合併の条件によっては本投資法人の投資主の持分が希薄化される可能性もあり、結果として、投資主に損害を及ぼす可能性があります。
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人は、保有する運用資産又はその原資産の全部又は一部を今後、新規の借入れ又は既存の借入れについて担保に供することがあります。この場合、本投資法人は、被担保債権を弁済しない限り、担保対象たる運用資産を処分し、又は運用不動産たる建物の建替等を行うに当たり、貸付人の承諾を取得する等の制限を受ける場合があります。その結果、本投資法人が必要とする時期や売却価格を含む条件で運用資産や運用不動産を処分等できないおそれがあります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合に出資する場合、本投資法人の出資を営業者が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上に適切であると考える場合には、外部成長を達成するために、不動産を担保としている金銭債権及び不動産信託受益権を担保としている金銭債権を信託する信託受益権又は担保とする債券(以下「金銭債権等」といいます。)に投資することを排除するものではありません。かかる投資が行われた場合、金銭債権等の債務者から直接に担保としている不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
一方、金銭債権等の評価が下落した場合には、会計上の評価損が発生する可能性や、当該金銭債権等の回収を行う場合に、当初投資した金額未満しか回収することができず、投資損失が発生する可能性があります。また、投資した金銭債権等が債務不履行により予定された金利・信託配当等を受け取れなくなる可能性があります。
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合、本投資法人の投資を特定目的会社が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、特定目的会社の保有する不動産等が想定した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により、本投資法人が投資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、優先出資証券への投資は、特定目的会社が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証がない場合があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
大和証券グループ本社は、本書の提出日現在、資産運用会社の発行済株式の全てを保有しており、資産運用会社の親会社に該当します。大和証券グループ本社は資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、また、資産運用会社の取締役の一部及び監査役には、同社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。更に、資産運用会社は、大和証券グループ本社と2009年6月17日付でスポンサー・サポート契約を締結しています(スポンサー・サポート契約については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ② 本投資法人及び本投資法人の関係法人の運営上の役割、名称及び関係業務の概要」をご参照下さい。)。
大和証券グループ本社は本投資法人の持続的かつ安定的な成長を図ることを目的として、資産運用会社への物件等の情報その他の資産運用会社の運営に関連する情報で、大和証券グループ本社が資産運用会社又は本投資法人にとって有用であると判断する情報を随時提供し、資産運用会社の人材確保への協力及びブリッジファンドの組成等へ商業上合理的な範囲内で協力することとされています。また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、2020年10月21日付でスポンサー・サポート契約の変更覚書を締結しており、本投資法人が短期投資法人債を発行しようとする際には、大和証券グループ本社はその引受け等を通じて本投資法人による資金調達に商業上合理的な範囲内で協力する旨の定めが定められています。更に、当該スポンサー・サポート契約に基づくスポンサー・サポートの一環として、資産運用会社はDRTとパイプラインサポート等に関する基本契約を締結しており、DRTからパイプラインサポートやウェアハウジング機能の提供を受けることができる旨が定められています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、商業上合理的な範囲内での協力を約束したものにすぎず、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が希望する条件で物件を取得し又は短期法人債を発行できることが確保されているわけではありません。DRTとのパイプラインサポート等に関する基本契約も、DRTに本投資法人の希望する条件で物件の売却等を義務づけるものではありません。
本投資法人及び資産運用会社は、大和証券グループ本社と密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いということができます。
従って、本投資法人及び資産運用会社が大和証券グループ本社との間で、本書の提出日現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人や資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンド等との間で取引を行う場合や物件を共同して運用・維持する場合、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンド等の利益を図るために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、資産運用会社の役職員には、大和証券グループ本社又はその子会社からの出向者である者及びそれらの会社が兼職先となっている者がいます。また、資産運用会社の役職員は、大和証券グループ本社の株式を取得することがあります。このため、大和証券グループ本社を含む大和証券グループと本投資法人の間に利益相反関係が生ずる場面では、資産運用会社の当該役職員と本投資法人との間でも同様に利益相反関係が生じる可能性があります。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の維持・向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の執行役員及び資産運用会社の個々の人材の能力、経験及びノウハウに大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、又は将来的に必要とされる人材が確保できない場合、本投資法人の運営に影響をもたらす可能性があります。
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
資産運用会社は、2010年3月24日付で、金融商品取引法第28条第3項に規定する投資助言・代理業を金融商品取引業の業務に追加する変更登録を完了し、投資助言業務を開始しました。投資助言業務における顧客と本投資法人が、特定の資産の賃貸借や取得又は処分に関して競合する場合において、投資法人の投資運用業に際して取得したテナントや物件等に関する情報を本投資法人のために利用せず投資助言業務の顧客に提供する等、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、投資助言業務における顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性が存します。資産運用会社は、これら利益相反その他の弊害の防止を目的として、適切かつ合理的な措置を講じるよう努めています。具体的には、資産運用会社は、同社の社内規程において、投資助言業務においては、本投資法人、大和証券リビング投資法人(DLI)、大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人(DRP)、大和証券ホテル・プライベート投資法人(DHP)若しくは大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人(DLP)の運用対象とはならない物件を取得する場合、又は本投資法人、DLI、DRP、DHP若しくはDLPが取得の優先権を行使しないと判断した物件を取得する場合を除き、新規物件取得に関する助言業務は行わないこととしています。また、投資助言業務の顧客である投資組合等と本投資法人との間の物件取引を制限することにより、利益相反が生ずる場面を極力回避しています。
また、資産運用会社は、2012年5月9日付で、資産運用会社が行う投資運用業の種別として投資一任契約に基づく投資運用業を追加する変更届出を、2012年5月30日付で、金融商品取引法第28条第2項に規定する第二種金融商品取引業を金融商品取引業の業務に追加する変更登録を、それぞれ完了しました。これらにより資産運用会社は本投資法人以外の投資法人又は不動産ファンド等の資産運用業務を受託することが可能となっています。資産運用会社の顧客である他の投資法人又は不動産ファンド等と本投資法人が、特定の資産の賃貸借や取得又は処分に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず当該他の投資法人又は不動産ファンド等の利益を優先し、あるいはかかる取扱いをしない場合においても、同一の資産運用会社が運用する投資法人及び不動産ファンド等において取得機会が競合する結果、本投資法人の資産の賃貸借や取得又は処分に影響を及ぼす可能性が存します。この点に関しては、投資一任業務の投資対象を主たる用途がオフィス以外である不動産等とすること、又は投資一任業務の投資対象を主たる用途がオフィスである不動産等とする場合であっても、本投資法人が取得の優先権を行使しないと判断した場合に限り、当該不動産等を取得するとすることで、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、利益相反が生じることを防止しています。
なお、資産運用会社は、2012年12月17日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDRPの設立を行い、2013年1月15日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DRPの投資対象は主たる用途を居住用施設(高齢者を入居・利用の対象としたヘルスケア施設を除きます。)とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
また、資産運用会社は、2014年1月7日付でクローズド・エンド型不動産投資法人である日本ヘルスケア投資法人(NHI)の設立を行い、2014年2月5日付で登録され、その資産の運用を受託して参りました。その後、資産運用会社は2018年10月1日付でクローズド・エンド型不動産投資法人である日本賃貸住宅投資法人(JRH)の運用を受託し、2020年4月1日付でJRHはNHIを吸収合併し、名称を大和証券リビング投資法人(DLI)へ変更しました。DLIは東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場しています。DLIの投資対象は主たる用途を居住用施設並びにヘルスケア施設(高齢者を入居・利用の対象とした介護施設及び居住施設(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等))とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
更に、資産運用会社は、2018年3月7日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDHPの設立を行い、2018年3月26日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DHPの投資対象は主たる用途を宿泊用施設(主たる用途が居住用施設であるものを宿泊用に提供するものは含みません。)とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
また、資産運用会社は、2019年12月5日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDLPの設立を行い、2019年12月24日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DLPの投資対象は主たる用途を物流施設とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務付けられております(金融商品取引法第42条)。更に、資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を担当する部署を投資助言業務及び投資一任業務を担当する部署とは別の部署とした上で、双方の部署がそれぞれ有する情報を適切に管理することにより、上記のような弊害の未然防止に努めています。
兼業業務による弊害が生じないよう、上記のような措置がとられていますが、これらの措置が適切に運用されない場合には、本投資法人及び投資主に損害が発生する可能性があります。
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
本投資法人の発行する投資口及び投資法人債の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象になっています。
本投資法人の投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の影響をもたらすおそれがあります。
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運用形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券です。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。従って、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」及び「(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥、瑕疵及び契約不適合に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性や種類、品質若しくは数量に関して契約の内容に適合しない場合があり、また、かかる欠陥、瑕疵又は契約不適合等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、当該行政法規の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証や建物が適正に施工されているとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵又は契約不適合の存在等が取得後に判明するおそれもあります(建物の施工を請負った建設会社又はその下請業者において、建物が適正に施工されない場合があり得るほか、免震装置、制振装置その他の建築資材の強度・機能等の不具合や基準への不適合がないとの保証はありません。)。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求することを想定していますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。更に、取得資産の売主は、いずれも主として不動産信託受益権の保有のみを目的とする法人で契約上瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負うこととされている場合であっても、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担するに足りる資力を有しない可能性があります。
また、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)による民法改正(以下「民法改正」といい、民法改正前の民法を「旧民法」といいます。)の施行日である2020年4月1日より前に締結された不動産の売買においては、旧民法の規定が適用され(民法改正法附則第34条第1項等)、特約で排除されていない限り、その対象となる不動産に隠れた瑕疵があった場合には、売主は、旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負うことになります。買主は、瑕疵があることを知った日から1年以内に解除権又は損害賠償請求権の行使をすることができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、不動産に係る物理的、法的な瑕疵があり、それが隠れたものである場合には、上記に従い、本投資法人は売主に対して瑕疵担保責任を追及することができますが、かかる期間制限を超えて瑕疵担保責任を追及することはできません。また、本投資法人が売主となる場合、瑕疵担保責任を追及されるおそれがあります。
他方で、民法改正法の施行日である2020年4月1日以後に締結された不動産の売買においては、民法改正後の民法の規定が適用され、その対象となる不動産が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負うことになります。買主は、契約不適合を知った時から1年以内に、売主に対して契約不適合であることについて通知をした場合、責任を追及することができ、また、売主が不動産の引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときには、かかる期間制限なく、契約不適合による担保責任を追及することができます。買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものである場合を除き、責任の追及として、契約不適合が売主の責めに帰すべき事由によるものであるか否かを問わず、履行の追完請求権や代金減額請求権を行使することができます。また、買主は、不履行の程度が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときを除き、契約を解除することができます。更に、買主は、契約不適合について売主の責めに帰すべき事由がある場合、履行利益も含み得る損害賠償責任を追及することができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、上記に従い、本投資法人は売主に対して契約不適合による担保責任を追及することができますが、上記一定の場合を除き期間制限を超えて責任を追及することはできません。
更に、本投資法人が買主であるときに、売主がSPC(特別目的会社)である等売主の資力が十分でない場合や売主が清算又は倒産した場合等、実際には売主に対して瑕疵担保責任、契約不適合による担保責任又は売買契約等の違反による責任を追及することにより損害の回避又は回復を図ることができない場合があります。また、個別の事情により、売買契約上売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する期間又は補償金額を限定し、又はこれを全く負わない旨の特約をすることがあります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅建業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任又は契約不適合に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵又は契約不適合等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵又は契約不適合等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。隣地との越境や境界紛争に起因して損害賠償を請求される可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)土地の境界等に関するリスク
我が国においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が影響を受ける可能性があります。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約リスク、更新がなされないリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
従って、本書の提出日現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
火災、地震、津波、大雨、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、前記「(ニ) 災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク」と同様、本投資法人は影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価値が下落する可能性があります。
また、民法改正後の民法においては、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情がある場合、賃借人が修繕権を持つものとされています。かかる修繕権を、賃貸借契約上特約で排除していない場合、予期しない金額で賃借人が賃貸人のコントロールの及ばない修繕を行うおそれがあり、かかる費用の請求を受けるおそれがあります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。本投資法人はいわゆる新耐震基準を満たさない既存不適格物件を取得する可能性があります。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致させる必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下「都市計画法」といいます。)又は地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず保有不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法又は収用、再開発若しくは区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事を実施したり、排出権等を取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、当該不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、不動産の取得時において、売主とその前所有者の間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主とその前所有者の間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ヌ)マスターリースに関するリスク
本投資法人が運用する不動産は、マスターリース会社(転貸人)が本投資法人又は信託受託者(賃貸人)とマスターリース契約を締結した上でエンドテナント(転借人)に対して転貸する、マスターリースの形態をとる場合があります。
マスターリースの形態をとる不動産においては、マスターリース会社の財務状態が悪化した場合、エンドテナントからマスターリース会社に賃料が支払われたにもかかわらず、マスターリース会社から本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
(ヲ)テナントの集中に関するリスク
不動産が一又は少数のテナントに賃貸される場合は、当該テナントの退去、支払能力の悪化、利用状況その他の事情により、当該不動産の収益が大きく影響を受けるおそれがあります。更に、かかるテナントが退去する場合には、敷金等の返還のために一度に多額の資金を要し、また、大きな面積の空室が生じ当該不動産の収益が急激に悪化することがあるとともに、新テナントを誘致するのに時間を要し、かつ、場合によってはテナントに有利な条件での契約を求められ、本投資法人の収益が影響を受けるおそれがあります。
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)の規制対象となる風俗営業者である場合には、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の稼働率や賃料水準が低下する可能性があります。
(カ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び当該分割請求において、現物分割が不可能又は分割によりその価格を著しく減少させるおそれがあるときには、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、特約の有効期間(5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その特約が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。従って、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されており、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権と解されるおそれがあり、また、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押えられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。
区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができるため、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。これらの場合、本投資法人は、他の区分所有者に係る立替払金の償還を請求することができ、かかる請求権については区分所有法第7条により担保権(先取特権)が与えられていますが、当該他の区分所有者の資力の如何によっては、償還を受けることができない可能性があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。但し、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができません(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記の正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人の希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないとき又は抵当権等の実行が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合には、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払があらかじめ約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上、借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(タ)借地物件に関するリスク」の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、本投資法人の規約及び資産運用会社の運用ガイドラインに定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するためにあらかじめ開発段階で売買契約を締結する可能性又は開発用地を取得する可能性があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性その他の不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を負担する可能性があります。また、仮にこれらのリスクを排除又は軽減するための手当てを講じている場合であってもそれが十分である保証はありません。なお、資産運用会社は2021年7月19日付で運用ガイドラインを変更し、開発物件に関する投資基準について、本投資法人が注文者となって投資する場合の投資基準や保有資産の建替え等を行う場合の投資基準を具体化するなどしていますが、これらの措置により上記の開発に係る各種リスクを完全に排除できるものではありません。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が影響を受ける可能性があります。
なお、本投資法人は、2021年12月16日付で取得した神田須田町二丁目開発用地においてオフィスビルの開発を進めており、2024年6月を目途として、開発・竣工した建物の引渡しを受ける予定ですが、当該プロジェクトに関し、上記のリスクが顕在化する可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地等の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
上記に加えて、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形態で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を保有するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、原則として、最終的には全て受益者に帰属することになります。従って、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は、原則として債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、株式や社債のような典型的な有価証券ほどの流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。以下「旧信託法」といいます。)の解釈上及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。以下「新信託法」といいます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負った場合には、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれのもとでも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。従って、本投資法人の意向に関わりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履行義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人がその準共有持分を処分する際に制約を受けることになります。その他、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメントに係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメントを行うことがあります。かかる売買契約が、買主の都合により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負うことになります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることもあります。フォワード・コミットメントの場合には、契約締結後、代金支払い・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取引取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」に記載する配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、計算期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の異動・減少、海外投資主比率の増加、資金の調達先、分配金支払原資の制限・不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない計算期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記「(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資証券の市場価格に影響を及ぼすこともあります。
なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
2009年4月1日以後終了した計算期間に係る導管性要件のうち、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号。その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法施行令」といいます。)に規定する配当可能利益の額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。従って、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる計算期間が生じる場合があり得ます。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の各計算期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入れを行う場合には投資法人が租税特別措置法に規定する機関投資家以外の者から借入れを行っていないことという要件があります。従って、本投資法人が何らかの理由により上記機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入れ又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の金額が租税特別措置法施行令に規定する配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
各計算期間毎に判定を行う導管性要件のうち、計算期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令で定めるものに該当していないこと(発行済投資口の総数又は一定の議決権総数の50%超が1人の投資主グループによって保有されていないこと等)とする要件、すなわち、同族会社要件については、本投資証券が市場で流通することにより、公開買付等により、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる計算期間が生じるリスクがあります。
本投資法人が同族会社要件を満たさなくなった場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
税法上、導管性要件のひとつに、計算期間末において投資法人の投資口が租税特別措置法に規定する機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(上記の機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の提出日現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。また、投資証券に係る税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資証券の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日)が、2005年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。この場合、遅延納付となった税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した計算期間の投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産の価格調査による調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物状況調査レポート及び地震リスク分析レポート等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞取りを行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)感染症の拡大等に関するリスク
感染症の発生・拡大により、投資対象不動産の収益が悪化し、本投資法人が損失を被るおそれがあります。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるテナントの売上げの大幅な減少等に伴い、テナントによる賃料減額請求や賃料支払いの繰延の請求が行われたり、賃料支払いが滞ったりする可能性があるほか、テナント退去による空室リスクが顕在化する可能性があります。また、影響が長期化する場合には、テナントの売上げやオフィスビルの賃貸需要等に長期的な影響が生じるおそれもあります。その結果、賃料の減額を余儀なくされたり、空室率が上昇し、本投資法人の収益が影響を受ける可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき適法に設立されており、執行役員1人及び監督役員2人並びに全ての執行役員及び監督役員により構成される役員会により運営され、原則として毎月1回の頻度で開催される役員会で、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の重要な業務遂行状況の報告を行っております。
この報告により、資産運用会社又はその利害関係者等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務遂行状況を適時に監視できる体制を維持しています。
本投資法人は、役員会において内部者取引管理規程を定め、インサイダー取引の防止に努めています。この規定に違反しないための牽制機能として懲罰規程も定めております。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、取締役会においてリスク管理規程を定め、各種リスク管理を行うため、取締役の中から代表取締役が指名する者をリスク管理統括責任者として任命し、各部署の部長をリスク管理責任者としています。これによりリスクを総合的に管理できる体制を整備しています。リスク管理統括責任者は、リスク管理の状況について少なくとも3ヶ月に1回、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告しています。コンプライアンス委員会には、外部から招聘したコンプライアンスに精通した社外専門家が参加しており、これにより一定の外部牽制機能を確保しています。なお、コンプライアンス委員会及び取締役会は、原則として1ヶ月に1回開催され、必要に応じて随時リスク管理統括責任者に報告を求めることができることになっております。
資産運用会社は、コンプライアンス規程等を定めて、法令等の遵守、受託者としての善管注意義務及び忠実義務を果たすよう最善の努力を図っております。
また、内部者取引管理規程及び役職員の有価証券の売買に関する規程を整備し、資産運用会社の役職員によるインサイダー取引の防止に努めております。
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資証券及び本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得している個別の不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③その他投資資産の主要なもの(イ)投資不動産物件の概要 d.個別不動産等の概要」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落する可能性があり、その結果として、本投資証券又は本投資法人債券の投資家が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の提出日現在における本投資法人及び資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資証券の流動性に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を単一用途に限定していることによるリスク
(ロ)投資対象不動産が地域的に又は特定の物件に偏ることに関するリスク
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥、瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(ロ)土地の境界等に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(ヌ)マスターリースに関するリスク
(ル)転貸に関するリスク
(ヲ)テナントの集中に関するリスク
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(カ)共有物件に関するリスク
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
(タ)借地物件に関するリスク
(レ)借家物件に関するリスク
(ソ)開発物件に関するリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)フォワード・コミットメントに係るリスク
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
(ロ)感染症の拡大等に関するリスク
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資証券は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、本投資証券の売却に限定されます。
本投資証券の市場価格は、金融商品取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、国内外の金利情勢、経済情勢、不動産市況、ウクライナ情勢を含む国際情勢や資源価格、電力料金その他の物価の状況、その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。特に、感染が世界的に拡大している新型コロナウイルス感染症の影響により、経済活動は停滞し、不動産投資信託証券の市場価格も影響を受けています。今後、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大やその長期化、政府による緊急事態宣言やこれに伴う地方自治体の措置や要請等により、更なる経済活動の抑制又はその長期化が生じ、金融商品市場や本投資口の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、本投資法人若しくは資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価額で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資証券の流動性に関するリスク
本投資証券は、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める「有価証券上場規程」に規定される上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。本投資証券の上場が廃止された場合、又はその他の理由で本投資証券の東京証券取引所における売却が困難若しくは不可能となった場合には、投資主は、本投資証券を希望する時期又は条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、改修工事等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、水光熱費、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資口の追加発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対しては、その期における投資口保有期間が異なるにもかかわらず、当該計算期間の期首から存在する投資口と同額の金銭の分配を行うこととなるため、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、影響を受ける可能性があります。更に、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値が希薄化する可能性があります。
(ヘ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を単一用途に限定していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等をその投資対象としています。従って、本投資法人の運用成績は、景気の動向に左右されるオフィスビル需要に大きく影響を受けるといえ、かかる要因により、本投資法人の収益が左右される可能性があります。
(ロ)投資対象不動産が地域的に又は特定の物件に偏ることに関するリスク
本投資法人は、資産規模に対する比率として60%以上を東京主要5区に所在する主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等に投資することを投資方針としており、今後もその予定です。また、本書の提出日現在、東京主要5区に所在する主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産への投資比率は、ポートフォリオ全体の80.5%(取得価格ベース)となっています。このように、投資対象となる不動産が地域的に偏在していることから、首都圏における地域経済や不動産マーケットの変動、地震・台風等の災害、人口変動等の特有な事象の発生によって、本投資法人の収益に重大な影響が生じる可能性があります。
また、資産規模に占める割合が大きい個別の資産に関して、地震その他の災害による影響、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合、本投資法人の財務状況等に影響を与える可能性があります。
(ハ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、スポンサー・サポート契約を締結しており、同社から提供される物件等に関する情報に基づく物件取得の機会を活用することを検討しています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、資産運用会社に不動産に関する情報の提供を受ける権利を与えるものにすぎず、大和証券グループ本社は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで確保されているわけではありません。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、また、ポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ニ)本投資法人の外部成長戦略に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上のため適切であると考える場合には、迅速な外部成長を達成するために、他の投資法人との合併による外部成長手段を用いることを排除するものではありません。
かかる合併が行われた場合、運用ガイドラインに定めるポートフォリオ構築方針とは異なる資産構成になることや本投資法人の財務状況に変動が生じる可能性があります。更に、合併により本投資法人が企図するシナジー効果又は費用削減の効果等のメリットが得られず、また、合併の条件によっては本投資法人の投資主の持分が希薄化される可能性もあり、結果として、投資主に損害を及ぼす可能性があります。
(ホ)投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で投資口の追加発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人は、保有する運用資産又はその原資産の全部又は一部を今後、新規の借入れ又は既存の借入れについて担保に供することがあります。この場合、本投資法人は、被担保債権を弁済しない限り、担保対象たる運用資産を処分し、又は運用不動産たる建物の建替等を行うに当たり、貸付人の承諾を取得する等の制限を受ける場合があります。その結果、本投資法人が必要とする時期や売却価格を含む条件で運用資産や運用不動産を処分等できないおそれがあります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合に出資する場合、本投資法人の出資を営業者が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ト)金銭債権投資及び金銭債権を信託する信託受益権への投資に関するリスク
本投資法人は、個別の物件購入による方法に加え、投資主価値の向上に適切であると考える場合には、外部成長を達成するために、不動産を担保としている金銭債権及び不動産信託受益権を担保としている金銭債権を信託する信託受益権又は担保とする債券(以下「金銭債権等」といいます。)に投資することを排除するものではありません。かかる投資が行われた場合、金銭債権等の債務者から直接に担保としている不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
一方、金銭債権等の評価が下落した場合には、会計上の評価損が発生する可能性や、当該金銭債権等の回収を行う場合に、当初投資した金額未満しか回収することができず、投資損失が発生する可能性があります。また、投資した金銭債権等が債務不履行により予定された金利・信託配当等を受け取れなくなる可能性があります。
(チ)特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合、本投資法人の投資を特定目的会社が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、特定目的会社の保有する不動産等が想定した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により、本投資法人が投資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。更に、優先出資証券への投資は、特定目的会社が開発する新規物件に係る優先交渉権等の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権等により当該新規物件を取得できる保証がない場合があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)大和証券グループ本社への依存、利益相反に関するリスク
大和証券グループ本社は、本書の提出日現在、資産運用会社の発行済株式の全てを保有しており、資産運用会社の親会社に該当します。大和証券グループ本社は資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、また、資産運用会社の取締役の一部及び監査役には、同社又はその子会社が兼職先となっている者がいます。更に、資産運用会社は、大和証券グループ本社と2009年6月17日付でスポンサー・サポート契約を締結しています(スポンサー・サポート契約については、前記「1 投資法人の概況 (3)投資法人の仕組み ② 本投資法人及び本投資法人の関係法人の運営上の役割、名称及び関係業務の概要」をご参照下さい。)。
大和証券グループ本社は本投資法人の持続的かつ安定的な成長を図ることを目的として、資産運用会社への物件等の情報その他の資産運用会社の運営に関連する情報で、大和証券グループ本社が資産運用会社又は本投資法人にとって有用であると判断する情報を随時提供し、資産運用会社の人材確保への協力及びブリッジファンドの組成等へ商業上合理的な範囲内で協力することとされています。また、資産運用会社は、大和証券グループ本社との間で、2020年10月21日付でスポンサー・サポート契約の変更覚書を締結しており、本投資法人が短期投資法人債を発行しようとする際には、大和証券グループ本社はその引受け等を通じて本投資法人による資金調達に商業上合理的な範囲内で協力する旨の定めが定められています。更に、当該スポンサー・サポート契約に基づくスポンサー・サポートの一環として、資産運用会社はDRTとパイプラインサポート等に関する基本契約を締結しており、DRTからパイプラインサポートやウェアハウジング機能の提供を受けることができる旨が定められています。しかし、大和証券グループ本社との間のスポンサー・サポート契約は、商業上合理的な範囲内での協力を約束したものにすぎず、当該スポンサー・サポート契約により、本投資法人が希望する条件で物件を取得し又は短期法人債を発行できることが確保されているわけではありません。DRTとのパイプラインサポート等に関する基本契約も、DRTに本投資法人の希望する条件で物件の売却等を義務づけるものではありません。
本投資法人及び資産運用会社は、大和証券グループ本社と密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する影響は相当程度高いということができます。
従って、本投資法人及び資産運用会社が大和証券グループ本社との間で、本書の提出日現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人や資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンド等との間で取引を行う場合や物件を共同して運用・維持する場合、大和証券グループ本社若しくはそのグループ会社又はこれらの会社が運用するファンド等の利益を図るために、本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、資産運用会社、一般事務受託者及び資産保管会社が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
なお、資産運用会社の役職員には、大和証券グループ本社又はその子会社からの出向者である者及びそれらの会社が兼職先となっている者がいます。また、資産運用会社の役職員は、大和証券グループ本社の株式を取得することがあります。このため、大和証券グループ本社を含む大和証券グループと本投資法人の間に利益相反関係が生ずる場面では、資産運用会社の当該役職員と本投資法人との間でも同様に利益相反関係が生じる可能性があります。
このほかに、資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の維持・向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財務的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本投資法人の執行役員及び資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の執行役員及び資産運用会社の個々の人材の能力、経験及びノウハウに大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、又は将来的に必要とされる人材が確保できない場合、本投資法人の運営に影響をもたらす可能性があります。
(ニ)資産運用会社の兼業業務によるリスク
資産運用会社は、2010年3月24日付で、金融商品取引法第28条第3項に規定する投資助言・代理業を金融商品取引業の業務に追加する変更登録を完了し、投資助言業務を開始しました。投資助言業務における顧客と本投資法人が、特定の資産の賃貸借や取得又は処分に関して競合する場合において、投資法人の投資運用業に際して取得したテナントや物件等に関する情報を本投資法人のために利用せず投資助言業務の顧客に提供する等、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、投資助言業務における顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性が存します。資産運用会社は、これら利益相反その他の弊害の防止を目的として、適切かつ合理的な措置を講じるよう努めています。具体的には、資産運用会社は、同社の社内規程において、投資助言業務においては、本投資法人、大和証券リビング投資法人(DLI)、大和証券レジデンシャル・プライベート投資法人(DRP)、大和証券ホテル・プライベート投資法人(DHP)若しくは大和証券ロジスティクス・プライベート投資法人(DLP)の運用対象とはならない物件を取得する場合、又は本投資法人、DLI、DRP、DHP若しくはDLPが取得の優先権を行使しないと判断した物件を取得する場合を除き、新規物件取得に関する助言業務は行わないこととしています。また、投資助言業務の顧客である投資組合等と本投資法人との間の物件取引を制限することにより、利益相反が生ずる場面を極力回避しています。
また、資産運用会社は、2012年5月9日付で、資産運用会社が行う投資運用業の種別として投資一任契約に基づく投資運用業を追加する変更届出を、2012年5月30日付で、金融商品取引法第28条第2項に規定する第二種金融商品取引業を金融商品取引業の業務に追加する変更登録を、それぞれ完了しました。これらにより資産運用会社は本投資法人以外の投資法人又は不動産ファンド等の資産運用業務を受託することが可能となっています。資産運用会社の顧客である他の投資法人又は不動産ファンド等と本投資法人が、特定の資産の賃貸借や取得又は処分に関して競合する場合、資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず当該他の投資法人又は不動産ファンド等の利益を優先し、あるいはかかる取扱いをしない場合においても、同一の資産運用会社が運用する投資法人及び不動産ファンド等において取得機会が競合する結果、本投資法人の資産の賃貸借や取得又は処分に影響を及ぼす可能性が存します。この点に関しては、投資一任業務の投資対象を主たる用途がオフィス以外である不動産等とすること、又は投資一任業務の投資対象を主たる用途がオフィスである不動産等とする場合であっても、本投資法人が取得の優先権を行使しないと判断した場合に限り、当該不動産等を取得するとすることで、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、利益相反が生じることを防止しています。
なお、資産運用会社は、2012年12月17日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDRPの設立を行い、2013年1月15日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DRPの投資対象は主たる用途を居住用施設(高齢者を入居・利用の対象としたヘルスケア施設を除きます。)とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
また、資産運用会社は、2014年1月7日付でクローズド・エンド型不動産投資法人である日本ヘルスケア投資法人(NHI)の設立を行い、2014年2月5日付で登録され、その資産の運用を受託して参りました。その後、資産運用会社は2018年10月1日付でクローズド・エンド型不動産投資法人である日本賃貸住宅投資法人(JRH)の運用を受託し、2020年4月1日付でJRHはNHIを吸収合併し、名称を大和証券リビング投資法人(DLI)へ変更しました。DLIは東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場しています。DLIの投資対象は主たる用途を居住用施設並びにヘルスケア施設(高齢者を入居・利用の対象とした介護施設及び居住施設(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等))とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
更に、資産運用会社は、2018年3月7日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDHPの設立を行い、2018年3月26日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DHPの投資対象は主たる用途を宿泊用施設(主たる用途が居住用施設であるものを宿泊用に提供するものは含みません。)とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産等を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
また、資産運用会社は、2019年12月5日付で非上場のオープン・エンド型不動産投資法人であるDLPの設立を行い、2019年12月24日付で登録され、その資産の運用を受託しています。DLPの投資対象は主たる用途を物流施設とする不動産等であるため、主たる用途をオフィスとする不動産及びかかる不動産を裏付けとする特定資産を投資対象とする本投資法人との間で、資産の賃貸借や取得又は処分等に関して利益相反が生じることを回避しています。
金融商品取引法上、資産運用会社は、本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務付けられております(金融商品取引法第42条)。更に、資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務を担当する部署を投資助言業務及び投資一任業務を担当する部署とは別の部署とした上で、双方の部署がそれぞれ有する情報を適切に管理することにより、上記のような弊害の未然防止に努めています。
兼業業務による弊害が生じないよう、上記のような措置がとられていますが、これらの措置が適切に運用されない場合には、本投資法人及び投資主に損害が発生する可能性があります。
(ホ)インサイダー取引規制に関するリスク
本投資法人の発行する投資口及び投資法人債の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象になっています。
本投資法人の投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の影響をもたらすおそれがあります。
(へ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運用形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
(ト)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(チ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等及び不動産対応証券です。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。従って、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」及び「(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥、瑕疵及び契約不適合に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性や種類、品質若しくは数量に関して契約の内容に適合しない場合があり、また、かかる欠陥、瑕疵又は契約不適合等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、当該行政法規の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証や建物が適正に施工されているとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵又は契約不適合の存在等が取得後に判明するおそれもあります(建物の施工を請負った建設会社又はその下請業者において、建物が適正に施工されない場合があり得るほか、免震装置、制振装置その他の建築資材の強度・機能等の不具合や基準への不適合がないとの保証はありません。)。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求することを想定していますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。更に、取得資産の売主は、いずれも主として不動産信託受益権の保有のみを目的とする法人で契約上瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負うこととされている場合であっても、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担するに足りる資力を有しない可能性があります。
また、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)による民法改正(以下「民法改正」といい、民法改正前の民法を「旧民法」といいます。)の施行日である2020年4月1日より前に締結された不動産の売買においては、旧民法の規定が適用され(民法改正法附則第34条第1項等)、特約で排除されていない限り、その対象となる不動産に隠れた瑕疵があった場合には、売主は、旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負うことになります。買主は、瑕疵があることを知った日から1年以内に解除権又は損害賠償請求権の行使をすることができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、不動産に係る物理的、法的な瑕疵があり、それが隠れたものである場合には、上記に従い、本投資法人は売主に対して瑕疵担保責任を追及することができますが、かかる期間制限を超えて瑕疵担保責任を追及することはできません。また、本投資法人が売主となる場合、瑕疵担保責任を追及されるおそれがあります。
他方で、民法改正法の施行日である2020年4月1日以後に締結された不動産の売買においては、民法改正後の民法の規定が適用され、その対象となる不動産が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負うことになります。買主は、契約不適合を知った時から1年以内に、売主に対して契約不適合であることについて通知をした場合、責任を追及することができ、また、売主が不動産の引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときには、かかる期間制限なく、契約不適合による担保責任を追及することができます。買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものである場合を除き、責任の追及として、契約不適合が売主の責めに帰すべき事由によるものであるか否かを問わず、履行の追完請求権や代金減額請求権を行使することができます。また、買主は、不履行の程度が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときを除き、契約を解除することができます。更に、買主は、契約不適合について売主の責めに帰すべき事由がある場合、履行利益も含み得る損害賠償責任を追及することができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、上記に従い、本投資法人は売主に対して契約不適合による担保責任を追及することができますが、上記一定の場合を除き期間制限を超えて責任を追及することはできません。
更に、本投資法人が買主であるときに、売主がSPC(特別目的会社)である等売主の資力が十分でない場合や売主が清算又は倒産した場合等、実際には売主に対して瑕疵担保責任、契約不適合による担保責任又は売買契約等の違反による責任を追及することにより損害の回避又は回復を図ることができない場合があります。また、個別の事情により、売買契約上売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する期間又は補償金額を限定し、又はこれを全く負わない旨の特約をすることがあります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅建業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任又は契約不適合に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵又は契約不適合等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵又は契約不適合等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。隣地との越境や境界紛争に起因して損害賠償を請求される可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)土地の境界等に関するリスク
我が国においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が影響を受ける可能性があります。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約リスク、更新がなされないリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
従って、本書の提出日現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ニ)災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク
火災、地震、津波、大雨、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、前記「(ニ) 災害等による建物の滅失、劣化及び毀損のリスク」と同様、本投資法人は影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価値が下落する可能性があります。
また、民法改正後の民法においては、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情がある場合、賃借人が修繕権を持つものとされています。かかる修繕権を、賃貸借契約上特約で排除していない場合、予期しない金額で賃借人が賃貸人のコントロールの及ばない修繕を行うおそれがあり、かかる費用の請求を受けるおそれがあります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。本投資法人はいわゆる新耐震基準を満たさない既存不適格物件を取得する可能性があります。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致させる必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下「都市計画法」といいます。)又は地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず保有不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法又は収用、再開発若しくは区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。
(チ)地球温暖化対策に関するリスク
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事を実施したり、排出権等を取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。
(リ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、当該不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、不動産の取得時において、売主とその前所有者の間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主とその前所有者の間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(ヌ)マスターリースに関するリスク
本投資法人が運用する不動産は、マスターリース会社(転貸人)が本投資法人又は信託受託者(賃貸人)とマスターリース契約を締結した上でエンドテナント(転借人)に対して転貸する、マスターリースの形態をとる場合があります。
マスターリースの形態をとる不動産においては、マスターリース会社の財務状態が悪化した場合、エンドテナントからマスターリース会社に賃料が支払われたにもかかわらず、マスターリース会社から本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に影響を及ぼす可能性があります。
(ヲ)テナントの集中に関するリスク
不動産が一又は少数のテナントに賃貸される場合は、当該テナントの退去、支払能力の悪化、利用状況その他の事情により、当該不動産の収益が大きく影響を受けるおそれがあります。更に、かかるテナントが退去する場合には、敷金等の返還のために一度に多額の資金を要し、また、大きな面積の空室が生じ当該不動産の収益が急激に悪化することがあるとともに、新テナントを誘致するのに時間を要し、かつ、場合によってはテナントに有利な条件での契約を求められ、本投資法人の収益が影響を受けるおそれがあります。
(ワ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。その後の改正を含みます。)に定める暴力団、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)の規制対象となる風俗営業者である場合には、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の稼働率や賃料水準が低下する可能性があります。
(カ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び当該分割請求において、現物分割が不可能又は分割によりその価格を著しく減少させるおそれがあるときには、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、特約の有効期間(5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その特約が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。但し、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。従って、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されており、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続の履践等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権と解されるおそれがあり、また、敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、本投資法人は、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて賃料債権全部が差し押えられたり、賃借人からの敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合に、敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、償還を受けることができないおそれがあります。また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続の対象となる、又は、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。
区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができるため、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、不動産関連資産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の不動産関連資産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が不動産関連資産の劣化を避けるため、その立替払を余儀なくされるおそれがあります。これらの場合、本投資法人は、他の区分所有者に係る立替払金の償還を請求することができ、かかる請求権については区分所有法第7条により担保権(先取特権)が与えられていますが、当該他の区分所有者の資力の如何によっては、償還を受けることができない可能性があります。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。但し、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができません(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記の正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人の希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないとき又は抵当権等の実行が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合には、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払があらかじめ約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上、借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(レ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(タ)借地物件に関するリスク」の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、本投資法人の規約及び資産運用会社の運用ガイドラインに定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するためにあらかじめ開発段階で売買契約を締結する可能性又は開発用地を取得する可能性があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性その他の不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を負担する可能性があります。また、仮にこれらのリスクを排除又は軽減するための手当てを講じている場合であってもそれが十分である保証はありません。なお、資産運用会社は2021年7月19日付で運用ガイドラインを変更し、開発物件に関する投資基準について、本投資法人が注文者となって投資する場合の投資基準や保有資産の建替え等を行う場合の投資基準を具体化するなどしていますが、これらの措置により上記の開発に係る各種リスクを完全に排除できるものではありません。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が影響を受ける可能性があります。
なお、本投資法人は、2021年12月16日付で取得した神田須田町二丁目開発用地においてオフィスビルの開発を進めており、2024年6月を目途として、開発・竣工した建物の引渡しを受ける予定ですが、当該プロジェクトに関し、上記のリスクが顕在化する可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地等の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
上記に加えて、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形態で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を保有するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、原則として、最終的には全て受益者に帰属することになります。従って、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は、原則として債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、株式や社債のような典型的な有価証券ほどの流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの。以下「旧信託法」といいます。)の解釈上及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。以下「新信託法」といいます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負った場合には、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託受益権の準共有等に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれのもとでも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。従って、本投資法人の意向に関わりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履行義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人がその準共有持分を処分する際に制約を受けることになります。その他、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメントに係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメントを行うことがあります。かかる売買契約が、買主の都合により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負うことになります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることもあります。フォワード・コミットメントの場合には、契約締結後、代金支払い・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取引取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
⑤ 税制等に関するリスク
(イ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」に記載する配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、計算期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の異動・減少、海外投資主比率の増加、資金の調達先、分配金支払原資の制限・不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない計算期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記「(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資証券の市場価格に影響を及ぼすこともあります。
なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。
(ロ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
2009年4月1日以後終了した計算期間に係る導管性要件のうち、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号。その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法施行令」といいます。)に規定する配当可能利益の額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。従って、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる計算期間が生じる場合があり得ます。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ハ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の各計算期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入れを行う場合には投資法人が租税特別措置法に規定する機関投資家以外の者から借入れを行っていないことという要件があります。従って、本投資法人が何らかの理由により上記機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ニ)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入れ又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の金額が租税特別措置法施行令に規定する配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
各計算期間毎に判定を行う導管性要件のうち、計算期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令で定めるものに該当していないこと(発行済投資口の総数又は一定の議決権総数の50%超が1人の投資主グループによって保有されていないこと等)とする要件、すなわち、同族会社要件については、本投資証券が市場で流通することにより、公開買付等により、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる計算期間が生じるリスクがあります。
本投資法人が同族会社要件を満たさなくなった場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないことによるリスク
税法上、導管性要件のひとつに、計算期間末において投資法人の投資口が租税特別措置法に規定する機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(上記の機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ト)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(チ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の提出日現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(リ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に影響をもたらす可能性があります。また、投資証券に係る税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資証券の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ヌ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日)が、2005年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期計算期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する計算期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額に相当する金銭の分配の額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ル)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。この場合、遅延納付となった税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した計算期間の投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産の価格調査による調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
建物状況調査レポート及び地震リスク分析レポート等は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞取りを行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)感染症の拡大等に関するリスク
感染症の発生・拡大により、投資対象不動産の収益が悪化し、本投資法人が損失を被るおそれがあります。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によるテナントの売上げの大幅な減少等に伴い、テナントによる賃料減額請求や賃料支払いの繰延の請求が行われたり、賃料支払いが滞ったりする可能性があるほか、テナント退去による空室リスクが顕在化する可能性があります。また、影響が長期化する場合には、テナントの売上げやオフィスビルの賃貸需要等に長期的な影響が生じるおそれもあります。その結果、賃料の減額を余儀なくされたり、空室率が上昇し、本投資法人の収益が影響を受ける可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び資産運用会社は、以上のようなリスクが投資リスクであることを認識しており、その上でこのようなリスクに最大限対応できるようリスク管理体制を整備しています。
しかしながら、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき適法に設立されており、執行役員1人及び監督役員2人並びに全ての執行役員及び監督役員により構成される役員会により運営され、原則として毎月1回の頻度で開催される役員会で、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の重要な業務遂行状況の報告を行っております。
この報告により、資産運用会社又はその利害関係者等から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務遂行状況を適時に監視できる体制を維持しています。
本投資法人は、役員会において内部者取引管理規程を定め、インサイダー取引の防止に努めています。この規定に違反しないための牽制機能として懲罰規程も定めております。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、取締役会においてリスク管理規程を定め、各種リスク管理を行うため、取締役の中から代表取締役が指名する者をリスク管理統括責任者として任命し、各部署の部長をリスク管理責任者としています。これによりリスクを総合的に管理できる体制を整備しています。リスク管理統括責任者は、リスク管理の状況について少なくとも3ヶ月に1回、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告しています。コンプライアンス委員会には、外部から招聘したコンプライアンスに精通した社外専門家が参加しており、これにより一定の外部牽制機能を確保しています。なお、コンプライアンス委員会及び取締役会は、原則として1ヶ月に1回開催され、必要に応じて随時リスク管理統括責任者に報告を求めることができることになっております。
資産運用会社は、コンプライアンス規程等を定めて、法令等の遵守、受託者としての善管注意義務及び忠実義務を果たすよう最善の努力を図っております。
また、内部者取引管理規程及び役職員の有価証券の売買に関する規程を整備し、資産運用会社の役職員によるインサイダー取引の防止に努めております。